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第0268話 較量
広い部屋の中。
ベッドに座って目を閉じていた蕭炎がゆっくりと瞳を開けた。
拳をぎゅっと握りしめながら小声で言った。
「この時こそ最終の段階だな」
指先で黒いリングを撫でる。
その瞬間、萧炎は膝に乗っている吞天蟒を優しくベッドに抱き上げた。
指でその小さな頭をさすって微笑んだ。
「小坊主よ。
静かに待っていてくれ。
もしも良いなら守ってくれていい。
誰にも邪魔させないようにね。
分かったかい?」
今の吞天蟒は初の進化を経てある程度の知性を得ていたため、蕭炎の言葉は理解できた。
彼は淡紫色の瞳で小さく頷きながら蛇の舌が吐き出す軽い音を立てた。
優しくその冷たい体に触れる手を上げると、青色の蓮座がナントカからゆっくりと浮かび上がり空中に浮かぶ。
微かな緑光を発していた。
身体を引き起こし、蕭炎は軽やかに蓮座に乗った。
深呼吸をして薬老の遺伝情報を再確認した後、指でナントカを弾いた。
すると掌に包まれた濃い青色の物体が現れた。
目を凝らすと小さな蓮子だった。
「この炎の精と言われる火蓮子は本当に先生が言うほど凄いのか?見てみぬ視界で触った時、薬老の評価は非常に高かったはずだ」
その火蓮子は蕭炎が青蓮の心火を探す際に見つけた奇宝だった。
まさか薬老が最後の治療にそれを必要とするとは知らなかった。
指でやわらかい外見を捏ねると、萧炎は驚きの表情になった。
「こんな平凡な見た目なのに百年かけて成り得るなんて。
その中にどれほど凄いエネルギーが秘められているんだろう」
首を横に振ってから、蕭炎は速やかに修練印結を作った。
目を閉じて呼吸を整え、治療に入る準備を整えた。
瞬間、指先で火蓮子を弾き飛ばすと、その赤い粒が開いた口の中に正確に飛び込んだ。
白皙な顔が突然火山のように真っ赤になった。
頭上から白い煙が立ち昇り、異様な光景だった。
この瞬間、蕭炎は自分の姿勢など構わずに治療を続けた。
火蓮子が口中で溶解し、猛々しい熱エネルギーとなって喉を通って降り注ぐ。
その炎の粒子が経脈に流れ込むと、これまで約半月かけて調養した経脈が突然縮んでしまったように激痛が走った。
萧炎は歯を食いしばり、冷気を吐き出しながら体を震わせた。
顔中に汗を流し、苦しげに息を詰めながらも、蕭炎は蓮座の上で耐えるしかなかった。
灼熱のエネルギーが経脈を駆け抜けた。
初めは激痛だったが、やがてその痛みは緩和されていった。
額に冷汗を滲ませていた蕭炎がようやく息を吐いた。
体内を見つめるように意識を集中させると、火蓮子の力が経脈を通ってゆくのがわかった。
これまで慎重に培ってきた膜状組織が、その熱さで一瞬で溶けた。
あれほど丹念に積み上げてきた成果が、あっという間に消えていったのだ。
だが次の瞬間、蕭炎は息を飲んだ。
灼熱のエネルギーが通った経脈壁には、小さな翡翠色の液体が残されていた。
それらは経脈壁に絡まり合い、すぐに浸透した。
その液体がもたらす生気は驚異的で、赤く焦げた経脈壁を修復し始めた。
瞬間、青い角質層が形成された。
この防御力は、かつての膜状組織よりも遥かに強固だった。
蕭炎の体から痛みが完全に消えた時、彼は気づいた——火蓮子のエネルギーが経脈を強化した結果、その堅牢さは傷ついていた頃よりさらに上回っていたのだ。
エネルギーが体内を巡り続けるうち、淡青色の気体が発生し始めた。
それらは角質層を超えて最弱部の経脈に到達し、修復を始めている。
そしてその気体は体内全体に広がり、蕭炎の細胞や組織がそれを貪るように吸収した。
この瞬間、彼の体は無限の欲求を持つように感じた——火蓮子から絶えず発生する青い霧を、内側からも外側からも吸収し続ける。
炎蓮のエネルギーが体内を駆け巡る度に、蕭炎は自身の身体が驚異的な速度で過去の頂点へと接近していることを実感した。
その進化の勢いは、傷害前の状態回復まであと一歩という圧倒的勢いだった。
