婚約破棄された令嬢ですが、賢者に拾われ見習い聖女になりました。

ふるっかわ

文字の大きさ
8 / 10
1章 婚約破棄

008 聖女認定?

しおりを挟む
「そ…そんな…私は決してその様な…」

「やっぱり君って頭の回転が早いや。次は泣いて周りの同情をひこうって思ってるね。確かに君は美人だし、美人の涙って場の空気を変える力があるから有効だとは思うよ?でもねぇ…人の婚約者を権力にモノを言わせて略奪して、挙句の果てにその元婚約者をこんなパーティーに呼んで笑い者にしようとするなんて…そんな悪女の涙なんて見せられても僕は何も思えない」

ッ!?なんでマリウス様が私の婚約破棄の事を?全く関係無い第三者として佇んでいた私に会場中の視線が集まる。

「やぁ。はじめまして。君がその…あの…婚約破棄された女の子だね?僕はマリウス。良かったら名前を教えてくれないかい?」

「オ、オーロラ=バレンシアと申します…」

「オーロラさんね。あー、確かにそんな名前だった。うん…なるほどなるほど…確かに素質はありそうだ…」

値踏みするかの様に私を見つめるマリウス様。こんな事は想像すらしていなかった。

「あ、あの…マリウス様?私どもの娘に一体何か…」

「確かにお淑やかとは言えませんし、侯爵家の令嬢としては不出来な娘ですがオーロラはとても優しい娘なんです。何卒、何卒ご容赦を…」

「あぁ、君達がオーロラさんのお父さんとお母さん?何も取って喰おうって訳じゃないから安心してよ。ただ『聖女』の素質の有る女の子がいるって話を聞いていたから、どんな子なんだろうって気になってさ」

聖女?私が?一体マリウス様は何を言っているのだろう?

聖女とは伝説の中の存在だ。遥か昔、己の命を犠牲にして魔物達を地中奥深くへ封印した聖女イーリアス様。聖女の存在は神と等しく、イーリアス教と言う世界最大の宗教の信仰対象になっている。

「マリウス様?婚約を破棄され、国中から憐れみを受けている私に同情してその様な嘘を吐いていらっしゃるのですか?」

「嘘なんかじゃないよ。君にはイーリアスと同じ力が有る。今はまだイーリアスとは比べ物にならない程弱い力だけど…素質が有る事は間違いじゃない。この後少し僕に時間をくれないかい?」

「聖女の…素質…?」

話の展開に付いていけず、ただ呆然としていたその時不意に誰かに肩を叩かれた。

「この度はウチの孫が…レイスがとんだ無礼を働いた様で申し訳無い。こんな事をお願い出来た立場では無いが、マリウス様の話を聞いてほしい。この通りだ」

「お願い。バカ孫には後でキツく言っておくから…貴女や貴女の家族…いえ、この世界の未来に関する大切な事なの…」

振り返るとカイザル陛下とリリアン様が私の退路を塞ぐ様に、深々と頭を下げていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

「醜い」と婚約破棄された銀鱗の令嬢、氷の悪竜辺境伯に嫁いだら、呪いを癒やす聖女として溺愛されました

黒崎隼人
恋愛
「醜い銀の鱗を持つ呪われた女など、王妃にはふさわしくない!」 衆人環視の夜会で、婚約者の王太子にそう罵られ、アナベルは捨てられた。 実家である公爵家からも疎まれ、孤独に生きてきた彼女に下されたのは、「氷の悪竜」と恐れられる辺境伯・レオニールのもとへ嫁げという非情な王命だった。 彼の体に触れた者は黒い呪いに蝕まれ、死に至るという。それは事実上の死刑宣告。 全てを諦め、死に場所を求めて辺境の地へと赴いたアナベルだったが、そこで待っていたのは冷徹な魔王――ではなく、不器用で誠実な、ひとりの青年だった。 さらに、アナベルが忌み嫌っていた「銀の鱗」には、レオニールの呪いを癒やす聖なる力が秘められていて……?

