【奨励賞感謝】媚薬専門店を開いたら、ED騎士が釣れました。

金時ジュゴン

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16瓶目:ご心配をおかけしました

「ようこそ…ようこそおいで下さいました…‼」

 ヴァネッサが王都へ引っ越して数日後。
 ヴァニィ薬店の新装オープンはもう少し先にして、ヴァネッサは長い馬車の旅に揺られて夕暮れ時のバトラー邸を訪れていた。
 街道がだんだんのどかな農地に変わっていく様子が、日本での実家への帰省の気分で和んでいたのだが、バトラー邸に辿り着いてそれどころではなくなった。
 門をくぐると使用人が数十人ずらりと並び、元平民であるヴァネッサを総出で出迎えてきた。
 そして執事長というヨハンと侍女頭のアマンダが瞳をうるうるさせて両手を祈るように組んでいるので、ヴァネッサはただならぬ気配を感じる。
 とりあえず挨拶はしようとローブは羽織ったままドレスを摘まんで一礼するが。

「この度はお招き頂き、誠にありがとうございま―…」
「それは後程!ひとまずこちらへ!」

 挨拶もそこそこというかほぼ無しに、グリフィス邸とは比べ物にならない豪邸の中へ引き込まれる。
 要塞さながらの建物の大きさは勿論、荘厳さを称える木彫りの装飾が見事な柱、大きなステンドグラスの窓、天井のシャンデリアまでピカピカに磨かれており、ヴァネッサは足を踏み入れた一歩目で気圧された。
 グリフィス邸も十分豪華ではあったが、広さと装飾の凝り方が違う。どこを見ても格式の高さが伺える年代物の調度品や趣のある絵画が並び、落ち着かないし目が飽きない。観光ツアーでもしたら大儲けできそうだと不謹慎ながらも前世からの商魂が訴えてきた。
 そんな事もお構いなしに執務室と思われる部屋へ連れていかれたかと思えば、人だかりができている。
 その人だかりの中心にいるのは、見覚えのあるプラチナブロンドの髪が印象的な男性。無造作にあちこちに跳ねた短髪と、少し童顔に見える大きなターコイズグリーンの瞳。その隣にはこれまた見覚えのあるクロムグリーンの髪を緩く耳下の方で一つ結びにしている女性。真っ赤な口紅が似合うエレガントな顔立ちで、少し切れ長の深緑の瞳があの初心な護衛騎士を彷彿とさせる。
 そして二人とも銀糸の刺繡が見事なフロックコートとロングドレスを身に纏っており、身分が高いのが一目で分かる。
 この二人がきっとそうなのだと悟ったヴァネッサが一礼をしようとした瞬間。

「―え⁉もうそんな時間⁉」
「来たわ!救世主が…‼」

 二人の視線が一気にヴァネッサに集中した。
 ずんずん歩いてきた二人は、鬼気迫る勢いでヴァネッサの手を握る。

「僕はウェイド・バトラー」
「私はカーラ・バトラーよ」

 手短に挨拶したかと思えば、執務室の中心にある大きな大理石の机の元へ連れていかれ。

「この書類の計算が全然合わなくて困ってるの!なんとかできる⁉」
「数字が得意な家族ができて、本当に助かるよ‼」
(…へ?)

 ヴァネッサの予想を遥かに超える"歓迎"が待っていた。


 ヴァネッサが見たバトラー侯爵家の経営は、それはそれはとても不安定な薄氷の上で成り立っているものだった。
 農地で獲れた作物の利益や、人件費や経費などの出費の計算が、あまりにも杜撰。かろうじて当主であるウェイドがなんとか帳尻を合わせて王城に報告し問題にはなっていないが、このままこんなやり方を続けていたら数字がどうしても合わなくなって視察が入るのは明白だった。
 視察はどんな大貴族でも数字がおかしかったり急な経営不振などがあると入る。そこで問題ありと判断されると下りていた認可が取り下げられ、営業を禁止されてしまうのだ。
 しかもポールが後を継がないまま後継がいない場合は領地を王家が管理することになっているが、こんな杜撰な書類を王家に見せるわけにはいかない。即刻大問題になるのが明白である。
 ポールが以前に『計算は得意なのか』と聞いてきた理由が、今分かった。

