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体力については文字通りなので筋トレなどで鍛えるしかないし、仕事の合間や“ながら”でも地道に励むことはできるけど…
気力とは、つまり精神力なわけで…。
前の世界で社畜として過ごし、イヤミ上司などがいる劣悪な環境ならまだしも…
この世界に来てからは約1名を除いて、いい人しかいない上に衣食住全てに不満などないし、仕事も適度にで申し分ないし…
どうやったら気力を鍛えられるのかわからない…
「…何を言っているのかなこの子は」
屋根裏のあの部屋で、キセルの煙を吐きながら「アホの子の話はよく分からないね」と呟いた時成さんに苛立ちを覚えながらも私は詰め寄った
「だから!ナス子さんにも約束したし!私は早くアネモネさんを助けたいんですよ!そのためにも早く浄化の力を鍛えたくて…!!」
「…少なくとも、私との会話ひとつで苛立ち乱すようでは由羅の気力はまだまだだね」
「うぐ…!だからこそ、鍛えたいんです!!」
「気は急いても焦らぬように、と言ったはずだけどね。日々の暮らしで心体も少しずつ鍛錬されてはいるものだよ」
「そんな悠長なこと言ってられないんですよ!もっとこう、一気に浄化の力が増すようなことないんですか!?」
時成さんならなにかそういう魔法みたいなことができるのでは。と期待をこめて見つめるけど、その顔は天を仰いでいて、キセルの煙をフーと吹くだけだった…
…わかってますよ。いくら時成さんでもそんな事できないことは…。できるならはじめからしているだろうしね。やっぱり地道に鍛錬していくしかないのか…
「今は由羅に見合う自警団の仕事はないから。貿易の方で地方への出張仕事をしてはどうかな?遠方なら心体ともに鍛錬になるだろう」
「やります!!」
「道中護衛でもつければ、由羅が獣に殺されることもないだろうからね」
「…真顔で恐ろしいことさらっというのやめて下さい」
「護衛はありがたいですが…」と少しだけ見えた希望に喜んだ時ーー
ーーふと見えた時成さんの表情に違和感を覚える。
「…時成さん?どうかしました?」
「うん…?どうかしたとは?」
「なんだか…。さみしそうな顔してる気がして…」
いつも通りの胡散臭い笑みの裏で、わずかに感じたことを伝えれば
時成さんはキセルをコトリと置くと、頬杖をついて私を見つめた
「私がさみしい顔を…?」
「え、まぁはい。勘違いならすみません」
「本当に由羅はおかしな子だね。」
「はい?どういう意味ですか」
「言葉のままだよ。」
「つまり喧嘩うってるんですね」
「褒めているんだよ」
不思議そうに首を傾げる時成さんに私はなんともいえない気持ちになる
意思疎通ができないというか価値観が違うというか…こうも伝わらないものかと逆に感心する
だめだ。話題を変えよう
「…護衛って、自警団の誰かですか?それとも時成さんが?…そういえば時成さんって戦えるんですか?」
戻した仕事の話題でふと浮かんだ疑問。今までも本や噂で『時成さんが異形を追い払った』という話は何度も聞いていたけどいまだに信じられない…、と怪訝な視線を向ける私に、時成さんは「どうだと思う?」といつものような言い回しで聞き返してきた。
「戦えるようには、見えませんけど…。でもなんか不思議な力使えるし…実は意外と強かったりするんですか?」
「…そうだね。例えば、私が持っているその不思議な力や、数える事すらやめてしまった幾年の経験則をもって異形と対峙したとしようか…」
「どうなるんですか?」
「その瞬間、私の体は寸秒も待たず異形の手によって簡単に生き絶えるだろうね」
にっこりと胡散臭い笑みでそう断言した時成さんに私はガクッと肩を落とした。
それはつまり…よわっよわということですね。
本当この人は、お約束を破らないというかなんというか…。頼りになるのかならないのかわからないな…
「そもそも私ひとりで戦えるなら会社自体設立しないからね」
「まぁ…それもそうですね…。あ、でも。私の中にある光って確か、時成さんの武器みたいなものなんですよね?それがないから戦えない、とかですか?」
「…光があったとしても私は戦うのではなく、別の手段を講じるだろうね。」
「…つまり、戦闘能力は皆無なんですね」
よわっよわだということですね。と目を細める私に時成さんはにっこりと笑みを作る
「光は武器というより歪みを直す道具だからね。そしてその使い方も、私より由羅の方が使いこなしているよ」
私には共鳴などという使い方はできないからね。と呟いた言葉に大きく頷く。確かに時成さんには好感度をあげる努力なんてできなさそうだ…。
「不思議だね。私の命の一部のはずなのに光は随分と由羅に懐いているようだ」
「時成さんの命の一部…?」
そうだ、そういえば最初のころ、そんなことを言っていたような…
『歪みを直すための道具でもあるし、私の命そのものの一部でもあるね。まぁとにかく、それがなくてはすごく困って私の存在意義自体が怪しいものになってしまう』
思い出したいつかの時成さんのその言葉に、私はふと、嫌な予感がしたーー
ちょっと待って。私たちはいま、世界の歪みを直すために
この世界にもともとあった歪みの原因である『異形』と
新たに生まれた私の歪みの原因である『光』を消滅させるために動いているけど…
私の中にある『光』は…時成さんの一部でもあるんだから…それが消滅してしまったらーー
--時成さんは…どうなるの…?
