明ンク街13番地

きりしま つかさ

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第0024話「資格なし」

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きつい臭いがする、消毒液の匂いだ。

痛い、息を吸うたびに胸が裂けそうに痛む。

私は誰?

周勲……?

いいや、カレンだ。

カレンはゆっくりと目を開けた。

眩しい光に耐えられず、またすぐに閉じた。

しばらくして、徐々に明るさに慣れたカレンは再び目を開いた。

白いシーツ、白い毛布、そして自分が着ているブルーアンドホワイトの患者服、さらにベッド下でミナが宿題を書いているのが見える。

ミナは何かに気づいたように、顔を向けてカレンを見た。

カレンの目を開けた瞬間、ミナは口を手で覆い涙を流した。

すると、

ミナは同じく宿題をしている下の弟・ルートを足蹴りした。

ルートはそのまま側転して倒れた。

「お兄ちゃん目覚めた!お兄ちゃん目覚めただろ、ルート!医者呼びだ!」

「わかったわかった!」

ルートは床に落ちた宿題も構わず、すぐに部屋から飛び出した。

「お兄ちゃん、大丈夫?」

ミナが心配そうに尋ねる。

「水……水……」

カレンの唇はひび割れそうに乾いていた。

指で触れるだけで皮が剥けるような感覚だった。

「えぇ、すぐ持ってきますよ」

ミナはすぐにグラスを持ってきて吸管を差し込んだ。

カレンはそれを口に含み飲み始めた。

飲み終えると、

カレンの口を開けた。

ミナは濡れタオルで顔を拭き始める。

するとルートが医者を連れてきた。

医者はまずカレンの体調を確認し、胸元の包帯を開けて傷を見ると笑って頷いた。

「大丈夫だよ、若いもんだね。

深いけど脾臓は無事だ。

運が良かったぜ」

カレンは小さくうなずいた。

医者は看護師に指示を出し、その後カレンに向かって言った。

「安静にしてろ。

目覚めたからもう二日で退院できるさ」

「ありがとうございます」

ミナが代わりに礼を述べた。

「いやいや」

医者と看護師は去った。

カレンが手で体を持ち上げようとした。

ミナとルートはそれぞれ左右から支え、カレンを起こした。

その後枕を二つ重ねて背もたれを作り、やっとカレンは座れた。

「ミナ、寝たのは何日?」

「医者に『出血が酷かった』って言われたわ」

「そうか……」

カレンは首を軽く動かした。

胸の傷以外なら特に問題ないようだった。

「警部さん、ここは病室だからタバコはダメです」

「俺はパイプだよ」

「それもダメだぞ」

「火はつけていないから構わん」

ドク警部が入ってきた。

入るとすぐ笑い出した。

「俺が病院に入った時、医者が『目覚めた』って言ってたんだぜ」

「警部さん……」

ドク警部は椅子を引っ張りカレンのベッドに座った。



「その通りだ、全くもってその通りだ。

殺人鬼は本当に馬鹿馬鹿しい。

もし最初の死体の身元を調べるのに時間がかかったら、この殺人鬼はもう捕まっていたはずさ」

カレンが警部長を見上げて口を開いた。

「シュース夫人……」

「申し訳ないが、警官を連れてシュース火葬場の事務所に来た時、君は椅子に縛り付けられていた。

胸元に、**が刺さっていたんだ」警部長が両手で形を作りながら言った。

「唯一良かったのは、その時はまだ生きていたことだ。

すぐに病院へ運び込んだ」

そこで警部長はため息をついた。

「残念なことに、我々の来訪がシュース夫人に気付かせてしまったようだ。

彼女は逃げ出したんだ。

捕まえられなかった」

「あー」カレンもため息をつく。

「その夜のこと、おばあちゃんから聞いたけど、本当に狂ったやつだよ。

本当に身近な人間を選んで殺すなんて……」

カレンが頷いた。

「あの、彼女が逃げた場所は分かる?」

カレンは首を横に振って説明した。

「私が送り届けた時、銃で脅されていたんだ」

「狂ったやつだ。

狂ったやつ」警部長がまた同じ言葉を繰り返す。

シュース夫人という殺人鬼の「馬鹿さ加減」を目の当たりにし、その詳細を深く理解したためか

警部長はカレンと事件についてさらに話すことを諦めたようだった

答えを知れば分かるだろう。

こんな馬鹿な殺人鬼に対して過剰な分析や捜査は盲目の人に眉目伝情を繰り返すことだ

