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第三十六話 ここのダンジョンマスターはルール違反を許さないそうです
しおりを挟む暁は瞬時に再生する石版を計100回以上、数分で破壊しまくっていた。
無言でひたすらに石版をかわし続けるのはある種の恐怖を感じ得なかった。
「暁、落ち着いて、攻略し直そう?」
暁は一旦石版破壊をやめて振り向いた。
「なあ、ルシいいこと思いついたんだ。」
「い、いいこと?」
「もう、普通の攻略が難しいならさ、ダンジョンの壁を破壊して進めばいいんだ。」
ルシファーはもうそれは攻略とは言わないのでは?と思ったが口には出さなかった。
「あのくそダンジョンマスターのお望み通りに、テイクツーといこうじゃねぇか!」
そう言って、暁は近くにある壁を全力で攻撃し始めた。
かなり大きな音がなり、確かにダンジョンの壁は破壊された、だが
「はあ!?再生早すぎだろ!?」
ダンジョンの壁は石版よりも少し遅いが瞬時に再生されていた。
「くそっ、なら再生される前に向こう側に行ってやらぁ!」
暁は再びトライした。
そして、ダンジョンの壁が破壊されると同時に飛び込んで向こう側に行くことに成功した、ルシファーとアリアンを置いていって。
だが、
「よっしゃぁ!成功したうぉぉぉぉ!」
暁はまた穴に落ちたらしい。
「「……………………………」」
ルシファーとアリアンはなんとも言えない空気になった。
数分後
「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」
どう言う理屈かは知らないが、何故か下に落ちたはずの暁が戻ってきた。
ルシファーは予想はしていたのか驚きはしなかった。
「お帰り、暁。」
「ああ、ただいま、ってそうじゃねぇ!なんであんなところに落とし穴があるんだよ!?」
「えーっと、お、お兄さんの運が悪すぎた、とか?」
「運が悪いで済むわけねぇだろ!?死ぬかと思ったわ!」
ルシファーは少しだけ考え、結論を出した。
「多分だけど、ルール違反をしたから、とか?」
「る、ルール違反、だと?」
何か思いついた暁は咄嗟に石版を見てみた、すると、
もぉぉぉぉ!ダンジョンの壁を破壊するなんて、非常識すぎるよ!
もう僕はおこだよ!激おこだよ!
ダンジョンはちゃんとした方法で攻略してくれないと見ていてつまらないよ!
だから暁くんには罰ゲームだよ!
罰ゲームの内容は起こってからのお楽しみ~!
by罰ゲームを準備中のダンジョンマスター
案の定ダンジョンマスターから不吉なメッセージが届いていた。
「………………嫌な予感しかしねぇ。」
その時だった、
ガコンッ、カチャッカチャッカチャッ!
「……………は?」
暁に向かって大量にある銃が照準を向けていた。
「ちょ!ま!それは洒落にならないって!」
そして放たれた。
ルシファーたちも突然のことで動けなかった。
だが、
「イタタタタタタタタタタ!」
銃の中に入っていたのは鉛の玉ではなくBB弾だった。
「ちょっと、待てや、だから、なんで、俺の防御力を、貫通してくんだよ!」
皆さんも知っているだろうか?BB弾は当たると地道に痛いのだ、その地味な痛みを暁は味わっていた。
暁はそれから数分間はBB弾に撃たれ続けたままだった。
銃声が止むとそこには大量のBB弾と倒れ伏している暁がいた。
「「暁ぃー!(お兄さんー!)」」
ルシファーたちはすぐに駆け寄った、すると暁はすくっと立ち上がった。
「ふ、ふふ、ふふふ、ふふふふ、ふふふふふ、ふははははは!」
ルシファーとアリアンは暁の異様な様子に引いていた。
暁は笑うのをやめると、切れた。
「あんの、くそダンジョンマスターがぁー!覚悟してやがれ!絶対にその横っ面殴ってやらぁ!」
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