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序幕:怪しい薬を売る怪しい店の怪しい女の噂
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「次の任務は山奥の無認可店の視察ですか…」
白亜の城が輝くフリーデン国王都の敷地内。北西に位置する王国騎士団訓練場の片隅で、鎧を脱いだ金髪碧眼の男が不満そうに呟く。
「平和で良いだろうが。俺なんて次は魔獣討伐だぞ。Bランクとはいえ、また戦闘とは…」
隣で赤い短髪の男がうんざりそうに太い首をコキコキと鳴らしている。
「それならば何故私が視察の任務を任されたのでしょう。私も団長に同行した方が」
「その無認可店、女が経営してるらしいぜ。そういうのは大抵ボディガードを雇ってる。戦闘になる可能性が高い」
「…なるほど」
金髪の男が納得したように任務の内容に目を通し、首を傾げる。
「怪しい薬を売っているとは、どんな…?」
「それがなぁ、誰も吐かねぇんだと。購入した客とは随分と厚い信頼関係を築いててな。経営してる人間が女で、あの山のどこかに店があるという事が分かっただけだ」
赤い短髪の男が訓練場から南、小高い山を差し示す。城下町からすぐ近くの山で、さほど強力ではないにしろ魔獣が潜んでいる為、住む人はいないとされているところだった。
そんな危険な山でわざわざ店を開き、正体不明の薬を売る怪しい女。なのに、購入した客は誰もが「良い薬」「無くなったら困る」と言っているらしく、こちらが詰問しても口を割らない。
確かにこれ以上店が大きくなったりする前に視察をする必要がありそうだ。協力者が増えて店舗拡大なんてされたら面倒な事になる。出る杭は打たなければならない。
「ま、頼んだぜ副団長殿!きな臭ぇけど、お前ならなんとかできるだろ!」
副団長と呼ばれた金髪の男が背中を思いっきり叩かれ咳き込みそうになる。
この先の災難を予言するように、訓練場の赤い土を激しい砂埃が吹き荒れていた。
白亜の城が輝くフリーデン国王都の敷地内。北西に位置する王国騎士団訓練場の片隅で、鎧を脱いだ金髪碧眼の男が不満そうに呟く。
「平和で良いだろうが。俺なんて次は魔獣討伐だぞ。Bランクとはいえ、また戦闘とは…」
隣で赤い短髪の男がうんざりそうに太い首をコキコキと鳴らしている。
「それならば何故私が視察の任務を任されたのでしょう。私も団長に同行した方が」
「その無認可店、女が経営してるらしいぜ。そういうのは大抵ボディガードを雇ってる。戦闘になる可能性が高い」
「…なるほど」
金髪の男が納得したように任務の内容に目を通し、首を傾げる。
「怪しい薬を売っているとは、どんな…?」
「それがなぁ、誰も吐かねぇんだと。購入した客とは随分と厚い信頼関係を築いててな。経営してる人間が女で、あの山のどこかに店があるという事が分かっただけだ」
赤い短髪の男が訓練場から南、小高い山を差し示す。城下町からすぐ近くの山で、さほど強力ではないにしろ魔獣が潜んでいる為、住む人はいないとされているところだった。
そんな危険な山でわざわざ店を開き、正体不明の薬を売る怪しい女。なのに、購入した客は誰もが「良い薬」「無くなったら困る」と言っているらしく、こちらが詰問しても口を割らない。
確かにこれ以上店が大きくなったりする前に視察をする必要がありそうだ。協力者が増えて店舗拡大なんてされたら面倒な事になる。出る杭は打たなければならない。
「ま、頼んだぜ副団長殿!きな臭ぇけど、お前ならなんとかできるだろ!」
副団長と呼ばれた金髪の男が背中を思いっきり叩かれ咳き込みそうになる。
この先の災難を予言するように、訓練場の赤い土を激しい砂埃が吹き荒れていた。
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