「医者から聞いたけど、君の状態は大丈夫そうだよ。

休養すれば回復するさ」

そう言いながら警部長がカレンの頬に手を置いた。

「最も重要なのは、この顔には傷がないことだ。

ほんとに良かった」

カレンが横目で警部長を見やった。

「はははは」警部長が立ち上がった。

「通缉令は既に出したよ。

今回の事件が記者に漏れなかったのが幸いだったからね。

我々の負担もそれほど大きくない

でも、君が回復したら嬉しいぜ。

君のあの分析方法は印象的だったんだ。

今後とも交流したい」

「分かりました警部長さん」

「じゃあ失礼するよ」

警部長は早々に出て行った。

警部長は急かしい性格で、リンゴを削る手もしない

しかし警部長が出て行った直後、

「おや、どうしてここに?」

男の声がした

「状況を聞きたいからさ」男の口調だった

「聞く価値があるわけないだろう」

「我々の仕事だからね」女の声が返ってきた

するとすぐに

灰色の毛布のような大衣を着た鷹鼻の男が入ってきて、その後ろには灰色の長ドレスを着た女が続いた

この二人はカレンに深い印象を与えていた

ある日、クラウンダンスホールからタクシーに乗ろうとした時、彼らが降りるところを目撃したのだ。

その灰ドレスの女性は「異魔」と言ったことをカレンは覚えている

鷹鼻の男が身分証明書をカレンの前にかざすと

カレンが内容を見ようとしている間に彼はそれを取り上げて座り込んだ

警部長はドアに立って中を覗き込んでいる

「カレンさんですね、まずは意識回復おめでとうございます。

早くも回復されることを願っております」

「ありがとうございます」

カレンは気づいた。

このくちばしの男が自分に目を向けた瞬間からずっと、自分の指先や喉元や目の動きを観察していることに。

その視線は自分が普段から意識しているような微細な動作までをも捕捉していた。

だが彼には知られまい。

自分もこの分野ではプロなのだから。

そしてアルフレッドへのあの「見られている感覚」と比べれば、眼前のくちばし男など比べ物にならない。

「カレンさん、まずお尋ねしたいのは、シューズ夫人との接触中、何か異常を感じませんでしたか?」

カレンは奇妙な表情を浮かべた。

反問するように

「彼女がこんな状態にしたのに、それこそ異常じゃないですか?」

「いいえ、その意味ではありません。

つまり、彼女が殺人鬼であるという前提を超えて、何か違和感を感じませんでしたか?」

「ありました」

その答えを聞いた瞬間、くちばし男の目が鋭くなった。

その背後の女性もノートを取り出した。

カレンは真剣に答えた

「殺人鬼として見れば、本当に異常に愚かでした」

「ふっ!」

ドク警部長が鼻から笑い声を上げた。

くちばし男の口が開いた瞬間、女性アシスタントがメモを取る音が聞こえた。

「つまり、彼女に何か不自然な行動があったのか。

例えば殺害時に見たその表情や言葉遣いは、他の誰かと似ていたように感じませんでしたか?」

カレンの頭の中でシューズ夫人の変貌とその頬の痣が浮かんだ。

しかし

「おじょうさん……」

「ロディと呼んでください」

「はい、ロディさん。

あなたが何を聞きたいのか分からないので困っています。

私が言えるのは、あの夜私は叔母さんの家に送り届けた後、シューズ夫人から『処男の別れ』を申し出られたことだけです。

その誘惑に耐え切れず同意したのです。

そして火葬場へと向かいました」

「なぜ自分の家ではなく?」

ロディが尋ねる

「彼女はそこで刺激的だと申しあげていました。

周囲に多くの人々が見ていると言ったのです」

カレンが現場を火葬場に選んだのは、シューズ夫人の『人間』というイメージを強調するためだった。

レントは頬を赤く染めた

ミーナは恥ずかしげに俯いた

くちばし男は女性アシスタントを見やった。

彼女は頷きノートを示した

「それから、彼女が『椅子に座って』と言ったので私は座りました。

さらに刺激的で本気になりたいと縛り付けられることを承諾しました」

「あなたはその縛り付けを許可したのか?」

ロディが驚きの声を上げる

「彼女は縛り終えた後に口でサービスすると言いました」

カレンは続けた。

「ロディさん、これは奇妙に聞こえるでしょうが普段は慎重な私でもその時は理性が働かず本能で動いていたんです彼女が何と言ったのかただそれに従っていただけで次の瞬間を早く来るように願っていました」

