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本編
御者の責任
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御者は王の前に捕らえられ、呼び出されていた。
(逃げられなかった…!!)
アリバイ作りに協力してくれる善良な市民など居なかった。そりゃそうだろう。目もうろうろと泳がせ、視線を碌に合わせようとしない。常に汗が顔から垂れていて、そして上から目線。まるで協力される事が前提とした口ぶり。何故そんな事をしなければいけないかを聞くと、あやふやに誤魔化してくる。そんな怪しい部外者に協力してくれる人間など居なかった。
(俺、俺は悪くないと言ってくれる誰かがいるはずだ…!!そりゃ、馬車に細工はしたけど、落ちたのは完全な事故だろう?クロウ様…クロウ様はあの女が憎いはずだし、俺のことを庇ってくれるに決まっている)
体に巻かれた、ロープはギリギリと御者を苦しめる。それに周りから向けられる視線が刺さる。
御者は余りの緊張感に耐えられず、下を向いた。ポタリ、と床に汗が落ちる。
「ルュイト…シュウベルト。緊急の件の為、正直に答えろ。お前が馬車に細工をして、イアリス嬢を落としたように仕向けた様だな。それは誠か」
「ち、違います。あれは改造です!その、早く走らせようと」
「お前にそんな技術はあるのか?」
「ありません…けれど、あれは事故なんです!!本当です!信じてください!!」
「馬車作りの専門家によると車輪を改造しても早くはならないらしいが…おかしいな」
(俺が車輪をイジった事を告発したヤツがいるのか……!?)
「万が一事故だったとして、だ。何故お前はイアリス嬢が崖から落ちた後、誰にも報告せず逃げた?本当に事故なら報告するはずだろう?それにアリバイを作ろうとしていたようだな?ルュイト・シュウベルト」
御者はあぁ、いゃ、と小さな声で呟いた。王はその態度が腹立たしく感じたのだろう。勢い良く椅子を叩かせると、その音が部屋に響いて、何人かの肩が震える。御者もその一人だった。彼は王の顔をチラリと覗くと、また下を俯く。
(こいつがやったことは一目瞭然だ。他にもこのルュイトとかいう者がイアリス嬢への憎しみを語っていたという証言もある)
王は御者を見下ろす。鋭い眼差しだった。
「牢獄に捕らえておけ」
勿論…イアリス嬢を殺した罪でだった。
王の家来が御者をロープで絡められている腕を掴むと、無理矢理立たせる。御者は抵抗しようとした。しかし彼のひ弱な力では騎士程の力のある家来をぴくりとも動かせれない。
「違います!やめてください!俺はただクロウ様の為に!居ないんですか?!クロウ様…、!?」
家来は、暴れるな、と言って御者を気絶させる。ガクリと脱力した御者は、引きずられてこの部屋を出ていく。
(逃げられなかった…!!)
アリバイ作りに協力してくれる善良な市民など居なかった。そりゃそうだろう。目もうろうろと泳がせ、視線を碌に合わせようとしない。常に汗が顔から垂れていて、そして上から目線。まるで協力される事が前提とした口ぶり。何故そんな事をしなければいけないかを聞くと、あやふやに誤魔化してくる。そんな怪しい部外者に協力してくれる人間など居なかった。
(俺、俺は悪くないと言ってくれる誰かがいるはずだ…!!そりゃ、馬車に細工はしたけど、落ちたのは完全な事故だろう?クロウ様…クロウ様はあの女が憎いはずだし、俺のことを庇ってくれるに決まっている)
体に巻かれた、ロープはギリギリと御者を苦しめる。それに周りから向けられる視線が刺さる。
御者は余りの緊張感に耐えられず、下を向いた。ポタリ、と床に汗が落ちる。
「ルュイト…シュウベルト。緊急の件の為、正直に答えろ。お前が馬車に細工をして、イアリス嬢を落としたように仕向けた様だな。それは誠か」
「ち、違います。あれは改造です!その、早く走らせようと」
「お前にそんな技術はあるのか?」
「ありません…けれど、あれは事故なんです!!本当です!信じてください!!」
「馬車作りの専門家によると車輪を改造しても早くはならないらしいが…おかしいな」
(俺が車輪をイジった事を告発したヤツがいるのか……!?)
「万が一事故だったとして、だ。何故お前はイアリス嬢が崖から落ちた後、誰にも報告せず逃げた?本当に事故なら報告するはずだろう?それにアリバイを作ろうとしていたようだな?ルュイト・シュウベルト」
御者はあぁ、いゃ、と小さな声で呟いた。王はその態度が腹立たしく感じたのだろう。勢い良く椅子を叩かせると、その音が部屋に響いて、何人かの肩が震える。御者もその一人だった。彼は王の顔をチラリと覗くと、また下を俯く。
(こいつがやったことは一目瞭然だ。他にもこのルュイトとかいう者がイアリス嬢への憎しみを語っていたという証言もある)
王は御者を見下ろす。鋭い眼差しだった。
「牢獄に捕らえておけ」
勿論…イアリス嬢を殺した罪でだった。
王の家来が御者をロープで絡められている腕を掴むと、無理矢理立たせる。御者は抵抗しようとした。しかし彼のひ弱な力では騎士程の力のある家来をぴくりとも動かせれない。
「違います!やめてください!俺はただクロウ様の為に!居ないんですか?!クロウ様…、!?」
家来は、暴れるな、と言って御者を気絶させる。ガクリと脱力した御者は、引きずられてこの部屋を出ていく。
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