国民の監察医（こくみんのかんさつい）

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第0238話 事細かく

「あの寺はまだ維持されていて、重要な作業だと言える」劉文凱が江遠の意見を訂正し、「我々にも普通はあるんだ」

「我々にはない紫峰はないか。

それに警犬も連れてるんだよ。

山外天白いから今は江遠を見れば顔は見えて体つきは曖昧なんだよ」

紫峰は江遠が自分を褒めているのか、けなしているのか分からないまま、「まずは現場を見てみよう」と言った

「小壮はしばらく休ませてやろう」江遠は小壮を胸に抱きながら優しく言った。

車酔いする人間でさえ痛快なのに、ましてや犬だというのに

紫峰が頷くと、隊員たちは車外から電源を接続し、検証灯などを準備した。

その半分は最近化粧品店から回収してきたような小型の移動式バッテリーだった。

寧台県では以前から備えられていなかったが、年数が経つにつれバッテリー容量は高くなり、性能面でも要求されるようになった

検証灯などは照らすものではないが、その種類のアイテムは電力消費が少なくなっている。

逆に小型の方が使いやすいのだ

すると七中隊の柳景輝大尉が部下を連れて現場に到着した。

我々が乗っていたのは七中隊の旧式車両で、スカイラーとイヴォーカー、それにワゴンRが二台だった

煤煙の多い山道は既に凹凸だらけで、車が進む度に隊員たちも小壮のように吐き出す始末だった

「少し離れて吐くんだぞ。

現場を汚すな」劉文凱が注意した後、「だからこそ空調も戦力なんだ。

一台でも良い車があれば我々は現場保護に集中できる」

柳景輝大尉は七中隊の野趣ある景色を見ながら同意し、「高級車の役割は少ないんだよ。

お前の頃は彼氏と山まで来て、ホテルで泊まるお金があるのに、A級車を借りて彼氏の足が長いから…」

劉文凱が目線で制止すると「君は長槍だと言っているのか」と冗談めかして言った

王忠がイヴォーカーから検証箱を持って紫峰に近づき、「我々は何を探すんだ？」

「分かった。

まずは足跡を見よう」

「足跡…何を見るんだ？」

七中隊の足跡は多い。

廊下や部屋外の浮土、庭外側の湿った泥、灰でできたものなど

八清寺に来た人々は多く、住職も町外れに引っ越していたが、八丁違いくらいまで来れば賽銭箱を回収し、線香を置き、紙おがみを焼いて掃除するだけだった

その結果、寺の外側の足跡は最近数日間のものばかりだった

紫峰が見ながら言った「まずは小さな足跡の形成過程を見てみよう。

歩行ルートや退去方法。

何か特異な点はないか」

聂德も付け加えた「間違いなく格闘痕や血痕などはすぐに発見できるだろう、それが良いんだよ」

「分かりました」王忠が検証灯を紫峰に向けて照らしながら満足そうに言った

紫峰は黙って何も言わなかった。

「複雑だと言ったが、実際の操作ではそれほど難しくないんだ」

残された足跡は少ないし、深さも低いから行動パターンを判断する必要がある。

確かにそうだが、その難易度は非常に低く、むしろ血痕の足跡に適していると言える。

犯罪現場の様々な足跡の中でも、血痕の価値は最も低い。

一方、我々も黄強民がどのような状態にあるかを確定している。

複雑な推理で分析すると、黄強民が八清廟に来た可能性は極めて低い。

側峰の最低点だから、側峰に来れば自然とそこへ下りるからだ。

しかし、聂德山炭鉱で長時間働いた後、側峰を訪れるのは異常ではないかもしれない。

普通の寺院なら、時々は住職が往来するし、何かを見つけることもできるだろう。

聂德馥は複雑に入り込んで見ただけで、香客のように線香を上げる程度だったに違いない。