闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0122話 地階闘技:焔分噬浪尺!

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奔流する滝は岩石を激しく打ち砕き、その水蒸気が小さな谷全体を包み込む。

滝の下に広がる空地で、上半身を**した少年は、奇妙な黒い巨剣を背負し、12本の連続する木杭からの攻撃を回避しながら、猿のように俊敏に跳躍・移動していた。

日光を浴びたその細長い体は、清らかで軽やかな印象を放ち、緊張感が漂っている。

蕭炎がこの小谷に来たのは約1ヶ月前のことだった。

この月のほとんどを木杭の上で過ごし、そのため体には数多くの打撲傷が残っていた。

しかし、その努力は報われ、現在では12本の木杭からの同時攻撃を回避できるようになり、それ以前の5本で狼狽する姿とは比べものにならなかった。

巨岩に座した藥老は目を細め、場中で12本の木杭間から巧妙に移動する少年を見つめていた。

その手では、空中に懸垂していた最後の3本の木杭の一本を引き抜き、蕭炎に向かって激しく打ち落とした。

突然の追加攻撃が、蕭炎と12本の木杭の間にある僅かな隙間を完全に塞いだ。

その瞬間に、四方八方に広がる13本の木杭から迫り来る圧力を感じ取った蕭炎は、深呼吸して体内の斗気を解放し、体を斜めに傾けながら迎え撃つ2本の木杭を回避した。

脚先で木杭を踏み切り、瞬時に別の位置へ移動した。

1ヶ月間の訓練の成果で、その回避速度は以前とは比べものにならないほど速く、12本の連続攻撃から常に僅かにでも身を守り抜いていた。

しかし、木杭が体を掠める際に生じる圧迫感は強烈で、斗気護体すらも控えている。

黄階低級の功法ではそのような浪費は許されないのだ。

「もし功法が進化すれば、こんな節約生活から解放されるだろう…」11本目の木杭を回避した瞬間、蕭炎の心にそんな思いが浮かんだ。

次の攻撃で12本目が接近すると、彼は脚先をわずかに回転させ、掌底が木杭に触れるようにして体全体を奇妙な角度に傾けた。



第12本杭「シュッ」木杭は体から半寸先を通り過ぎた。

鋭利な気の流れが、蕭炎の顎を擽り、息を飲ませた。

第13本杭の尾部が去った瞬間、蕭炎の顔色が突然変わった。

背後でさらに速い気の流れが駆け寄ってくるのを感じたのだ。

12本杭を習得するのに20日以上かかったが、薬老が加えた第13本杭は彼を混乱させた。

次第に近づく気の流れを感じながら、蕭炎は深呼吸して目を閉じた。

背中に生じた毛髪は触手のようにゆらりと揺れ動いた。

閉じた目の中で、木杭が来る軌跡が浮かび上がり、その力の方向性まで正確に把握できた。

薬老は驚いて「この子は魂で感知しているのか?」

と言った。

木杭が近づく瞬間、蕭炎の体が奇妙に歪んだ。

掌を頭に抱え、直立していた身体が突然後ろ向きに倒れ込んだ。

その時、巨大な杭が彼の顔を掠め通り過ぎた。

回避した第13本杭から逃れた蕭炎は木杭壁で足を踏みしめ、地面に降り立った。

深呼吸してから、急いで衣服を整えた。

「回気丹も残り僅かだな。

採集に出ようか」

薬老が計算するように石壁を叩いていたが、蕭炎の修練時間がいつもより長かった。

体中の細胞が貪欲にエネルギーを受け入れているのが分かる。

呼吸を整えながら周囲に気を纏わせると、その濃密な光環は減少することなく増えていった。

薬老は眉を顰めて「今や六星斗者突破の時か?」

と独りごちた。



指先端が微かに止まり、薬老の心は一瞬動いた。

軽く笑って言った。

「良い成り行きだ。

本来なら六星斗者まであと半月だが、この子はさらに半月を節約した。

どうやら、先日の森林での殺陣訓練は彼にとって大きな利益だったようだ」

