953 / 1,458
0900
第0986話 魂の鍛錬効果
しおりを挟む
暗赤色の血池の底は静寂に包まれていた。
時間さえその機能を失い、全てが無音で進行していた。
その中には緑色の点滅する光が微かに浮かび上がり、近づいて見れば膝を折り坐っている姿が確認できた。
潜入血池底で修練中の蕭炎である。
彼は一貫して動くこともなく、老僧のように紋々動かずエネルギーを吸収し続けている。
その無限の力を受け入れ、体内の経絡・骨格・筋肉・細胞まで徹底的に鍛錬していた。
暗赤色が蕭炎全身に覆い尽くし、顔面までも血色に染まり、どこか恐ろしい表情を浮かべていた。
しかし周囲には他人はいないため、その光景は誰にも見られなかった。
約二日間の滞在時間。
彼は一度も休息せず、途切れることがないで赤いエネルギーを吸収し続けた。
その結果体内の斗気は次第に増大し、経絡中を轟々と流れ回るようになっていた。
蕭炎自身の推測では現在は斗皇九星最上位に達しているが、突破への距離は計り知れない。
天山血池の助力があっても、短期間で斗宗へ到達するには至らない。
そのことは彼にも明確であり、焦燥感は一切ない。
平静な心を保ち、規律正しく赤いエネルギーを受け入れることに集中していた。
強力な力を得ても自身の気力が制御できないなら、戦闘では無意味である。
この平穏な修練時間の中で、彼の黒髪は草のように揺れ動き、体内の血色エネルギーが多すぎるためか、その髪も次第に赤く染まっていった。
遠目に見れば蕭炎は血人となり、恐ろしい気配を放ち始めていた。
身体表面の変化には彼は無関心だった。
これはエネルギー過剰による制御不能の現象であり、体内エネルギーを完全に掌握すれば元に戻るからだ。
現在必要なのは心身の安定と、強化された力を実感することだけだった。
暗赤い血の池に、時間は流れのように過ぎ去り、一瞬で十日が経過した。
この十日の間、蕭燾の身体からは一切の動きがなく、その赤髪はますます濃厚さを増していた。
しかし重要なのは、現在の蕭炎の気質も驚異的なまでに向上していることだ。
彼はまだ斗皇への突破を見せていないものの、十日前と比べて三倍以上強化されている。
気質の変容がそのまま斗皇への進展につながっていないことは、この斗宗という段階がいかに困難なものかを示すものである。
天山血池の奇跡的な効果がないなら、蕭炎の速度でもその程度まで到達するには少なくとも半年は必要だろう。
粘着質な赤いエネルギーが連続して蕭炎の体内に入ってくるとある瞬間、彼の顔が動いた。
まぶたがぴくりと動き、ゆっくりと目を開け始めた。
目覚めた蕭炎の目に驚愕が浮かんだ。
彼を修行から引き起こしたのは外界の要因ではなく、ここでの修行が進むにつれて眉心にある「三千雷幻身」の魂魄分身が血色エネルギーを吸収していることに気づいたからだ。
おそらくは自身の制御があるため、その分身が受け取るエネルギー量は少なかったが、現在になってようやくその分身が強化されていることを察知したのである。
「この場所のエネルギーは魂魄の成長にも効果があるのか?」
彼は不思議そうにつぶやき、指を軽く弾いた。
眉心から無形の光が飛び出し、近くの地面に落ちた。
分身が現れた瞬間、その体内から吸引力が発生し、周囲の粘着質な赤いエネルギーも引き寄せられるようにして一部を分身へと注ぎ始めた。
これらの血色の粘稠エネルギーが分身の表面にある「陨落心炎」に触れるとき、ピチリと音を立てながら火毒が排出される現象が発生した。
「幸いにも陨落心炎で分身を守っているからこそ、この分身が出現した瞬間に火毒に侵され消滅するのを防げたんだな」蕭炎は安堵しながら思った。
その直後、彼は暗黒色の光を受け取った。