ドク警部補が門口で頷きながら「男のやつは理解だ」と付け加えた。

灰のドレスの女性がロディの耳元に顔を寄せた。

「本当にそうだったんですか隊長?」

ロディは答えず改めて尋ねた。

「次にはあなたが襲われたのか?」

「いいえ彼女は芸術の大作を作ると宣言して最初モデルとして叔母さんを選んでいたんですが結局帰ってきたのは私で私は叔母さんの代わりに成り果てました」

「それからどうなったんですか?」

「構図についてあれこれと話し合いながら私の意見を何度も求めたんです」

「最後はどうなりました?」

「ナイフを胸に突き込まれ血を見ながら彼女は構図の話を続け私は意識を失い目覚めると今ここにいたんです」

ロディが頷いて立ち上がった。

質問は終わったようだ。

カレンは修ス夫人の事件を『異魔』と結びつけることを避けたかった。

それは彼自身もインメレーズ家にも禍根を招くから連続変態殺人で終わらせるのが理想だった。

しかし警察は修ス夫人の逮捕を続けるだろう。

ただしモリーさんの胃を開けなければ。

でもモリーさんは胃を持たなかった。

ロディが振り返りベッドに横たわるカレンを見ながら笑って訊ねた。

「カレンさん若いのに警官の心理分析はどこで学んだんですか?」

「教わっただけです」

「誰からですか?」

「友達から。

心理学に興味を持ち始めたのは幼少期の軽い自閉症を克服するためでした。

彼の指導と本からの知識で…」

「私は聞いているのはその友人の方ですね」

「私です」

ドアの外にピエールの姿が現れた。

リラックスした服装ながら明らかに高級感があった。

ロディが尋ねた。

「あなたは?」

「カレンさんの友達です心理学方面で才能がある若者ですこちらが名刺」

ロディが受け取り姓を見ると目を細めた。

「お父様は…」

「コンパ・アダムス。



レーブン国エネルギー開発相。

「質問は終わりですか?彼が目覚めたら休ませるべきでしょう」

「終了です」

ロディが部屋を出た時灰のドレスの女性も後に続いた。

ドク警部補がカレンに手を振って去った。

ピエールがベッド前に近づき微笑んで言った。

「私の友人よ昨日から気付いていたんですよあなたが事件に巻き込まれたと。

でも昨日は意識が戻らなかったので神様にお祈りしました。

やはり神様は私の願いを聞き入れてくれたようです」

「ありがとう、ピアジェ」

「あとはこれがあるわ」

ピアジェが持ってきた保温桶をミーナに渡すと、

「お椀とスプーンを探して。

あとで兄貴に飲ませてあげて」

「はい、先生」

ピアジェがカレンの方に振り返り、声をひそめて言った。

「補助薬の鶏ガラスープよ」

薬草を使った料理は古代文明にもあるし、それで伝統も残っている

ミーナが保温桶を開けると、カレンは薬草と鶏ガラスープの香りを嗅ぎ取った。

彼はマリーおばさんやウィニー姑さんの家で作るような濃厚なスープは好きではなかったが、ピアジェが持ってきたこのスープはチキンシチューソースに近い美味しさだった

「君が作ったの?」

カレンが驚いて尋ねた

ピアジェは笑って首を横に振った。

「リンダに『目覚め』させたわ。

彼女が私の体を使わせてくれたのよ。

私は料理なんてできないわ」

「ふーん」カレンも笑う

こういう奇妙な話題でも二人だけなら日常会話のようにできるものだ

「ところで、お宅では高校中退したって聞いたわね?」

「はい、心療内科の問題で自閉症だから」

万能の自閉症

「残念ね。

回復したら大学に進みたいの?私の言う通り、入学試験さえパスすれば紹介状を書くわ」

紹介状の力は相当なものだ。

カレンは先ほどピアジェの父親についてエーグルノーズが尋ねた時の表情から、彼の背景は大学心理教授以上のものだと気づいていた

「家族と相談しないといけないわ。

あなたは家計を支える必要があるのよ」

ピアジェが不思議そうに訊く。

「お金が必要なの?」

「……」カレン

カレンは答えられなかった。

インメレーズ家は確かに金銭的には困らないが、眼前の彼の家庭と比べれば貧乏だったからだ

「ごめんなさい」ピアジェは自分が失言したことに気づいて謝った。

「家族と相談してみて。

お金の問題ならいつでも私に頼って」

「ありがとう」

どんな時代でも、どの年号でも、あなたが『お金を借りるなら私に』と言えるのは本気の友人だ

「おやすみなさい。

私は帰るわ」

「気をつけてね」

ピアジェは去った

ミーナがカレンにスープを食べさせた。

彼はたくさん飲んだ。

このスープの味は本当に素晴らしいものだった

残りのスープと鶏肉はミーナとレントが分け合って食べた

その後、カレンは寝た

