婚約破棄は承るので、後はもう巻き込まないでください。

夢草 蝶

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第十四話 柿泥棒。はて、誰のことやら?

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「そういえば、弟がいたっけ? 同じ学校ではないんだっけ?」

「はい。騎士学校に通っております」

 私やコンラッド殿下が通っているこの学園は、王侯貴族の通う貴族学校。私の弟が通っているのは、騎士学校だ。

「あそこは確か、全寮制だったね。じゃあ、あまり会えなくて寂しかったりする?」

「そりゃあ、寂しいですよ! 家の方にはなかなか帰って来れないし、会いに行っても、放課後じゃあ、面会時間短いし!」

 前にどーしても、顔が見たくなって騎士学校の寮に忍び込んだら、バレて出禁食らうし!
 ゆうて、我家族ぞ? 可愛い弟に会いに行って、怒られるっておかしくない!?

「騎士学校だからね、規則には厳しいんだろう」

「俺も兄弟が騎士学校に通ってますが、そうみたいですね」

「ヴァルト先輩もご兄弟が騎士学校に通ってらっしゃるんですね?」

「ああ、弟がな」

 へー、じゃあひょっとして、オニキスと知り合いだったりして。今度帰ってきたら、訊いてみようかな?

「ところでエルシカ嬢、引き留めてしまったようだけれど、時間は大丈夫? どこかへ向かっている途中だったみたいだけれど」

「大丈夫ですよ。裏庭の柿を食──いえ! 柿が実ったそうなので、見に行こうかなーっと」

「そうなんだ。あそこの柿の木は、甘柿の年はそれはそれは甘いそうだねぇ」

「あ、俺は去年、渋柿だったのを干し柿にしたものを頂きました。美味しかったですよ。甘柿は食べたことないですね」

「うん。何でも、甘柿の年は鳥か何かに食べられてしまうみたいだね」

「聞いたことあります。けれど、先生方の話によると、誰かが盗み食いしているみたいですよ」

 ぎくり。

「そうなのか?」

「ええ。なので、今年は捕まえようと、先生方が張り切って裏庭に罠を仕掛けたそうですよ」

「捕まるといいねぇ。ね、エルシカ嬢」

「そうですね!」

 なんて言えちゃう私のなんて面の皮の厚いこと。
 とはいえ、流石にひやりとした。

 っぶなぁ~~~~~~!!!
 まさか、柿の盗み食いがバレてたなんて!
 くっ、残念だけれど、今年の柿は諦めるしかないかぁ。甘くて美味しーのに。
 にしても、命拾いしたわぁ。
 ヴァルト先輩グッジョブ! 情報提供に感謝致します!
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