その巨大な赤い粘稠エネルギーが分身体内に入ると、たちまち濃厚な暗赤色が溢れ出し始めた。
これまで透明で虚幻だった分身が一瞬で血色に変わったのだ。
しかし魂魄と結びついている蕭炎は驚きを隠せない。
その分身の実力が信じられないほど急速に向上していることに気づいたからだ。
「この速度なら、陨落心炎による鍛錬を加味すれば、登堂境界までもそう遠くはないだろう。
この場所のエネルギーは魂魄分身を鍛える効果まであるのか?」
驚きながら彼は自らに言い聞かせた。
短い半年の期間で三千雷幻身を登堂境界まで修練した事は風雷閣に知られれば、その斗技を修練している人々が即座に吐血三杯するだろう。
特に費天という老いた男が登堂境界まで分身を鍛錬するために五年間も費やしたのに、蕭炎はそれを数倍乃至十倍の期間で短縮した。
この差異は雲と泥のように対照的だった。
血色エネルギーの効果は金石にも知られなかった(彼は異火による護体がないため、魂を解放するリスクが存在した。
一旦魂に火毒が付着すれば回復不可能な死を迎えるからだ)。
蕭炎はこの発見に心躍らせながら分身の変化を凝視し続けた。
何日も経過しても異常がないことを確認するとようやく安心して、分身を一側に置き血潭底のエネルギーを自由に吸収させることにした(その圧倒的なエネルギーは彼らが無尽蔵に使えるほどだった)。
心を分身から切り離し体内に集中させると、顔にはさらに喜びの色が増す。
彼は囁くように「斗皇の頂点」とつぶやき、金石の言葉通りこの場所で確実に斗皇突破を果たし斗宗へ昇進できると確信した。
ただしその時間はそれなりにかかるだろう。
血色エネルギーが視界を遮る暗赤色の粘度を持ち人間を圧迫するが、斗皇突破という目標があれば耐え抜くしかない。
「もし斗宗に到達できれば、あの老不死の費天と一戦できるかもしれない。
曜老先生の力を借りれば正面勝負も可能だ」
斗宗と斗皇は全く異なる次元である。
この境界を越えることで蕭炎と費天の距離が縮まり、外物を頼りにすれば対決も不可能ではない。
さらに斗宗到達後七品丹薬の成功率が向上し運任せではなく確実に作れるようになる。
そのためには丹塔主催の丹会で上位十人に食い込む自信さえ湧いてくる。
斗宗へのメリットを想像するたび蕭炎の心はさらに熱くなり深呼吸して分身近くにあるエネルギー源を見つめながら、再び修練の手印を作り目を開けない状態に入った。
このまま突破しない限り血潭底から出ることはないという決意だった。
修練中の寂しさが周囲に広がる中、時間は指先の砂のように流れ続けた。
蕭炎はその流れさえ忘れ去り「忘れられた状態」に入っていた。
唯一の出口は次の突破日だけだった。
この状態の中で彼は真剣に考えていた。
中州に来てからずっと感じていたことだが、斗皇という実力ではこの強者集まる大陸で十分な安全を確保できない。
そのためには絶対に修練を続けなければならない。
指先の砂のように過ぎた時間は十日、二十日、一ヶ月、一個半月…七十八日のある朝ようやく血潭底が動き出した。
時間さえその機能を失い、全てが無音で進行していた。
その中には緑色の点滅する光が微かに浮かび上がり、近づいて見れば膝を折り坐っている姿が確認できた。
潜入血池底で修練中の蕭炎である。
彼は一貫して動くこともなく、老僧のように紋々動かずエネルギーを吸収し続けている。
その無限の力を受け入れ、体内の経絡・骨格・筋肉・細胞まで徹底的に鍛錬していた。
暗赤色が蕭炎全身に覆い尽くし、顔面までも血色に染まり、どこか恐ろしい表情を浮かべていた。
しかし周囲には他人はいないため、その光景は誰にも見られなかった。
約二日間の滞在時間。
彼は一度も休息せず、途切れることがないで赤いエネルギーを吸収し続けた。