目覚めたとき、誰かが自分の体に触れているのがわかった

目を開けると、叔母がベッドのそばに立っていた。

布団もズボンも剥ぎ取られていた

傷を負ったせいで以前のように深く眠れなかったせいだ

マリーおばさんの目は赤らんでいた。

カレンが目覚めたことを知ると説明した。

「動かないで、あなたのお体を拭いてあげるわ。

今はシャワーはできないからね。

拭いたら気持ちいいのよ。

あなたはいつも清潔好きだったわ」

「ありがとうおばさん」

「不用お礼を言わなくていいよ、カレン。

君は私のために苦労したんだからね。

あの日曜日の午後、私が強引に焼き肉を連れ出さなかったら、君は……」

そう言ってマリーおばあさんがまた涙を流した。

「今は大丈夫です、おばあさん。

あなたが元気ならそれでいいんです。

私は特に問題ないですよ」

「黙ってろ、カレン。

横になってくれ。

おばあさんに謝らせるなんて」

「本当に大丈夫です、おばあさん」

「静かに横になっていて」

するとカレンは素直にマリーおばあさんの言う通りベッドの上で体を拭かせることになった。

これは祖母からの愛情ゆえ、カレンは平静で何とも恥ずかしい思いもせずじっとしていた。

マリーおばあさんはとても上手に拭いていた。

その洗練された技術はどこから得たのか考えるまでもない。

午後、マリーおばあさんが付き添いながらカレンに果物を食べさせた。

結局、カレンの強い希望でミーナとレントを家に帰らせることになった。

明日学校に行くミーナとレントは祖母がいないと困るからだ。

さらにここは特別室でベッド脇に呼び鈴があり、病状以外でも看護師を呼べたし、介護士も必要ない。

ただし費用は介護士よりずっと高かった。

夜になり

カレンが看護師に今日の新聞を頼んだ。

時間つぶしに読むつもりだった。

親切な看護師さんが追加で彼女が読んでいた小説の一冊をプレゼントしてくれた。

新聞はすぐに読み終えたが、小説には夢中になった。

「あー、これは典型的なマリア・スーザン(注:日本語では「マリーソウ」と表記される)の物語だ」

さらに驚くことにカレンはその本を熱心に読んでいた。

深夜

病室のドアが開かれた。

黒猫が飛び込んでベッドに跳ね上がった。

その後ディースの姿が現れた。

カレンは唇を舐めながら体勢を正した。

ディースがカレンのベッドまで近づいてきて尋ねた。

「まだ痛む?」

「大丈夫です、医者は内臓には傷つけていないと言っています」カレンは笑顔で答えた。

彼はディースに怯えるべきだった。

あの夜突然予想もしなかったディースが胸にナイフを突き立てたからだ。

でも怯える理由はなかった。

なぜなら今生きているからだ。

「何か食べたいものがある?」

「聞いた話だと猫肉のスープは傷の回復によいらしい」

「……」ポウール(注:ここでは「ポウール」と表記されているが、実際には「ポウール」ではなく「ポウール」の誤りか、あるいは固有名詞として扱うべきか判断が必要。

原文の**部分を補う必要があるため、ここでは仮に「ポウール」とする)

ディースは笑ってベッドの窓際に向かった。

ポウールがカレンを見つめるとカレンも同じように見返した。

「カレン」

「はい、じいちゃん」カレンはすぐに窓際のディースの方を振り返った。

「何か疑問があるのかな?」

「はい」

「訊きたいのかな?」

「ずっと迷っていたんです。

訊くべきかどうか」

以前はその紙一重の関係が破れたら自分が死ぬと思い、ディースに殺されるかもしれないと思っていたからだ。

でもあの夜アルフレッドとモリーさんがベッド脇で階下のディースと対峙していた時、その紙一重の関係は既に破れていた。

今はそれほど気にならなくなった。

なぜならディースが自分にナイフを刺したからだ。

「もし私が不在の時はポウールと一緒に出かけた方がいい」

「はい、じいちゃんわかりました」

「あの日128番地の二匹(注:ここも**部分の補完が必要だが、原文では「128号」が使われているため、おそらく固有名詞として扱うべきか。

ここでは仮に「128番地」と訳す)を出会わせていなければ君はもう死んでいた」

「はい、じいちゃん」

ディースは窓際に向けて

「私は君の血で満足した」そう言いながら笑った。

カレンはベッドから起き上がりディースに近づいていった。

彼女は手を伸ばしディースの頬を撫でた。

「あなたが私を殺すなら、その前に私の体を抱きしめてください」

ディースは目を見開いた。

カレンはさらに続けた。

「私はあなたの血で満足した」そう言いながら笑った。



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