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第0652話 血洗い
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ガーマ聖都、ガーマ帝国の帝都として帝国最繁栄都市であるこの街は、日ごとに驚異的な人流量を処理する。
しかし今日、その華やかな街は異様な重苦しさに包まれていた。
暗雲が垂れ込める空気自体が、何か重大な事態の迫り来る予感を人々に植え付けていた。
この緊張感を作り出すのは、ミテル家という帝国三大家族の一員である。
彼らが突如として全オークション場と店舗を一時閉鎖したことで、明らかに重大な危機が迫っていることを示していた。
特に云隠れ宗がミテル家を滅ぼす意図があるとの噂が広まると、街は騒然となった。
近年ますます強大で横暴に成長する云隠れ宗の勢いは帝国全土で目撃されていた。
そして現在三大家族の頂点に立つミテル家をここまで怯ませる存在として、皇室と並ぶ唯一の候補が云隠れ宗だった。
城南にあるミテル家の本部では緊張が走り回っていた。
暗闇の中、護衛隊員たちが素早く動き回り、厳重な警備態勢を敷いていた。
その周囲には鋭い矢が無数に並び、不審者があれば即座に射出される構えだった。
本部の広間ではミテル家の核心メンバーが集まっていた。
彼らの顔は皆険悪で、云隠れ宗からの攻撃を受けるという事実が重くのしかかっているのが見て取れた。
「ヤフイよ、雲隠れ宗が我がミテル家に手を出すという噂は本当か?」
大ホールの先頭席に座る老いた男が眉根を寄せた。
全員の視線がその美しい女性へと集まった。
彼女は妖艶な顔立ちながらも険しい表情で頷く。
「大長老様、この情報は偽りではありません。
今や云隠れ宗が本格的に動き出すのは時間の問題です」
予想外の事態に多くの者が暗然と俯いた。
その男──かつてミテル家の族長だったミテル・テンサンは、三年前までこの席で統率を取っていた人物だ。
「ヤフイよ……云隠れ宗がここまで我らを追い詰める理由とは?」
彼の声には絶望と怒りが混ざっていた。
「大長老様、彼らは我が家の『血脈』を狙っているのです」
雅妃の言葉に全員が息を呑んだ。
「三年前、私が云隠れ宗の密偵として潜入した際、その頂点で聞いた話です──『ミテル家には雲隠れ宗の始祖と同じ血脈が流れている』と」
彼女の声は静かだったが、言葉一つひとつが重みを持っていた。
「彼らはそれを奪いに来るのです……この危機を乗り越えるためには、我ら全員で結束し、云隠れ宗の牙城を叩くしかありません」
しかし誰も返事をせず、ただ暗闇の中で息苦しい沈黙が広がった。
「全ては蕭家の人間のせいで起こった災いだ。
もし彼らを助けなかったら雲嵐宗とは因縁がなく、こんな事態にはならなかっただろう」云嵐宗という言葉に圧倒された瞬間に鋭利な声が響き、その声が途切れた直後から賛同の声が続出した。
大変災難の時を迎えようやく我慢できなくなった人々が本音を漏らしていた。
「黙れ!」
議事堂内の騒動を聞いたミテル・テン山は怒りで顔を真っ赤にし、テーブルに拳を叩きつけた。
突然の巨響で皆がびっくりして口を閉じた。
人々を押さえつけてからミテル・テン山は隣に椅子に座っている穏やかな男を見やり、その横にいるヤイフェのそばにいる海波東の顔色の悪い姿にも目を向けた。
苦しげに笑みながら「蕭鼎様、族人が乱暴なのはごめんなさい」と言った。
ミテル・テン山の言葉を聞いた蕭鼎は笑って首を横に振り、人々の顔を見回すようにゆっくりと視線を動かした。
その目と合うとすぐにそらしてしまう人々がいた。
この男は今や両足が不自由でも、なぜだろうか、その穏やかな表情を見るだけで背筋が凍るような気がする。
