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第八章
騎士アレフとウサギの友達 (4)
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テスタロッサの中心で、アレフは迫りくる槍の攻撃に懸命に剣を振るって攻撃を流し、赤い糸を頼りに避けたりしていた。
ショー曰く、この現状が一番望んでいる展開らしく、作戦会議では一対一で戦うことになればこちらの勝ちとまで話をしていた。
だが実際にはアレフは息も絶え絶えで、攻撃を避けるだけで精一杯だった。
本当にショーの言ったようになるのだろうか、と心の中で不安に思うほどだった。
すぐそばで戦っているワッカは、アーティファクトを駆使したりして攻防一戦の戦いを繰り広げていたが、一方のアレフは、ろくにアーティファクトを使えず、汗を垂らしながら、必死に攻撃を避けているだけだった。
アレフと対面している黄土色のガガゼゼも最初の方は余裕そうに槍を突いてきていたが、ずっと攻撃を避け続けるアレフにしびれを切らしたのか、鋭い牙を見せつけ、伸びた口元に生えている髭をピンと伸ばしては、少しイライラした表情をしていた。
「なぜ、当たらんのだ!」
少しではなく、とてもイライラしているガガゼゼが苛立ちを口にした。
次第に荒くなっていく槍の攻撃に、アレフは余裕が持てるようになると、素早く相手の懐に入り込んでは、小手先に向かって一撃と剣を振るった。
黄土色のガガゼゼはその攻撃を槍で受け止め、少しのけ反るとすぐさま体勢を立て直し、再びアレフに向かって槍で突いてきた。
しかし、その攻撃も避けるアレフに、ガガゼゼは槍で突くことを止め、今度は片手で適当に槍を振り回しながらアレフに攻撃を仕掛けてきた。
空いた左手を見て、アレフは身構えた。
黄土色のガガゼゼは攻撃を繰り出しながら、アーティファクトを着けた左手のグローブをアレフに向けた。
「〝トニトルーム(雷よ)〟」
その声と同時に、アレフも左手を前に出し、ガガゼゼに向かって唱えた。
「〝スぺクルム・リフレクト(鏡よ)〟」
アレフの目の前に現れた等身大の鏡は、ガガゼゼの放った雷を受けた。
アレフの左手には、少しの衝撃と痺れが伝わってくると、放たれた雷をそのまま、ガガゼゼへと返っていった。
突然の攻防にガガゼゼは驚くも、すぐに距離を取ろうと後退したが、時は既に遅く、黄土色のガガゼゼに雷が直撃した。
その瞬間、アレフと戦っていたガガゼゼの姿は消え、観客席に一瞬の沈黙が流れた後、はち切れんばかりの歓声がテスタロッサを包み込んだ。
「な、なんということでしょう……。最初に一本取ったのは、エルトナム学院の一年生騎士だ! この拮抗した状況を打破した、トンデモ新生が現れた!」
アレフは荒くなった呼吸を整えながら、闘技場の観客席を見渡した。
ある者は手を掲げ、ある者は拍手をアレフに送った。
その情景を見て、アレフは思わずにやけてしまう。
だが、アレフの傍で聞こえた金属音が、アレフを我に返させた。
アレフはすぐさま剣を持ち直し、息を整えると、近くで戦っているワッカに加勢しに行った。
「な、なんということでしょう……」
その実況と同時に、マースは口を大きく開き、持っていた小型の望遠鏡を落とした。
「な、な、なんと……」
「ウンウン。作戦通リ」
リィンは結末を知っていたかのように頷き、マーガレットは喜んで拍手を送っていた。
エトナは目から望遠鏡を離し、これ一番と喜び飛び跳ねた。
エトナは嬉しさのあまり、マーガレットのところまで行き、エトナとマーガレットは抱き着くように喜びを分かち合った。
「ああ、兄さん。あの時、あなたが守った子供たちがこんなにも逞しく成長していますぞ……」
