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第二十七話 殲滅
しおりを挟む報酬を受け取ったら、すぐに街を出てきた。
特に面倒くさいことは無かった。
夜になるまで歩いて暗くなってから翼を出して進んだ。
しばらく飛んでいると、
「なあ、ルシ。」
「何、暁。」
「この世界にもキャンプファイアーって文化、あるのかな?」
「ん~、わかんない、だけどあの光景を見てキャンプファイアーって言う人は普通いないだろうし、もし本当にそう思うなら回復魔法かけてあげるよ?」
「だよなぁ、明らかに家、燃えているよなぁ。」
暁たちの視界の先には村があったが、家には火がついており、夜なのにそこだけやけに明るかった。
「さしづめハウスファイアーといったところだろうか?」
「馬鹿なこと言っていないで、急ごう?」
ルシファーに突っ込まれながら村に急行した。
トバーナ村
???side
(なんで、こんなことになっちゃったんだろう?)
遡ること一時間前、
「と、盗賊だぁ!」
村の警備の人が叫んだ。
「えっ?盗賊だって?」
「女子供は隠れろ!男は武器をもて!」
私たちは隠れた、しばらくすると盗賊たちがやってきた。
「お前ら、さっさと出すもん出しちまいな!俺たちが有効活用してやるからよ!」
「お頭!女はどうしますかい?」
「おいおい、そんなこと決まってんだろ?やった後は奴隷として売り払うに決まってんだろうが!」
「さっすがお頭!わかってるぅ!」
「「「ギャハハ!」」」
正直、気味が悪かった。
「お前ら、腹をくくれよ!女子供を渡すわけにはいかねぇ、死ぬ気で守るぞ!」
「「「うぉぉぉぉ!」」」
戦闘が始まった。
最初は有利だったが、村一番に腕の立つ人が、私のお父さんがやられてしまった。
「お父さんっ!」
血を大量に出しながらたおれてしまった。
しかも、お父さんを殺されてからは脆かった。
お父さんという絶対的な存在を失い、みんなの戦意が折れてしまったのだ。
男たちは殺されはしなかったが、縛られてしまい、身動きが取れなかった。
やがて、村中の女子供が広場に集められた。
私もその中にいた。
「いやぁ、獣人もいるなんてラッキーですね!」
(なんでこんなことになっちゃったんだろう。)
そう、私は村でも人数の少ない獣人だ。
私はお父さんは人間だが、お母さんは獣人のいわゆるハーフだった。
「やめてっ!私に触らないで!」
私は抵抗したが、無駄だった。
「おやぁ、悪い子には躾が必要かなぁ?」
盗賊が迫って来た。
私は怖かった、怖くて怖くてどうにかなってしまいそうだった。
「だ、誰か助けてっ!誰か!」
私は助けを呼んだが村のみんなは答えてくれなかった。
私は絶望を味わっていた。
「いやぁ!やめてくださいっ!お願いやめて!」
「じゃあ、やりますかぁ。」
(ああ、私もうダメなのかな?)
私はそれでも諦めたくなかった。
(嫌だ、嫌だよ、助けて、お兄さん!)
この世界にいるはずのない人に助けを求めた、来ない、来るはずが無いと心の何処かで思っているのに、だが、
「いや、マジでキモいからやめてくんね?それ普通にR18だからさ。」
いつの間にか目の前の男は何処かに消えて、代わりに黒みがかった美しい銀髪の男の人がいた。
私はその後ろ姿に既視感を覚えていた。
「お、兄さん?」
暁side
村に着いたらまず、白髪の狼獣人の女の子の目の前にいた男を瞬殺した。
いい歳したオッサンが泣きじゃくる少女にまたがっている、それだけで有罪だ。
少女が何か呟いていた気がする、まあ気のせいだろうが。
「アイリス、敵はここにいるので全てか?」
(はい、全てです。)
「オーケー、じゃあルシ、殲滅開始だな。」
「ん、任せて。」
俺たちはそれぞれの武器を抜いて盗賊の殲滅にかかった。
五分後
「ほいっ、いっちょあがりっと。」
「みっしょんこんぷりーと。」
俺たちは盗賊の殲滅に成功した。
もちろん逃亡者はゼロだ!
さらにルシがついでに魔法で火を消火してくれた。
「さて、おい村の代表はいるか?」
すると、さっき助けた白髪の狼獣人の少女が出てきた。
「お父さんは、村の代表は戦死しました、なので代理で村長ガーラの一人娘である私、アリアンがお話をお伺いさせていただきます。」
「そうか、じゃあ自己紹介だ、俺の名前はレッド・ムーン、SSランク冒険者だ。こっちは妻のルシ・ムーン、同じくSSランク冒険者だ。」
「妻のルシです。」
「ご丁寧にありがとうございます、あらためまして、私の名前はアリアンです、以後よしなに。」
さらにアリアンは続けた、
「この度は、助けてくださり、ありがとうございます。名高きSSランク冒険者の方がいなかったのなら、私たちは酷い目にあっていたでしょう。」
「いや、いいんだ、それよりも親父さん、助けてやれなくてすまなかったな。」
「いや、いいのです、お父さんも、父もみんなのために戦って死んだのです、私は娘として誇らしいです。」
「………そうか、いい親父さんだな。」
「っ!はいっ!」
少女は泣いていた。
「それじゃあ詳しいことは明日にしようか、何処か適当なところに泊めてくれないか?」
「では、私の家をお使いください、そこなら話もしやすいので。」
「わかった、よろしくな。」
「ん、早く寝たい。」
ルシはあんなことがあってもぶれていなかった。
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