大罪を極めし者〜天使の契約者〜

第三十三話 ここのダンジョンマスターは人をキレさせる天才です

暁たちは順調に進み、５問目までたどり着いた。

ちなみに正解するごとに宝箱が出てきて色々手に入った。


問題！

体の弱いの少女が、風邪をひいてしまいました。 
少女は体が弱くてもいつでも明るく誰からも好かれるような子供でした。 
しかし少女は入院することになってしまいました。

病院の周りは緑が豊かで、窓の外にはすぐ牛がいて「モウモウ」と鳴き、すぐそばの花畑ではヒラヒラと「蝶」が舞っていました。 
さて、少女は何の病気で入院したのでしょう？


「ふっ、これも簡単だな。」

「………………」

「うんっ！簡単だよねお兄さん！」

暁とアリアンと違い、ルシファーは難しい顔をしていた。

「どうしたんだ、ルシ？」

「ん、なんか今までやってきた問題が簡・単・す・ぎ・る・気がする、なんか罠があるかもしれない。」

「考えすぎじゃないかな？」

「そうだな、考えすぎだぞルシ。」

「ん、そうだと良いんだけど。」

そうして暁たちは答えた。

「「盲腸！」」

すると、

ブッブー！

「「へ？わぷっ！」」

完全に油断していたのか暁とアリアンの顔面にパ・イ・が投げつけられていた。

ちなみにルシファーは嫌な予感を感じてきっちりと避けていた。

「あ、暁、アリアン、大丈夫？」

（あはははっ！ご主人面白ーい！）

（ご主人様ぁー！）

（マ、マスター！）

ずりっベチャ、パイが顔から落ちるとそこには顔面をクリームでコーティングされた哀れな被害者が二名ほどいた。

「「……………」」

たっぷり1分ほど時間が経過すると、暁は水を魔法で二人分出してアリアンにも渡し、顔を洗うと、それはそれは清々しい笑顔でキ・レ・た・。

「いまどきパイ投げとか、ド○フかよ！」

するとルシファーが呆れたような声でたしなめた。

「ん、だから言ったのに、これは絶対に引っ掛けだよ？」


「いや、でもな正解だと思ったんだよ！」

「でも、現に間違えている。」

「うっ、それは。」

暁はうなだれてしまった。

「じゃあ、ルシさんはわかるの？」

いつのまにか復活していたアリアンが聞いた。

「ん、わかった。」

「えっ！？わかったの？」

「おい、この答えはなんだよ？」

「ん、この問題の答えは、」

「「こ、答えは？」」

「風邪だよ。」

「「……………はい？」」

暁とアリアンは唖然としていた。

「だから、答えは風邪だよ？」

ルシファーはもう一度答えた。

「いやいやいや、なんで風邪なんだよ？というか入院するほどの病気なんだろ？」

ルシファーは呆れたように、はぁーと溜息をついた。

「暁、忘れたの？この問題はなぞなぞだよ、問題文をよく見て。」

ルシファーに言われて、暁とアリアンはもう一度問題文を見てみた。



問題！

体の弱いの少女が、風邪をひいてしまいました。 
少女は体が弱くてもいつでも明るく誰からも好かれるような子供でした。 
しかし少女は入院することになってしまいました。

病院の周りは緑が豊かで、窓の外にはすぐ牛がいて「モウモウ」と鳴き、すぐそばの花畑ではヒラヒラと「蝶」が舞っていました。 
さて、少女は何の病気で入院したのでしょう？




いや、やっぱり盲腸が正解じゃないのか？
と、思っていたがあることに気づいてしまった。

「体の弱いの少女が、風・邪・をひいてしまいました、風邪、風邪？」

暁は気づいてしまった、まさかと言いたげな顔でルシファーの方に振り向いた。

「気づいた？」

「あ、ああ、とりあえず正解かどうかだけ確かめようか。」

暁たちは一斉に答えた。

「「「風邪」」」

ピンポーン！

「………………」

暁たちに何とも言えない空気が広がった。

扉が開くと宝箱の横に石版があった、何か書いてあった。

「えっと、なになに。」


プッ、プフッ、アッハッハ！
見事に引っかかってやんの！
答えが書いてあるのに気づかないとか
馬鹿じゃないの？いや、馬鹿だったね！
てか馬鹿じゃないと気づかないよね！
ところで、君たちの顔・面・にプレゼントしたパイは美味しかったかな？
ていうか美味しいわけないよね！
えっ何故かって？だって味がないもの！
しかもパイが当たった時のあの間抜け面は傑作だったよ！
もう大爆笑しちゃってお腹が痛いよ！
じゃあ、まだ続くから攻略頑張ってねー。 

追伸もっと面白いことを期待しています（笑）
                               byダンジョンマスター

暁たちに沈黙が広がった。

実に人の神経を逆なでするようなセリフが書いてあった。

暁は苛立ちを抑えようとしていたが無理だった。


「………………ふ、ふざけんなぁー！」

暁の叫び声がダンジョン内に響き渡った。