目を閉じた蕭炎を見つめながら、薬老の鋭い眼光が何か異常さを感じ取った。

眉を顰めて続けた。

「突破はまだ強引すぎる。

外からの助力が必要だ」

短く息を吐いて指先で弾いた一筋の気流が、蕭炎の頭頂部に衝撃を与えた。

その瞬間、彼は修業から引き戻された。

「馬鹿。

このように無理やり突破しようとするなら、六星斗者になったとしても休養が必要だ。

そんな時間があるか?」

蕭炎を見下ろして薬老がいた

「あーあ」とため息をつき、萧炎は嘆く。

「こんな貴重な機会はそう簡単に得られないのに」

「馬鹿。

すぐに木杭へ乗れ!十五本の木杭を並べてやる」

「十五本?」

蕭炎の口角が引きつった。

彼の限界は十三本で、十五本だと即座に打飛ばれるだろう

「馬鹿、玄重尺を外すんだ!」

薬老は呆れたように言った。

「今はただ一つの契機が必要だ。

もう待たないぞ」

玄重尺が地面から抜かれた瞬間、蕭炎は体全体でその感覚を捉えた。

体内の斗気は山崩れのように流れ、骨盤の軋轹音が全身に広がった

再び生まれ変わるような快感を感じながら、萧炎は炎のような日差しの中で梅酒を飲むように爽快感を得ていた。

体中の毛穴から発散する開放感は骨髄まで満たしていた

足先端で地面を軽く弾いた瞬間、蕭炎の体が浮遊感に包まれた。

十五本の木杭が半空に揺らめき、凶猛な気勢と共に彼へと襲いかかる

「来い!」

掌を開いて薬老を見やりながら、蕭炎は束縛を解いた。

自信満々で十五本の隙間もない攻撃に対処できると確信していた

「意気軒然たるな」

自信が増した萧炎を見て、薬老は笑みを浮かべて手に袖を通す。

瞬く間に木杭は揺らめき、凶猛な気勢と共に蕭炎へと襲いかかる

顎を噛んで頬を引きつりながら、蕭炎は足先端で木杭の上を軽く弾いた。

そして意図的に迎え撃った

薬老が制御する15本の巨大な木は、無縫の攻撃陣を編み上げた。

同時に15本が降り注ぐ強力な気圧で、地面の草葉が四方八方に飛び散った。

玄重尺から解放された蕭炎の速度は約2倍に増加した。

その動きは流れるように滑らかで、墨膠の粘着力も全く阻まれない。

15本の木の連続攻撃の中、少年の姿が時折見え隠れする。

解放された蕭炎は、全ての攻撃を回避し続けた。

薬老が目を細めると、老眼に賞賛の光が浮かんだ。

解放後の蕭炎の進歩度は予想以上だった。

最後の一本の木が危うく回避された後、空中で揺れ動いていた15本の木は突然停止した。

深呼吸をし、蕭炎は木の上に直立して立った。

回気丹を口に含み、短時間後に不思議なエネルギーの流れが彼の周囲を包んだ。

その瞬間、黄色い光が体全体を包み、漆黒の目から鋭い光が射出された。

深呼吸した後、蕭炎は巨石に視線を向けて笑顔を見せた。

「突破だ!」

薬老も笑みで応え、その目には安堵と誇りが浮かんだ。

六星斗者への昇進により、彼の実力は大幅に向上した。

さらに3日間の木訓練後、玄重尺を背負しながら15本の連続攻撃も耐えることができるようになった。

これにより、過去のような体中の痛みもなくなり、平穏な時間の価値が増した。

深い森の中、蕭炎は黒鉄の重剣を背負して歩き始めた。

今日の訓練終了後、回気丹用の薬草を探すためだった。

この薬草は彼のトレーニング時間を大幅に短縮するが、現在の1品目の力量では二品目である回気丹の調合は不可能だ。

さらに、その薬草は珍稀な存在で、烏坦城での収穫量も限られている。

そのため、蕭炎にとっては貴重な時間の消費となる。



蕭炎は一息を吐いたが、その瞬間、何よりも重要な「回灵赤果」の存在が脅威だった。

この薬材の生産地である魔物山脈では、回気丹を作るのに必要な5種類の薬草のうち4つは既に手に入れており、残る最重要な1つを確保できれば、十分な数量の丹薬を作れるはずだった。

