2 / 14
第1章 DDH-24[カージマー18]
木星
しおりを挟む
木星。
太陽系の惑星の中で最大の質量を誇り、「太陽になり損ねた惑星」とも呼ばれることがある。
観測によると、中心部では水素が核融合を起こしているらしく、かすかに発光し、自ら発熱していることがわかっている。
が、一般的には「1つ目」の方が有名だ。
太陽系の交点平面に対し完全に直立しているので、この惑星がリングを持っているとわかったのは、20世紀になってから。
最初期には4つしか衛星を持たないと思われていたが、観測を進めるたびに衛星が増えて、今は「最低70個」が正解らしい。
功名心に駆られた天文学者がデブリと呼べるような、直径数メートルのものまで「衛星」として発見申請してくるので、とっくに数えるのを諦めた。
惑星の質量が巨大なため、デブリやデブリもどきの衛星を、時には彗星すら飲み込んで、どんどん自分の質量を増やしている。
数万年後か数億年後には、本当に「第2の太陽」になるかもしれない。
もっとも、それを観測できるほど、人類という種が長命とは思えないけれども。
私の船は、DDH-24[カージマー18]と登録している。
船籍は火星。
平甲板を持つ貨客船で、全長248メートル。
赤に近い朱色をしている。
民間の貨客船だが、木星は今、そこを拠点としていた大富豪の遺産相続がこじれて、事実上の内戦状態になっている。
そんなところにわざわざ出かける観光客など、まずいない。
スクープ狙いのジャーナリストか、非公式に有力者と面会を望むワケアリくらいだ。
こいつらは「部屋でじっとしていろ!」という5歳児レベルの躾もできていないので、船内のカーゴブロックに閉じ込めて、ロックをかけている。
というわけで、「本命」は平甲板を利用して船体よりも遙かに巨大な岩塊を乗せ、ついでに20本近いケーブルをつないで、大小の岩石もまとめて引っ張っている。
……正確じゃないな。
火星で初期加速をもらって、この船もろとも木星へ向けて飛んでいるだけ。
この船の役目は、巨大岩石に無数に打ち込んでいる「スラスター」と呼ばれる推進器を操作して、より正確に届けるための舵であり、舵を動かすためのコントロールだ。
なにせ、火星から木星までは光でも45分もかかる。
とっさのアクシデントに対応するためには、誘導する船は近ければ近いほどいい。
が、木星が危なくなっている今、ヘタにふゆふよ飛んでいたら、何かの間違いで沈められかねない。
最も安全なのは、巨大岩石の裏側に張り付いているのが一番だ。
「船長。ポイントまで0600。データ送ります」
「ありがと」
次席航海士に手を上げ、声と動作で礼を示した。
「船長」というのは、私だ。
木星紛争の初期に、どさくさに紛れてこの船を手に入れたら、流れで船長にされてしまった。
もっとも、自分にOLが務まるとも思えないから、結果オーライかな?
ついでだから、自己紹介でもしておこう。
私はケイ=クワジマ。
肩まで伸ばしたアッシュグレイの髪にブラウンの瞳を持つ。
年齢は……わからない。
木星のしかるべきところには記録もあるだろうけど、そのために冒険をするほど無謀じゃない。
火星で、船を動かすための資格(航海士)をとろうとして、どうも年齢が足りなかったっぽいので水増しして、つでに試験の日を生年月日にした。
当時は幼かったし、それのメリットもデメリットもわからなかったから、それで押し通すことにした。
体重は不明。
「不詳」じゃなくて……体重を量るためだけに1Gを作るなんて浪費はできないから、マジでわからない。
「航海士」は、少しややこしい。
「正航海士」というか「航海士長」は、いろいろあって空席だが、次席航海士を「航海士長」、彼の部下を「次席」と呼称している。
ただ、この船が竣工してからこうなんで、別に不自由はない。
その次席航海士は、この船に乗るまで巡洋艦の艦長をしていたという変わり者だ。
いざとなれば、彼に職務や判断を丸投げできるほどのキャリアもあって、「副長」を兼ねてもらっている。
「機関士」と「次席機関士」も、元軍人。
とあるコロニー国家で、警察官兼軍人だったのをスカウトした。
ブリッジクルーから、何かにつけて「機関士長に気をつけろ」と言われているが、優しい兄貴分くらいにしか思えないし、この船の中でバカやらかして、デブリの仲間入りをするほどの愚か者とは思えない。
ブリッジクルーの最後は、「船務長」。
彼の職歴は……まー、「自由な交易船の渉外担当」とでもしておこうか。
傷と髭の隙間に顔があるという風体が、その本質を表しているとも言われるが、よく笑う船橋のムードメーカーで、重宝しているのも事実だし。
