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第0789話 魂殿情報
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目を光らせながら、蕭炎が手にした玉の壺を見つめるように、メデューサと小医仙はその視線を合わせた。
すると同時に、二人はそれぞれ前後から部屋全体を封じ込めた。
魂殿の鉄護法という存在への警戒感が、彼女たちの心に芽生えていた。
今や重傷とはいえ、復活すれば斗宗級の強者が反撃する可能性を考えれば、誰も無視できる相手ではない。
壺口を掌でなぞると、その炎の波動は次第に薄れ、最後には完全に消えた。
すると虚ろな霊体が急ぎ足で天井へと突進し始めた。
指先を弾くと、突然天井に無形の炎の壁が現れたように。
その霊体は一撃で壁に衝突し、チリチリという音と共に凄惨な叫び声が響き渡った。
「ふん、鉄護法よ、なぜそんなに逃げるのか?」
笑みを浮かべながら、蕭炎は手印を結ぶと炎の壁が彼方へと落ちていった。
その間も、炎の壁の中に身を隠しながら体を触れさせまいとする鉄護法の姿をじっと見つめていた。
「お前たちが何を望むのか? 我々魂殿の護法は魄殿に霊印があるのだ。
もし私が死ねばすぐに気付かれるだろう。
その時は、魂殿の執行者も決して許さないぞ!」
鉄護法は低く唸りながら叫んだ。
「ただ些細な質問をしたいだけだ。
正直に答えてくれれば殺すことはない」蕭炎は椅に座りながら淡々と返した。
「お前が知りたいのは魂殿の何だと言うのだ?」
鉄護法は驚きの表情で彼を見つめた。
普段から人々は彼らを避けるのが常だが、この男は逆らう気なのだ。
「お前こそ、なぜそんなに恐れているのか? お前の周りには二名の斗宗級がいるではないか。
魂殿にとってお前を滅ぼすのは容易なことだ。
我ながら賢明ならば、今すぐ解放してくれた方が良いぞ……」鉄護法は言葉尻を切るように言いかけたが、その周囲の炎の壁が突然収縮し、彼の霊体に貼り付いた。
熱さで身体からチリチリという音が響き、絶叫が連続して聞こえた。
約半分の時間をかけて炎は消え、極度に衰弱した霊体だけが残った。
「これがお前の答えではない。
お前が死ぬ前に、充分な苦痛を与えるつもりだ」淡々とした声で蕭炎は言った。
「お前……!」
怨毒の目を向けながら、彼は燃え立つ炎の壁を見上げた。
その瞬間、鉄護法の目に驚愕が走った。
やがて不満げに続けた。
「ならば魂殿の何を知りたいのだ?」
「魂殿の実力はいかがですか?」
蕭炎は最も気にしていた質問を投げかけた。
この謎めいた組織は薬老さえも忌避する存在であり、その実力を知る必要があった。
彼が今後彼らから薬老と父を救出するためには、その実力の把握が不可欠だった。
「そんな質問をするのもお前らの自尊心に打撃になるかと思ってたのか?」
鉄護法は嘲讽的な笑みを浮かべて言った。
「魂殿内部では厳格な階級制度があり、護法だけでも天・地・人三等に分類される。
私はただの人級護法だ。
その上には尊老という地位の高い存在がおり、彼らの実力は大陸全体を見渡しても稀少な強者だ。
貴様らの毒宗など、魂殿の一箇所を滅ぼせば済む話さ」
鉄護法の言葉に耳を傾けた蕭炎の目に驚愕が浮かんだ。
斗宗級の強者がただの最低位護法と呼ばれるとは……それより上位の存在となると、一体どのような実力なのか想像もできない。
「その『鴨護法』という人物は知っているか?」
彼はテーブルを指で軽く叩きながら尋ねた。
「鴨鷹?出会ったことがあるのか?」
今度は鉄護法が驚愕の表情を見せた。
「戦ったことはある」
「勝負はどうだった?」
蕭炎は淡々と訊いた。
「私が地級護法だ」鉄護法は再び蕭炎を凝視した。
その青年の冷静さに新たな警戒感が芽生えた。
「では魂殿の殿主はどのような実力なのか?」
この質問に鉄護法は顔色を変えた。