家族が滅びたこと、自分が車椅子の使い手になったという重大な変化にも関わらず、普通の人なら狂いそうになるほどの出来事なのに、この男は全く動揺しない。
まるで感情を持たないかのように平静に見えるその姿は確かに恐ろしい。
「テン山大長老、これは確かに我が家の問題です」蕭鼎が笑みを浮かべながらミテル・テン山を見やった。
「もし雲嵐宗がミテル家に手を出すなら、私か半数の蕭家人を引き渡せばいい。
そして『これが残り全て』と公表し、他の族人はどうにでもしてもらいます。
我が家の血筋は絶対に断ち切れない」
その言葉に多くの人々が驚き顔になった。
彼の笑みを見つめる人々の心臓は凍り付くほど冷たくなった。
この手は確かに残酷だった。
ミテル・テン山も蕭鼎の言葉で目尻をぴくりとさせ、その穏やかな相手をじっと見詰めた。
彼は「年若いのに驚異的な冷静さだ。
蕭家にこんな人物がいれば繁栄するだろうが…残念ながら」などと考えた。
「蕭鼎の君、安心しなさい。
決して君を引き渡すことはない。
この老いぼれの命や半分のミテル家を賭けても君を守るわ」
突然冷たい声が響き、人々は顔を上げると海波東が目を開いていた。
その青い瞳には凍りつくような光が宿っていた。
異論を唱える者はその眼光に抗えず言葉を飲み込んだ。
「海老」蕭鼎は驚きの表情を見せた。
普段は変わらない平静な目にも僅かな揺らぎがあった。
彼は知っている。
このミテル家がヤイフェと海波東の庇護で存続していることを。
しかし、ここまで事態が進んだのに海波東がなおも頑として譲らず、半分の命を賭けてまで守ろうとするのは意外だった。
**(ここに続く)**
「海老、貴方はまだ三弟が帰ってくるのを待っているのですか」
蕭鼎が苦しげに笑み、ため息をついた。
この時機には彼自身さえも大きな自信を持てない。
おそらく彼はただ、蕭炎が帰ってきた時に為せる事だけを願うしかないのだ。
「ハハ、その子には確信があるわ」
海波東が大笑いし、ミーテル・テンゾウの隣にいる人物を見やった。
冷たい視線で云来宗の動きを評するように。
「貴方たちのような短絡的な連中は、云来宗が我々ミーテル家に手を出すのは蕭家のせいだと思っているのか? それだけではあるまい。
この数年間、彼らの動きは見てきたでしょう? 帝国三大家族や皇室まで巻き込む勢いですわ。
貴方たちも見届けなさい、誰が助かると思う?」
ミーテル・テンゾウが深く息を吸い、ため息をついた。
云来宗が帝国勢力を粛清する傾向は承知していたが、その時期を少しでも遅らせられれば良いと考えていたのだ。
「では今後の対応はどうしますか? 木家やナラン家、薬師公会、皇室に助けを求めるべきでしょうか」
ミーテル・テンゾウがため息をついて尋ねた。
「無駄ですわ」
ヤイフェーが首を横に向けてテーブルを指で叩いた。
云来宗の現在の実力はあまりにも強大で、彼らさえも手が出せない状態だと冷ややかに言い放った。
「では……そのまま死ぬしかないのか?」
会場から声が上がった。
ヤイフェーが目を見開き、ミーテル・テンゾウに顎をしゃくりながら言った。
「大長老、最悪の事態を想定して私は家族の幼子たちを帝都から逃がしました。
しかし本当にその時が来れば、降服するか死闘するしかないでしょう」
ミーテル・テンゾウが驚きの表情を見せた。
この話は彼も初めて聞いたようだった。
「降服……それは良い結果にはならないわ」
突然、爆発音が響いた。
加瑪聖城の空を震わせる雷鳴のようなものだ。
そのエネルギー雲のそばに鋭い剣気が直立しているのが見える。
「これが云来宗の信号です」
人々が驚きの声を上げた。
この特殊なエネルギー印は云来宗の襲撃を意味するのだ。
ミーテル家の者たちも外に出たが、顔色が蒼白になった。