そのほかにも、トータルで100人に近い乗組員がいるが、彼らは求人を出して応募してきた連中ではなく、船橋要員を慕ってついてきた連中で、船橋要員が私に敬意を示しているから、彼らも私に、それなりには敬意を示してくれている。
あと、この船は「トレイン」と呼ばれるタイプの、連結された貨物を連ねて飛んでいるが、実は貨物を捨ててしまえば、自己推進力(アルミニウムを分子レベルまで粉砕して酸素と混合させ爆発させる動力炉)は、戦艦すら凌駕する。
というのも、戦艦ですら基本1つしかない動力炉を2つ並べているし、ライフル弾を縦に真っ二つにしたような形状をしていて、単純質量は半分くらい。
つまり、出力と質量比で言えば、4倍に近いのだから。
それでいて、初期加速は出航するときに港でもらって、方向の微調整はスラスターと呼ばれる推進器を多用するため、コスパはすこぶるいい。
ただ、標準装備の固定武装はない。
ブリッジクルーの紹介で「武器員」を入れなかったのは、いないから。
ただし、完全非武装でもない。
荷主が自衛のためと新兵器の実験をオプション契約で依頼してくることも多いので、自分でもわからない武装が積まれていたりする。
そのへんは副長と機関士長に丸投げしている。
よーわからひんし。
「通信士」は、実は私が兼ねている。
通信技師の有資格者だから。
もっとも、「天然でケンカを売る」とかで、ブリッジクルーからは別に雇うことを何度も具申されているけれども、船橋要員を並べて採用面接をしたら、全員が次回選考をばっくれたので、未だ決まらずにいる。
あとは医師資格を持つ「船医」もいるし、必要最低ラインはヨユーで満たしている。
男100人の中に女が私だけだと物騒な気がするかもしれないけれども、男たちが互いに牽制し合って、私は未だ「乙女」のままだ。
まー。無理矢理私をどうこうしたら、たぶん昇天する前にデブリの仲間入りが確実なので……そんなバカはこの船にはいない。
太陽系の惑星の中で最大の質量を誇り、「太陽になり損ねた惑星」とも呼ばれることがある。
観測によると、中心部では水素が核融合を起こしているらしく、かすかに発光し、自ら発熱していることがわかっている。
が、一般的には「1つ目」の方が有名だ。
太陽系の交点平面に対し完全に直立しているので、この惑星がリングを持っているとわかったのは、20世紀になってから。
最初期には4つしか衛星を持たないと思われていたが、観測を進めるたびに衛星が増えて、今は「最低70個」が正解らしい。
功名心に駆られた天文学者がデブリと呼べるような、直径数メートルのものまで「衛星」として発見申請してくるので、とっくに数えるのを諦めた。
惑星の質量が巨大なため、デブリやデブリもどきの衛星を、時には彗星すら飲み込んで、どんどん自分の質量を増やしている。
数万年後か数億年後には、本当に「第2の太陽」になるかもしれない。
もっとも、それを観測できるほど、人類という種が長命とは思えないけれども。
私の船は、DDH-24[カージマー18]と登録している。
船籍は火星。
平甲板を持つ貨客船で、全長248メートル。
赤に近い朱色をしている。
民間の貨客船だが、木星は今、そこを拠点としていた大富豪の遺産相続がこじれて、事実上の内戦状態になっている。
そんなところにわざわざ出かける観光客など、まずいない。
スクープ狙いのジャーナリストか、非公式に有力者と面会を望むワケアリくらいだ。
こいつらは「部屋でじっとしていろ!」という5歳児レベルの躾もできていないので、船内のカーゴブロックに閉じ込めて、ロックをかけている。
というわけで、「本命」は平甲板を利用して船体よりも遙かに巨大な岩塊を乗せ、ついでに20本近いケーブルをつないで、大小の岩石もまとめて引っ張っている。
……正確じゃないな。
火星で初期加速をもらって、この船もろとも木星へ向けて飛んでいるだけ。
この船の役目は、巨大岩石に無数に打ち込んでいる「スラスター」と呼ばれる推進器を操作して、より正確に届けるための舵であり、舵を動かすためのコントロールだ。
なにせ、火星から木星までは光でも45分もかかる。
とっさのアクシデントに対応するためには、誘導する船は近ければ近いほどいい。
が、木星が危なくなっている今、ヘタにふゆふよ飛んでいたら、何かの間違いで沈められかねない。
最も安全なのは、巨大岩石の裏側に張り付いているのが一番だ。
「船長。ポイントまで0600。データ送ります」
「ありがと」
次席航海士に手を上げ、声と動作で礼を示した。
「船長」というのは、私だ。
木星紛争の初期に、どさくさに紛れてこの船を手に入れたら、流れで船長にされてしまった。
もっとも、自分にOLが務まるとも思えないから、結果オーライかな?
