闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1259話 神威を大いに発揮

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九天尊の手を掴んだその刹那、九天尊の顔色がわずかに変化した。

なぜならその瞬間、体内で回転していた斗気が一時的に滞り、周囲に漂っていた雨滴と霧のような気流が急速に消散したからだ。

この光景は明らかに九天尊の心を震撼させた。

慌てて顔を上げると、蕭炎の背後に懸けられた老人の姿が目に飛び込んできた。

その面影はすぐに認識され、彼は声を失って叫んだ。

「薬塵?お前の身体……復活したのか?」

九天尊は一目で現在の薬老の状態を見抜いていた。

以前のような虚ろな姿ではなく、実体を持った肉体であり、さらにその周囲に溢れる圧倒的な気配が彼を直感的に恐怖させた。

「先生……お覚悟ですか?」

九天尊の攻撃が阻まれた瞬間、蕭炎は慌てて振り返り、薬老を目にして驚きの表情を見せた。

「うむ……」

薬老は萧炎に笑みを向け、ゆっくりと語った。

「小僧、まずは他の人々を手伝って。

この相手は私が引き受けよう。



その言葉に蕭炎は一瞬迷いながらも頷いた。

彼の超人的な霊感が告げていた——現在の薬老の気配は極めて恐ろしいもので、目の前の九天尊やかつての黒擎さえも比ぶべくもない。

これは近年蕭炎が見た中でも最強の存在だった。

「これが先生の頂点期の実力か……やはり凄い」

萧炎は安堵の息を吐き、九天尊の険しい表情を見ながら軽やかに後退した。

「薬塵、もしかして頂点期の力を回復したからといって魂殿と対抗できると思っているのか?」

九天尊は蕭炎を阻む気配を感じつつも、目の前の薬尘がかつての名を冠する薬尊者に戻ったことに気づいていた。

その傲慢さゆえに認めざるを得ない——今の自分では薬老の敵ではない。

「魂殿は天地間で最強とは限らない。

強い相手も少なくないし、彼らは制約されている場合もある。

そして重要なのは、彼らが動かない限り、お前のような存在は私を脅かせない」

薬老は笑みを浮かべながら冷たい色合いの表情を見せた。

「今日は魂殿が大挙侵入したというのに、私の唯一の弟子を傷つけたこの借りは返す必要がある」

「本尊はお前などに怯んでいない」

九天尊の顔も険しくなり、掌から蒼白い光が広がり、奇妙な角度で腕を捩ると薬老の束縛から解放された。

口を開くと蒼白い斗気が四方八方に噴き出し、巨大な牙と爪を持つ獣へと凝縮され、薬老に向かって猛進した。

九天尊の攻撃にさらなる驚異が加わった。

薬老は表情を変えずに掌を伸ばし、その巨獣を掴んだ瞬間空間が崩壊し、獣は腰から折れ水滴となって散り散りになった。

「轟!」



一掌破去九天尊攻击、

薬老の手が遠くにいる相手に向けて隔空一撃を放ちました。

その一撃は空間エネルギーを激しく震わせ、無形の巨大な手が空間を超えて九天尊へと迫りました。

「静かにしても」九天尊は危険を感じて印を変えると低く叫びました。

冷たいエネルギーが彼を取り囲み百丈規模の青い水の盾を作り出します。

その巨大な手が青い盾に叩きつけられると空間力が爆発し、周囲の次元が歪んでしまいました。

その凄まじい光景は見る者を驚かせました。

「ドン!」

空間エネルギーが四方八方に広がり頑丈な青い盾は瞬時に砕け散りました。

雨が林海に降り注ぎ水音が響き渡ります。

「うむ……」

九天尊の体が揺れ、百メートル近く後退しました。

喉から苦しみの声が出ました。

初陣で負傷したのです。

空での壮観な戦いは遠方の強者たちの視線を集めました。

彼らは薬老を認知し驚きの声が飛び交いました。

「あの男は薬尊者・薬塵か?本当に生きていたのか?」

「以前は身体を失って実力が落ちたと聞いたが……」

「薬尘が復活すれば星陨閣の大難は解ける。

頂点の実力を回復した薬尊者は三谷さえも凌駕するだろう」

視線が交差し複雑な表情を見せる人々。

中州第一の錬金術師・薬塵が再び現れたことで驚異的な波紋が広がります。

「ドン!」

蕭炎は占優勢の薬老を見て笑みを浮かべました。

薬老が頂点に戻れば星陨閣は魂殿からの報復に怯む必要はありません。

強大な魂殿も頂点級の戦士が出動すれば危険です。

彼らが動かない限り星陨閣は安全なのです。



在蕭炎がため息をつく間、空から突然重い音が響いた。

直感的にその気配を感じた蕭炎は慌てて顔を上げ、眉根を寄せながら黒天尊の猛攻にさらされる天妖傀を見つめる。

堅固な体表に次々と凹みができる天妖傀は明らかに不利で、単独では黒天尊と戦うのがやっとだった。

視線が天妖傀から逸ると、遠く青鱗と白天尊の戦場へと移る。

予想していた敗退の光景ではなく、激しい戦いが繰り広げられていることに驚きを隠せない。

二人の影がぶつかり合い、エネルギーの波紋が四方八方に広がっていく。

「この気配は……遠古天光か」

目を細めて青鱗の気質を感じ取る蕭炎。

凶暴さに満ちたその雰囲気に、山洞での体験が重なった。

青鱗は遠古天蛇の魂力を借りていると確信し、碧蛇三花瞳があっても白天尊と互角に戦える理由を理解した。

「この二つを抑えれば問題ない。

風老や小医仙たちなら他の魂殿強者に対応できる」

思考が途切れた瞬間、薬老の巨大な空間巨手が黒白二天尊に襲いかかる。

突然の攻撃に気付かぬうちに二人はその掌を浴びせられ、血を吐いて林海へと落ちた。

その凄まじい一撃を見て周囲の強者たちも息を吞む。

薬老が次々と空間巨手で魂殿の戦士を粉砕し始めると、彼らは恐怖に駆られて逃げ出す。

九天尊は険しい表情で状況を見つめる。

「薬塵よ、まだ完全復活したわけではあるまい。

本尊は貴方の力を試してみよう」

深呼吸しながら手印を結ぶ九天尊。

空間が震え、次々と亀裂が広がる中、凍えるような気配が漏れ出す。

「八天尊囚地まで来やがった……」

その冷たい息遣いに薬老の眉がわずかに動く。



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