その結果体内の斗気は次第に増大し、経絡中を轟々と流れ回るようになっていた。
蕭炎自身の推測では現在は斗皇九星最上位に達しているが、突破への距離は計り知れない。
天山血池の助力があっても、短期間で斗宗へ到達するには至らない。
そのことは彼にも明確であり、焦燥感は一切ない。
平静な心を保ち、規律正しく赤いエネルギーを受け入れることに集中していた。
強力な力を得ても自身の気力が制御できないなら、戦闘では無意味である。
この平穏な修練時間の中で、彼の黒髪は草のように揺れ動き、体内の血色エネルギーが多すぎるためか、その髪も次第に赤く染まっていった。
遠目に見れば蕭炎は血人となり、恐ろしい気配を放ち始めていた。
身体表面の変化には彼は無関心だった。
これはエネルギー過剰による制御不能の現象であり、体内エネルギーを完全に掌握すれば元に戻るからだ。
現在必要なのは心身の安定と、強化された力を実感することだけだった。
暗赤い血の池に、時間は流れのように過ぎ去り、一瞬で十日が経過した。
この十日の間、蕭燾の身体からは一切の動きがなく、その赤髪はますます濃厚さを増していた。
しかし重要なのは、現在の蕭炎の気質も驚異的なまでに向上していることだ。
彼はまだ斗皇への突破を見せていないものの、十日前と比べて三倍以上強化されている。
気質の変容がそのまま斗皇への進展につながっていないことは、この斗宗という段階がいかに困難なものかを示すものである。
天山血池の奇跡的な効果がないなら、蕭炎の速度でもその程度まで到達するには少なくとも半年は必要だろう。
粘着質な赤いエネルギーが連続して蕭炎の体内に入ってくるとある瞬間、彼の顔が動いた。
まぶたがぴくりと動き、ゆっくりと目を開け始めた。
目覚めた蕭炎の目に驚愕が浮かんだ。
彼を修行から引き起こしたのは外界の要因ではなく、ここでの修行が進むにつれて眉心にある「三千雷幻身」の魂魄分身が血色エネルギーを吸収していることに気づいたからだ。
おそらくは自身の制御があるため、その分身が受け取るエネルギー量は少なかったが、現在になってようやくその分身が強化されていることを察知したのである。
「この場所のエネルギーは魂魄の成長にも効果があるのか?」
彼は不思議そうにつぶやき、指を軽く弾いた。
眉心から無形の光が飛び出し、近くの地面に落ちた。
分身が現れた瞬間、その体内から吸引力が発生し、周囲の粘着質な赤いエネルギーも引き寄せられるようにして一部を分身へと注ぎ始めた。
これらの血色の粘稠エネルギーが分身の表面にある「陨落心炎」に触れるとき、ピチリと音を立てながら火毒が排出される現象が発生した。
「幸いにも陨落心炎で分身を守っているからこそ、この分身が出現した瞬間に火毒に侵され消滅するのを防げたんだな」蕭炎は安堵しながら思った。
その直後、彼は暗黒色の光を受け取った。
その巨大な赤い粘稠エネルギーが分身体内に入ると、たちまち濃厚な暗赤色が溢れ出し始めた。
これまで透明で虚幻だった分身が一瞬で血色に変わったのだ。
しかし魂魄と結びついている蕭炎は驚きを隠せない。
その分身の実力が信じられないほど急速に向上していることに気づいたからだ。
「この速度なら、陨落心炎による鍛錬を加味すれば、登堂境界までもそう遠くはないだろう。
この場所のエネルギーは魂魄分身を鍛える効果まであるのか?」
驚きながら彼は自らに言い聞かせた。
短い半年の期間で三千雷幻身を登堂境界まで修練した事は風雷閣に知られれば、その斗技を修練している人々が即座に吐血三杯するだろう。
特に費天という老いた男が登堂境界まで分身を鍛錬するために五年間も費やしたのに、蕭炎はそれを数倍乃至十倍の期間で短縮した。
この差異は雲と泥のように対照的だった。