ついでだから、自己紹介でもしておこう。
私はケイ=クワジマ。
肩まで伸ばしたアッシュグレイの髪にブラウンの瞳を持つ。
年齢は……わからない。
木星のしかるべきところには記録もあるだろうけど、そのために冒険をするほど無謀じゃない。
火星で、船を動かすための資格(航海士)をとろうとして、どうも年齢が足りなかったっぽいので水増しして、つでに試験の日を生年月日にした。
当時は幼かったし、それのメリットもデメリットもわからなかったから、それで押し通すことにした。
体重は不明。
「不詳」じゃなくて……体重を量るためだけに1Gを作るなんて浪費はできないから、マジでわからない。
「航海士」は、少しややこしい。
「正航海士」というか「航海士長」は、いろいろあって空席だが、次席航海士を「航海士長」、彼の部下を「次席」と呼称している。
ただ、この船が竣工してからこうなんで、別に不自由はない。
その次席航海士は、この船に乗るまで巡洋艦の艦長をしていたという変わり者だ。
いざとなれば、彼に職務や判断を丸投げできるほどのキャリアもあって、「副長」を兼ねてもらっている。
「機関士」と「次席機関士」も、元軍人。
とあるコロニー国家で、警察官兼軍人だったのをスカウトした。
ブリッジクルーから、何かにつけて「機関士長に気をつけろ」と言われているが、優しい兄貴分くらいにしか思えないし、この船の中でバカやらかして、デブリの仲間入りをするほどの愚か者とは思えない。
ブリッジクルーの最後は、「船務長」。
彼の職歴は……まー、「自由な交易船の渉外担当」とでもしておこうか。
傷と髭の隙間に顔があるという風体が、その本質を表しているとも言われるが、よく笑う船橋のムードメーカーで、重宝しているのも事実だし。
そのほかにも、トータルで100人に近い乗組員がいるが、彼らは求人を出して応募してきた連中ではなく、船橋要員を慕ってついてきた連中で、船橋要員が私に敬意を示しているから、彼らも私に、それなりには敬意を示してくれている。
あと、この船は「トレイン」と呼ばれるタイプの、連結された貨物を連ねて飛んでいるが、実は貨物を捨ててしまえば、自己推進力(アルミニウムを分子レベルまで粉砕して酸素と混合させ爆発させる動力炉)は、戦艦すら凌駕する。
というのも、戦艦ですら基本1つしかない動力炉を2つ並べているし、ライフル弾を縦に真っ二つにしたような形状をしていて、単純質量は半分くらい。
つまり、出力と質量比で言えば、4倍に近いのだから。
それでいて、初期加速は出航するときに港でもらって、方向の微調整はスラスターと呼ばれる推進器を多用するため、コスパはすこぶるいい。
ただ、標準装備の固定武装はない。
ブリッジクルーの紹介で「武器員」を入れなかったのは、いないから。
ただし、完全非武装でもない。
荷主が自衛のためと新兵器の実験をオプション契約で依頼してくることも多いので、自分でもわからない武装が積まれていたりする。
そのへんは副長と機関士長に丸投げしている。
よーわからひんし。
「通信士」は、実は私が兼ねている。
通信技師の有資格者だから。
もっとも、「天然でケンカを売る」とかで、ブリッジクルーからは別に雇うことを何度も具申されているけれども、船橋要員を並べて採用面接をしたら、全員が次回選考をばっくれたので、未だ決まらずにいる。
あとは医師資格を持つ「船医」もいるし、必要最低ラインはヨユーで満たしている。
男100人の中に女が私だけだと物騒な気がするかもしれないけれども、男たちが互いに牽制し合って、私は未だ「乙女」のままだ。
まー。無理矢理私をどうこうしたら、たぶん昇天する前にデブリの仲間入りが確実なので……そんなバカはこの船にはいない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる