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第二十四話 憤怒の力と代償
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「怒りが一定値を突破しました。憤怒を自動発動します。」
その時異形のゴブリンは、自分の力に酔いしれていた。
「グギャア、スゲエ、ナンダコノチカラ!カラダのソコカラアフレデテクル!コレナラ、カテル!オマエラニ、カテル!」
ゴブリンは辺りのゴブリンを吸収合体して、強化されて復活するという現象を起こした。
これは確率がかなり低い現象である。
この現象は「強化再生」と言われている。
この強化再生の発動条件は回りに同族の死体が大量にあり、尚且つ自分は死体の魔物の誰よりも強かったことである。
この強化再生は魔物を二段階上の存在に上げる、ゴブリンエンペラーはゴブリンエンペラーロードを飛ばしてゴブリンデミゴッドまで至っていた。
「カクゴ、シロ!オマエラヲコロシテ、クッテヤル!」
対して暁は、
「う、ウォォォォォォォォォォォ!」
憤怒の発動のデメリットで理性を失っていた。
その怒りの衝動のままに暁はゴブリンデミゴッドに突っ込んで行った。
(マスター!お気を確かに!)
(ご主人っ!その感情に飲まれちゃダメっ!)
(ご主人様っ!正気を取り戻して下さい!)
「ウォォォォォォォォ!」
暁の剣筋はもう、野生のそれとなっていた。
ただ、ただ、剣を振り回すだけ、それでもゴブリンデミゴッドを抑え込むには十分だった。
「ナゼダナゼナンダッ!コノチカラガアレバ、オマエヲタオセルハズダ!ナゼオマエガタオレズ、オレガオサレテイル!?」
憤怒は理性を失うというデメリットに対してメリットもかなりでかい、全ステータスを五倍にするのだ。
暁の今のステータスはゴブリンデミゴッドを遥かに上回っていた。
「ウォォォォォォォォォォォ!」
「グワァ!イテエナ!」
だが、ゴブリンデミゴッドは自動回復量も大幅に上昇していたのだ、長い時間均衡を保っていたがそれが唐突に崩れた。
「ン?ナンダオマエ、キュウニオソクナッタカ?」
ゴブリンデミゴッドの身体がやっと馴染んできたのだ。
ゴブリンデミゴッドは急激に強くなったので身体に精神が追いついていなかったのだ。
「ウォォォォォォォォォ!」
「ナンダ、タイシタコトナイナ、オマエ。」
暁はだんだんと押し返されて行った。
(マスター!マスター!)
(ご主人っ!戻って来て!)
(ご主人様っ!しっかりしてください!)
アイリスたちが呼びかけても戻って来なかった。
ルシファー
「んぅ、ここは?」
ルシファーがやっと起き上がってきた。
「そうだ、暁をあのゴブリンから守ってそれから、どうなったんだっけ?」
ルシファーはぼうっとしている頭で考えていた、その時戦闘音が響いてきた。
「グギャギャギャギャギャギャ!」
「ウォォォォォォォォォォォォ!」
あのゴブリンと暁がまだ戦っていた。
「暁、理性を失っている。」
ルシファーは気づいていた、暁の目に理性の色は宿ってなく、ただ爛々と光り輝いていることに。
(あの目はすごい危ない、ここで止めないと、暁はきっといつか後悔することが絶対に起きる。)
ルシファーはあの感情を知っていた、ルシファーの心の奥底に刻み込まれているからだ。
(このままじゃあ、あの時の私みたいになっちゃう、それは、それだけは、だめだよ。)
自分と同じことを、あの日の怒りのままに洞窟を吹き飛ばした時のことと同じことを暁にはしてもしくなかった。
(あなたは、止めなくちゃ、後悔させないように、私の全霊をもって、止める。)
ルシファーは覚悟を決めた。
「ウォォォォォォォ!」
「ナニ、マタツヨクナッタカ?」
暁は傲慢を無意識に再び発動していた。
傲慢と憤怒が掛け合わさってかつてないほどに大幅にステータスが上がっていっているのだ。
「ウォォォォォォォォォォォ!」
「ダガ、マダオレノホウガ、ツヨイ!」
ゴブリンデミゴッドは初めて攻撃が暁に当たった。暁を吹き飛ばした、だが、
「ナンデ、オマエハタテルンダ?カクジツニオレノオノガアタッタハズダ!」
暁は吹き飛ばされても、空中で体制を整えて、再度ゴブリンデミゴッドに向かっていった。
「ウ、ウォォォォォォォォォォォ!」