「領主様、この方が噂の一人で店を何年も切り盛りした敏腕経営者ですか?」
「これで我々が数字の間違い探しに駆り出されずに済みますなぁ」

 人だかりの中の数人が安心したように微笑む。見る限り農夫なので、領地内で雇われている領民である。
 領主が数字が苦手ならこれ幸いと横領の一つや二つしそうなところが、まさかの領主と領民が総出で書類の数字合わせに勤しんでいる。そんな事ヴァネッサは前世ではもちろん今世でも見た事も聞いた事も無い。
 ヴァネッサは目が回りそうな状況の中で、ひとまず計算が合わないと言われている書類に目を通す。

「…まず大前提ですが、この獲れた作物の量の記録や、使った道具による経費の記録は、正確なのですか?」
「それは正確だと保証します!何人もの人が何回もチェックして記録してるんで!嘘ついたらすぐバレますぜ!」

 人だかりの農夫の中の一人が元気よく答える。どうやらダブルチェックが行き届いていて不正は起こりにくいようだ。
 だとすると確かに数字が明らかに合っていないので、ヴァネッサは額に手を当てて長い息を吐く。

(記録はしっかりしてるのに、計算が苦手だからこんな事になっちゃうのね…)

 ヴァネッサは王都の新居を発つ際に見送りに来てくれたリティーシャとポールを思い出す。二人は大事な夜会が控えている為一緒に行けなかったのだ。

"うちの両親を、バトラー家をお願い…‼"

 藁をも縋る思いの表情だった。ヴァネッサは全てに納得がいき、これは責任重大だと判断した。
 だとすれば、自分にできる事は二つある。
 ヴァネッサは自分の頬を両手でバチン!と叩くと、両隣にいるウェイドとカーラに進言する。

「ひとまず過去10年分の経営の書類を全部見せて頂けますか?全て目を通し、その場しのぎではなく根本から改善できるよう努めます」

 その場にいる全員が一瞬沈黙した後、目を爛々に輝かせる。

「なっ…なんて頼りになるんだ…!!馬車から一目見てすごい子だと思ったんだ…!やはり僕の目に狂いはなかったよ…カーラ!」
「えぇ本当に…!貴方は昔から人を見る目だけはあるものね…!」

 抱き合って寄り添うウェイドとカーラ。その周りで拍手をしたりうんうんと頷いたり万歳をしたりする農夫たち。部屋の隅や扉の側には使用人たちが涙を拭うような素振りまで見せていた。
 とんでもない家の養子になったのだと、ヴァネッサはここで真の意味で理解した。