マースはほろりと涙を流し、エトナにさえ届かぬほど小さい声で喜びに浸っていた。
エトナが喜んだ表情でテスタロッサの中心を見てみると、アレフは少しの間だけ立ち止まると、次の相手に向かって走っている姿が見えた。
アレフの加勢により、押され気味だったエルトナム学院の騎士たちはグランロッソ学院の騎士たちを巻き返すことに成功し、無事に一戦目はエルトナム学院赤の寮の勝利で収めた。
「みんな、お疲れ様。残すは黒の寮を打破したセカード学院との戦いだ。これに勝てば、優勝トロフィーを持って帰れる」
テスタロッサ地下の控え室では、ショーがタオルで汗を拭きながら話をしていた。
他の生徒も汗を拭いたり、飲み物を飲みながら、ショーへ振り向いて話を聞いていた。
アレフもベンチに座り、飲み物を飲みながら、ショーの話に耳を傾けていた。
気づけば朝方の緊張が嘘のように無くなったアレフは、すっかり気分が乗っていた。
「それにしてもよくやったアレフ。おかげで試合に勝てた。それとも、役不足だったか?」
「そうかもしれない」
アレフの返事に、他の生徒たちも笑っていた。
「昼休憩が終わった後、第三試合の三位決定戦。その後、俺たちの試合になる。ある程度余裕はあるから、各自、しっかり休憩してくれ」
ショーの話の後、一同は解散してアレフは控え室の外へ出た。
出た先の広場には、他の学院の生徒たちがちらほらと歩いていた。
その中から、リィンを見つけるのは簡単だった。
リィンはベンチに座りながら、壁に飾られていた歴代の優勝者の写真を見ながらぼーっとしていた。
「リィン。何か面白いものが写ってた?」
「ん? ああ、お疲れアレフ。いや、俺の爺ちゃんがいないかなっテ」
「お爺さん?」
「うん。極東の騎士学校を首席で卒業したんだ。その時に、決闘騎士の学院対抗戦に一年生と三年生の時に出場して。その二年とも優勝して返ってきたんだ。だから、ここの歴代写真の中にいるかなっテ」
リィンは壁に貼られている写真に指を差した。
アレフはリィンに寄り、指差す方を見た。
写真にはリィンそっくりの顔をした少年が、剣を肩に担ぎ、笑っていた。
全身に鉄鎧を纏い、左手には被っていたであろう兜を持っていた。
「もう八十年前の話ダ。当時の戦い見てみたかったナァ……」
リィンは少し残念そうに語るが、けれども誇らしげな顔をしていた。
「そっか。ところで、何で二年生の時は勝てなかったんだ?」
「二年生の時は個人戦だったんだト。爺ちゃん以外が惨敗で、勝てなかったんだ」
「なるほど」
「ま、爺ちゃんのように、俺もここに飾られている写真の内の一人になれるよう頑張るカ」
リィンは辺りに飾られている写真を見ながら、気合の入った声で話した。
アレフもつられて飾られている写真を見渡した。
その光景を見て、アレフは口を開いた。
「なら、後で本番前の練習に付き合ってよ」
リィンはアレフの言葉に「いいゾ」と応えた。
アレフはリィンに連れられ観客席まで行くと、エトナやマース、マーガレットが出迎えてくれた。
マースから大きな手を差し出され、アレフは目一杯に手を開いて、親指と人差し指でマースの手を挟み、握手をした。
「アレフ! 見事な戦いでしたぞ」
「ありがとう、マース」
アレフは笑顔でマースの言葉に応じた。
「さあ、ご飯にしましょうぞ。メルビス酒場の店主が腕に乗りをかけ、弁当を届けてくれましたから」
アレフに自慢するように、マースが観客席の一席に置かれている大きな黒の鞄の中から、水色の風呂敷に包まれた弁当を持ち出しては、アレフに一つ手渡した。
「ありがとう。なんだか、小学校の運動会を思い出すよ。マクレイン先生がこのくらいの大きさのお弁当を作って来てくれたんだ。エトナとマルクとマクレイン先生とね。一緒に食べてたんだ」
