明ンク街13番地

きりしま つかさ

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第0105話「来た、宝物!」

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第一百零五章 来た、お宝ちゃん!

カルンが唱えた後、彼の足元に現れた鎖は海賊船墓標に対して意識的に取り巻き始めた。

前回よりも数多く、整然と並べられた。

ラーカル伯爵が前回会った際にカルンに告げたように、秩序神教は「蘇生」術を得意とするものの、彼のようなレベルの存在を蘇生するには少なくともヨーク城大司教が必要で、それも莫大な代償を伴う。

それがラーカル伯爵がカルンに対して敬語を使う理由であり、同時にアレン家が勢いに乗っていると感じている理由だった。

教会、特に正統派大教会は家族信仰体系を見下す傾向がある。

秩序神教の地位は言うまでもなく、ヨーク城レベルの大司教が自らの娘婿となることは、家族が繁栄している最良の証明だ。

強力でない限り、生まれも育ちも高貴な人々は鼻をつまんで付き合うことを拒む。

カルンはラーカル伯爵との前回の会話から多くの有益な情報を得ていた。

彼は自身が「死者を覚醒させる」という特殊能力を持つことを知っていたが、それは彼の「境界」とは無関係だった。

当時はまだ浄化を完了していなかったためだ。

秩序神教の「蘇生」は、自身の力を術法を通じて死者内の霊性エネルギーと共振させる高次元の力だとすれば...

カルンは「死而復生」という理由でその媒介が必要ない。

直接死者内の残された霊性エネルギーに反応できるのだ。

例えるなら、死者は牢獄であり霊性エネルギーが囚われている。

秩序神教は牢獄を開く方法を持っているが、それは屍のレベルによって異なる堅固さを要する。

カルンは牢獄の問題を抱えていない。

直接牢獄の中に入り込むことができるが、内部の霊性エネルギーに火をつけるには十分な燃料が必要だ。

つまり最大コストを無視しても何らかの代償は必要なのだ。

幸いにも...

彼はすでに浄化を完了していた。

そして神啓...カルン自身も現在自分が「神啓」として認定されるべきかどうか分からない。

彼が神の啓示を否定し、さらに浄化の完成度が極めて高く地盤が固すぎたため、神啓と浄化の境界は曖昧になっていた。

しかし確かなことは、『懲罰の槍』を投げられるようになった今、彼の身体に宿る可燃物は以前よりも遥かに豊富だということだった。

最も重要なのは...

ラーカル伯爵が非常に横柄なことだった。

前回も同様にカルンを引き込んでいた。

カルンの認識ではラーカル伯爵は「易燃体質」の人間だった。

今度も例外でなかった。

カルンが呼びかけた直後、墓標下から同じく吸引力が発生し、彼を取り巻いていた黒い鎖を全て墓標の中に引き込んだ。

「完全に覚醒させるのか...大司教様?」



カルンの意識海面にレーカル伯爵の声が響く。

彼は依然として「枢機卿様」と呼び続けていた。

その意味は、二人の「会話」が死体内の霊性エネルギーによって記録され、彼の記憶となったということだ。

深呼吸をし、カルンは心の中で断固と返答した:

「はい」

「よ……し……」

「うむ!うむ!うむ!うむ!」

カルンが足元に浮かぶ黒い鎖を見やると、その鎖は墓標へ向けて驚異的な速度で引き込まれていた。

自身の蚕のように、無理やり糸を引き出されるような感覚だった。

焦りが心に湧き上がる。

完全にレーカル伯爵が目覚めたら自分を吸い尽くすのではないかという恐怖と同時に、ここで止めることも不可能だ。

ただ祈るしかなかった。

隣で「レンダリング・アーティファクト」を支えるアルフレッドも同様の感覚に苛まれていた。

彼の陣法は結局自身の力で動いており、今や体内からエネルギーが暴走し、カルンの負担を軽減する代償として奪われているのだ。

金髪の犬がそっと覗き込むように見守りながら、時折カルンを見上げ、墓標へと目線を移す。

マクはまだ傷口から血を滴らせ続け、カルンも止めることを諦めていた。

偉大なる先祖の覚醒という衝撃が、子孫に熱い血潮を駆り立てる。

ベッド氏さえも眼差しを輝かせていた。

画架を持ってこなかったことを後悔し、つい手が勝手に動き出すほど創作欲が抑えきれないのだ。

再び脳髄が吸い取られる感覚が襲ってきた。

カルンはバランスを崩しそうだった。

しかしその時、足元の鎖が停止し黒から赤へと変化した。

不思議な直感が胸に広がる:

節目だ。

その感覚は説明できないのに、自分が全てを支配しているという錯覚を与えるものだった。

赤い色はレーカル伯爵の覚醒条件を満たしたことの証拠だが、さらに深くエネルギーを送り込むことはできなかった。

カルンは祖父がホーフェン氏を目覚めさせた際、意図的に追加の力を与えたことを思い出した。

その結果、彼は三日間近く意識を保つことができた。

その後も消滅する運命ではあるものの、覚醒の質は全く異なっていた。

もし鎖が赤に変わる段階があるなら、他の段階を開発できるかもしれない?

