闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0703話 勢力の萌芽

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外界が雲嵐宗の騒動で沸き立つ中、蕭炎は密室に閉じこもり、体中の傷を完璧に癒し、後遺症なしにするため全力を尽くしていた。

今回の負傷は過去最大級であり、その回復には**の強靭さと薬師としての知識が求められる。

焦る余裕はない。

治療というのは一度失敗すれば体に二度の災いとなるものだ。

蕭炎のような実力を持つ者にとって、怪我自体は恐れることではない。

問題は後遺症が将来的な進化を阻害する可能性にあることだ。

密室で黒衣の青年が石床に座り、呼吸法を続けている。

その呼吸はゆったりと深く、吐息ごとに空間が震える。

目に見えないエネルギーが体内へ流れ込む様子は、まるで光の粒子が体中に広がるようだ。

約一時間の治療後、彼は目を開き、黒い瞳孔に炎の輝きが一瞬だけ映り込んだ。

その後平静さを取り戻すと、幽海納戒を撫でた。

そこから現れた碧緑色の丸薬は、薔薇のような香りを放ち、周囲を包み込む。

この薬「復元丹」は五品級の治療薬だ。

重傷を癒すのに特化しており、副作用が少ないため、重症患者には最適だが、その調合には六品級薬師の腕が必要だった。

蕭炎は六品級薬師であり、この薬を得るには彼の力量が不可欠だった。

薬を口にした瞬間、温かみが全身を包む。

痛みは和らいだ。

次に赤い液体の玉瓶を取り出し、右腕を見せる。

骨折していた手首は回復途中だが、完全な状態に戻るには斗気だけでは不十分で、特殊な薬草が必要だった。



玉の壺がわずかに傾き、朱红色の薬液が流れ出し、最後は蕭炎の右手掌に注がれた。

薬液が手のひらに触れるやいなや異様な「チリチリ」という音が響く。

蕭炎も口元を引き攣らせた。

その灼熱感は彼の手全体を炉の中に放り込まれたかのように感じられた。

手のひらには確かに痛みがあったが、蕭炎は驚きもせずに指で軽く弾いた。

すると玉片が掌に現れ、赤紅色の薬液を慎重に刮った後、右手全体(腕まで)をその薬液で覆い始めた。

薬液が刮取られると、瞬間的に肌から侵入し始め、蕭炎の手の骨は軽く痺れる感覚を覚えさせた。

「この九芝接骨膏は本当に効果があるな」。

骨の中から伝わる痺れを感じながら、蕭炎の顔に喜びの表情が浮かんだ。

彼は明らかに掌の骨が急速に回復していることを感じ取り、以前あった手を握った時の力lessnessも徐々に消えていくのを確認した。

その代わりに充実した力が満ちてきた。

薬液が完全に揮発し終わると、蕭炎は動作を止め、玉壺を納戒に入れた。

赤い右腕を見ながら微笑むと、「この速度ならもう数回塗れば掌骨の断裂も完全に治るだろう」と思った。

「体中の斗気は十中五六まで回復したが、その半分の力でも以前の七八割と比べて十分だ。

今回の戦いは確かに大きな収穫だった。

ただ、斗皇への壁を突破できるかどうかは分からないな」。

経脈に流れ込む雄々しい斗気を感じながら、彼はつぶやいた。

その言葉が消えた後、蕭炎は一瞬考え込んだ末、拳を握ると掌の上に緑色の炎が現れた。

その炎を見詰めていると、もう片方の手で額の白銀色の火印を軽く弾いた。

するとその火印から熱流が放出され、たちまち白い炎が蕭炎の間から昇り上がった。

その白銀色の炎を見つめる蕭炎は額に触れた指先でその温度を感じ取るとようやく胸を撫で下ろした。

「師匠なら大丈夫だ。

この火印があれば彼は生きているんだから」と、彼は思った。

「先生、安心してください。

私は早く実力を上げて父とあなたを救い出します!」

拳を握り目を鋭くする蕭炎が心の中でつぶやいた。

意図を移すと掌の異火は消え、視線は指先にある漆黒の戒に向けられた。

その戒はかつて師匠が屈身した場所で、彼の魂と結びついているため萧炎自身も侵入できないものだった。

しかし現在では骨霊冷火の本源を体内に宿しているため、蕭炎は自由にこの古風な漆黒の戒を操ることができる。

指先に薄い白銀色の炎が浮かぶと、それを戒に触れた。

すると蕭炎の魂は戒内の空間へ無抵抗に入り込んだ。



漆黒の指輪内部に広がる空間は、蕭炎が所持する高級「幽海納戒」さえも比肩できないほど広大だった。

しかし最も価値のあるのはその指輪自体ではなく、内部に収められた様々な物資である。

魂魄エネルギーが指輪内を素早く走り抜けた瞬間、蕭炎の表情は呆然と陥った。

この納戒には、薬老が生涯かけて集めた全ての財産が詰まっていたのだ。

そこには無数の薬方、功法、斗技や奇妙なアイテムが乱雑に積み重ねられ、見る者を眼花缭乱させる。

蕭炎が気ままに功法と斗技を手にとってみると、その価値にまた驚嘆せずにはいられない。

ここにあるものは全て高級品で、最も安いものでも玄階低級のレベルだった。

さらに地階の功法や斗技さえ見つけることができたが、それらは極めて希少で、蕭炎が数えた限りでは二十種類にも満たなかった。

それでもその収集品の多さに彼は目を丸くした。

これはまさに無敵の宝庫であり、幸いこの秘密は彼一人だけが知っている。

もし誰かがこれらの高級功法や斗技を手に入れようとするなら、間違いなく紅眼になって襲いかかってくるだろう。

空間全体をざっと見回した後、蕭炎は魂魄エネルギーを取り戻し、碧玉のような色の巻物を指輪から取り出した。

先ほど探査した結果、これが二哥・蕭厲が服用した「噬生丹」の解毒法であることを知っていた。

時間を考えると、蕭厲がその毒薬を飲んだのはもうすぐだった。

彼は一刻も早く解毒しなければならない。

もし時間が経過すれば、蕭厲は瞬時に死んでしまうだろう。

しかし、この問題を大哥・蕭鼎にどう説明するかが気が重かった。

彼ら兄弟はまだそれを兄貴に知らせていなかった。

薬老の遺言通り、この秘密を守る必要があったのだ。

ゆっくりと巻物を開き、目に飛び込んできたのは、彼が最も親しみを感じる蒼白い文字だった。

ため息と共にその内容を読み進める。

「小坊主よ、『噬生丹』の薬効はあまりにも強烈だ。

それを解毒するのは簡単ではない。

しかし諦めることはない。

この丹薬は生命力を奪って力を得るから、その生命力を増やすことで寿命を延ばすことができる。

ただし完全な解毒には、服用者が斗皇に昇級する必要がある」

文字を一つずつ追うと、徐々に喜色が顔に浮かんだ。

先生の方法は複雑ではない。

丹薬で生命力を増やすことで二哥の命を延ばし、その後に斗皇への突破を目指せばいいのだ。

しかし問題はその材料の希少性にある。

大陸屈指の名手である薬老なら難なく調合できるが、それだけでも容易ではない。

視線を巻末まで移すと、蕭炎は大きく息を吐いた。

「青冥寿丹」という六品丹薬の名前が目に飛び込んできた。

これは人間の寿命を約十年延ばせるもので、一生に一度しか服用できない。

必要な材料は「青冥果」「寿王漿」「万年青藤」だった。



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