経脈を循環する灼熱エネルギーが何周も何周も回転し続ける中、蕭炎は意識を炎蓮子のエネルギーに集中させようとした。
しかし最初の試みでは失敗続きで、数百回もの挑戦の末にやっと焚決功法の経路へとその力を導き出すことに成功した。
焚決の流れに乗って、その膨大な熱量が気旋を巡るたびに、枯れかけた青色の渦の中に潤いを与える。
無限とも思えるエネルギーが途切れることがないまま、気旋内では青色の液体が一滴ずつ形作られ、次々とその中に落ちていく。
瞬間のうちに干涸らけた領域は再び豊かさを取り戻す。
時間感覚を失った状態で修練を続ける蕭炎は外界の経過に気づかないまま、火蓮子が自身の傷跡を完全に癒し尽くしたことに気付いた。
しかし驚きだったのは、経脈中を回る灼熱エネルギーが未だ衰えずに残っていること。
その余剰エネルギーの量は蕭炎の想像を超え、自身の破壊された身体を修復するのに使用したのがたった1/3程度に過ぎないことに彼は呆然とさせられた。
この炎蓮子の持つ驚異的な再生能力に畏敬の念を抱く。
経脈を駆けるエネルギーが途切れることがなく、細胞や筋肉が貪欲にその力を吸収し続ける様子に蕭炎は困惑した。
明らかに飽き足りない彼らはエネルギーを完全に搾取するまで決して手を休めようとはしない。
体内で充実感が増すにつれ、蕭炎は心の中でため息をついた。
塞翁の馬という諺通り、あの重傷を得たことが結果的に新たな頂点への突破口となったのだ。
もしも以前の状態でいれば、この急激な進化は起こらなかったに違いない。
気旋内の液体エネルギーがますます増大する中、炎蓮子から放出される純粋な力は一切の抵抗なくその中に注ぎ込まれた。
しかし全ての物事には限界がある。
蕭炎は体内の組織が吸収を止め、気旋に圧迫感を感じるようになり、エネルギー変換が停止したことに気づいた。
明らかに身体は満タン状態に達していた。
しかし、吸収は極限まで達していた。
それでもその火蓮子は、自らのエネルギーをさらに放出し続けた。
蕭炎がそれを完全に受け止められるかどうかなど構わないという態度だった。
体内的変化を感じ取った蕭炎の顔色も、少しだけ暗くなったように見えた。
強大な熱量を止める試みは、小エリザベスが巨大な木に挑むような無力さで、全く効果がなかった。
慌しさが心の中に広がり、すぐに蕭炎の歯が噛み合わされた。
薬老の指導もない今、ここで慌てたら終わりだという意識が、彼を冷静に保つ必要があった。
目を開けた瞬間、掌は緊張して握られていた。
短い沈黙の後、突然手を強く叩きつけ、低い声で言った。
「もう吸収できないなら、残りのエネルギーを排出させよう」
「排出?でも誰がそれを引き受けられるだろうか?」
部屋の中を見回す視線は不安げで、突然天井に這っている吞天蟒の紫蛇瞳目を見て止まった。
「小やん、今回はお前に頼むよ」蕭炎は笑みを浮かべた。
その強力なエネルギーを受け入れられるのは、やはりこの強大な存在しかいないと確信したのだ。
掌が蓮台に触れた瞬間、身体は床から跳ね上がり、急いでベッドへ向かった。
混乱している吞天蟒を掴む手は必死で、その指先に集中する炎のエネルギーは経絡を通じて腕に伝わっていた。
火蓮子の光が流れ込むと、蕭炎の腕全体が青い輝きに包まれた。
中指だけが緑色の玉のように染まり、その強大さを物語っている。
突然掴まれた吞天蟒は驚いたが、指先から溢れるエネルギーを見て再び暴れ出した。
しかし蕭炎は優しい笑顔で「落ち着いてよ」と言い、その口を開けさせた。
吐息のような光が瞬きで消えた時、蕭炎の顔色が急に変化した。
手の中に包まれる柔らかい感触は、まるで人間の体のように感じられた。
掌を置いた瞬間に、蕭炎の表情が引き締まった。
その目には冷たい光が宿り、頸部が硬直してゆっくりと首を下げた。
目の前に立つのは、妖艣な美貌を持つ女性だった。
その顎に近い位置で、萧炎は息を飲んだ。
喉の奥から何かを飲み込むように声を詰まらせ、「メイ・デューザ王女?」