より長く目覚め続ける時間?

より強力な覚醒エネルギー?

あるいは……覚醒時間を突破し、二度目の補給を試みる可能性も?

《秩序の光》の神話概説に記されたように、秩序の神がかつて死んだ十二の大存在を呼び覚ました際、彼らは「十二の秩序騎士」と呼ばれるようになった。

しかし壁画には彼らの姿が奇妙で、死霊騎士に近い異形として描かれていた。

十二の秩序騎士は、秩序の神の戦闘と討伐において鋭利な刃となっていくつもの輝く戦績と伝説を残してきた。

しかし彼らが秩序の神への忠誠を保ち続けるのはなぜなのか?

もしかしたら、彼らが存続するためには秩序の神が必要なのかもしれない。

カレンはそう考え始めた。

彼は現在、自身の足元の道と《秩序の光》の記述を比較しながら興味を持っていたからだ。

「バキィ……」

その爆烈音がカレンの思考を途切らせた。

海賊船墓標の中央に巨大な亀裂が生じ、船体は左右に崩れ落ちていった。

下方には墓室があった。

アーレン家墓地は豪華さや贅沢さを求めず、地下に一つの墓室、地上に一つの墓碑という形式を基本としていた。

そのため先祖たちが全てこの敷地内に葬られることが可能だったのだ。

「ドン……ドン……ドン……」

重厚で鋭い打撃音が墓室から響き、誰かが拳で上部を開けるように進んでいるようだ。

次第に拳の痕跡が現れ、足元の床も震え始めた。

墓室の質はあまりにも良すぎた。

カレンはそこで問題を意識した。

この世界には結界や特殊素材があるから、アーレン家先祖の墓室が規模こそ小さいとはいえ、貴族陵墓や帝王陵とは比べ物にならないほど簡素で小ぢんまりとしているのは事実だ。