「ナ、ナ、ナ、ナンデソンナニ、シカモキュウニ、ツヨクナレルノダ!オマエハ、イッタイナンナノダ!?」
暁は再びゴブリンデミゴッドを押し始めた、
剣を高速で振り回して、ゴブリンデミゴッドにどんどん傷を与えていった。
「オ、オレハツヨクナルンダ!コンナトコロデ、マケラレナイノダ!」
ゴブリンデミゴッドも負けじと迎撃していくが、暁の攻撃を崩すことが出来なかった。
そして、遂に決着が付いた。
「ウォォォォォォォォォォォ!」
暁の攻撃がゴブリンデミゴッドにまともに入った。
ゴブリンデミゴッドは迎撃が出来なくなってしまった、そこからはもう暁の攻撃を止められなかった。
ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ
ゴブリンデミゴッドは傷を一気に増やしていった。
袈裟、逆袈裟、突きなどの傷が増えていきやがて
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
「バ、バカナァ!」
ゴブリンデミゴッドは頭を唐竹割りにされ、首を落とされ、さらにその首を切り刻まれた。
ゴブリンデミゴッドはその時に完全にこの世から去って行った、戦闘は暁の勝利で終わった、しかし、
「フゥゥゥフゥゥゥ!」
暁の理性は未だに戻っていなかった。
その暁に歩み寄っていく少女がいた。
(何をしているのです!ルシファー様!逃げてください!マスターは完全に理性を失っているのです!私とオリンとラナで何とかマスターの理性を戻してみせますのでルシファー様は逃げてください!)
アイリスはそう言っていたがルシファーは逃げなかった。
「ううん、私は逃げないよ、だって暁が理性を失ったのは私のせいだから、その責任は私が取るべき。」
(ルシファー様、正気ですか?今のマスターは完全に暴走しているので、いくらあなたのことでもおそらく敵と捉えますよ?)
対してルシファーは
「ん、私はもう決めたんだ、暁を正気に戻す、その役目は私に任せて欲しい。」
(…………わかりました、一応大罪スキルをマスターに使用させないように、私はそっちに集中させていただきます。オリンとラナにもスキルを使用させないように言っておきます。どうか、ご武運を。)
「ん、ありがとうアイリス、よろしくね。」
ルシファーは暁の前に足を進めて行った。
バサァッとルシファーの背に翼が現れた。
森の中なのにコツコツとまるで足音が聞こえるような優雅な歩みだった。
そうして、暁と七メートルほど離れた所で止まった。
そうして、話しかけた。
「暁、こうして本気で戦うのは初めてかな?」
ダンジョンでも暁と戦っていたが、それは模擬戦だったのだ。模擬戦では本気ではなく調整の意味合いが強かったのだ。
「いや、暁は大罪スキルを今は憤怒しか使えないから本気とはちょっと違うかな?」
暁は答えない。
「あなたを私は止めてみせる、何故なら私は、あなたの最愛のパートナーにして、互いを高めあえるライバルだから。」
ルシファーは紫電の蛇剣を抜いて宣言する。
「今度は私の番だよ?あなたのことはこの私、ルシファーの名と誇りにおいて、あの時私が救われたみたいに、あなたを、救ってみせる!それが私があなたにしてしまった責任に対するケジメだよっ!」
そう言ってルシファーは暁に斬りかかった。
「ウォォォォォォォォォ!」
「アァァァァァァァァァ!」
互いの剣がぶつかり合い戦闘が始まった。
その時異形のゴブリンは、自分の力に酔いしれていた。
「グギャア、スゲエ、ナンダコノチカラ!カラダのソコカラアフレデテクル!コレナラ、カテル!オマエラニ、カテル!」
ゴブリンは辺りのゴブリンを吸収合体して、強化されて復活するという現象を起こした。
これは確率がかなり低い現象である。
この現象は「強化再生」と言われている。
この強化再生の発動条件は回りに同族の死体が大量にあり、尚且つ自分は死体の魔物の誰よりも強かったことである。
この強化再生は魔物を二段階上の存在に上げる、ゴブリンエンペラーはゴブリンエンペラーロードを飛ばしてゴブリンデミゴッドまで至っていた。
「カクゴ、シロ!オマエラヲコロシテ、クッテヤル!」
対して暁は、
「う、ウォォォォォォォォォォォ!」
憤怒の発動のデメリットで理性を失っていた。
その怒りの衝動のままに暁はゴブリンデミゴッドに突っ込んで行った。
(マスター!お気を確かに!)
