闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0774話 鉄護法

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その幼い笑い声を聞いた瞬間、蕭炎と山脈の連合軍は皆が同時に顔を上げた。

しかし眼前に広がった光景に驚愕の声を上げざるを得なかった——四翼天魔蝎の前に紫髪の少女が空中に浮かんでいたのだ。

その軽やかな動きで、四翼天魔蝎の狂暴な攻撃を全て避けていく様子はまるでダンスのように見えた。

そして彼女が巨鉄の巨螯に掌を叩きつけるたび、清澄な金属音が響き渡り、その巨大な身体が人々の驚愕の視線の中で震えながら後退していく。

この小さな拳には四翼天魔蝎さえも防ぎ切れない異常な力が宿っていたのだ。

連続した敗北で四翼天魔蝎はますます暴走し、血狂いの目をギラリと光らせながら巨鉄の螯を大剪子のように振り回す。

その鋭利さは岩石を砕き、巨木を折り伏せるほどだった。

「ゴゴ、みんな、乱切りは効果ないよ」と紫研が笑いながら空中で奇妙な軌道を描く。

彼女の動きは四翼天魔蝎の攻撃を全て回避し続けた。

やがて彼女は突然動きを止めた。

両手で巨鉄の螯を掴み、体から紫光が爆発的に放出される。

その瞬間、巨大な四翼天魔蝎が少女の力で宙に持ち上げられ、旋回させられた。

最後は万蝎門山門へと猛撃された。

「ドン!」

巨体の四翼天魔蝎は砲弾のように毒霧の中へ突入し、その衝撃で岩盤が崩れ、巨木が折れる音が響いた。

毒霧の中で潜んでいた万蝎門の弟子たちも多くの死傷者を出した。

しばらくの間、紫光と血狂いの動きが繰り返された後、緑色の煙が薄まり、巨大な四翼天魔蝎が地面に這いつくばっているのが見えた。

外側の毒宗連合軍は突然の展開に沸き立ち、紫髪の少女を畏敬の眼差しで仰ぎ見るようになった。

彼女の恐怖の力は四翼天魔蝎さえも屈服させたのだ。

傷ついた四翼天魔蝎が怒りの叫び声を上げながら、血狂いの目で空を見上げる。

巨翼を羽ばたかせ、再び紫研へと襲いかかった。



紫研は四翼天魔蝎の再来を逆に喜びで迎えた。

背中の双翼が一振されると、彼女は再び興奮して敵に向かっていった。

その小顔に躍動する意気込みを見て、毒宗の強者たちは四翼天魔蝎に同情の目線を向けた。

この巨大な獣は出雲帝国で凶名を轟かす存在であり、かつて城を屠ったという伝説もあった。

しかし今は小さな少女の手によって惨敗させられているのだ。

空高く一人一獣が対峙する様子を見た蕭炎は大笑いした。

視線を下に向けると、四翼天魔蝎の敗北で顔色を変えた蝎山を見つめる。

「竭山門主、貴方の鎮宗魔獣は少し弱いようだな」と彼は笑みながら言った。

その言葉に反応したのは蝎山だった。

彼の口許がわずかに歪んだ。

「若造、まだ早計を決めつけない方がいい。

最後まで笑える者が勝利者だ。

今は舌禿(ぜつと)で相手を嘲弄しているだけでは、結局は惨めな末路を辿ることになる」

蕭炎は薄く笑った。

視線を周囲に巡らせながら、「しかし残念ながら現在の情勢は我々が優位だ。

貴方の万蝎門も長続きしないだろう」と皮肉たっぷりに言った。

その言葉を聞いた蝎山は目を見開いた。

毒宗は本来万蝎門より強かったが、五名の叛乱した長老によって双方の実力は均衡していた。

しかし途中で蕭炎という新たな要因が加わったことで、彼は二人の斗皇級戦士を一人で討ち取るだけでなく、自身も彼らに引き留められていた。

そのため万蝎門の優位性は完全に失われ、毒宗が上風に立つようになったのだ。