しばらく沈黙し、ようやく冷笑道を浮かべて答える。
「殿主は謎めいた存在だ。
私が人級護法であろうと、天級護法でさえも彼の姿を見ることは稀だろう。
魂殿内では尊老や少数の例外以外、誰一人としてその実力を知っている者はいない」
「ふん、しかし魂殿をここまで拡大させたという点だけでも、殿主の実力は想像に耐えない。
率直に言って貴様らなど超強者と比べる資格すらないと言えるだろう」
蕭炎が眉をひそめたのを見て、鉄護法は嘲讽的な笑みを浮かべて続けた。
「答えれば済む質問なら答える。
それ以外のことは黙ってろ」
冷たい視線で鉄護法を見据えた蕭炎は再び問いかけた。
「魂殿が多くの霊魂を集めている理由は何か知っているか?」
「知らない。
我々の任務は霊魂を収集し、魂殿に引き渡すことだけだ。
魂殿が霊魂を何に使うのかは誰も知らない。
これは真実だ。
信じるなら信じて、信じないならどうせ」
鉄護法は迷うことなく答えた。
その表情を見た蕭炎は冷笑道を浮かべて続けた。
「では魂殿の本部はどこにある?」
「知らない」鉄護法は無力な表情で言った。
「日常業務で霊魂を引き渡す場所は……」
陰険な目つきで鉄護法を見つめる蕭炎がようやく冷笑道を浮かべた。
「我々は任務量を達成する必要がある。
規定時間内に完了させなければ、本部に戻れないのだ。
しかし魂殿が大陸に設置した分殿とは別の場所だ。
我々が納めるべき場所は、その分殿の中にある」
「どのくらいの分殿の位置を知っているか?」
蕭炎が追及するように尋ねた
「人級護法なら1つ、地級2つ、天級3つまでしか知らない」目線を周囲に向けながら、炎の壁に包まれた鉄護法は震える声で答えた「なぜなら……」
「どこ?」
蕭炎が細めた目で尋ねる
「それは魂殿の秘密だ。
暴露されれば、お前の手に死ぬより辛い目に遭う」鉄護法が牙を剥いて断言した
漆黒の瞳孔に冷たい光が走り、蕭炎が拳を握ると同時に無形の炎の壁が急激に縮み込み鉄護法の体に貼り付いた。
その瞬間、新たな嗤き声と共に苦痛の叫びが響き渡った
「選択肢は2つだ。
1つ目はこの炎で焼かれて死ぬこと、もう1つは貴方の暴露が魂殿に知られないことを祈ること」蕭炎が白煙を立てる鉄護法を見据えて淡々と言った
「きさま! あぁ!」
鉄護法が罵声を上げた途端、炎の温度が急上昇した。
激痛に耐えられなくなった彼は慌てて叫んだ「言ってやる! 離せ!」
その声を聞いた瞬間、炎の壁がゆっくりと広がり萎び切った鉄護法の魂体が露わになった
「私が知っている分殿は出雲帝国から極めて遠く、大陸中央部と西北地域の境界にある天心帝国の『天葬渓』に位置する」震える声で鉄護法が吐露した
「天心帝国…… 天葬渓?」
蕭炎が低く呟きながら小医仙とメデューサを見やった。
大陸には大小無数の帝国があるが、その名は聞いたことがなかった
小医仙が少し考えてから「天心帝国という名は確かに聞いたことがあるが…… その中に『天葬渓』があるかどうかは知らない」そう答えた
蕭炎が頷きながら震える鉄護法を見やり「貴方の言葉を信じる。
もし見つからない場合は、貴方の運命も同じになるだろう」と付け足した
「貴方が私を囚禁するつもりか?」
鉄護法が顔色を変えた
「それでいいのか? それとも放っておくのがよいか?」
蕭炎が冷笑し玉瓶に吸い込まれる鉄護法の魂体を見つめた。
封印された玉瓶には高温の炎が注ぎ込まれ、その中で鉄護法は常に傷を負っている
鉄護法を再び封じた後、蕭炎がため息を吐き「魂殿という巨大な氷山の一角を見せられたようだ。
薬老も恐れるだけの組織なのだから……」とつぶやいた
「次はどうする?」
メデューサが静かに尋ねる
「まずは黒角域へ向かう。
異火を探す一方で魂殿について調査を進める。
貴方の言う通り、今の私の力では魂殿には危害はできないから……」蕭炎がため息をつき「早く実力を上げないと」
彼が玉瓶を手に取り「明日出発だ。