「ミーテル家、蕭家の残党を引き渡せないなら今日こそ滅びる」
エネルギー雲が現れた直後に冷たい声が響き渡った。
雄大な斗気と混ざり合い、全城に轟いた。
しかし今日、その華やかな街は異様な重苦しさに包まれていた。
暗雲が垂れ込める空気自体が、何か重大な事態の迫り来る予感を人々に植え付けていた。
この緊張感を作り出すのは、ミテル家という帝国三大家族の一員である。
彼らが突如として全オークション場と店舗を一時閉鎖したことで、明らかに重大な危機が迫っていることを示していた。
特に云隠れ宗がミテル家を滅ぼす意図があるとの噂が広まると、街は騒然となった。
近年ますます強大で横暴に成長する云隠れ宗の勢いは帝国全土で目撃されていた。
そして現在三大家族の頂点に立つミテル家をここまで怯ませる存在として、皇室と並ぶ唯一の候補が云隠れ宗だった。
城南にあるミテル家の本部では緊張が走り回っていた。
暗闇の中、護衛隊員たちが素早く動き回り、厳重な警備態勢を敷いていた。
その周囲には鋭い矢が無数に並び、不審者があれば即座に射出される構えだった。
本部の広間ではミテル家の核心メンバーが集まっていた。
彼らの顔は皆険悪で、云隠れ宗からの攻撃を受けるという事実が重くのしかかっているのが見て取れた。
「ヤフイよ、雲隠れ宗が我がミテル家に手を出すという噂は本当か?」
大ホールの先頭席に座る老いた男が眉根を寄せた。
全員の視線がその美しい女性へと集まった。
彼女は妖艶な顔立ちながらも険しい表情で頷く。
「大長老様、この情報は偽りではありません。
今や云隠れ宗が本格的に動き出すのは時間の問題です」
予想外の事態に多くの者が暗然と俯いた。
その男──かつてミテル家の族長だったミテル・テンサンは、三年前までこの席で統率を取っていた人物だ。
「ヤフイよ……云隠れ宗がここまで我らを追い詰める理由とは?」
彼の声には絶望と怒りが混ざっていた。
「大長老様、彼らは我が家の『血脈』を狙っているのです」
雅妃の言葉に全員が息を呑んだ。
「三年前、私が云隠れ宗の密偵として潜入した際、その頂点で聞いた話です──『ミテル家には雲隠れ宗の始祖と同じ血脈が流れている』と」
彼女の声は静かだったが、言葉一つひとつが重みを持っていた。
「彼らはそれを奪いに来るのです……この危機を乗り越えるためには、我ら全員で結束し、云隠れ宗の牙城を叩くしかありません」
しかし誰も返事をせず、ただ暗闇の中で息苦しい沈黙が広がった。
「全ては蕭家の人間のせいで起こった災いだ。
もし彼らを助けなかったら雲嵐宗とは因縁がなく、こんな事態にはならなかっただろう」云嵐宗という言葉に圧倒された瞬間に鋭利な声が響き、その声が途切れた直後から賛同の声が続出した。
大変災難の時を迎えようやく我慢できなくなった人々が本音を漏らしていた。
「黙れ!」
議事堂内の騒動を聞いたミテル・テン山は怒りで顔を真っ赤にし、テーブルに拳を叩きつけた。
突然の巨響で皆がびっくりして口を閉じた。
人々を押さえつけてからミテル・テン山は隣に椅子に座っている穏やかな男を見やり、その横にいるヤイフェのそばにいる海波東の顔色の悪い姿にも目を向けた。
苦しげに笑みながら「蕭鼎様、族人が乱暴なのはごめんなさい」と言った。
ミテル・テン山の言葉を聞いた蕭鼎は笑って首を横に振り、人々の顔を見回すようにゆっくりと視線を動かした。
その目と合うとすぐにそらしてしまう人々がいた。
この男は今や両足が不自由でも、なぜだろうか、その穏やかな表情を見るだけで背筋が凍るような気がする。
家族が滅びたこと、自分が車椅子の使い手になったという重大な変化にも関わらず、普通の人なら狂いそうになるほどの出来事なのに、この男は全く動揺しない。
まるで感情を持たないかのように平静に見えるその姿は確かに恐ろしい。