空を見上げると小医仙とスコピオン・ビリヤンの激戦が白熱していた。

エネルギーの衝突で空間自体が震え、たまに出る凄まじい力技は双方の強者を驚かせながらも避ける必要があった。

「あの天毒女も相当な実力を誇っているようだ。

スコピオン・ビリヤンとここまで戦えるとは」しかしこれでは万蝎門がますます不利になる。

毒宗との合併計画は完全に狂わせられてしまうだろう。

そんな思考の最中に灼熱の風が迫ってきた。

慌てて藍棍を振るうと、それを防いだ直後に蕭炎の笑い声が聞こえた。

「蝎山門主、この時こそ油断大敵ですぞ。

もし貴方もウーミャーと同じ運命に陥ったら、スコピオン・ビリヤンはさらに暴走するでしょう」

「勝手な口先だ!**」と中傷を込めた言葉を吐き捨てると、蝎山は藍棍に雄々しい斗気を注ぎ込んだ。

その瞬間、棍影が四方八方に広がり、蕭炎の全身要害を狙い撃ち始めた。



目を淡々と蝎山の攻撃を見つめるようにして、蕭炎は重い尺を握りしめ、決して引かずにその前に立ちはだかった。

その巨大な黒幕のような武器が眼前で激しく振るわれるたび、蕭炎の手には鋭利な剣のように軽やかに動く。

一連の攻撃は波のように次々と押し寄せ、それぞれの衝撃力は蝎山の棍を震わせ続けている。

空高く、巨尺と藍棍が光速で交錯する。

両者の手際は残忍極まりなく、攻撃目標は常に相手の致命点だ。

この状況では、どちらかがわずかに手を緩めれば、まず傷つくのは明らかだった。

戦いが激化するにつれ、蝎山の顔色はさらに暗くなり、ようやく蕭炎と真正面から対峙したことで、彼はその難敵ぶりを実感した。

重い尺が滞りなく振るわれる様子に驚きながらも、最も衝撃的だったのは、蕭炎の気中にある異常な熱気だ。

棍との接触ごとにその灼熱が体内に侵入し、彼は意識を分けてそれを排除せざるを得なかった。

この熱気の圧迫下で、蝎山の毒気は全く発揮できず、彼は胸中で不満を感じていた。

こんな戦いは本当に苦しい——と。

「オウ!」

巨尺と藍棍が再び激突し、その衝撃波で蕭炎と蝎山を同時に押し退けた。

後者は険しい表情で勢いを利用して急退し、毒気を駆使して体内の不快な熱を解消した。

「小医仙との戦いで苦労しているようだな」——その声は正しく、現在小医仙と激闘中の蝎畢岩が発したものだった。

彼の重い口調からも、小医仙の実力に驚きを感じていることが読み取れた。

しかし、その言葉を聞いた瞬間、蝎山は大きく息を吐いた。

この状況で相手を呼び出す以外には勝ち目がないと悟ったのだ。

「小子、今日逃がしても万蝎門は勝つぞ」——そう言いながら、彼の顔に険しい笑みが浮かんだ。

蕭炎は重い尺を握りしめ、平静な視線で蝎山を見据えている。

その唇の端には軽蔑の表情がわずかに滲んでいた。

その姿を見て、蝎山の怒りが爆発した。

彼は速やかに納戒から黒い霧を取出し、掌で強く圧迫すると、その霧は爆発して奇妙な波動を放ち出した。

「捕まえた後は、本門主がおもてなしするよ。

私の飼育している毒蝎たちには、久しぶりに斗皇の血肉が必要だ」

蕭炎は彼の言葉を無視し、その波動を感じ取ると、魂の奥深くから微かな反応があった。

相手が何かを呼び出しているようだ。

そして、その瞬間——万蝎山の深い闇から、一陣の懐かしい気勢がゆっくりと広がり、周囲の全員の顔色を変えさせた。

「……」蕭炎は息を呑んだ。

その気勢は彼の記憶に深く刻まれていた——かつてこの門で経験した、あの異様な存在の気配だった。



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