 それからヴァネッサは書類の山と対峙しながら、帰宅は10日後と伝えていたのを20日後に訂正する旨の手紙を伝信鳥でアシェル宛に出していた。王都の新居とバトラー邸への往復も兼ねて10日という見込みだったが、侯爵家の経営存続の危機を解決するとなると全く時間が足りないと判断したのだ。
 書類や数字と格闘している間にヴァネッサが感じた事は、とにかく領主であるウェイドの人柄の良さ。
 手紙でも伝わっていたが、それは領民を見てさらに明白になった。
 領民は皆ヴァネッサを見かけると快活に挨拶をし、養子縁組されたとはいえ急に現れた新参者に対して無礼を働く者が一人もいない。ヴァネッサの顔と名前は既に領民に周知されており、子供までもが「領主さまの新しい家族でしょ⁉こんにちは!」と挨拶をしてくる。使用人も礼儀正しく自分の仕事をきちんとこなしサボる者などおらず、皆働きながら笑顔に溢れている。
 ウェイドも農夫もヴァネッサの胸を凝視してくることも無く顔を見て話してくれるし、郊外特有の変な噂話や因習なんてものも勿論無い。領主の素晴らしい人徳が余すことなく発揮されている。
 そしてさらに驚くべきはその警備の甘さである。鍵などほぼすべての部屋がかけられておらず、見たきゃ勝手に見ろとばかりに玄関と寝室以外の部屋の扉が開けっ放しである。衛兵らしき者がおらず、門が石造りで荘厳なのに門兵もいない。悪人が見る限りいないので平和すぎてセキュリティがガバガバなのだ。その点は日本の田舎を思わせるものがあった。
 話を聞いてみると皆適正な賃金をもらい労働時間も適正。休暇も十分に与えられて充実した日々を送れていると言う。確かにそれだけ幸福と思える生活が送れるなら犯罪も起こらない。
 日本で言う"ホワイト企業"そのものだった。こんな企業が日本でもっとあったら良かったのにと、ヴァネッサは食堂でバトラー家の郷土料理を頂きながら帰らぬ故郷への哀愁に耽る。

「うちの料理はお口に合ってるかしら。大丈夫?」
「―はい!とても美味しいです」
「子供と食卓を囲むのなんて久しぶりで嬉しいねぇ」

 到着してからウェイドとカーラはごくごく自然にヴァネッサを娘のように扱っていた。よそよそしい他人行儀ではなく、カーラは当たり前のようにハグをして、ウェイドも当然のようにヴァネッサの頭を撫でる。
 手紙でも温かみを感じていたが、こうも当然のようにされるとくすぐったくて、ヴァネッサは執務室へ籠って書類を眺めている時も一人落ち着ける時間として苦ではなかった。
 そして調べ始めて3日が経った頃、ついに過去10年分全ての書類に目を通したヴァネッサが立ち上がる。

「数字が合わなくなる要因が洗い出せました。どうやら皆様桁が大きい計算が苦手なようですね。数字が大きくなればなるほど、計算ミスが多くなっています。なので、改善策を提案します」

 ヴァネッサが中心にいる執務室では、ウェイドとカーラも含め農夫たちがずらりと囲んでゴクリと唾を飲み込む。
 発表会さながらの雰囲気の中、ヴァネッサは荷物から取り出していたある物を掲げる。

「皆様には計算間違いを防ぐ為に、これを使いこなせるようになって頂きます」

 自分にできる事の一つ目が数字が合わなくなる原因の洗い出しであり、二つ目がこれにあたる。
 ヴァネッサの手に掲げられたものは、串で刺したような珠が並ぶ木製の道具。
 ―そろばんである。

「…なぁに?それ」
「今まで全く見た事がないけど…」

 戸惑うウェイドとカーラ。周りの農夫たちも同様である。
 ヴァネッサは安心させるように柔らかく微笑み、そろばんの珠をパチパチ弾く。

「これは計算の助けをしてくれる道具で、そろばんと私は名付けております。私が独自に開発した道具なので、市場には出回っていません。これが使えるようになれば桁が大きくなっても正確な計算ができるので、数字が合わなくなることが激減すると思います」

 そこまで言われても、皆まだ少し不安気である。

「そのそろばんとやらは、僕達にも使いこなせるかな…?」
「えぇ。そこが不安だわ…」

 ウェイドとカーラが顔を見合わせる。
 荘厳な雰囲気の執務室の中で、ヴァネッサは希望に満ちた瞳で大理石の机に身を乗り出す。

「大丈夫です!もうすぐ予備のそろばんが届きますから、いっしょに実践しながらやって―」
「失礼する!ヴァネッサ・"グリフィス"はいるか⁉」

 バァン!とけたたましい玄関扉の音がしたかと思えば、名字の変わった自分のフルネームが呼ばれ驚きと共に少しくすぐったくなる。
 ―そしてその朗々とした声はあまりにも聞き覚えがありすぎた。