「回灵赤果」は通常、天地のエネルギーが濃密な場所に生息する。

ただし絶対ではない。

そのヒントを頼りに探すのは盲目探索よりも効率的だ。

蕭炎は優れた霊感で周囲のエネルギー源の位置を曖昧ながらも感知し、現在進行中の移動ルートが最も濃密な場所へと向かっている。

昼間という魔物出没が少ない時間帯を選んで出発したのはそのためだ。

これまでの移動中、外食に出る魔物との遭遇は稀で、たまに見つかったものも事前に回避できた。

灌木を駆け抜けるように通り過ぎると、乱石堆が視界に入った。

その背後に山壁があり、緑の蔓が絡み付いていた。

蕭炎は乱石堆を見つめながら、周辺数里内でも最もエネルギーが集まる場所だと確信した。

鋭い目で乱石堆をゆっくりと見回すと、やがて山壁に紫の小木が映った。

その枝葉から火色の実が隠れながらも微かに香り立つ。

蕭炎は笑みを浮かべて息を吐いた。

「回灵赤果…」ついに2日間の捜索で見つけたのだ。

必要な材料が眼前にあるにもかかわらず、蕭炎は急がず立ち尽くした。

エネルギーが豊富な場所には魔物の警備があるからだ。

周囲を警戒しながらも目当ての小木に向かうと、突然背後で「ポン!」

という巨響と共に巨大な影が山頂から降りてきた。

蕭炎はその瞬間、体が凍り붙ったように動けなくなった。

目の前に現れたのは、2メートル近い白い魔猿だった。

雪白の長い毛皮に覆われ、恐ろしい牙を顕わにする巨口と血色の瞳が残暴な殺意を放っている。

「二階魔物…暴雪魔猿?」

蕭炎は息を飲んで呟いた。

その瞬間、再び連続した巨響と共に巨大な白い影が山頂から降りて来た。



巨大な魔猿の口は息を荒くしながら、突然領地に侵入した人間を見つめる赤い双目で凝視していた。

その巨掌が地面を押さえ、数々の岩片を粉微塵にする。

二階級の魔獣であるその存在は、人類の斗師相当の強敵だ。

現在の実力では勝負にならないと判断した炎は、喉から唾を呑み込んだ。

しかし「先生?」

と呼びかけたが返事はない。

炎の顔に苦痛が浮かんだ。

「やめてよ…これは二階級の魔獣なんだ」

その傷口を見つめる炎は、突然目を凝らした。

魔猿の腹部には深刻な裂傷があった。

その傷は凶暴な爪型魔獣の仕業で、激しい痛みが魔猿の理性を混乱させる。

この惨状から、炎は自分がその傷を犯した可能性に気付いた。

「くそっ…お前が自ら近づいてきたんだ」そう言いながら、炎は背中の玄重尺を引き抜き地面に突き立てた。

魔猿の暴発的な動きに対し、炎は紫雲翼の術を発動させ、滑空しながら距離を稼ぐ。

白いエネルギーが球体となって放たれた瞬間、炎は月来の訓練で鍛えた敏捷な身軽さで回避した。

そして掌から吸掌の術を発射し、魔猿の腹部に直接衝撃を与える。

その傷口から噴出する血潮が、さらに激昂させる。

「轟!」

と叫ぶ魔猿は、炎の背後に迫り来る勢いだった。

しかし炎は再び紫雲翼で回避し、反撃を繰り返す。

この戦闘は、傷ついた魔猿の暴走が炎に有利な展開となる。



炎は身軽に動くことで魔猿の攻撃を避ける。

掌から噴出する強大な吸力が、魔猿の体内から血を引き抜き続けた。

乱石の山で奇妙な光景が繰り広げられていた。

暴走しそうな魔猿は小さな人影に怒りの手を振るう。

理性を失ったその姿は普通の獣と変わりないが、隣にいる小人物が毎回軽々と血を引き抜く。

石の上には赤い血が浸み、不気味な光景だった。

炎は再び魔猿を周囲で走らせ、体勢を崩す寸前で激しい吸力が発動した。

魔猿の内臓まで引きちぎられた。

致命的な一撃を受けた魔猿は血眼で倒れた。

炎も体力を使い果たし、血まみれの地面に横になり息を切らせる。

しばらく経ってようやく回復した炎は起き上がり、巨大な魔猿の死体を見つめ、胸中で後悔する。

もし魔猿が重傷でなく、理性を保っていたら、そして自分が六星斗士になっていなかったら、今日ここで死んでいたかもしれない。

「小坊主、二段階上に越えて魔獣を倒したのか? なかなかの腕だぞ」薬老が戒環から浮かび上がり笑みを浮かべる。

炎は不機嫌に目を合わせず、腿を組みながら「おまけに見張りをして」とだけ言い残し、気功を始めた。

薬老は空を見上げて炎の回復を待つ。

半時間後、炎が目を開くと掌にまだ違和感があったが内臓の斗気は充実していた。

「この地のエネルギーは豊かだな」そう言いながら炎は立ち上がり手のひらを握り返す。

しかし「焚決」は短命だった。

もし魔猿が更に長く戦っていたら、炎が倒れていたかもしれない。

「やはり『焚決』は弱いね」と薬老も同意する。

未だ進化していないこの術は炎の弱点だ。

「早く適切な異火を見つける必要がある」炎は嘆息し首を横に振った。

その後、炎は小木の上から三十数個の赤色の実を収穫し、玉瓶に入れて薬老の戒環に納めた。

次に短剣を取り出し魔猿の頭部を切り落とす。

「魔核か?」