(ご主人っ!その感情に飲まれちゃダメっ!)
(ご主人様っ!正気を取り戻して下さい!)
「ウォォォォォォォォ!」
暁の剣筋はもう、野生のそれとなっていた。
ただ、ただ、剣を振り回すだけ、それでもゴブリンデミゴッドを抑え込むには十分だった。
「ナゼダナゼナンダッ!コノチカラガアレバ、オマエヲタオセルハズダ!ナゼオマエガタオレズ、オレガオサレテイル!?」
憤怒は理性を失うというデメリットに対してメリットもかなりでかい、全ステータスを五倍にするのだ。
暁の今のステータスはゴブリンデミゴッドを遥かに上回っていた。
「ウォォォォォォォォォォォ!」
「グワァ!イテエナ!」
だが、ゴブリンデミゴッドは自動回復量も大幅に上昇していたのだ、長い時間均衡を保っていたがそれが唐突に崩れた。
「ン?ナンダオマエ、キュウニオソクナッタカ?」
ゴブリンデミゴッドの身体がやっと馴染んできたのだ。
ゴブリンデミゴッドは急激に強くなったので身体に精神が追いついていなかったのだ。
「ウォォォォォォォォォ!」
「ナンダ、タイシタコトナイナ、オマエ。」
暁はだんだんと押し返されて行った。
(マスター!マスター!)
(ご主人っ!戻って来て!)
(ご主人様っ!しっかりしてください!)
アイリスたちが呼びかけても戻って来なかった。
ルシファー
「んぅ、ここは?」
ルシファーがやっと起き上がってきた。
「そうだ、暁をあのゴブリンから守ってそれから、どうなったんだっけ?」
ルシファーはぼうっとしている頭で考えていた、その時戦闘音が響いてきた。
「グギャギャギャギャギャギャ!」
「ウォォォォォォォォォォォォ!」
あのゴブリンと暁がまだ戦っていた。
「暁、理性を失っている。」
ルシファーは気づいていた、暁の目に理性の色は宿ってなく、ただ爛々と光り輝いていることに。
(あの目はすごい危ない、ここで止めないと、暁はきっといつか後悔することが絶対に起きる。)
ルシファーはあの感情を知っていた、ルシファーの心の奥底に刻み込まれているからだ。
(このままじゃあ、あの時の私みたいになっちゃう、それは、それだけは、だめだよ。)
自分と同じことを、あの日の怒りのままに洞窟を吹き飛ばした時のことと同じことを暁にはしてもしくなかった。
(あなたは、止めなくちゃ、後悔させないように、私の全霊をもって、止める。)
ルシファーは覚悟を決めた。
「ウォォォォォォォ!」
「ナニ、マタツヨクナッタカ?」
暁は傲慢を無意識に再び発動していた。
傲慢と憤怒が掛け合わさってかつてないほどに大幅にステータスが上がっていっているのだ。
「ウォォォォォォォォォォォ!」
「ダガ、マダオレノホウガ、ツヨイ!」
ゴブリンデミゴッドは初めて攻撃が暁に当たった。暁を吹き飛ばした、だが、
「ナンデ、オマエハタテルンダ?カクジツニオレノオノガアタッタハズダ!」
暁は吹き飛ばされても、空中で体制を整えて、再度ゴブリンデミゴッドに向かっていった。
「ウ、ウォォォォォォォォォォォ!」
「ナ、ナ、ナ、ナンデソンナニ、シカモキュウニ、ツヨクナレルノダ!オマエハ、イッタイナンナノダ!?」
暁は再びゴブリンデミゴッドを押し始めた、
剣を高速で振り回して、ゴブリンデミゴッドにどんどん傷を与えていった。