しかし防犯のために特殊素材を使用し、防潮防腐のため内部に結界紋様を施すことはあったかもしれない。

そのため次回からは「蘇醒」を唱える際には、墓室を開けておく必要があるのだ。

そうでないと自分は成功しても召喚対象が復活した際に墓室から出られなくなってしまうかもしれない。

レーカル伯爵ならそのような恥ずかしい状況は避けられるだろう。

「ドン!」

カレンの心配に応えるように、あるいはこれまでの拳で地面を破れなかったことに憤りと怒りを感じたのか、泉のような水柱が地面から噴き上がり、土壌を貫いた。

するとその隙間から手が現れ、次いで人影が這い上がってきた。

彼の肌からは黒い気を発し、以前は丸みを帯びていた体躯も痩せ細り、皮膚下の血肉も暗淡に変化していた。

これは地中で長期間封じられていた遺体が空気に触れた後の酸化反応によるものだった。

カレンは前世に見学した兵馬俑を思い浮かべた。

当時は彩色されていたのだ。

つまり、今後召喚する際には墓室を開けるだけでなく、遺体の抗酸化処理も行う必要があるかもしれない。

なぜなら、遺体そのものやその関係者にとっても生前の姿を見せる方が望ましいからだ。

やっと大柄な海賊服を着た人物が完全に地面に出た。

アーレン家史上最も横柄だった先祖の下葬時にもかかわらず、彼はやはり海賊服を身にまとっていた。



彼の肌は黒く、骨に張り付いたように痩せ細っていたが、干尸よりも生々とした死の臭気を放ち続けていた。

目を開けた瞬間、眼窩には惨白な光が広がり、その奥から青い輝きが滲み出てきた。

彼は世界を見つめる。

マクスウェンは手首からの出血を止めたが、目の前の存在に畏敬の念を込めて見上げていた。

「偉大なる先祖よ」

彼は車椅子から膝まずき、最も崇高的な姿勢で先祖への敬意を表した。

鼻孔が震える音が聞こえた。

カレンは雷カル伯爵の鼻先に残る血痕を見て取った。

マクスウェンの血を吸い込んだ証拠だ。

後代の血を媒介とするのは確かに効果的だった。

「……」

雷カル伯爵が口を開こうとしたが、喉から出たのは僅かな唸りだけだった。

長年の埋葬で多くの器官が機能しなくなっていたのだ。

すぐに明確な声が響いた。

「傍系の小汚物か?」

彼はマクスウェンを蹴飛ばした。

膝が地面に突っ込んだ瞬間、マクスウェンは両手で体を持ち上げて再び礼拝の姿勢を取り直した。

二足歩行ができない身ながらも。

「傍系の汚物?」

雷カル伯爵の思考を普洱茶に例えるなら理解しやすい。

家族信仰体系が高い存在だけが真の族人だと信じるのだ。

ボーグは子供時代に風俗店で過ごしたが、血脈を開いた瞬間からエレン館での生活権を得た。

雷カル伯爵にとって三级の後継者は傍系の餌食程度だ。

しかしマクスウェンは直系である。

カレンは口に出せなかった。

雷カル伯爵が彼に手を伸ばした時、風がカレンの耳元で駆け抜けた。

するとベッド卿が雷カル伯爵の手中にあった。

舌をベッドの顔に這わせると、雷カル伯爵は首筋を掴んで引き離し、青い瞳で彼を凝視した。

カレンはベッドが壁神教の香りを放ち続けていることに気付いていた。

雷カル伯爵も同様だったのだ。

舌先でベッドを舐め終えた時、雷カル伯爵は首筋を掴んで引き離し、青い瞳で彼を凝視した。

カレンはベッドが壁神教の香りを放ち続けていることに気付いていた。

雷カル伯爵も同様だったのだ。



「ふむ、意外にもレカル伯爵が突然哄笑した。

『ははははは……』

その笑い声は荒々しく、声帯の問題から強い嗄声を帯びていた。

『エレン家族、教会勢力への浸透を試みているのか?』

そう言いながらレカル伯爵が手を離すとベッドが床に落ちた。

「よし、よくやった。

信仰体系の頂点にある家族らしくないか。

いずれその高慢な教会を全て踏み潰す日が来る」

レカル伯爵が金毛犬を見つめる視線は、彼の足元で渦巻きを作り出す。

『ワン!』

金毛は怯まずに立ち上がり、レカル伯爵に向かって吠えた。

「この犬、尋常ではない。

封印されている何か……私が感じた存在は非常に強い」

金毛の足下の渦が消えるとレカル伯爵は満足げに頷いた。

「よし、よくやった。

今の家族は一条の犬すらこれほど異質なものだ」

そう言いながらレカル伯爵が再び手を伸ばすと青い光がアルフレッドの抵抗を突破し彼を固定した。

アルフレッドは先程少爷にストレスをかけたため消耗していたが、自分が最盛期でもこの伯爵には敵わないことを知っていた。

「私は貴方の目が好きだ。

そして今、ちょうどその目が必要だ」

レカル伯爵がそう言いながらもう一方の手を伸ばすとアルフレッドの前に霧のような手が現れ指先が彼の目の周りに近づいてくる。

カレンは口を開いた。

「レカル、奴は私の奴隷です」

カレンはこの伯爵が最初に墓穴から這い出す時からずっと自分を注目していたと確信していた。

以前の彼がベッドや金毛への行動は思考を遅らせるためのものだった。

現在のカレンは体がほとんど空っぽになっていたが、神職としての力を動員しない限り外見からはその身分を見破ることはできなかった。

そのためレカル伯爵には自分はただの一般人にしか見えず、少なくとも掃除僧のような存在だと想像させるのが最善だった。

実際、そうだった。

レカル伯爵は笑った。

「ふふふ、彼をからかいたかっただけだ」

その言葉と共にアルフレッドへの拘束が解かれ自由の身となった。

レカル伯爵がカレンに近づくと腐敗した臭いが鼻孔を突いた。

カレンは息を止めて平静さを装い、遠くにある灯りが煌めく古堡を指差した。

レカルが振り返るとその視線の青が優しくなった。

「貴方の帰還を待って女王陛下は族長の部屋で待っている」

「女王陛下?」

レカル伯爵が首を傾げた。

「グロリア九世です」

「ふっ……」

レカル伯爵は手のひらで自分の顎に触れた。

「ずいぶんと年月が経ったが、グロリア王室は相変わらず上品だな」

「これはあなたの子孫たちが、貴方の今朝の覚醒を祝うために用意した贈り物さ」

「本当に……優しい子孫たちだ」

「レカルさん、あなたは若い美しい女王陛下が裸になってベッドに横たわっているでしょう。

かつての海賊王の寵愛を受けるためです」

レカル伯爵が古堡の方へ振り返った。

右足を前に出したその時、彼は突然立ち止まった。

カレンの目尻がぴくりと跳ねた。

実はレカル伯爵に欺くつもりなどなかったが、貴方が覚醒後からずっと勝手な想像を膨らませているせいで、カレンもまた逆上してしまったのだ。

そして何より重要なのは、彼は──人間の渣滓だった。

「枢機卿様、そのまま行ってしまっては礼儀に反するのではないか?」

「ふふふ」

カレンが笑い声を上げた。

逆質問した。

「海賊が礼節など気にするものか?」

レカル伯爵が頷いた。

「そうだな」

カレンが続けた。

「若い美しい女王陛下を待たせすぎるのは、本当のところ礼儀に反することだ」

「枢機卿様は仰る通りです」

「どうぞご自由に。

終わったら貴方のご一族が整列してお待ちしております」

「では……参ります」

レカル伯爵の体が水蒸気で包まれた。

その直後、彼の身体が持ち上げられ古堡へ向かい、三階にある主寝室へと一直線に向かっていった。

凄まじい叫び声が静寂に満ちた夜空を切り裂いた──

「来たぞ! 愛しいグロリア家の一粒!」



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