闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1213話 因縁清算

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この旅の目的は魂嬰果(こんいんか)だが、特別な事情がなければ蕭炎も余計な騒動を避けたい。

しかし、避けるべきでもない出来事が起こった。

現在の風雷閣は天妖凰族との関係が良くなっており、ますます横暴になっている。

まるで四大閣(しがく)の頂点に立つように振る舞っている。

今回は星陨閣が先に確保したキャンプを強奪し、明らかに星陨閣を侮辱する行為だ。

もし星陨閣が黙認すれば、笑柄になるだけでなく、宗門の名前も傷つく。

開宗以来、時には譲歩は必要だが、原則に関わるものは半分も譲れない。

それだけなら名声にも影響し、内部の士気を下げてしまう。

現在の星陨閣主は藥老(やくろう)で、この肩書が突然降りてきたことに苦労しているようだ。

しかし責任を果たす必要があるため、風尊者と共に指揮権を蕭炎に渡したのは信頼と試験だった。

魂殿のような強大な組織なら一時屈辱を耐え、後に報復するのも現実的だが、風雷閣はまだその資格がない。

かつて中州で斗皇(とうおう)の力で風雷閣に挑んだ記憶があるし、今はさらに強い。

風雷閣の指導者である雷尊者(らいそんしゃ)は風尊者の三つ星以下の実力だ。

蕭炎側には小医仙(しょういせん)と天火尊者(てんかそんじゃ)、熊戦(くません)がいる。

彼一人でさえも、雷尊者は勝ち目がない。

蕭炎の行動は場を支配した。

星陨閣の若い弟子たち全員が支持した。

彼らは凡人ではないし、風雷閣に侮辱されたことで怒りを抑えられない。

若気の至りとはいえ、相手より弱いと分かっていても挑戦するだろう。

星陨閣には軟弱者などいないことを示すためだ。

もし二名の長老が厳しく制止しなければ、彼らは風雷閣に直撃していたかもしれない。

元々その怒りをどこに出せばいいか分からないと思っていたところに、まだ馴染みのない少主(しょうしゅ)が登場して爆発的な行動を見せた。

たちまち蕭炎の地位は急上昇した。

人心掌握は簡単なことだった。

長老達も驚き、一瞬ためらった。

若い星陨閣弟子たちの赤い顔を見ると、隠された怒りが湧いてきた。

「くそ、風雷閣が多くの強者前で星陨閣を殴ったなら、この場で返すしかない」

蕭炎の実力は分からないが、彼の後ろにいる小医仙や天火尊者、熊戦は確かな斗尊(とうそん)だ。

三つ星以下の雷尊者は何ともない。

「すべて少主のご指示通りです」

二名の長老が重々しく拳を交わし、手を振って先頭に立つと、その背後に星滅閣の門弟たちが次々と飛び上がった。

彼らの殺伐とした様子は周囲から驚きの視線を集めている。

骸骨山脈の中心部近くには多くの峰々が連なり、遠古遺跡の開拓地に近いため、実力のある大勢力が優先的に確保していた。

一人者や小勢力の強者たちは他の場所を探さざるを得ない。

現在の骸骨山脈は至るところに人影が行き交い、喧騒と罵声が絶えず響く。

遠古時代の遺跡で無秩序なため、些細なことで仲間を呼んで武力を行使する光景は日常茶飯事だ。

中心部近くにある一座山頂には大旗が風に翻り、その上には「風雷閣」と輝く文字が躍る。

山頂には白いテントが連なり、内部からは悠然とした気配が漂う。

これらは実力のある強者たちの居住区で、遠古遺跡への参加を大規模に準備しているようだ。

テント群の中でも特に広大な一張帆がある。

その外には風雷閣の強者が冷厳な表情で警備に当たっている。

中からは笑い声が漏れ、「傘です」という言葉が聞こえた。

突然、白銀の長袍をまとった人物がテントから出てきた。

周囲の護衛たちが慌てて礼をする。

「北の閣主様」。

「うむ。

」その人物は淡々と応じた。

かつて蕭炎を追跡した風雷閣北の閣主・費天だ。

外見は変わらないものの、気力はますます深みがあり、半歩足りないが次の段階に近い異様な雰囲気を醸し出している。

「閣主様は貴賓をお迎え中です。

ご迷惑おかけしないよう注意してください」。

風雷閣の強者たちは頷き、「はい」と応じる。

その人物がテントに戻ろうとした時、眉根がわずかに寄せられた。

山頂から下へ続く道の方で騒乱の声が聞こえた。

「どうした?」

「おや、北の閣主様お怒りにならないよう。

私が調べてみます」。

一人の斗皇級の強者が即座に応じ、山頂を飛び降りた。

その風雷閣の強者が下山する直前、突然低く重い音が響き、人影と共に悲鳴が逆走した。

道中のテントが次々と崩れ落ちる。

「我が風雷閣の領地に侵入してくるとは!自滅を望むのか!」

その光景は山頂の風雷閣強者たちを驚かせた。

北の閣主・費天も顔色を変え、「捕らえろ!死活問わず!」

と命じる。



風雷閣の強者たちが次々と山頂から飛び降りる様子を、費天は冷ややかに見ていた。

その視線の先には、かつて彼を屈辱させた男の姿があった。

数年前の一件以来、この男の名前は常に脳裏に焼きついていた。

「ぶつかり合う」音が響くと同時に、風雷閣の強者たちが次々と山頂に戻り始めた。

その速度は信じられないほどだった。

彼らの血みどろの顔を見た瞬間、費天の足が止まった。

こんな速さで全員を引き返す相手とは、明らかに一流の実力者だ。

「ここは風雷閣の領地です。

何事かご説明ください」

山道から笑い声が響く。

その声の主は、費天が最も憎悪する男だった。

彼の顔を見た瞬間、冷たい殺意が込み上げてきた。

かつての屈辱が蘇り、胸中で沸き立つ怒りを抑えられない。

「星陨閣に追われた連中の一員か」

胡長老と齊長老が顔色を変えた。

彼らはこの男の名前を口に出すまいとしている。

しかし費天は意地悪そうに笑みを浮かべた。

「どうせなら、お前の仲間も呼んでこいよ」

突然、キャンプサイトから二人の影が現れた。

その姿を見た瞬間、費天の表情が引き締まった。

彼らこそが風雷閣の実力者だ。

しかし彼は特に驚きを示さなかった。

「早く片付けてくれ。

閣主様の時間を無駄にしないように」

その言葉と共に、銀色の光が消えた。

次の瞬間、空間が歪んだ。

そこには再び男の姿があった。

その顔は恐怖で引き攣っていた。

「雷尊者……」

しかし蕭炎は彼を一瞥もせず、キャンプサイトの方を見やった。

指先で空間を掴むと、その男の胸が凹み、赤い血が飛び散った。

その速度は信じられないほどだった。

「風雷閣の名を汚すような連中は、ここにいるだけで失格だ」

彼の手勢が驚愕の目で見守る中、男はキャンプサイトの中に転げ込んだ。

その光景は、風雷閣の威厳を傷つけたように感じられた。



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