(まっ…まさか…)

 ヴァネッサに珍しくとめどない冷や汗が流れる。
 ドスドスと大股で歩く足音。その音だけでなんとなくの感情が分かる。

(そんな…まだ任務中で来れるはずが…)

 執務室に飛び込まん勢いで入ってきたその男は、後ずさるヴァネッサを瞳に捉えた瞬間激昂した。

「~ヴァネッサ!!なんで護衛もつけずに一人で行ったんだ!信頼できる部下を紹介しただろう⁉」

 見事な金髪をポニーテールにした、鎧を着たままのアシェルだった。
 数日ぶりに見る愛する美男騎士の姿に無条件に胸がキュンとするが、事態はそれどころではない。アシェルはなかなか本気で怒っている。

「護衛を任せたはずの部下から"頑なに断られて休みになりました"と手紙が届いた時は心臓が止まるかと思った…‼なんで断った⁉王都を離れた街道には魔獣が出る可能性だってあるんだぞ⁉」
(あーーー部下の人…律儀に手紙まで出して報告するタイプの人だったかぁ…!)

 ヴァネッサは眉間を押さえて窓辺に手をかける。
 何事かときょろきょろヴァネッサとアシェルを交互に見る農夫たち、そしてウェイドとカーラは「え⁉もしかして御者とだけでここまで来たの⁉」と慌てふためいている。

「確かに一人しかいないなぁとは思ってたけど、旅の間の護衛はつけていたのだとばかり…!」

 三日間の馬車の旅、しかも女一人で護衛がいないのは有り得ない事態である。ウェイドは青ざめ、カーラはアシェルの前に進み出る。

「貴方がアシェル殿ね⁉ごめんなさい、私たちが護衛をつけて馬車を手配しておけば良かったのにそこまで気が回らなくて…」
「―っい、いえ!侯爵様は何も悪くありませんので!こちらこそ急に押しかけて申し訳ありません…!」

 少しだけ冷静さを取り戻したアシェルが慌てて膝をつく。ウェイドも挨拶をしたところで、アシェルはすっくと立ち上がってヴァネッサの前にズンズン歩いてくると。

「ヴァネッサ。話がある」

 やはり先ほどの続きは話さねばならない。ヴァネッサは観念したように項垂れ、恐る恐る問い掛ける。

「あ、あの…頼んだ荷物は…」
「そろばんとやらなら持って来たぞ」

 そう言うと扉からそろーっと入ってきた使用人が荷物を置く。予備のそろばんたちが入っている麻袋である。
 それだけ聞いてひとまず安心したヴァネッサは、ゆっくり頷いて「どこか部屋を借りてもよろしいでしょうか…」とウェイド達に力なく尋ねた。


 大きなダマスク柄の赤い絨毯が敷かれた応接間に通され、扉が閉まった途端。

「ヴァネッサ…‼本当に心配したんだぞ…⁉」

 ぎゅぅぅぅっと思いきり強く抱き締められる。鎧も着たままなのでなかなか硬くて痛い。
 それでもヴァネッサはされるがままでいるしかない。今回ばかりは自分が10割悪いのがよく分かっていた。

「あの…魔獣討伐の任務は大丈夫なのですか…?」
「Bランクの大して強くない魔獣だったんだ。早々に切り伏せて馬をかっ飛ばして来た。休まず行けば1日半で来れたぞ」
(Bランクは"大して強くない"に入らないし、魔獣討伐した足で休まずに来たの…?)