とたんに頭に恐ろしいことがよぎる・・・。
サダネさん達の中にある異形の塊を消すことで、異形との縁を断ち、異形だけを消す事ができるようにーー
私の中にある時成さんの光が消えたら、時成さんは光を失って、消えてしまうのではないだろうかーー……?
「と、時成さん…私いま。とても怖い想像してしまったんですけど…」
「うん?」
「た、対象人物、皆と共鳴できて、異形も倒せて…それで無事に、私の中の光が消えた時って…時成さんは…ど、どうなるんですか…?」
少しだけ震える声で聞いた質問に、時成さんはまるで他人事のように「そうだね」と頷くと、キセルに葉を詰めながら平然と答えた
「 その時は、私の存在はなくなるのだろうね。 」
「え・・・?」
「由羅の歪みもなくなるだろうから。これで世界の歪みはすべて解決するし、私はそこで長かった役目を終える事になるだろうからね」
まったく恐怖も焦りもない声音で話す時成さんは、キセルに火を灯している。
…私はただ、愕然としていた。…時成さんの言葉がまるで飲み込めないーー。
時成さんの存在がなくなるーー?
「だ、だめですよ…そんなの」
「だめではないよ。そもそも由羅の歪みは私が光をなくしたせいだしね。その責任といえばまとまりもいいのではないかな」
「そういう、事じゃなくて…」
「あぁ心配しなくても由羅が望むなら元の世界への帰り方も調べておくからーー」
「そんなこと心配してません!!時成さんが、消えては…だめなんですよ…!」
「……どうしてかな?私はこの世界の者ではないし。世界の歪みが直れば用はないよ」
「っそれでも、だめです…!」
駄目だ。駄目だ。と単調に繰り返す私に時成さんはため息まじりにキセルの煙を吐いた
「…由羅の言わんとすることは分からないけど、冷静ではないことはわかるね。もう休みなさい」
スッと屋根裏から下りる戸を差した時成さんに促されるまま、私はふらりと立ち上がるとそこへ向かう
「明日、地方出張の仕事の話をしにトキノワに行くからね」
「…はい」
背中にかけられた言葉に「わかりました。」と小さく呟き、振り向かないまま私は屋根裏の戸を閉めた。
あぁ…だめだ…。
頭が真っ白で、なんだかなにも…考えられない…
気力とは、つまり精神力なわけで…。
前の世界で社畜として過ごし、イヤミ上司などがいる劣悪な環境ならまだしも…
この世界に来てからは約1名を除いて、いい人しかいない上に衣食住全てに不満などないし、仕事も適度にで申し分ないし…
どうやったら気力を鍛えられるのかわからない…
「…何を言っているのかなこの子は」
屋根裏のあの部屋で、キセルの煙を吐きながら「アホの子の話はよく分からないね」と呟いた時成さんに苛立ちを覚えながらも私は詰め寄った
「だから!ナス子さんにも約束したし!私は早くアネモネさんを助けたいんですよ!そのためにも早く浄化の力を鍛えたくて…!!」
「…少なくとも、私との会話ひとつで苛立ち乱すようでは由羅の気力はまだまだだね」
「うぐ…!だからこそ、鍛えたいんです!!」
「気は急いても焦らぬように、と言ったはずだけどね。日々の暮らしで心体も少しずつ鍛錬されてはいるものだよ」
「そんな悠長なこと言ってられないんですよ!もっとこう、一気に浄化の力が増すようなことないんですか!?」
時成さんならなにかそういう魔法みたいなことができるのでは。と期待をこめて見つめるけど、その顔は天を仰いでいて、キセルの煙をフーと吹くだけだった…
…わかってますよ。いくら時成さんでもそんな事できないことは…。できるならはじめからしているだろうしね。やっぱり地道に鍛錬していくしかないのか…
「今は由羅に見合う自警団の仕事はないから。貿易の方で地方への出張仕事をしてはどうかな?遠方なら心体ともに鍛錬になるだろう」
「やります!!」
「道中護衛でもつければ、由羅が獣に殺されることもないだろうからね」
「…真顔で恐ろしいことさらっというのやめて下さい」
「護衛はありがたいですが…」と少しだけ見えた希望に喜んだ時ーー
ーーふと見えた時成さんの表情に違和感を覚える。
「…時成さん?どうかしました?」
「うん…?どうかしたとは?」
「なんだか…。さみしそうな顔してる気がして…」
いつも通りの胡散臭い笑みの裏で、わずかに感じたことを伝えれば
時成さんはキセルをコトリと置くと、頬杖をついて私を見つめた
「私がさみしい顔を…?」
「え、まぁはい。勘違いならすみません」
「本当に由羅はおかしな子だね。」
「はい?どういう意味ですか」
「言葉のままだよ。」
「つまり喧嘩うってるんですね」
「褒めているんだよ」
不思議そうに首を傾げる時成さんに私はなんともいえない気持ちになる
意思疎通ができないというか価値観が違うというか…こうも伝わらないものかと逆に感心する
だめだ。話題を変えよう
「…護衛って、自警団の誰かですか?それとも時成さんが?…そういえば時成さんって戦えるんですか?」