無能聖女の失敗ポーション〜働き口を探していたはずなのに、何故みんなに甘やかされているのでしょう?〜

矢口愛留
恋愛
クリスティーナは、初級ポーションすら満足に作れない無能聖女。 成人を迎えたことをきっかけに、これまでずっと暮らしていた神殿を出なくてはいけなくなった。 ポーションをどうにかお金に変えようと、冒険者ギルドに向かったクリスティーナは、自作ポーションだけでは生活できないことに気付く。 その時タイミングよく、住み込み可の依頼(ただしとても怪しい)を発見した彼女は、駆け出し冒険者のアンディと共に依頼を受ける。 依頼書に記載の館を訪れた二人を迎えるのは、正体不明の主人に仕える使用人、ジェーンだった。 そこでクリスティーナは、自作の失敗ポーションを飲んで体力を回復しながら仕事に励むのだが、どういうわけかアンディとジェーンにやたら甘やかされるように。 そして、クリスティーナの前に、館の主人、ギルバートが姿を現す。 ギルバートは、クリスティーナの失敗ポーションを必要としていて――。 「毎日、私にポーションを作ってくれないか。私には君が必要だ」 これは無能聖女として搾取され続けていたクリスティーナが、居場所を見つけ、自由を見つけ、ゆったりとした時間の中で輝いていくお話。 *カクヨム、小説家になろうにも投稿しています。

【完結】聖女のはずが勇者(仮)に間違われて、魔王さまに溺愛されてます

小豆缶
恋愛
なんちゃって聖女認定試験で、まさかの「勇者認定」を受けてしまったリン。 実は戦う気ゼロ、しかも金なし・仲間なしの超ポンコツ。 そんな彼女に下されたのは、魔王復活の危機を理由に街の外へ放り出されるという無茶な命令! 途方に暮れながら魔王城のあるダンジョンを目指すも、道中で遭難。 絶体絶命のピンチを救ってくれたのは――なんと、あの魔王だった!? 帰る場所もなく、頼み込んで魔王城に居候することになったリン。 戦えない勇者(?)と、戦いを嫌うツンデレ魔王。 この不器用で奇妙な共同生活が、今、始まる――!

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

役立たずと捨てられた万能建築士、隣国で「聖域」を造って無双する。今さら復興のために戻れ? ご自分たちで瓦礫でも積んでいればよろしいのでは?

しょくぱん
恋愛
「お前の魔法は石を積むだけの土木作業だ」と婚約破棄されたので、城を支えていた『構造維持結界』をすべて解除して出て行きますね。今さら「城が崩れる!」と泣きつかれても、私は隣国で氷結の皇帝陛下と「世界最高の聖域」を造っていますので、一切知りません。 王国唯一の建築魔導師アニエスは、その地味な見た目と能力を理由に、王太子シグムンドから婚約破棄と国外追放を言い渡される。 彼の隣には、派手な光魔法を使う自称聖女の姿があった。 「お前の代わりなどいくらでもいる。さっさと出て行け!」 「……分かりました。では、城にかけていた『自動修復』『耐震』『空調』の全術式を解約しますね」 アニエスが去った直後、王城は音を立てて傾き、噴水は泥水に変わり、王都のインフラは崩壊した。 一方、アニエスは隣国の荒野で、呪われた皇帝レオンハルトと出会う。彼女が何気なく造った一夜の宿は、呪いを浄化するほどの「聖域」だった。 「君は女神か? どうか私の国を救ってほしい」 「喜んで。ついでに世界一快適な住居も造っていいですか?」 隣国がアニエスの力で黄金の国へと発展する一方、瓦礫の山となった母国からは「戻ってきてくれ」と悲痛な手紙が届く。 だが、アニエスは冷ややかに言い放つ。 「お断りします。契約外ですので、ご自分で支えていればよろしいのでは?」 これは、捨てられた万能建築士が隣国で溺愛され、幸せを掴む物語。 そして、彼女を捨てた者たちが、物理的にも社会的にも「崩壊」し、最後には彼女が架ける橋の『礎石』として永遠に踏まれ続けるまでの、壮絶な因果応報の記録。

処理中です...