 底知れぬ体力に薄ら恐ろしくなる。
 帰宅が予定より遅くなる事と予備のそろばんを届けて欲しいと手紙を出したのだが、まさかアシェル自身が届けに来るとは思っていなかった。任務もそうだし、このフリーデン国には運送業者もあるので荷物の配送はそちらに任せればいいのだ。
 ヴァネッサは自分のやったことに激しく後悔しながら、ゆるゆると頭を深く下げる。

「…心配をかけて、本当にすみませんでした。正直に申し上げますと、アシェルさんやポール様以外の若い男性と馬車に乗るのが怖くて…お断りしてしまいました…」

 本当はアシェルが同行出来たら良かったのだが、ランクの高い魔獣討伐任務があるとなかなか休めない。なのでアシェルは信頼のおける部下にヴァネッサの護衛を仕事として依頼して任せていた。
 しかし、ヴァネッサは自分の体型で男が豹変する様を何度も見てきた。だから、いくらアシェルが信頼している部下と言われても、三日間も馬車の旅を共にするほど信用できなかった。
 御者も身元のはっきりした性欲とは無縁の老齢の男性を指名した。
 ヴァネッサは後から叱られることも分かった上で、断固として護衛の同行を断っていた。
 アシェルは苦虫を嚙み潰したような顔をして歯噛みする。

「…結果的に君が無事にバトラー邸に辿り着けているから良いが…知っているか?君が通った街道には、つい最近コドラの出没が報告されてたんだぞ」
「えっそうなんですか⁉」

 コドラとはCランクの魔獣で、名前の通り小さいドラゴンである。小さいとはいえ人間より体長は大きいし力は人間の数十倍あるので女一人では絶対に敵わない相手である。日本で言う熊のようなものだと思えば例に漏れない。
 ヴァネッサは本当にめちゃくちゃ心配をかけてしまったのだと滝汗を流す勢いで目が泳ぎまくる。

「そ、その…私は道中魔獣には一度も遭遇しませんでした…山小屋に住んでる時もほとんど遭遇しなかったので…運が良いのかも…」
「サラマンダーには遭遇していたが?」

 鋭いツッコミをされてビクぅ‼と肩が跳ねる。
 そう言えばそんな事もあった。いつの間にかヴァネッサは絨毯の上で正座をしていた。

「そッ⁉そうでしたね…⁉でもあの時も何故か生き残ってますから…やっぱり運が良いのかも…?あはは…」

 精一杯の苦笑いでなんとか空気を良くしようと見上げたが、アシェルの表情がその心持ちを一変させる。

(―アシェルさん涙ぐんでる⁉)

 アシェルは怒り過ぎて顔を真っ赤にしながら、美しい碧い瞳には水の膜が張っていた。
 潤んだ瞳で悔しそうに唇を噛み締め、拳をぎゅっと握り込んでいる。
 見られたくないのか顔を背けるように横を向くと、任務中にも外さずに着けている耳飾りが照明に反射して碧く光った。
 さすがのヴァネッサもそこまで見て思わず駆け寄った。

「ごっ…ごめんなさい!本当にごめんなさい!もう絶対に一人で行かないわ!約束する!」
「…本当に?」

 目元を手の甲でごしごし拭ったアシェルが、鼻を赤くして睨む。

(どうしよう不謹慎だけど可愛い!!)

 ヴァネッサは高鳴ってしまう胸を押さえてコクコクと何度も頷く。
 今になって年下の片鱗を見た気がした。
 こんな心配のされ方をしたら、不注意はもう起こせない。というか怒り方が可愛い。

「誓うわ!もう一生無茶な事しないって神に誓うから!そんな顔しないd…っ」

 言い切る前に唇を奪われる。
 性急に熱い舌がぬるりと入ってきて、激しく絡められる。
 驚いたヴァネッサはされるがまま唾液を啜られ、舌を吸われ、甘噛みまでされる。
 漸く唇が離れたかと思えば、さっきまでの可愛い顔はどこへ行ったのか完全に"雄の顔"になっていた。

「…帰ったら、お仕置きするからな…」

 完全に欲情した顔でそう告げられ、先程の可愛さも相まってヴァネッサは(なにそれちょっと楽しみ…!!!)と期待に満ち溢れてしまった。
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