闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0186話 かつての十大強者・氷皇!

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白い霧に包まれた空間で、老人は驚きの表情を浮かべながら空を見上げていた。

その表情は次第に深刻になり、低く「若者よ、これはどのような秘術なのか?」

と叫んだ。

老人がそのような秘術に驚くのも無理ない。

この闘気大陸では、このような速攻で実力を高める秘術は少なくないが、それらの秘術のランクは地階以上であり、それを手に入れるのは屈指する超大勢力や隠世の超強者だけだ。

そして彼らから見れば、ガマ帝国の強者は蛻火虫のような存在に過ぎない。

「この若者はそのような勢力の出身か?」

老人の心は恐怖で揺らがせられた。

超大勢力の圧力で彼も冷静さを失いかけた。

「不可能!この若者は奇宝を持ちながらも、修練している功法は玄階を超えていない。

その姿は決して超大勢力の手口ではない」と老人は自らに言い聞かせた。

そして平静を取り戻すと、枯れた両手を握り合わせ、周囲の氷結霧が彼の掌間に凝縮し、白銀の槍となった。

さらに印を結び、「氷霊甲!」

と叫ぶと、全身に冷たい光を放つ厚い装甲が形成された。

このような能力は少なくとも斗霊級の強者でなければ不可能だ。

闘気大陸において、大斗師になると外敵の気を発動でき、武器に覆うことで攻撃力を大幅アップできる。

斗霊級になると、白老人のように純粋な斗気が凝縮した武器と防具を作れる。

その強度は凡庸の武器・防具とは比較にならない。

老人がここまで真剣に臨むのは、蕭炎の急激な実力向上をどれほど重視しているかを表している。

下方で白老人が全武装を整えたのに対し、空の上では蕭炎が体内から溢れる気勢を高め、突然天高く叫び声と共に霧を吹き飛ばした。

その瞬間、老人の顔色が再び変化し、緊張感で動揺する。

彼は即座に槍を振って頭上に鋭い氷刺を凝縮させ、それを蕭炎へと高速で放ち続けた。



半空の上に。

叫び声が次第に途絶えた。

蕭炎は双翼を猛然と広げ、大鹏のように俯衝した。

その目は淡い光で覆われ、天候のような勢いで降り注ぐ氷の槍を見つめる。

十指を合わせてから、ゆっくりと掌を開く。

掌同士がぶつかり合う瞬間、無形のエネルギーが稲妻のごとく広がった。

その直後、四方八方に広がる氷の槍は、突然「パチリ」一声で白い粉に変化した。

「これは……魂の力か?」

老人はその光景を見て目を丸くし、「えっ?」

と声を上げた。

老人の驚きなど構わず、蕭炎は双翼を羽ばたく。

瞬間、老人の上空に浮かび上がり、重尺を握り締めた。

重尺が振られるだけで空気が引き裂かれ、その軌跡には薄い黒線が残る。

今回の攻撃は派手ではなかったが、老人の顔色が一変した。

彼は知っている——この静かな動きにも、先ほどの攻撃とは比べものにならない程の破壊力が秘められているのだ。

老人は慎重に後退し、掌を握り締めた。

その手のひらからは、鋭い冷気を放つ槍が生み出された。

老人の硬直した姿勢を見て、蕭炎の目には軽蔑の色が浮かんだ。

重尺を加速させ、槍と衝突させる。

瞬間、激しいエネルギーの波紋が部屋中に広がり、床に網のような亀裂を生じた。

「ブッ!」

と叫び声と共に、槍は弓のように曲がった。

その直後、蕭炎の一喝で槍は爆発的に砕け散り、破片が四方八方に飛び散る。

老人の顔色が急変した——この少年は数分前までとは別人だ。

もはや彼の実力は、以前のものと比べて格段に向上しているのだ。

「一体何をしたんだ?」

老人の頭の中で疑問が走った。

脚を踏み鳴らし、背中から七枚の氷の鏡を生み出した。

その瞬間、老人は蕭炎が紫炎で全ての氷の鏡を焼き尽くすのを見て目を剥いた。

老人は慌てて後退したが、槍は既に砕け散っていた。

この巨大な差異に、老人の心臓は早鐘のように鳴り続けた——少年の実力は明らかに斗王クラスに達しているのだ。



「若じいさん、20年以上も隠遁していた私が、こんな若い者めいた態度でやられてしまったのか?」

老人の眉がぴりっと跳ね上がった。

地面を踏み鳴らし氷の気を吐くように広げると、その周囲10メートルの地は瞬時に凍り붙り結晶化した。

「『玄氷旋殺』!」

老人の手が素早く印を結ぶ。

喉元から低く唸り声を発し、月牙形の氷刃が彼の周囲に次々と浮き上がった。

それらは互いに繋がり小さな竜巻のような風を形成した。

「行くぞ!」

老人の中気不足の叫びと共に、その氷の嵐は蕭炎めがけて突進する。

床が激しく揺れ動く中、蕭炎は突然足を止め紫の炎と凶暴な気勢を体内に収めた。

彼の体には防御の色も無く、手には『玄重尺』が置かれているだけだった。

「若者めいた態度で挑むとは...お前は自滅行為だ」

老人の怒りの声が嵐の中で響く。

蕭炎はその圧迫感を感知し深呼吸した。

掌を開き蒼白い炎が立ち上るようになり、彼は床を蹴って光の粒子に変身した。

「お前が自滅行為なら、それも勝手なことだ」

嵐の中で老人が叫ぶが、蕭炎はその声にも反応せず。

掌はそのまま嵐の中に突き出されたままだった。

突然「バキッ!」

という音と共に、氷の嵐が凝固して巨大な雪柱に変化した。

蕭炎はそれを観察し指で軽く弾いた。

「ドン!」

その瞬間、白い粉々と爆発する雪柱の中から老人の姿が露わになる。

彼の体には薄氷のように覆われていた。

萧炎は老人を見つめ目を細める。

暫くして開き直した眼差しは、若者の活気と闊達さを取り戻していた。

「おやじさん、あなたは負けましたね。

すみません、その物は私のものになりました」

掌を軽く払うと、老人は呆然と見ていた。



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