と叫んだ。
ベッドに座って目を閉じていた蕭炎がゆっくりと瞳を開けた。
拳をぎゅっと握りしめながら小声で言った。
「この時こそ最終の段階だな」
指先で黒いリングを撫でる。
その瞬間、萧炎は膝に乗っている吞天蟒を優しくベッドに抱き上げた。
指でその小さな頭をさすって微笑んだ。
「小坊主よ。
静かに待っていてくれ。
もしも良いなら守ってくれていい。
誰にも邪魔させないようにね。
分かったかい?」
今の吞天蟒は初の進化を経てある程度の知性を得ていたため、蕭炎の言葉は理解できた。
彼は淡紫色の瞳で小さく頷きながら蛇の舌が吐き出す軽い音を立てた。
優しくその冷たい体に触れる手を上げると、青色の蓮座がナントカからゆっくりと浮かび上がり空中に浮かぶ。
微かな緑光を発していた。
身体を引き起こし、蕭炎は軽やかに蓮座に乗った。
深呼吸をして薬老の遺伝情報を再確認した後、指でナントカを弾いた。
すると掌に包まれた濃い青色の物体が現れた。
目を凝らすと小さな蓮子だった。
「この炎の精と言われる火蓮子は本当に先生が言うほど凄いのか?見てみぬ視界で触った時、薬老の評価は非常に高かったはずだ」
その火蓮子は蕭炎が青蓮の心火を探す際に見つけた奇宝だった。
まさか薬老が最後の治療にそれを必要とするとは知らなかった。
指でやわらかい外見を捏ねると、萧炎は驚きの表情になった。
「こんな平凡な見た目なのに百年かけて成り得るなんて。
その中にどれほど凄いエネルギーが秘められているんだろう」
首を横に振ってから、蕭炎は速やかに修練印結を作った。
目を閉じて呼吸を整え、治療に入る準備を整えた。
瞬間、指先で火蓮子を弾き飛ばすと、その赤い粒が開いた口の中に正確に飛び込んだ。
白皙な顔が突然火山のように真っ赤になった。
頭上から白い煙が立ち昇り、異様な光景だった。
この瞬間、蕭炎は自分の姿勢など構わずに治療を続けた。
火蓮子が口中で溶解し、猛々しい熱エネルギーとなって喉を通って降り注ぐ。
その炎の粒子が経脈に流れ込むと、これまで約半月かけて調養した経脈が突然縮んでしまったように激痛が走った。
萧炎は歯を食いしばり、冷気を吐き出しながら体を震わせた。
顔中に汗を流し、苦しげに息を詰めながらも、蕭炎は蓮座の上で耐えるしかなかった。
灼熱のエネルギーが経脈を駆け抜けた。
初めは激痛だったが、やがてその痛みは緩和されていった。
額に冷汗を滲ませていた蕭炎がようやく息を吐いた。
体内を見つめるように意識を集中させると、火蓮子の力が経脈を通ってゆくのがわかった。
これまで慎重に培ってきた膜状組織が、その熱さで一瞬で溶けた。
あれほど丹念に積み上げてきた成果が、あっという間に消えていったのだ。
だが次の瞬間、蕭炎は息を飲んだ。
灼熱のエネルギーが通った経脈壁には、小さな翡翠色の液体が残されていた。
それらは経脈壁に絡まり合い、すぐに浸透した。
その液体がもたらす生気は驚異的で、赤く焦げた経脈壁を修復し始めた。
瞬間、青い角質層が形成された。
この防御力は、かつての膜状組織よりも遥かに強固だった。
蕭炎の体から痛みが完全に消えた時、彼は気づいた——火蓮子のエネルギーが経脈を強化した結果、その堅牢さは傷ついていた頃よりさらに上回っていたのだ。
エネルギーが体内を巡り続けるうち、淡青色の気体が発生し始めた。
それらは角質層を超えて最弱部の経脈に到達し、修復を始めている。
そしてその気体は体内全体に広がり、蕭炎の細胞や組織がそれを貪るように吸収した。
この瞬間、彼の体は無限の欲求を持つように感じた——火蓮子から絶えず発生する青い霧を、内側からも外側からも吸収し続ける。
炎蓮のエネルギーが体内を駆け巡る度に、蕭炎は自身の身体が驚異的な速度で過去の頂点へと接近していることを実感した。
その進化の勢いは、傷害前の状態回復まであと一歩という圧倒的勢いだった。
経脈を循環する灼熱エネルギーが何周も何周も回転し続ける中、蕭炎は意識を炎蓮子のエネルギーに集中させようとした。