戻した仕事の話題でふと浮かんだ疑問。今までも本や噂で『時成さんが異形を追い払った』という話は何度も聞いていたけどいまだに信じられない…、と怪訝な視線を向ける私に、時成さんは「どうだと思う?」といつものような言い回しで聞き返してきた。
「戦えるようには、見えませんけど…。でもなんか不思議な力使えるし…実は意外と強かったりするんですか?」
「…そうだね。例えば、私が持っているその不思議な力や、数える事すらやめてしまった幾年の経験則をもって異形と対峙したとしようか…」
「どうなるんですか?」
「その瞬間、私の体は寸秒も待たず異形の手によって簡単に生き絶えるだろうね」
にっこりと胡散臭い笑みでそう断言した時成さんに私はガクッと肩を落とした。
それはつまり…よわっよわということですね。
本当この人は、お約束を破らないというかなんというか…。頼りになるのかならないのかわからないな…
「そもそも私ひとりで戦えるなら会社自体設立しないからね」
「まぁ…それもそうですね…。あ、でも。私の中にある光って確か、時成さんの武器みたいなものなんですよね?それがないから戦えない、とかですか?」
「…光があったとしても私は戦うのではなく、別の手段を講じるだろうね。」
「…つまり、戦闘能力は皆無なんですね」
よわっよわだということですね。と目を細める私に時成さんはにっこりと笑みを作る
「光は武器というより歪みを直す道具だからね。そしてその使い方も、私より由羅の方が使いこなしているよ」
私には共鳴などという使い方はできないからね。と呟いた言葉に大きく頷く。確かに時成さんには好感度をあげる努力なんてできなさそうだ…。
「不思議だね。私の命の一部のはずなのに光は随分と由羅に懐いているようだ」
「時成さんの命の一部…?」
そうだ、そういえば最初のころ、そんなことを言っていたような…
『歪みを直すための道具でもあるし、私の命そのものの一部でもあるね。まぁとにかく、それがなくてはすごく困って私の存在意義自体が怪しいものになってしまう』
思い出したいつかの時成さんのその言葉に、私はふと、嫌な予感がしたーー
ちょっと待って。私たちはいま、世界の歪みを直すために
この世界にもともとあった歪みの原因である『異形』と
新たに生まれた私の歪みの原因である『光』を消滅させるために動いているけど…
私の中にある『光』は…時成さんの一部でもあるんだから…それが消滅してしまったらーー
--時成さんは…どうなるの…?
とたんに頭に恐ろしいことがよぎる・・・。
サダネさん達の中にある異形の塊を消すことで、異形との縁を断ち、異形だけを消す事ができるようにーー
私の中にある時成さんの光が消えたら、時成さんは光を失って、消えてしまうのではないだろうかーー……?
「と、時成さん…私いま。とても怖い想像してしまったんですけど…」
「うん?」
「た、対象人物、皆と共鳴できて、異形も倒せて…それで無事に、私の中の光が消えた時って…時成さんは…ど、どうなるんですか…?」
少しだけ震える声で聞いた質問に、時成さんはまるで他人事のように「そうだね」と頷くと、キセルに葉を詰めながら平然と答えた
「 その時は、私の存在はなくなるのだろうね。 」
「え・・・?」
「由羅の歪みもなくなるだろうから。これで世界の歪みはすべて解決するし、私はそこで長かった役目を終える事になるだろうからね」
まったく恐怖も焦りもない声音で話す時成さんは、キセルに火を灯している。
…私はただ、愕然としていた。…時成さんの言葉がまるで飲み込めないーー。
時成さんの存在がなくなるーー?
「だ、だめですよ…そんなの」
「だめではないよ。そもそも由羅の歪みは私が光をなくしたせいだしね。その責任といえばまとまりもいいのではないかな」
「そういう、事じゃなくて…」
「あぁ心配しなくても由羅が望むなら元の世界への帰り方も調べておくからーー」
「そんなこと心配してません!!時成さんが、消えては…だめなんですよ…!」
「……どうしてかな?私はこの世界の者ではないし。世界の歪みが直れば用はないよ」
「っそれでも、だめです…!」
駄目だ。駄目だ。と単調に繰り返す私に時成さんはため息まじりにキセルの煙を吐いた
「…由羅の言わんとすることは分からないけど、冷静ではないことはわかるね。もう休みなさい」
スッと屋根裏から下りる戸を差した時成さんに促されるまま、私はふらりと立ち上がるとそこへ向かう
「明日、地方出張の仕事の話をしにトキノワに行くからね」
「…はい」
背中にかけられた言葉に「わかりました。」と小さく呟き、振り向かないまま私は屋根裏の戸を閉めた。
あぁ…だめだ…。
頭が真っ白で、なんだかなにも…考えられない…
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