炎が驚く声を上げた。



萧炎は喜びながらその魔核を取り出し、初めてこの品級の魔核を見たことに興奮して投げてみせた。

手にしたときの微かな寒さで彼は身震いし、それを慎重に納戒の中に収めた。

「行こう」準備を整えた蕭炎が指を上げると、藥老が瞬時にその中に飛び込んだ。

古びたリングを撫でながら、蕭炎は地上の玄重尺を背負うと、ゆっくりと来た道へ向かって歩き出した。

乱石の中から出た彼は茂密な森林に身を隠し、血まみれの体を草汁で覆った。

その草汁は血腥味を消すための必須品だった。

しばらく潜行した後、蕭炎の足が突然止まった。

左側近所に人間の声が聞こえたのだ。

眉を顰めながら辺りを見回し、彼は隣の森に飛び込み草の隙間に身を隠すと外を覗いた。

しばらくすると二人の人影がその視界に入ってきた。

胸元を見て蕭炎の顔色が変わった。

「狼頭傭兵団の連中か?」

彼は暗然として呟く。

「見て、もうここまででいい。

先に進むと魔獣の森の中に入るから、そこには一撃で死なせるような強大な魔獣がいるんだ」

歩みを進めながら一人の傭兵が顔色を曇らせた。

「あいつはどこだ? 俺たちももう疲れた。

とにかく死体でも見つけてやれよ」

「もしもあの男が森に食べられたなら、便に出されたかもしれないな。

ふん……」

「まあいいぜ、今日はここまでにして明日また来るか」

そのうち一人の傭兵が足を止めて暗い森林を見渡すと、「あいつは値段が張るから、俺たち五星斗者でも捕まえられるさ」と言った。

するともう一人の傭兵が笑顔で「残念だ」と嘆いた。

その瞬間、突然凶猛な気勢が襲い掛かってきた。

傭兵は反射的に拳を構えると相手を迎え撃つも、その強烈な衝撃に体を弾き飛ばされ血を吐いて仰天した。

「殺せ!」

飛び上がった瞬間に、その傭兵は驚愕の表情で仲間を見詰めた。



しかし、彼の叫びが静かに消えたとき、驚くべきことに気づいたのだ。

半空で人影が突然飛び出し、傭兵と交差する瞬間、肘を強いて喉元に打ち込んだ。

その衝撃音と共に、傭兵は空中から地面へと落ちて粉塵を舞い上げた。

「おまえは死ぬ。

狼頭傭兵團は決して許さないぞ!」

人影が笑みを浮かべながら答える。

「おまえたちが求めているのはこれだろ?」

「おまえ……蕭炎か?」

瞳孔を細める傭兵が振り返った瞬間、後方から吸力が強まり信号弾は放たれなかった。

反手に受け取った弾丸をナーブに入れた瞬間、萧炎は再び突進する。

「おまえの動きは見えてるぞ」

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「くすり」唾を飲み込んだ傭兵が苦しげに頷いた。

「少団長様が帰られたその日から、団長様はおっしゃっておられました。

貴方の行方を知った者が狼頭傭兵団に通報すれば、高額な報酬を得られるよう」

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「殺意が込み上げてくる」

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小医仙は大丈夫ですか?」

「大丈夫です。

青山の里に帰ってからはずっと万薬斎で過ごしており、団長様たちも手を出せなかったようです」傭兵が眼を回し、下ろした手の中でナイフが袖から滑り出てきた。

「おー」炎が頷きながら目を見開いた。

「貴方にも貴方が生きて帰れないことを悟ったのでしょうね」

「だから貴方も死んでやれ!」

眼孔に凶光が宿り傭兵のナイフが炎の胸元へ突き込まれた

淡々と笑みを浮かべ炎は軽やかに後退し、剣先から血痕が現れた。

その震えながら倒れる傭兵を見つめ炎は冷笑した。

この男を生きて帰らせようとは思っていなかったのだ。

「ふんふん、狼頭傭兵団の団長様もなかなか手厳しいお方ですね。

ミュリスという息子がいるのも納得です」炎が周辺の戦闘跡を消し去り二人の遺体を遠くの断崖に投げ込んだ。

「先生、訓練期間は早めに設定した方が良さそうです。

たった一ヶ月でここまで来られるなら、もう少ししたら追っ手が来るでしょう…」炎が深淵を見やり頬杖をつけて言った。

「うむ、確かにタイトにしないと」戒厳状態の炎の中で薬老の笑い声が響いた。

瞬きしながら炎は指先で弾くように笑った。

「先生、あの地階級武技はいつ実現するんですか?」

「ふふふ、小坊主。

地階級武技と玄階級武技は同じものではないんだよ。

この武技を習得するなら貴方には苦労してもらうぞ」薬老が悪戯な笑みを浮かべた。

「私は苦労した覚えはないですよ?」

炎が頬を撫でながら微笑んだ。

「小山谷の方へ向かいましょう」

「楽しみにしているぜ、あの地階級武技はどれほど強力なのか」

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