「オ、オレハツヨクナルンダ!コンナトコロデ、マケラレナイノダ!」
ゴブリンデミゴッドも負けじと迎撃していくが、暁の攻撃を崩すことが出来なかった。
そして、遂に決着が付いた。
「ウォォォォォォォォォォォ!」
暁の攻撃がゴブリンデミゴッドにまともに入った。
ゴブリンデミゴッドは迎撃が出来なくなってしまった、そこからはもう暁の攻撃を止められなかった。
ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ
ゴブリンデミゴッドは傷を一気に増やしていった。
袈裟、逆袈裟、突きなどの傷が増えていきやがて
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
「バ、バカナァ!」
ゴブリンデミゴッドは頭を唐竹割りにされ、首を落とされ、さらにその首を切り刻まれた。
ゴブリンデミゴッドはその時に完全にこの世から去って行った、戦闘は暁の勝利で終わった、しかし、
「フゥゥゥフゥゥゥ!」
暁の理性は未だに戻っていなかった。
その暁に歩み寄っていく少女がいた。
(何をしているのです!ルシファー様!逃げてください!マスターは完全に理性を失っているのです!私とオリンとラナで何とかマスターの理性を戻してみせますのでルシファー様は逃げてください!)
アイリスはそう言っていたがルシファーは逃げなかった。
「ううん、私は逃げないよ、だって暁が理性を失ったのは私のせいだから、その責任は私が取るべき。」
(ルシファー様、正気ですか?今のマスターは完全に暴走しているので、いくらあなたのことでもおそらく敵と捉えますよ?)
対してルシファーは
「ん、私はもう決めたんだ、暁を正気に戻す、その役目は私に任せて欲しい。」
(…………わかりました、一応大罪スキルをマスターに使用させないように、私はそっちに集中させていただきます。オリンとラナにもスキルを使用させないように言っておきます。どうか、ご武運を。)
「ん、ありがとうアイリス、よろしくね。」
ルシファーは暁の前に足を進めて行った。
バサァッとルシファーの背に翼が現れた。
森の中なのにコツコツとまるで足音が聞こえるような優雅な歩みだった。
そうして、暁と七メートルほど離れた所で止まった。
そうして、話しかけた。
「暁、こうして本気で戦うのは初めてかな?」
ダンジョンでも暁と戦っていたが、それは模擬戦だったのだ。模擬戦では本気ではなく調整の意味合いが強かったのだ。
「いや、暁は大罪スキルを今は憤怒しか使えないから本気とはちょっと違うかな?」
暁は答えない。
「あなたを私は止めてみせる、何故なら私は、あなたの最愛のパートナーにして、互いを高めあえるライバルだから。」
ルシファーは紫電の蛇剣を抜いて宣言する。
「今度は私の番だよ?あなたのことはこの私、ルシファーの名と誇りにおいて、あの時私が救われたみたいに、あなたを、救ってみせる!それが私があなたにしてしまった責任に対するケジメだよっ!」
そう言ってルシファーは暁に斬りかかった。
「ウォォォォォォォォォ!」
「アァァァァァァァァァ!」
互いの剣がぶつかり合い戦闘が始まった。
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