闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0056話 「血脈の覚醒」

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今日のミテル・オークションホールは半年で最も熱いイベントだった。

広いホールの中では人で混み合っていたが、外の騒がしい喧嘩声とは比較して中は静かに、蕭炎たちは特別ゲスト用の通路から入場し、オークション会場に入った。

会場内でも多くの人々がいたが、外よりも落ち着いていた。

蕭戦は会場を見回した後、自然と萧炎たちを優先席の近くに案内した。

蕭炎は椅子に座り、背もたれに体を預けてオークション開始を待っていた。

「姐(ねえさん)、もう半年で今年のガナ学院の招生時期になるのか?」

蕭炎がくつろいだ口調で尋ねると、萧寧は熱心な声で答えた。

ガナ学院は斗気大陸でも有名な学府で、指導者の実力は大斗師クラス以上と噂されている。

连云山脈宗門よりも深みがあるという。

学院とは異なり、宗門に入れば制限が付き、行動も宗門の名を汚さなければならぬが、学院は卒業後自由にできる。

しかし人間は感情を持ち、学院で育った者は自然と母校への思い入れを持つ。

それが多くの人々が学院を支援する原動力となる。

千人万人規模になるとそのネットワークは脅威になる。

学院は功法や斗技の最良の道である。

特にガナ学院のような学府では、優れた生徒は指導者の目に留まり、高段の功法や斗技を授かる可能性がある。

大陸で最も魅力的な三要素(功法・斗技・丹薬)のうち二つを掌握する学院は、卒業後各方面からの争奪が激しくなり、前途は明るい。

しかしガナ学院の入学要件は厳しい。

十八歳までに八段斗気を突破する必要がある。



**厳格な受験基準は、才能が不足している人々を全て排除する。

そのため、迦南学院に入学できる者はみな才能の良い若者たちだ。

**

...

蕭寧の質問に耳を傾けた蕭玉は、わずかに頷きながら、視線を炎に向けると、得意げな調子で言った。

「大丈夫だよ。

君には受験資格があるし、今回はこの地域の募集を担当する私の指導教授が来ているんだ。

彼女は五段の大斗師だぞ。

私が間に入れば問題ないさ」

「ふん」

その言葉に反応した炎は鼻を横目に向けた。

かつてなら迦南学院でより上位の功法や技を得るため入学するはずだったが、今は薬老という神秘的な師匠がいるため、もう学院には関心がない。

「炎くん、半年後に受験しないの?」

そばに立つ薰は、炎の意欲なさそうな表情を見て優しく尋ねた。

その質問を聞いた一旁の玉は眉を上げて炎を見やった。

もしもこの無気力な男が学院に入りたいと言えば、自分の指導教授に苦労させる用意だ。

鼻を撫でながら炎はぼんやりと答えた。

「興味ないさ。

小坊主たちと一緒にいるのは嫌だし、斗気の功法が必要なら崖から飛び降りて宝探しの方が刺激的だ」

「ふーん、口だけ大きいわよ。

学院が君を迎え入れたいわけじゃないんだから。

少しもたった才能で自慢するなんて、この程度の能力は学院にもいるわ。

入学してしまえば、その不気味な性格で他人を傷つけることになるわ」

炎は玉の憤りに目を合わせて笑みを見せた。

彼と約束したナラン・オウランとの差はまだ大きいが、学院でそれを縮める自信はない。

「無駄だよ」

炎は玉の主張を聞き流し、視線を他方へ移した。

そこには他の大家族の人々も入場していた。

その中で炎の目に目を合わせたのは、先日市場で衝突した加列オだった。

この加列家の大将が不敵な表情で炎を見つめ、時折薰の体に視線を落としていた。

炎は加列オの口を開閉させている様子を見て、彼の言葉を読み取った。

「蕭家の小無能、成人儀式も終わったか? またこの街で見かけたら、その時は...ふん!」

目を細めて得意げに笑う加列オを見やる炎は、低く笑み返した。

その眼には殺意が浮かんでいた。



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