大罪を極めし者〜天使の契約者〜

月読真琴

文字の大きさ
29 / 40

第二十六話 哀しき過去

しおりを挟む

????side

(私には好きな人がいた、三つ歳上のお兄さんだ。)

(お兄さんはいつも優しかった、私にたくさんかまってくれた。)

(そんなお兄さんが大好きだった。)

(だけど、私は………)

(あの日の夜、私は通り魔に。)

(月が綺麗だった、自分の体は自分の血で真っ赤に染まっていた。)

(誰かが救急車を呼んでくれたらしい。)

(そして私は病院に運ばれたが間に合わなかった、私の側には後悔しながら泣きじゃくっているお兄さんがいた。)

(ごめん、ごめん、僕が付いていればこんなことには、とずっと謝っていた。)

(私は最後の力を振り絞って言った。)

「大好、きだ、よ、お兄、さん。」

そうして私、神白神奈の記憶は途切れた。

神楽坂暁に手を握られたまま。








ゴブリンデミゴッドを倒した暁たちは街へ戻っていった。

冒険者ギルド

バンッ

暁は冒険者ギルドの扉を開けた、

「お帰りなさい、レッドさん。」

そこにはテミスやギルドマスター、他の冒険者たちがいた。

「ああ、ただいま。」

「よくやってくれたレッド、約束通り報酬を払おう、着いて来てくれ。」

暁とルシファーはギルドマスターの後ろを追っていった。

ギルドマスター執務室

俺たちはソファーに座り、机を挟んで向かい合った。

「まず、あらためて言わせてほしい、本当にありがとう!助かった!」

ギルドマスターは頭を下げていた。

「別にいいさ、それよりも奇妙なことがあったんだ。」

暁はゴブリンデミゴッドのことを話した。

「お前ら、超強化種と強化再生リィンフォースメントまでしたやつに勝ったのか!?」

「ああ、だが妙なんだ、超強化種はまだ分かる、だが強化再生は簡単に起こる現象じゃあ無いだろう?」

「確かにおかしいです、あの現象はエンペラー種では起こることはまずありえません。」

強化再生はもともと起こりにくい現象であり、さらに魔物の位が高ければ高いほどさらに起こる確率は下がる。

ましてや、エンペラー種など万に一つ、いや億に一つとしてもありえないだろう。

「ありえない現象が起きた、それが起こりうる可能性は二つある、一つ目は全くの偶然、二つ目は、」

その言葉をテミスが引き継いだ。

「人為的に引き起こされた。」

「そうだ、俺としては前者の可能性の方がありがたいが、もし後者なら最悪だ。」

強化再生を人為的に発動させることができるのなら恐らくゴブリンエンペラーだけではないだろう、他の魔物も強化再生を起こさせることができるはずだ。

「………他のギルドなどには俺から言っておこう。」

「頼む。」

重苦しい空気が流れていたがテミスがパンッと手を叩き、こう言った。

「さて、話もまとまったので、報酬の件に移りましょう!」

「ああ、そうしよう。」

ギルドマスターがテミスから紙を受け取り読み上げた。

「ゴブリンエンペラーおよびゴブリンデミゴッドの討伐、緊急クエストの成功、そして情報提供、諸々合わせて白金貨三千枚だ、さらにレッドとルシ二人をSSランク冒険者とする。」

暁とルシファーはかなり驚いた。

「いきなりSSランク冒険者にしても良いのか?」

「もうそれだけの成果は示した、他のギルドもその結果を認めている、何も問題は無い。」

「……わかった、ありがたくいただこう。」

暁は冒険者登録してから僅か数日で最高ランク冒険者の一歩手前まで上り詰めた。

「お前たちのSSランクに昇格したことはこの街を出るまで公表はしないでおくよ。」

「悪いな、助かるよ。」

「いいんだ、俺たちはお前らに助けられた、その恩は少しでも返すべきだ。」

そうして暁はAランクからSSランクまで冒険者のランクを上げることができた。


しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処理中です...