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第1083話 撃破
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金色の炎が液体のように、薰(くん)の指先を優雅に流れ回り、その動きに合わせて周囲の空間は黒い軌跡を残す。
蕭炎(しょうえん)の視線は金色の炎から離れない。
驚愕(けいがく)の表情を隠せない。
異火(いば)は見たことがあるが、薰の手にあるこの金色の炎は初めて心臓に鈍痛(とんだつ)を与えるものだった。
その瞬間(しゅんかん)、彼の体内で流れる瑠璃遂心火(るりすいしんか)までが微かな震えを発した。
この状況は、蕭炎がこれまで経験したことのない現象だった。
瑠璃遂心火の震える音色(おといろ)から、蕭炎はその意味を理解していた。
それは「忌避(きひ)」という感情だ。
そして、そんな忌避感を示す異火が存在するということは——薰の金色の炎は、決して凡庸なものではない。
「異火榜(いばぼう)上に金色の炎を持つものは、九幽金祖火(きゅうゆうこんそか)と金帝焚天炎(きんていふんてんえん)の二つだけだ。
薰が手にしているのはそのどちらかかもしれない……」彼は心の中で推測する。
しかし異火榜は確かに権威あるものだが、この世には記録されていない奇物も無数にある。
だからこそ、確信は持てない。
金色の炎が薰の指先で踊り、彼女は周囲にいる魂殿(こんてん)や氷河谷(ひょうかくちゅう)の強者たちを見つめる。
清雅な顔に薄い笑みが浮かぶ。
「始めてくれ」
甘大(かんだい)ら十数人が、金色の炎が現れた瞬間に不安を感じたが、ここで引き下がるわけにはいかない。
彼らは一声で叫び、体内の斗気を解放し、その光景は壮覇(そうは)なものだった。
巨大な斗気匹練(とっきれん)が空間を裂き、一瞬で到達する。
薰は指先を上げ、唇で炎に息を吹きかけた。
「プ!」
金色の炎は風を受け、爆発的に膨張し、蕭炎と彼女を包む炎の罩(かぶさ)を作り出す。
「チィチィチィ!」
多くの斗気匹練が炎の罩に衝突する。
表面に波紋が生じても、その炎は決して崩れなかった。
その防御力は驚異的だった。
甘大らが連携攻撃を仕掛けたにもかかわらず、薰はそれを軽々しく受け流す。
彼らの顔色が変わった瞬間、彼女はゆっくりと目を見開き、金色の炎が瞳孔(どうこう)に宿る。
「行くぞ」指先で空間を指し示し、薰は静かに告げた。
金色の炎の光線が甘大たちの前に広がる斗気防御壁を無情に貫く。
その瞬間、甘大は息を吞んだ。
彼の凝結した斗気が薄紙のように破れ、胸元に半指幅の血痕が浮かび上がる。
周囲の魂殿や氷河谷の強者が次々と倒れる中、薰衣は軽く口を開き炎を体内に吸収し、萧炎を見つめる。
「あなたはいつも私の前にいるわ」
蕭炎は苦しげに笑った。
「先輩や血脈に頼る彼女より、自分の力でここまで来た私が優れているはずよ」
「でも十人の私ではあなたの一つにも敵わないの。
あなたは本当にすごいの」
その言葉に萧炎が安堵する間もなく、空気中に広がる寒気が突然変調した。
薰衣は指先から金光を放ち、無数の氷晶を消散させる。
「この寒気大陣も解けたわ」
その金色の光が消えた直後、この天地のエネルギーが突然激しく乱れ始めた。
間もなく、無数の膨大な斗気の光柱が寒気の壁外から爆発的に飛び込んで来た。
その圧力は氷結の障壁を千々に引き裂き、無数の冷気が溢れ出す。
その冷気の流れの中で、この天地の温度も次第に正常に戻り、漂っていた白い霧がゆっくりと消えていった。
霧が散った瞬間、突然破風音が響き渡り、次々と黒い影が薫の前に整然と現れた。
その姿勢は一様に恭しく、彼女に向かって礼を述べた。
薫は小さくうなずき、白い手で空中を切ると、彼らはまた黒い影となって西へ散り、街の周囲に警戒態勢に入った。
蕭炎の視線がその黒い影たちから離れたのは、それらが完全に消えた後だった。
彼は深く息を吸い、胸中で驚愕をため息と共に吐き出す。
これが古族の力か? 本当に恐ろしい...
