37 / 40
第三十四話 ダンジョンマスターの性格が悪すぎる件
しおりを挟む6問目からはもう悲惨すぎて泣けてくるようだった。
6問目、パイ投げが来ると警戒していたが、上からタライが落ちてきた。
暁の防御力を貫通して、適度に痛いダメージ。
7問目、パイ投げがされてきたが、避けることに成功する、だが避けた先の落とし穴、中に入っていた水で見事にずぶ濡れに。
8問目、頭上から水が落ちてきた、結果再びずぶ濡れに。
9問目、パイ投げがされてきたが、また避けることに成功する、だが落とし穴を警戒しすぎて正面を見ておらず二投目のパイが見事に顔面にクリーンヒット。
そして10問目、
「はあ、はあ、や、やっと、ここまで、きた。」
「暁たちが間違えすぎ、途中で何もしないでって言ったのに。」
「ルシさん、これは意地なんだよ!舐められたままじゃいられない、ジャパニーズソウルなんだよ!」
アリアンがよくわからないことを言い出したが、たしかに暁たちは間違えすぎていた、わざとやっているのかと思ってしまうくらいに。
「しかし、あのタライおかしいだろ!俺の防御力を貫通してダメージを与えるとか普通は無理だから!」
「泣き言は終わってから言って、最後の問題だよ。」
最終問題!
いつも「ホットケー」と言っている食べ物はなーんだ?
「おお!簡単じゃないか!」
「待ってお兄さん!これは引っ掛けだよ。」
「な、なんだと?」
「安易にホットケーキだと言っちゃダメだよ?」
「絶対にぜーったいに言っちゃダメだからね?」
「おう!わかった、ホットケーキ!」
ブッブー!
「ノォォォォォォォォ!」
「ああ!お兄さん、なんで言っちゃうの!?」
「いやだってさぁ、あんなにダメダメ言われたらさ、振りだって思っちゃうじゃん?」
「お兄さんは芸人さんなの!?」
そうこう言っている間に準備が整い、仕掛けが発動した。
まずは定番のパイ投げ!
暁たちは回避した!
続いて避けた先の落とし穴!
これも回避した!
しかし油断したときのパイ投げ!
これまた回避した。
「ふっ!どうした!それで終わりなのか!」
暁は余裕をかましていたがそれが命取りとなった。
ベチャ。
「ん?ベチャ?」
暁は恐る恐る下を見てみた、すると床に自分の足がべったりと付いて動かなかった。
「こ、これはまさか、」
そう、この強力な粘着力、皆さんはお分かりだろうか?
このシステムはあの全世界の共通の敵である、コードネームGを捕らえることのできる素晴らしい発明だ!
「ゴキブリホイホイかよ!?ていうか俺はゴキブリじゃねぇ!」
そんなツッコミをしていると、暁は突然悪寒を感じた。
そう、今まさにダンジョンマスターが、暁たちの姿を見て笑っているだけではなく、このチャンスを逃すまいとしていたのだ。
「お、おいおい、ちょっと待てよ、な?さすがにこれはひどいんじゃないか?」
暁が色々言っても、問答無用とばかりに、とどめのパイ投げを行った。
ベチャ!
「「………………………」」
「あっ!わかった、答えは存在しない、かな?」
ピンポーンピンポーン!
暁たちはなんとも言えない気持ちになった。
暁はいつも通りに魔法で水を出し、さらに今回は足場を魔法で焼いて脱出した。
「暁、アリアン、行こ?」
ルシファーはなるべく触れずに先に進むことを促した。
先に進むと案の定、宝箱と石版があった。
「すぅー、はぁー、俺は冷静、怒りを抑えろ、ステイ・クールだ。」
暁たちは石版を見た、すると、
ギャハハハハハハハハハハハハ!
あーおっかしい!
やっぱり君は馬鹿だったんだね?
ホットケーなんて言う食べ物なんかあるわけないじゃん!
それとも君の食べ物は全部何かしら喋るのかな?
頭大丈夫かな?医者に診てもらったら?
ていうかそこにいるパートナーに回復魔法かけてもらいなよ!
きっと、そうきっと、頭が悪いのも治るはずさっ!
今回もパイを避けきれなかったね?
もう一度言うね?
パイは美味しかったかな?
美味しいわけないよね?
えっ何故かって?だって味がないもの!
プギャア!あー面白かった。
やっぱり君は人を笑わせる天才だよ!
これからも期待しているよ!
じゃあ頑張ってねー。
by笑いすぎてお腹が痛いダンジョンマスター
読み終わると暁は、
「ふ、ふひ、ふひひ、ふひひひ。」
「あ、暁、大丈夫?」
暁は清々しい笑顔で振り返った。
「ん?なんだい、ルシ?俺には使命ができたんだよ。」
「し、使命?」
「うん!ここのダンジョンマスターを抹殺するっていう、使命がね!」
ルシファーはあっ、もう無理だこれ、と思った。
暁はもう、手の施しようのないほどきれていた。
「さあ、行こうか、あのクソ野郎を抹殺しに。」
暁たちは先に進んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる