闘破蒼穹（とうはそうきゅう）

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第0062話 「血脈の覚醒」

蕭炎が暗闇の街角を彷徨っていると、突然足元に光る物体を見つける。

それは漆黒の大斗篷で、その裏側には「**」という文字が記されていた。

彼は早速それを引きちぎり、隣家に忍び込む。

「老師、今度も危うく露見しそうだったわ」

「ふん、お前がそう思っているだけだよ。

この程度の罠など、老は昔から慣れっこさ」

漆黒の戒環からは愉快な笑い声が響く。

諦めて首を横に振る蕭炎だが、内心では父への罪悪感が募ってくる。

二度目の薬材調達で父親に金品を強奪した自分は、いつか家業の酒場と組むことで償うべきだと念じながら、大斗篷を水路へ投げ捨てる。

彼は懐中にある薔薇の葉を抱え、壁際の階段を駆け上る。

二階の部屋に突入すると、床板が軋んだ音で突然目覚めさせられる。

窓辺には朝日が差し込み、薔薇の赤い花弁が光を反射していた。

「老師、材料は揃ったぞ。

今すぐ煉金術を始めてもいい？」

「急かすな。

素材は逃げないんだから。

今はまだ早すぎる。

もしここで中断されると、老の秘密がバレるかもしれない」

薔薇の葉をテーブルに置き、彼は壁際にある漆黒の箱を引き出せば、そこには蛇の涎で覆われた果実が静かに眠っていた。

その表面から漂う甘酸っぱい香りは、五段階の爬虫類の体臭と重ね合わされたものだった。

「老、本当に待つのか？」

「待て。

夜になるまで我慢しろ。

お前たち若者は昼間も休まず働くからな」

暗闇の中で、彼は箱を壁際に戻して布団に潜り込む。

すると突然ドンと音が響き、部屋の扉が勢いよく開かれる。

「小坊主、食事だぞ！」

鏡面のような光沢を持つ長い脚で部屋に入ってきたのは、赤髪の姉妹だった。

彼女は薔薇の葉を指さし、「これって？」

と不敵に笑みを浮かべる。



突然の声で目覚めた瞬間、シオヤンはベッドから飛び起きながらも、その声源が部屋中央に立つ胸を抱えたシヨウグイであることに気づく。

彼女が背後から近づいてきたことに気付かず、思わず「**」と口走った瞬間、背中に冷たい感覚が走り、急に怒りの炎が湧き上がってきた。

「小娘め！お前はマナーレスだぞ！部屋に入るときも叩いてないのか？このクソ女！」

シヨウグイは初めて見るシオヤンの激昂した姿に呆然とする。

だがその罵声を聞いた瞬間、彼女の頬が真っ青になり、銀歯を噛み締めながら、長い脚で駆け寄ってくる。

「小坊主！ドアを蹴破ってやるぞ！毎日でも構わないんだから！」

シオヤンの背中に向かうシヨウグイは掌を開き、強力な吸引力を発生させた。

その瞬間、シヨウグイがベッドに引き込まれた。

「掌吸！」

という言葉が響くと同時に、シオヤンは彼女の脚でシヨウグイの体を押さえつけようとしたが、その動きは完全に逆転した。

シオヤンの背中や尻のラインが露わになる瞬間、シヨウグイは掌を開き、再び「掌吸！」

と叫んだ。

「バカ女め！お前は教養がないのか？部屋に入るときも叩かないのか？このクソ女！」

シヨウグイの抵抗を抑えつけながら、シオヤンは再び掌で彼女の尻に強打した。

その音が部屋中に響くと同時に、シヨウグイは「**」と叫んだ。