蕭炎の心臓が激しく鳴り響く間、遠方の空から突然エネルギー爆発の轟音が響いた。
彼はその方向を見やると、青海と天霜子が黒衣の老人に次第に追い詰められていた。
二人を相手に戦っているにもかかわらず優位に立たせているその老人の凄まじい実力に、蕭炎は息を吞んだ。
「薫の警告はやはり正しいのか... これらの者たちが彼女に対して示す態度からして、她在古族中一定高位にあることは明らかだ。
もし私が彼女を側に置くなら、古族の重視するような実力を持たない限り、それは現実的ではないだろう...」 萧炎は拳を固めた。
そして古族が重んじるその実力——現在の斗宗級では明らかに足りない。
彼の今の実力で、ただ単に斗宗最上位の強者と戦うには全力を尽くさねばならない。
そのためには、速やかに実力を向上させる必要がある。
そして実力向上の鍵は——丹塔の三千炎炎火を得ることだ。
「丹会開催まであと一年足らずだが、その前にも複雑な試練が待ち受けているらしい。
この時間も余すところなく活用するべきだ...」
息を吐きながら、蕭炎は丹塔の炎炎火を確固たる目標として心に刻んだ。
決意を新たにした彼は再び白髪老人と氷河の戦場を見やった。
二人は激しく戦い続けているが、虚無の空間では彼らの交戦で黒々とした隙間が次々と生まれていた。
その凄まじいエネルギー放出は人々を震えさせるほどだった。
「バチ!」
天空で二つの影が光速で衝突し、驚異的な爆発音を響かせた。
白髪老人は快く笑み、枯れた手のひらから輝く緑色の晶が迸り、複雑な印が連続して浮かび上がった。
「へへ、老夫の一撃『湮天印』でどうだ!」
その大笑に反応し、蕭炎の眉が一瞬跳ねた。
湮天印? 帝印決第四印?
氷河も白髪老人の喝破に驚きを露わにした。
「涅天印? 帝印決?」
彼女の目は突然遠くの青い影を見つめる。
「帝印決...」 気味が悪いと悟ったのか、彼女はその名前を繰り返し呟いた。
蕭炎(しょうえん)の視線は金色の炎から離れない。
驚愕(けいがく)の表情を隠せない。
異火(いば)は見たことがあるが、薰の手にあるこの金色の炎は初めて心臓に鈍痛(とんだつ)を与えるものだった。
その瞬間(しゅんかん)、彼の体内で流れる瑠璃遂心火(るりすいしんか)までが微かな震えを発した。
この状況は、蕭炎がこれまで経験したことのない現象だった。
瑠璃遂心火の震える音色(おといろ)から、蕭炎はその意味を理解していた。
それは「忌避(きひ)」という感情だ。
そして、そんな忌避感を示す異火が存在するということは——薰の金色の炎は、決して凡庸なものではない。
「異火榜(いばぼう)上に金色の炎を持つものは、九幽金祖火(きゅうゆうこんそか)と金帝焚天炎(きんていふんてんえん)の二つだけだ。
薰が手にしているのはそのどちらかかもしれない……」彼は心の中で推測する。
しかし異火榜は確かに権威あるものだが、この世には記録されていない奇物も無数にある。
だからこそ、確信は持てない。
金色の炎が薰の指先で踊り、彼女は周囲にいる魂殿(こんてん)や氷河谷(ひょうかくちゅう)の強者たちを見つめる。
清雅な顔に薄い笑みが浮かぶ。
「始めてくれ」
甘大(かんだい)ら十数人が、金色の炎が現れた瞬間に不安を感じたが、ここで引き下がるわけにはいかない。
彼らは一声で叫び、体内の斗気を解放し、その光景は壮覇(そうは)なものだった。
巨大な斗気匹練(とっきれん)が空間を裂き、一瞬で到達する。
薰は指先を上げ、唇で炎に息を吹きかけた。
「プ!」
金色の炎は風を受け、爆発的に膨張し、蕭炎と彼女を包む炎の罩(かぶさ)を作り出す。
「チィチィチィ!」
多くの斗気匹練が炎の罩に衝突する。
表面に波紋が生じても、その炎は決して崩れなかった。
その防御力は驚異的だった。
甘大らが連携攻撃を仕掛けたにもかかわらず、薰はそれを軽々しく受け流す。
彼らの顔色が変わった瞬間、彼女はゆっくりと目を見開き、金色の炎が瞳孔(どうこう)に宿る。
「行くぞ」指先で空間を指し示し、薰は静かに告げた。
金色の炎の光線が甘大たちの前に広がる斗気防御壁を無情に貫く。
その瞬間、甘大は息を吞んだ。
彼の凝結した斗気が薄紙のように破れ、胸元に半指幅の血痕が浮かび上がる。
周囲の魂殿や氷河谷の強者が次々と倒れる中、薰衣は軽く口を開き炎を体内に吸収し、萧炎を見つめる。
「あなたはいつも私の前にいるわ」
蕭炎は苦しげに笑った。
「先輩や血脈に頼る彼女より、自分の力でここまで来た私が優れているはずよ」
「でも十人の私ではあなたの一つにも敵わないの。
あなたは本当にすごいの」
その言葉に萧炎が安堵する間もなく、空気中に広がる寒気が突然変調した。
薰衣は指先から金光を放ち、無数の氷晶を消散させる。
「この寒気大陣も解けたわ」
その金色の光が消えた直後、この天地のエネルギーが突然激しく乱れ始めた。
間もなく、無数の膨大な斗気の光柱が寒気の壁外から爆発的に飛び込んで来た。
その圧力は氷結の障壁を千々に引き裂き、無数の冷気が溢れ出す。
その冷気の流れの中で、この天地の温度も次第に正常に戻り、漂っていた白い霧がゆっくりと消えていった。
霧が散った瞬間、突然破風音が響き渡り、次々と黒い影が薫の前に整然と現れた。
その姿勢は一様に恭しく、彼女に向かって礼を述べた。
薫は小さくうなずき、白い手で空中を切ると、彼らはまた黒い影となって西へ散り、街の周囲に警戒態勢に入った。
蕭炎の視線がその黒い影たちから離れたのは、それらが完全に消えた後だった。
彼は深く息を吸い、胸中で驚愕をため息と共に吐き出す。
これが古族の力か? 本当に恐ろしい...
蕭炎の心臓が激しく鳴り響く間、遠方の空から突然エネルギー爆発の轟音が響いた。
彼はその方向を見やると、青海と天霜子が黒衣の老人に次第に追い詰められていた。
二人を相手に戦っているにもかかわらず優位に立たせているその老人の凄まじい実力に、蕭炎は息を吞んだ。
「薫の警告はやはり正しいのか... これらの者たちが彼女に対して示す態度からして、她在古族中一定高位にあることは明らかだ。
もし私が彼女を側に置くなら、古族の重視するような実力を持たない限り、それは現実的ではないだろう...」 萧炎は拳を固めた。
そして古族が重んじるその実力——現在の斗宗級では明らかに足りない。
彼の今の実力で、ただ単に斗宗最上位の強者と戦うには全力を尽くさねばならない。
そのためには、速やかに実力を向上させる必要がある。
そして実力向上の鍵は——丹塔の三千炎炎火を得ることだ。
「丹会開催まであと一年足らずだが、その前にも複雑な試練が待ち受けているらしい。
この時間も余すところなく活用するべきだ...」
息を吐きながら、蕭炎は丹塔の炎炎火を確固たる目標として心に刻んだ。
決意を新たにした彼は再び白髪老人と氷河の戦場を見やった。
二人は激しく戦い続けているが、虚無の空間では彼らの交戦で黒々とした隙間が次々と生まれていた。
その凄まじいエネルギー放出は人々を震えさせるほどだった。
「バチ!」
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白髪老人は快く笑み、枯れた手のひらから輝く緑色の晶が迸り、複雑な印が連続して浮かび上がった。
「へへ、老夫の一撃『湮天印』でどうだ!」
その大笑に反応し、蕭炎の眉が一瞬跳ねた。
湮天印? 帝印決第四印?
氷河も白髪老人の喝破に驚きを露わにした。
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