「ほお、それはさぞかし良い思い出でしょうな。あの方のことです、きっと美味しいお弁当だったに違いない」
マースは弁当をエトナやリィン、マーガレットにも手渡すと、マースは先ほど自分が座っていた席をアレフに譲り、鞄を地面に置くと、その席にマースが腰を下ろした。
アレフも譲ってくれた席に座ると、貰った弁当の風呂敷を膝上で開いた。
そうして、各々が弁当を突き、談笑し、刻々と時が流れた頃、誰よりも先に弁当の中身を空にしたエトナがぼそりと呟いた。
「さすがにマクレイン先生は見に来てないかな」
「ん? 会いたくなった?」
「そういう訳じゃないんだけどね。もしかしたら、いるんじゃないかなって」
エトナは食べ終わった弁当を風呂敷に包み、対岸の来賓席を見つめていた。
「アレフの晴れ舞台なんだし、見に来てくれてると思って」
「いたら嬉しいけど、マクレイン先生も忙しいから」
アレフは少し寂しそうに話すと、弁当に入っていたサンドイッチを頬張った。
その時、エトナは何かに気づいたのか「ん?」と言いながら、小型の望遠鏡を取りだして、来賓席の方を覗いた。
サンドイッチを咀嚼していたアレフは、エトナが突然背中を叩くので、口の中に入っていたサンドイッチを少しだけ噴き出した。
「な、何するのさ!」
「あれ、マクレイン先生だよ。来賓席のところ」
エトナは指を差しながら、持っている望遠鏡をアレフに突き出した。
アレフは食べかけのサンドイッチを弁当に戻すと、エトナから望遠鏡を取り、来賓席を覗いた。
望遠鏡で覗いた先には、マクレインとローレンスが話している姿が見えた。
なにやら真剣な表情で会話をしている姿を見て、アレフは望遠鏡で覗くことを止めた。
「本当だ。ローレンス学院長と一緒に話してる。何かの話をしているみたいだけ」
「ねえ、会いに行こうよ。学期が終わってからじゃないと家に帰れないんだし。せっかくだから会いに行こう」
「そうだね。行こう」
アレフとエトナはマースたちにマクレインに会いに行くと言うと、その場を去った。
ショー曰く、この現状が一番望んでいる展開らしく、作戦会議では一対一で戦うことになればこちらの勝ちとまで話をしていた。
だが実際にはアレフは息も絶え絶えで、攻撃を避けるだけで精一杯だった。
本当にショーの言ったようになるのだろうか、と心の中で不安に思うほどだった。
すぐそばで戦っているワッカは、アーティファクトを駆使したりして攻防一戦の戦いを繰り広げていたが、一方のアレフは、ろくにアーティファクトを使えず、汗を垂らしながら、必死に攻撃を避けているだけだった。
アレフと対面している黄土色のガガゼゼも最初の方は余裕そうに槍を突いてきていたが、ずっと攻撃を避け続けるアレフにしびれを切らしたのか、鋭い牙を見せつけ、伸びた口元に生えている髭をピンと伸ばしては、少しイライラした表情をしていた。
「なぜ、当たらんのだ!」
少しではなく、とてもイライラしているガガゼゼが苛立ちを口にした。
次第に荒くなっていく槍の攻撃に、アレフは余裕が持てるようになると、素早く相手の懐に入り込んでは、小手先に向かって一撃と剣を振るった。
黄土色のガガゼゼはその攻撃を槍で受け止め、少しのけ反るとすぐさま体勢を立て直し、再びアレフに向かって槍で突いてきた。
しかし、その攻撃も避けるアレフに、ガガゼゼは槍で突くことを止め、今度は片手で適当に槍を振り回しながらアレフに攻撃を仕掛けてきた。
空いた左手を見て、アレフは身構えた。
黄土色のガガゼゼは攻撃を繰り出しながら、アーティファクトを着けた左手のグローブをアレフに向けた。
「〝トニトルーム(雷よ)〟」
その声と同時に、アレフも左手を前に出し、ガガゼゼに向かって唱えた。
「〝スぺクルム・リフレクト(鏡よ)〟」
