国民の監察医（こくみんのかんさつい）

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第0174話「痩せ細る」

一号嫌疑人的嫌疑最大。

前出调查の刑事は躊躇なく人を連行してきた。

人を拘束した瞬間、事務室の空気は目に見えて活気付いていた。

長距離移送中のリスクはあるものの、刑務隊の今回の拷問は終息したと感じた。

警察署全体が軽やかに呼吸するようになった。

もし長期未解決の殺人事件で、さらに深刻化すれば、その区局の警備体制自体が崩壊する。

定時勤務も昼食時間も、トイレに行くことも叶わないほど過酷な状況になるだろう。

大隊長は便秘気味の顔を引き締めながら、遅刻した刑事にりつける。

逆に規則正しい食事でこそ便秘が解消されるという皮肉さえある。

その場合、捜査線上の女性警官たちの顔色がどれほど憔悴しているか見てみれば、事件の深刻度が分かるというものだ。

機関内の内勤と外勤の区別など、命案の前では無意味だ。

警犬すら動員する状況で、楽な仕事はどこにもない。

江遠は休みを取ってからまた翌日も休んだが、夜には父親・江富鎮から手作りの牛肉干しと牛のたんじきが届いた。

百数十キロ離れた距離を一時間ほどで運ばれてきた肉類はまだ温かかった。

江遠はスマホで銀行口座を確認すると、やはり入金通知があった。

父親は感情表現が苦手で、寂しくなれば現金や食べ物を送るだけだ。

江遠が帰郷した今は、両方ともするようになった。

牛肉干しは五斤（約2.5kg）もあるし、牛のたんじきも数斤ある。

それに豚耳とわかめ四本も入っていたので、一人では食べ切れない。

江遠はそれを刑事隊に持ち込み、当番の警官たちと分け合うことにした。

その日、カップ麺しか食事に触れていない警官たちは、一躍高級食材を手に入れた気分になった。

老舗酸菜牛肉片付き豚足入りの豪華セットを前に、雷鑫は頬を膨らませながらガツンと食べ始めた。

一同は当然配合し、江遠も笑顔で応じた。

案件が無事に解決すればそれで十分だ。

雷鑫は一気に半杯の麺を平げ、口を拭きながら言った。

「最初は男を捕まえてから外食しようと思っていたんだ。

でもこの子は痩せているし、意外と頑丈だったみたいだ」

江遠が眉根を寄せた。

「嫌疑人は痩せていたんですか？ 身長は？」

「100斤（約45kg）の男で肋骨が見えていた。

身長は一メートル六〇前後かな。

でもね、28万8千円の店の客層は一メートル七五以上の男性が多いから、彼女も移情したのも無理ないわ」

「嫌疑人は供述しましたか？」



「隠れていた。

でも彼だ。

逃げられない」雷鑫は確信に満ちた口調で言った。

この仕事のプロである自分が、普通の犯人を見れば一目で問題があるかどうか分かると胸を張る。

江遠は雷鑫の目利きには疑いもしなかった。

刑禁大队长という職位は警察局内で極めて人間を試すものだ。

たとえ年に数回の殺人事件でも、それを専門家として扱う必要があるし、数百人の捜査員を動かして、有限な時間内に犯人とされる相手の知能や武力を完全に圧倒するという困難な任務が求められる。

必ずしも全ての案件が緊迫した状況ではないかもしれない。

しかし刑事として生涯を過ごす中で、ある瞬間は緊迫したものになるだろう。

そしてそのような出来事は刑禁大队长にとっては日常茶飯事だ。

しかし解剖時の状態を思い返しながら江遠は静かに言った。

「死者の張瑛は筋肉量が相当だった」雷鑫は野良猫のように泡麺から顔を上げて江遠を見た「貴方の意味は？」

と尋ねる。

工遠は「私の感覚では、張琪はそういうタイプだ。

水着で見せる脚や腹筋、腕の筋肉など全てが鍛えられた痕跡がある。

もし嫌疑者が100ポンドなら、この娘に勝てないかもしれない」と説明した。

すると肉を頬ばっていた刑事たちが一斉に箸を止めた。

隣で手で牛肉をちぎりながらずっと黙っていた王藍も動きを止め「江遠さんが言わないうちに私も忘れていた。

確かにこの娘はかなりの筋力がある。

腹壁を見れば分かる、腹筋は相当鍛えている」と言った。

「暗算された」雷鑫は不本分だが二人の法医の推測に従った。

被害者が若い女性とはいえ強健なことは理解した。

一方嫌疑者は明らかに弱体化されていた。

「死者の頭蓋骨は比較的保存状態が良く、鈍器打撲の痕跡はない」と江遠が言った。

王藍も同意して頷いた。

「不可能というか、可能性を否定するのか？」

雷鑫が強調した「この二つは全く異なる概念だ。

もし可能性を否定しないなら、私は鈴木棍打撲の可能性を優先的に考えるべきだろう。

実際にはあったかどうかは捜査後に分かる」

江遠と王藍が目配せし合い、江遠が先に言った「不可能です。

頭蓋骨が比較的保存状態だから鈴木棍打撲の痕跡はないし見分けられない」雷鑫は黙り込んだ。

毒物検査は終了済みで一般的な毒物は陰性だった。

特殊なものについては苦語衣村の青年という立場の嫌疑者が接触する機会も環境も適さない。

犯行現場が死者の家であり、嫌疑者と被害者は婚約中だが結納金の争いにさらされていて、冷静に対処できるかどうかさえ疑わしい状況だ。

小柄な相手が大柄な相手を攻撃し、道具も毒物も使わず、何でやったのか？人数優位性以外にはない。

雷鑫はようやく悟り、江遠と王藍を見ながら「つまり同犯の存在を疑っているのか？」

と言った。

「私は非常に可能性が高いと考えています」江遠の推測はその通りだった。

そして続けた「遺体が裸だったことから生前強姦されたと疑われている。

頭面部には暴力打撲の痕跡がないため、これは複数人による犯行だと考えられる」

雷鑫は黙って頷いた。