現代兵器で異世界無双

wyvern

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陸編

 21.チャージ!

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「突撃に~前へー!!」
号令をもとにハンヴィーを盾に、全員文字通り一丸となって城へと進み始める。
今の状況を見るに城を守る兵たちは、多勢に無勢で敵兵に少しずつ押され始めていた。
徐々に城へと防衛側は後退し、門を閉めようとしている。
敵国の兵士は士気が高いのか時折雄叫びを上げながら、城門に向かって押し寄せていく。
多分、城の中のご褒美(・・・)を目的に我先にと突っ込んで行っているような気がする。そう考えるとじっとしていられない。

「シルヴィア!射撃開始!」
「御身の仰せのままに」
距離が500mぐらいになったところでシルヴィアに射撃を命じた。

ダダダッダダダダダダッ

するとさすがに敵の少数はこちらの存在に気付き、余裕のあるものはこちらに矢を飛ばしてきた。

「総員全力射!てッ!」
「「「了解!」」」
200mを切ったところでライフル組の射撃を命じた。
セレクタを単射にかえ各個撃ち始める。
するとあちらも目に見えてこちらに反撃するようになってきた、ただこの小銃弾からの攻撃に耐えられるようなハンヴィーに矢などが通用するはずもなく、全ての矢が弾かれていく。
城の入り口付近まで行くとさすがに抵抗が強くなり一旦停車し、ここからキューレと俺も混ざりM249paraによる制圧射撃を始めた。
敵は金属製の鎧や盾を身にまとう騎士や現場指揮官、革製のものや鎖帷子を装備した兵卒と装備はバラバラで中には上半身に何もつけない強者もいる。よく見るとあまり統率がとれておらずほとんど個人の判断で戦っているみたいなので指揮官などはほとんどお飾りかよくて監視であろう。

そんな敵を絶え間なく射撃しながら進んでいく。
城門から100mぐらいになるとエレザとミレイユは吊り紐(スリング)をつけたのでHK416を背中に回し、腰に差していたサーベルで接近戦に突入した。
キューレは最後まで弾を撃ち切ると、身体強化の魔法を使って、全身を強化し、身近にあった破城槌を破壊しその一部の大きな角材を振り回し、文字通り敵兵を薙ぎ払っていっている。
シルヴィアやサクラ、ミントも同じく射撃をやめて遊撃戦に移っているが、3人は火の渦や風の刃、雷撃などの魔法を使っていた。気付くとミレイユやエレザ達も時折、おそらく下位の魔法だろうか(シルヴィア達に比べ見た感じ威力が違う)火の玉や氷の塊を飛ばしている。
メリア曰く、俺自身も魔法を使えるようではあるが使い方がわからない。それは後日聞いてみよう。

活躍の場面がなかった俺は車内に戻りシルヴィアが格闘戦に移るために車外に出てしまった為、使用を中止していたM2を再度装填しなおして射撃を開始する。
使用弾薬がアンチマテリアルライフル(対物・対軽装甲ライフル)などにも使われている12.7×99㎜NATO弾を使っているので、薄い装甲などは貫く威力のものなので、人に対してはオーバーキルである。
現に頭に当たったはずなのに当たった部位に弾の衝撃波も加わり、頭部ごと吹き飛んでいった兵士もいれば、実際は腕をかすった程度で済んでいたものを、この弾では腕ごと体から引き離されてしまう。
 体に全弾命中してしまったものなら、引き肉のごとく体の部位が解らなくなるぐらいまでになってしまう。

さすがの敵もここまでやられると混乱に陥り、元々統率が取れていなかったので、形勢不利とみると兵たちはすぐに背を向け脱兎のごとく撤退していく。一方の指揮官らしきものたちは後退を許されないのか意地なのか、死ぬまで抵抗している。

「総員射撃停止!集合してすぐに乗車!」
これ以上の戦闘がないことを確認し、周囲に敵兵がいないことも確認したワタは、敗走を続ける敵兵に対して追い討ちを剣から持ちなおして射撃しているエレザ達全員に集合をかけ、ハンヴィーへと乗車を促す。
みんなは即座に反応し戦闘を終了させ後退してくる。
全員が乗ったことを確認した後にそのまま城門へと車を進める。