アレフの目の前に現れた等身大の鏡は、ガガゼゼの放った雷を受けた。
アレフの左手には、少しの衝撃と痺れが伝わってくると、放たれた雷をそのまま、ガガゼゼへと返っていった。
突然の攻防にガガゼゼは驚くも、すぐに距離を取ろうと後退したが、時は既に遅く、黄土色のガガゼゼに雷が直撃した。
その瞬間、アレフと戦っていたガガゼゼの姿は消え、観客席に一瞬の沈黙が流れた後、はち切れんばかりの歓声がテスタロッサを包み込んだ。
「な、なんということでしょう……。最初に一本取ったのは、エルトナム学院の一年生騎士だ! この拮抗した状況を打破した、トンデモ新生が現れた!」
アレフは荒くなった呼吸を整えながら、闘技場の観客席を見渡した。
ある者は手を掲げ、ある者は拍手をアレフに送った。
その情景を見て、アレフは思わずにやけてしまう。
だが、アレフの傍で聞こえた金属音が、アレフを我に返させた。
アレフはすぐさま剣を持ち直し、息を整えると、近くで戦っているワッカに加勢しに行った。
「な、なんということでしょう……」
その実況と同時に、マースは口を大きく開き、持っていた小型の望遠鏡を落とした。
「な、な、なんと……」
「ウンウン。作戦通リ」
リィンは結末を知っていたかのように頷き、マーガレットは喜んで拍手を送っていた。
エトナは目から望遠鏡を離し、これ一番と喜び飛び跳ねた。
エトナは嬉しさのあまり、マーガレットのところまで行き、エトナとマーガレットは抱き着くように喜びを分かち合った。
「ああ、兄さん。あの時、あなたが守った子供たちがこんなにも逞しく成長していますぞ……」
マースはほろりと涙を流し、エトナにさえ届かぬほど小さい声で喜びに浸っていた。
エトナが喜んだ表情でテスタロッサの中心を見てみると、アレフは少しの間だけ立ち止まると、次の相手に向かって走っている姿が見えた。
アレフの加勢により、押され気味だったエルトナム学院の騎士たちはグランロッソ学院の騎士たちを巻き返すことに成功し、無事に一戦目はエルトナム学院赤の寮の勝利で収めた。
「みんな、お疲れ様。残すは黒の寮を打破したセカード学院との戦いだ。これに勝てば、優勝トロフィーを持って帰れる」
テスタロッサ地下の控え室では、ショーがタオルで汗を拭きながら話をしていた。
他の生徒も汗を拭いたり、飲み物を飲みながら、ショーへ振り向いて話を聞いていた。
アレフもベンチに座り、飲み物を飲みながら、ショーの話に耳を傾けていた。
気づけば朝方の緊張が嘘のように無くなったアレフは、すっかり気分が乗っていた。
「それにしてもよくやったアレフ。おかげで試合に勝てた。それとも、役不足だったか?」
「そうかもしれない」
アレフの返事に、他の生徒たちも笑っていた。
「昼休憩が終わった後、第三試合の三位決定戦。その後、俺たちの試合になる。ある程度余裕はあるから、各自、しっかり休憩してくれ」
ショーの話の後、一同は解散してアレフは控え室の外へ出た。
出た先の広場には、他の学院の生徒たちがちらほらと歩いていた。
その中から、リィンを見つけるのは簡単だった。
リィンはベンチに座りながら、壁に飾られていた歴代の優勝者の写真を見ながらぼーっとしていた。
「リィン。何か面白いものが写ってた?」
「ん? ああ、お疲れアレフ。いや、俺の爺ちゃんがいないかなっテ」
「お爺さん?」
「うん。極東の騎士学校を首席で卒業したんだ。その時に、決闘騎士の学院対抗戦に一年生と三年生の時に出場して。その二年とも優勝して返ってきたんだ。だから、ここの歴代写真の中にいるかなっテ」
リィンは壁に貼られている写真に指を差した。
アレフはリィンに寄り、指差す方を見た。
写真にはリィンそっくりの顔をした少年が、剣を肩に担ぎ、笑っていた。