「テン山大長老、これは確かに我が家の問題です」蕭鼎が笑みを浮かべながらミテル・テン山を見やった。
「もし雲嵐宗がミテル家に手を出すなら、私か半数の蕭家人を引き渡せばいい。
そして『これが残り全て』と公表し、他の族人はどうにでもしてもらいます。
我が家の血筋は絶対に断ち切れない」
その言葉に多くの人々が驚き顔になった。
彼の笑みを見つめる人々の心臓は凍り付くほど冷たくなった。
この手は確かに残酷だった。
ミテル・テン山も蕭鼎の言葉で目尻をぴくりとさせ、その穏やかな相手をじっと見詰めた。
彼は「年若いのに驚異的な冷静さだ。
蕭家にこんな人物がいれば繁栄するだろうが…残念ながら」などと考えた。
「蕭鼎の君、安心しなさい。
決して君を引き渡すことはない。
この老いぼれの命や半分のミテル家を賭けても君を守るわ」
突然冷たい声が響き、人々は顔を上げると海波東が目を開いていた。
その青い瞳には凍りつくような光が宿っていた。
異論を唱える者はその眼光に抗えず言葉を飲み込んだ。
「海老」蕭鼎は驚きの表情を見せた。
普段は変わらない平静な目にも僅かな揺らぎがあった。
彼は知っている。
このミテル家がヤイフェと海波東の庇護で存続していることを。
しかし、ここまで事態が進んだのに海波東がなおも頑として譲らず、半分の命を賭けてまで守ろうとするのは意外だった。
**(ここに続く)**
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蕭鼎が苦しげに笑み、ため息をついた。
この時機には彼自身さえも大きな自信を持てない。
おそらく彼はただ、蕭炎が帰ってきた時に為せる事だけを願うしかないのだ。
「ハハ、その子には確信があるわ」
海波東が大笑いし、ミーテル・テンゾウの隣にいる人物を見やった。
冷たい視線で云来宗の動きを評するように。
「貴方たちのような短絡的な連中は、云来宗が我々ミーテル家に手を出すのは蕭家のせいだと思っているのか? それだけではあるまい。
この数年間、彼らの動きは見てきたでしょう? 帝国三大家族や皇室まで巻き込む勢いですわ。
貴方たちも見届けなさい、誰が助かると思う?」
ミーテル・テンゾウが深く息を吸い、ため息をついた。
云来宗が帝国勢力を粛清する傾向は承知していたが、その時期を少しでも遅らせられれば良いと考えていたのだ。
「では今後の対応はどうしますか? 木家やナラン家、薬師公会、皇室に助けを求めるべきでしょうか」
ミーテル・テンゾウがため息をついて尋ねた。
「無駄ですわ」
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云来宗の現在の実力はあまりにも強大で、彼らさえも手が出せない状態だと冷ややかに言い放った。
「では……そのまま死ぬしかないのか?」
会場から声が上がった。
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「大長老、最悪の事態を想定して私は家族の幼子たちを帝都から逃がしました。
しかし本当にその時が来れば、降服するか死闘するしかないでしょう」
ミーテル・テンゾウが驚きの表情を見せた。
この話は彼も初めて聞いたようだった。
「降服……それは良い結果にはならないわ」
突然、爆発音が響いた。
加瑪聖城の空を震わせる雷鳴のようなものだ。
そのエネルギー雲のそばに鋭い剣気が直立しているのが見える。
「これが云来宗の信号です」
人々が驚きの声を上げた。
この特殊なエネルギー印は云来宗の襲撃を意味するのだ。
ミーテル家の者たちも外に出たが、顔色が蒼白になった。
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