荷物をまとめてくれ」と指示した
すると同時に、二人はそれぞれ前後から部屋全体を封じ込めた。
魂殿の鉄護法という存在への警戒感が、彼女たちの心に芽生えていた。
今や重傷とはいえ、復活すれば斗宗級の強者が反撃する可能性を考えれば、誰も無視できる相手ではない。
壺口を掌でなぞると、その炎の波動は次第に薄れ、最後には完全に消えた。
すると虚ろな霊体が急ぎ足で天井へと突進し始めた。
指先を弾くと、突然天井に無形の炎の壁が現れたように。
その霊体は一撃で壁に衝突し、チリチリという音と共に凄惨な叫び声が響き渡った。
「ふん、鉄護法よ、なぜそんなに逃げるのか?」
笑みを浮かべながら、蕭炎は手印を結ぶと炎の壁が彼方へと落ちていった。
その間も、炎の壁の中に身を隠しながら体を触れさせまいとする鉄護法の姿をじっと見つめていた。
「お前たちが何を望むのか? 我々魂殿の護法は魄殿に霊印があるのだ。
もし私が死ねばすぐに気付かれるだろう。
その時は、魂殿の執行者も決して許さないぞ!」
鉄護法は低く唸りながら叫んだ。
「ただ些細な質問をしたいだけだ。
正直に答えてくれれば殺すことはない」蕭炎は椅に座りながら淡々と返した。
「お前が知りたいのは魂殿の何だと言うのだ?」
鉄護法は驚きの表情で彼を見つめた。
普段から人々は彼らを避けるのが常だが、この男は逆らう気なのだ。
「お前こそ、なぜそんなに恐れているのか? お前の周りには二名の斗宗級がいるではないか。
魂殿にとってお前を滅ぼすのは容易なことだ。
我ながら賢明ならば、今すぐ解放してくれた方が良いぞ……」鉄護法は言葉尻を切るように言いかけたが、その周囲の炎の壁が突然収縮し、彼の霊体に貼り付いた。
熱さで身体からチリチリという音が響き、絶叫が連続して聞こえた。
約半分の時間をかけて炎は消え、極度に衰弱した霊体だけが残った。
「これがお前の答えではない。
お前が死ぬ前に、充分な苦痛を与えるつもりだ」淡々とした声で蕭炎は言った。
「お前……!」
怨毒の目を向けながら、彼は燃え立つ炎の壁を見上げた。
その瞬間、鉄護法の目に驚愕が走った。
やがて不満げに続けた。
「ならば魂殿の何を知りたいのだ?」
「魂殿の実力はいかがですか?」
蕭炎は最も気にしていた質問を投げかけた。
この謎めいた組織は薬老さえも忌避する存在であり、その実力を知る必要があった。
彼が今後彼らから薬老と父を救出するためには、その実力の把握が不可欠だった。
「そんな質問をするのもお前らの自尊心に打撃になるかと思ってたのか?」
鉄護法は嘲讽的な笑みを浮かべて言った。
「魂殿内部では厳格な階級制度があり、護法だけでも天・地・人三等に分類される。
私はただの人級護法だ。
その上には尊老という地位の高い存在がおり、彼らの実力は大陸全体を見渡しても稀少な強者だ。
貴様らの毒宗など、魂殿の一箇所を滅ぼせば済む話さ」
鉄護法の言葉に耳を傾けた蕭炎の目に驚愕が浮かんだ。
斗宗級の強者がただの最低位護法と呼ばれるとは……それより上位の存在となると、一体どのような実力なのか想像もできない。
「その『鴨護法』という人物は知っているか?」
彼はテーブルを指で軽く叩きながら尋ねた。
「鴨鷹?出会ったことがあるのか?」
今度は鉄護法が驚愕の表情を見せた。
「戦ったことはある」
「勝負はどうだった?」
蕭炎は淡々と訊いた。
「私が地級護法だ」鉄護法は再び蕭炎を凝視した。
その青年の冷静さに新たな警戒感が芽生えた。
「では魂殿の殿主はどのような実力なのか?」
この質問に鉄護法は顔色を変えた。
しばらく沈黙し、ようやく冷笑道を浮かべて答える。
「殿主は謎めいた存在だ。
私が人級護法であろうと、天級護法でさえも彼の姿を見ることは稀だろう。
魂殿内では尊老や少数の例外以外、誰一人としてその実力を知っている者はいない」
「ふん、しかし魂殿をここまで拡大させたという点だけでも、殿主の実力は想像に耐えない。