しかし最初の試みでは失敗続きで、数百回もの挑戦の末にやっと焚決功法の経路へとその力を導き出すことに成功した。
焚決の流れに乗って、その膨大な熱量が気旋を巡るたびに、枯れかけた青色の渦の中に潤いを与える。
無限とも思えるエネルギーが途切れることがないまま、気旋内では青色の液体が一滴ずつ形作られ、次々とその中に落ちていく。
瞬間のうちに干涸らけた領域は再び豊かさを取り戻す。
時間感覚を失った状態で修練を続ける蕭炎は外界の経過に気づかないまま、火蓮子が自身の傷跡を完全に癒し尽くしたことに気付いた。
しかし驚きだったのは、経脈中を回る灼熱エネルギーが未だ衰えずに残っていること。
その余剰エネルギーの量は蕭炎の想像を超え、自身の破壊された身体を修復するのに使用したのがたった1/3程度に過ぎないことに彼は呆然とさせられた。
この炎蓮子の持つ驚異的な再生能力に畏敬の念を抱く。
経脈を駆けるエネルギーが途切れることがなく、細胞や筋肉が貪欲にその力を吸収し続ける様子に蕭炎は困惑した。
明らかに飽き足りない彼らはエネルギーを完全に搾取するまで決して手を休めようとはしない。
体内で充実感が増すにつれ、蕭炎は心の中でため息をついた。
塞翁の馬という諺通り、あの重傷を得たことが結果的に新たな頂点への突破口となったのだ。
もしも以前の状態でいれば、この急激な進化は起こらなかったに違いない。
気旋内の液体エネルギーがますます増大する中、炎蓮子から放出される純粋な力は一切の抵抗なくその中に注ぎ込まれた。
しかし全ての物事には限界がある。
蕭炎は体内の組織が吸収を止め、気旋に圧迫感を感じるようになり、エネルギー変換が停止したことに気づいた。
明らかに身体は満タン状態に達していた。
しかし、吸収は極限まで達していた。
それでもその火蓮子は、自らのエネルギーをさらに放出し続けた。
蕭炎がそれを完全に受け止められるかどうかなど構わないという態度だった。
体内的変化を感じ取った蕭炎の顔色も、少しだけ暗くなったように見えた。
強大な熱量を止める試みは、小エリザベスが巨大な木に挑むような無力さで、全く効果がなかった。
慌しさが心の中に広がり、すぐに蕭炎の歯が噛み合わされた。
薬老の指導もない今、ここで慌てたら終わりだという意識が、彼を冷静に保つ必要があった。
目を開けた瞬間、掌は緊張して握られていた。
短い沈黙の後、突然手を強く叩きつけ、低い声で言った。
「もう吸収できないなら、残りのエネルギーを排出させよう」
「排出?でも誰がそれを引き受けられるだろうか?」
部屋の中を見回す視線は不安げで、突然天井に這っている吞天蟒の紫蛇瞳目を見て止まった。
「小やん、今回はお前に頼むよ」蕭炎は笑みを浮かべた。
その強力なエネルギーを受け入れられるのは、やはりこの強大な存在しかいないと確信したのだ。
掌が蓮台に触れた瞬間、身体は床から跳ね上がり、急いでベッドへ向かった。
混乱している吞天蟒を掴む手は必死で、その指先に集中する炎のエネルギーは経絡を通じて腕に伝わっていた。
火蓮子の光が流れ込むと、蕭炎の腕全体が青い輝きに包まれた。
中指だけが緑色の玉のように染まり、その強大さを物語っている。
突然掴まれた吞天蟒は驚いたが、指先から溢れるエネルギーを見て再び暴れ出した。
しかし蕭炎は優しい笑顔で「落ち着いてよ」と言い、その口を開けさせた。
吐息のような光が瞬きで消えた時、蕭炎の顔色が急に変化した。
手の中に包まれる柔らかい感触は、まるで人間の体のように感じられた。
掌を置いた瞬間に、蕭炎の表情が引き締まった。
その目には冷たい光が宿り、頸部が硬直してゆっくりと首を下げた。
目の前に立つのは、妖艣な美貌を持つ女性だった。
その顎に近い位置で、萧炎は息を飲んだ。
喉の奥から何かを飲み込むように声を詰まらせ、「メイ・デューザ王女?」
と叫んだ。
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