城壁の門の前まで車をつけ周囲を警戒しながら再び降車する。
敵兵が瓦解したため、門は閉じずにそのまま開いており、角から城内の兵士が恐る恐るこちらの様子を窺っている。
何も迎えもないことにいら立ちを覚えたのかサクラは真っすぐに城門へと向かっていく。
(まぁ、こんな状況で、得体も知れない物を持った奴らに近づく奴なんていないよな……)

「ハミルトン城の兵士たちよ!今しがた王都より援軍に参った中央軍所属ダベルグ・サクラというものだ!現場指揮官にお目通り願いたい!」
門の前でそう名乗ると、城内では焦ったような動きを見せ少し経つと、奥から数人の護衛を連れた兵士がこちらに向かってきた。

「私は前線のハミルトン親衛隊隊長をやっております、アラバスタ・ローレンスと申すもの、援軍に来てくださり、感謝申し上げます」

ローレンスと名乗った初老の兵士は、見た感じは物優しそうで、堅苦しさがない印象だ。ただ頬や目にある傷が歴戦の戦士だったことをうかがわせる。
しかし、少人数だけの援軍だと思ったのか、少し顔が曇っていて、不安も拭えない様子だ。

「少数ながら先遣隊としてこちらに参った。貴殿はハミルトン親衛隊だといったが、ここの総指揮官は何処におられるか知っているか?書状をリメリア閣下から渡すように今預かっているので、案内していただきたいのだが」

「ハッ、ただいま伝令をエレシア様に使わせるので暫しお待ちを……それと少しお伺いしますが、先ほどあなた方は、おそらく2万は下らなかったであろうあの敵軍をいかようにして撤退させたのでしょうか?」

どうやらローレンスはいまだにあの大軍の中をいとも簡単に進んできた我々の力に疑問を抱いているようだ。

「良し!いいだろうまだ時間があることだし説明しようじゃないか……ということでワタ殿ご説明願えるか?」

そういって、サクラは俺に説明を丸投げしてきた。

「えっっ!自分で説明出来るでしょうに……まぁいいです、初めましてローレンスさん、今回の出来事を少しだけ説明して差し上げましょう」
「えぇ、お願いしますワタ殿、その前に、質問を答えていただいているときにこんなことを聞くのはなんですが、あなた様の身分はどのようなものなのでしょうか?」
「そのことですが、一応訳があって今は王族に身を寄せるものになっています、そして今回の――」
長話をしていると敵にまた襲われてしまうので、掻い摘んでこのことを伝えた、そうすると途端に曇っていた顔もわずかながら晴れ、安心した顔になった。
このことを聞いた護衛の兵士たちも頼もしい援軍が来てくれたと思ったのか、安心からの笑みがこぼれる者がいた。
ローレンスのことを聞いてみると、どうやら先の大戦でも戦ったようだが、戦いで受けた傷と年齢もあって、兵役から退いていたようで、このハミルトン城への帝国軍侵攻を聞いたローレンスは最後の奉公としてここのハミルトン親衛隊隊長を務めている。
そんな話をしているうちに、先ほどの伝令が帰ってきた。
伝令の兵士が帰ってくると同時に一緒にやってきたのか、傍には女性兵士が立っていた
「お待たせしました、居館内でエレシア様がお待ちです!」
「報告ご苦労、ゆっくり休んでいなさい、またいつここに攻めよってくるかわからないからな」
「ハッ!ありがたく休ませていただきます!」
伝令が兵舎に向かっていくのを見届けた後、女性兵士に促されて城へと足を向ける。
「ローレンスさん我々はここで失礼させて頂きます、またお会いしましょう」
「今度は戦場で会うことになりましょう、その時はこの城を頼みましたぞ」

ローレンスさんは別れ際に寂しそうな顔をしてそのまま護衛の兵士たちと共に立ち去ってしまった。

「では、私が領主様の居館へとご案内いたします」
先ほどの女性兵士がそういって居館へと歩き始めた、まるで“付いてこい”とでもいうように。
「さて、行くとしましょうか」
「何か、気に入らんが行くとするか」
皆何故か女性兵士に対していいように思っていないようだが、渋々ついて行くことにした。


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