率直に言って貴様らなど超強者と比べる資格すらないと言えるだろう」
蕭炎が眉をひそめたのを見て、鉄護法は嘲讽的な笑みを浮かべて続けた。
「答えれば済む質問なら答える。
それ以外のことは黙ってろ」
冷たい視線で鉄護法を見据えた蕭炎は再び問いかけた。
「魂殿が多くの霊魂を集めている理由は何か知っているか?」
「知らない。
我々の任務は霊魂を収集し、魂殿に引き渡すことだけだ。
魂殿が霊魂を何に使うのかは誰も知らない。
これは真実だ。
信じるなら信じて、信じないならどうせ」
鉄護法は迷うことなく答えた。
その表情を見た蕭炎は冷笑道を浮かべて続けた。
「では魂殿の本部はどこにある?」
「知らない」鉄護法は無力な表情で言った。
「日常業務で霊魂を引き渡す場所は……」
陰険な目つきで鉄護法を見つめる蕭炎がようやく冷笑道を浮かべた。
「我々は任務量を達成する必要がある。
規定時間内に完了させなければ、本部に戻れないのだ。
しかし魂殿が大陸に設置した分殿とは別の場所だ。
我々が納めるべき場所は、その分殿の中にある」
「どのくらいの分殿の位置を知っているか?」
蕭炎が追及するように尋ねた
「人級護法なら1つ、地級2つ、天級3つまでしか知らない」目線を周囲に向けながら、炎の壁に包まれた鉄護法は震える声で答えた「なぜなら……」
「どこ?」
蕭炎が細めた目で尋ねる
「それは魂殿の秘密だ。
暴露されれば、お前の手に死ぬより辛い目に遭う」鉄護法が牙を剥いて断言した
漆黒の瞳孔に冷たい光が走り、蕭炎が拳を握ると同時に無形の炎の壁が急激に縮み込み鉄護法の体に貼り付いた。
その瞬間、新たな嗤き声と共に苦痛の叫びが響き渡った
「選択肢は2つだ。
1つ目はこの炎で焼かれて死ぬこと、もう1つは貴方の暴露が魂殿に知られないことを祈ること」蕭炎が白煙を立てる鉄護法を見据えて淡々と言った
「きさま! あぁ!」
鉄護法が罵声を上げた途端、炎の温度が急上昇した。
激痛に耐えられなくなった彼は慌てて叫んだ「言ってやる! 離せ!」
その声を聞いた瞬間、炎の壁がゆっくりと広がり萎び切った鉄護法の魂体が露わになった
「私が知っている分殿は出雲帝国から極めて遠く、大陸中央部と西北地域の境界にある天心帝国の『天葬渓』に位置する」震える声で鉄護法が吐露した
「天心帝国…… 天葬渓?」
蕭炎が低く呟きながら小医仙とメデューサを見やった。
大陸には大小無数の帝国があるが、その名は聞いたことがなかった
小医仙が少し考えてから「天心帝国という名は確かに聞いたことがあるが…… その中に『天葬渓』があるかどうかは知らない」そう答えた
蕭炎が頷きながら震える鉄護法を見やり「貴方の言葉を信じる。
もし見つからない場合は、貴方の運命も同じになるだろう」と付け足した
「貴方が私を囚禁するつもりか?」
鉄護法が顔色を変えた
「それでいいのか? それとも放っておくのがよいか?」
蕭炎が冷笑し玉瓶に吸い込まれる鉄護法の魂体を見つめた。
封印された玉瓶には高温の炎が注ぎ込まれ、その中で鉄護法は常に傷を負っている
鉄護法を再び封じた後、蕭炎がため息を吐き「魂殿という巨大な氷山の一角を見せられたようだ。
薬老も恐れるだけの組織なのだから……」とつぶやいた
「次はどうする?」
メデューサが静かに尋ねる
「まずは黒角域へ向かう。
異火を探す一方で魂殿について調査を進める。
貴方の言う通り、今の私の力では魂殿には危害はできないから……」蕭炎がため息をつき「早く実力を上げないと」
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些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。
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