全身に鉄鎧を纏い、左手には被っていたであろう兜を持っていた。
「もう八十年前の話ダ。当時の戦い見てみたかったナァ……」
リィンは少し残念そうに語るが、けれども誇らしげな顔をしていた。
「そっか。ところで、何で二年生の時は勝てなかったんだ?」
「二年生の時は個人戦だったんだト。爺ちゃん以外が惨敗で、勝てなかったんだ」
「なるほど」
「ま、爺ちゃんのように、俺もここに飾られている写真の内の一人になれるよう頑張るカ」
リィンは辺りに飾られている写真を見ながら、気合の入った声で話した。
アレフもつられて飾られている写真を見渡した。
その光景を見て、アレフは口を開いた。
「なら、後で本番前の練習に付き合ってよ」
リィンはアレフの言葉に「いいゾ」と応えた。
アレフはリィンに連れられ観客席まで行くと、エトナやマース、マーガレットが出迎えてくれた。
マースから大きな手を差し出され、アレフは目一杯に手を開いて、親指と人差し指でマースの手を挟み、握手をした。
「アレフ! 見事な戦いでしたぞ」
「ありがとう、マース」
アレフは笑顔でマースの言葉に応じた。
「さあ、ご飯にしましょうぞ。メルビス酒場の店主が腕に乗りをかけ、弁当を届けてくれましたから」
アレフに自慢するように、マースが観客席の一席に置かれている大きな黒の鞄の中から、水色の風呂敷に包まれた弁当を持ち出しては、アレフに一つ手渡した。
「ありがとう。なんだか、小学校の運動会を思い出すよ。マクレイン先生がこのくらいの大きさのお弁当を作って来てくれたんだ。エトナとマルクとマクレイン先生とね。一緒に食べてたんだ」
「ほお、それはさぞかし良い思い出でしょうな。あの方のことです、きっと美味しいお弁当だったに違いない」
マースは弁当をエトナやリィン、マーガレットにも手渡すと、マースは先ほど自分が座っていた席をアレフに譲り、鞄を地面に置くと、その席にマースが腰を下ろした。
アレフも譲ってくれた席に座ると、貰った弁当の風呂敷を膝上で開いた。
そうして、各々が弁当を突き、談笑し、刻々と時が流れた頃、誰よりも先に弁当の中身を空にしたエトナがぼそりと呟いた。
「さすがにマクレイン先生は見に来てないかな」
「ん? 会いたくなった?」
「そういう訳じゃないんだけどね。もしかしたら、いるんじゃないかなって」
エトナは食べ終わった弁当を風呂敷に包み、対岸の来賓席を見つめていた。
「アレフの晴れ舞台なんだし、見に来てくれてると思って」
「いたら嬉しいけど、マクレイン先生も忙しいから」
アレフは少し寂しそうに話すと、弁当に入っていたサンドイッチを頬張った。
その時、エトナは何かに気づいたのか「ん?」と言いながら、小型の望遠鏡を取りだして、来賓席の方を覗いた。
サンドイッチを咀嚼していたアレフは、エトナが突然背中を叩くので、口の中に入っていたサンドイッチを少しだけ噴き出した。
「な、何するのさ!」
「あれ、マクレイン先生だよ。来賓席のところ」
エトナは指を差しながら、持っている望遠鏡をアレフに突き出した。
アレフは食べかけのサンドイッチを弁当に戻すと、エトナから望遠鏡を取り、来賓席を覗いた。
望遠鏡で覗いた先には、マクレインとローレンスが話している姿が見えた。
なにやら真剣な表情で会話をしている姿を見て、アレフは望遠鏡で覗くことを止めた。
「本当だ。ローレンス学院長と一緒に話してる。何かの話をしているみたいだけ」
「ねえ、会いに行こうよ。学期が終わってからじゃないと家に帰れないんだし。せっかくだから会いに行こう」
「そうだね。行こう」
アレフとエトナはマースたちにマクレインに会いに行くと言うと、その場を去った。
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