血色エネルギーの効果は金石にも知られなかった(彼は異火による護体がないため、魂を解放するリスクが存在した。
一旦魂に火毒が付着すれば回復不可能な死を迎えるからだ)。
蕭炎はこの発見に心躍らせながら分身の変化を凝視し続けた。
何日も経過しても異常がないことを確認するとようやく安心して、分身を一側に置き血潭底のエネルギーを自由に吸収させることにした(その圧倒的なエネルギーは彼らが無尽蔵に使えるほどだった)。
心を分身から切り離し体内に集中させると、顔にはさらに喜びの色が増す。
彼は囁くように「斗皇の頂点」とつぶやき、金石の言葉通りこの場所で確実に斗皇突破を果たし斗宗へ昇進できると確信した。
ただしその時間はそれなりにかかるだろう。
血色エネルギーが視界を遮る暗赤色の粘度を持ち人間を圧迫するが、斗皇突破という目標があれば耐え抜くしかない。
「もし斗宗に到達できれば、あの老不死の費天と一戦できるかもしれない。
曜老先生の力を借りれば正面勝負も可能だ」
斗宗と斗皇は全く異なる次元である。
この境界を越えることで蕭炎と費天の距離が縮まり、外物を頼りにすれば対決も不可能ではない。
さらに斗宗到達後七品丹薬の成功率が向上し運任せではなく確実に作れるようになる。
そのためには丹塔主催の丹会で上位十人に食い込む自信さえ湧いてくる。
斗宗へのメリットを想像するたび蕭炎の心はさらに熱くなり深呼吸して分身近くにあるエネルギー源を見つめながら、再び修練の手印を作り目を開けない状態に入った。
このまま突破しない限り血潭底から出ることはないという決意だった。
修練中の寂しさが周囲に広がる中、時間は指先の砂のように流れ続けた。
蕭炎はその流れさえ忘れ去り「忘れられた状態」に入っていた。
唯一の出口は次の突破日だけだった。
この状態の中で彼は真剣に考えていた。
中州に来てからずっと感じていたことだが、斗皇という実力ではこの強者集まる大陸で十分な安全を確保できない。
そのためには絶対に修練を続けなければならない。
指先の砂のように過ぎた時間は十日、二十日、一ヶ月、一個半月…七十八日のある朝ようやく血潭底が動き出した。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
ファンタジー
万年Eランクで弓使いの冒険者【クルス】には目標があった。
十数年かけてため込んだ魔力を使って課題魔法を獲得し、冒険者ランクを上げたかったのだ。
そんな大事な魔力を、心優しいクルスは仲間の危機を救うべく"状態異常耐性"として使ってしまう。
おかげで辛くも勝利を収めたが、リーダーの魔法剣士はあろうことか、命の恩人である彼を、嫉妬が原因でパーティーから追放してしまう。
夢も、魔力も、そしてパーティーで唯一慕ってくれていた“魔法使いの後輩の少女”とも引き離され、何もかもをも失ったクルス。
彼は失意を酩酊でごまかし、死を覚悟して禁断の樹海へ足を踏み入れる。そしてそこで彼を待ち受けていたのは、
「獲物、来ましたね……?」
下半身はグロテスクな植物だが、上半身は女神のように美しい危険度SSの魔物:【アルラウネ】
アルラウネとの出会いと、手にした"状態異常耐性"の力が、Eランク冒険者クルスを新しい人生へ導いて行く。
*前作DSS(*パーティーを追い出されたDランク冒険者、声を失ったSSランク魔法使い(美少女)を拾う。そして癒される)と設定を共有する作品です。単体でも十分楽しめますが、前作をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
また三章より、前作キャラクターが多数登場いたします!
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる