明ンク街13番地

きりしま つかさ

文字の大きさ
283 / 288
0200

第0291話「闇月島の終焉」

しおりを挟む
トーラ夫人は孫娘が手作りしたコーヒーを口に含み、うんと舌打ちした。

甘さが強すぎる。

次に孫娘の作ったケーキを一口齧ると眉をひそめた。

味もそれほどではなかった。

半生キッチンを領地とした老婆として、孫娘の腕前は見下すのが当然だ。

彼女の判官職とは無関係で、その程度のことは重んじていない。

しかし何も言わずに、ゆっくりと食べ続けた。

無論、孫娘に対して少々罪悪感を感じているのは、自分の息子が現在この有様だからだ。

孫娘の家柄はそれなりに良いとはいえ、自分自身が判官職まで上り詰めた者として、これまで女性判官が家庭や結婚で苦労したという話を聞いたことがない。

そのためトーラ夫人は、数年前にヨーク城からサンフー市へ異動を希望した孫娘の行動を黙認していた。

ケイシーはテーブルの向かいに座り、カップを手に取りながらぼんやりと目を泳がせていた。

呆けているのか?

彼女の夫は休職申請後、時々何日も家を空けることがある。

留守番用のメモで「散歩に行く」と書いておくだけで、どこに行ったか家族には教えてくれない。

あの日婆婆から真実を悟らなければ、カレンが自分の息子ではないと知らずにいたかもしれない。

夫が父愛を償うために出かけていると思っていたかもしれない。

今はそれすらない。

単純に自分が不遇だと感情の支えがあれば良かったのに。

視線を婆婆に向けた。

カレンが家に来た後、療養中の婆婆は郊外の温泉からこの家に戻ってきたのだ。

これで彼女の休暇期間と婆婆の滞在が完全に紐付けられた。

祖父ドロンは忙しく働いており、姑も滅多に来ないし、息子は暗月島に出張中。

父は行方不明だ。

この家には二人だけ。

婆媳間には対立はないが、明らかに距離がある。

その隔たりを解決する意思もない。

そのためケイシーは毎日芝居を演じているような気分だった。

「リチャードは今日帰ってくるわね」婆婆が言った。

「祖父によれば、午前中に帰還用の伝送法陣を開いたそうよ」

「うん」ケイシーは頷いた。

「今頃家に近づいているかもしれない」

「帰ってきたらいいわね」婆婆はコーヒーを口に含み、眉をひそめようとしたが堪えた。

「そうだわね」ケイシーも同意した。

「彼がいないと家が冷やかく感じるわ」

「冷やかさを感じるなら年老いた証拠よ」

「年老いた?」

「人間は歳を取ると寂しくなるのよ」婆婆はカップを置いた。

「歳を取れば、諦めることも見切りも増えていく。

気が乗らないし退屈で、孤独になるわ」

「そうなのか」

「これからは上向くでしょう」婆婆が言った。

「当然です、お婆ちゃん」カレンの存在を理解できずとも、ケイシーは反射的に同意した。



その時、窓から部屋に漂い込む黒い霧がソファの前に立ち止まり、エイセンの姿を現した。

トーリー夫人はエイセンを指差し笑った。

「あら、やっぱり心配していたんだわね。

息子が帰ってくると分かって、彼も帰ってきたみたいだ」

カイシーは夫を見つめながらため息をつきつつも、強がって笑みを作り「帰ってきたのよ」と言った。

自分の夫と話す時は優しい声で話さないと、その小さな鳥のように驚いて逃げてしまうかもしれないから。

「うん、帰ったわ」エイセン夫人は妻に頷き、トーリー夫人を見つめて「お母様はまだここに住んでいらっしやいますね」

「え? どうぞ構わないわよ」トーリー夫人は手を広げて笑った。

「カイシーが一人でいるのは寂しいから」

エイセンは口を開いた。

「カイシーはお母様と一つの部屋に住みたくないのよ」

「え? そんなことないわ! 絶対にないわ!」

カイシーは慌てて否定した

トーリー夫人は笑いながら「私は書斎へ行くわ」と言い、エイセンは母親と妻に頭を下げて自分の書斎に入った。

ドアを静かに閉めた後、カイシーが急いで説明するように婆婆に向かって「お母様! 彼の話を信じないでください」

トーリー夫人は手を上げて媳の言葉を遮り、小声で言った。

「あなたも気づいていないのかしら? エイセンは何か変になったわよ」

「え…そうだったのかな?」

「以前は仕事以外のことでは何も口に出さなかったのにね。

今は家のことまで話すようになった」

「そうだったわね…」

「私の息子は病気だわ。

でも、彼が回復する希望を見たの」

「もし本当にそのようなら嬉しいわ」

するとドアが開き、リチャードがスーツケースを押しながら玄関から出てきた。

「あらあら! お婆ちゃんは相変わらず元気ね!

この若い娘さんとは誰でしょう? あら、あなたは私の母なのね! なんて若いのにこんなに大きな息子を作ったのよ!」

リチャードが帰宅するとすぐに状態に入り、祖母と母親を抱きしめた。

カイシーが尋ねた。

「任務は順調だったわね?」

「ええ、とても順調で、すごく面白かったわ」

その時トーリー夫人はエイセンの書斎を見つめながら咳払いをしてから言った。

「カイシー、リチャードのために昼食を準備しようか。

それから彼と話しながら食べようよ」

カイシーは驚いていたが、普段お婆ちゃんがキッチンにいる時に誰かが付くのは嫌がるのに、すぐに立ち上がりトーリー夫人の後ろについてキッチンへ行った。

リチャードはソファに全身を投げ出し、足をテーブルに乗せて腕を開きながら伸びをした。

「ふう、やっぱり家で過ごすのが一番ね」

彼は自分がこの家の成年男性だと感じていた。

外での仕事から解放された後、家族の女性たちの世話を受けられるのは幸せだ。

リチャードは口角を上げて笑みを浮かべた。

「ほんとによかったわ」

その時書斎のドアが開いた。

リチャードは振り返り父親を見やった。

「えー…」と小さく声を出し、体を直して「父よ、帰ってきたわ」と言った

エイセンがリチャードに近づいてきた。

リチャードはふと似曾えある匂いを感じた。

前回の任務終了後、自宅に戻った時も自分は…

「ドン!」

と突然立ち上がり、父に向かって叫んだ。

「おやじ!おれがおれ様にプレゼント買ってきましたよ。

それでチームメイトから結構なポイントを借りてね」

ポケットから一連の記念品貝殻を取り出した。

「これはあなたの、これは母さんの、これは祖父の、これは叔母さんの、これは祖母の」

暗月島市場で1シルバーで一箱買うことができるような安価な貝殻を見た瞬間、エイセンの表情はさらに険しくなった。

自分が息子に「自分」から大量のポイントを借りさせ、輪廻神教の女神官様にお土産を買ったことを知っているからだ。

その結果、最安値の貝殻一連だけしか買ってこなかったのだ。

「おやじ!この色はいかがですか?青いこの一枚はあなたにぴったりですよ、はは」

リチャードが貝殻を持ち上げてエイセンの方へ差し出すと同時に、父の近づく気配を感じ取り、無意識に後退り始めた。

父子の心は繋がっている。

些細なことでも言葉を要さず理解できる瞬間だ。

自分が何も悪いことをしていないと思っていたが、前回もそうだったはずなのに…

自宅でスナック菓子を食べていた時、父が帰ってきて殴りつけてきたあの日も。

「おやじ!最近家でおかしなことないですか?」

リチャードは挨拶しながら後退り続け、エイセン氏はさらに進み詰めてくる。

二人はソファを囲むように広い円を作りながら移動し続ける。

ついにキッチン方向まで回った瞬間、リチャードは素早くキッチンへ駆け込みながら叫んだ。

「ばあちゃん!おかあさん!おれ死にたい!」

エイセン氏が腕を広げて重々しく言った。

「秩序—牢獄!」

「リチャード。

」その言葉と共に、リチャードの心の中に無数の悪態が駆け抜けた。

目の前には黒い立方体が現れ、彼の進路を塞ぎながら逆方向に押し戻す。

リチャードは即座に身を翻し、まだ脱いでいない神衣の袖から巻物を取り出し地面に落とし広げた。

「秩序守護バリア!」

息子として自衛のために父に向かって術法を使った瞬間、エイセン氏の掌には二本の黒い雷光が現れた。

一本はリチャードが投げ出した巻物を一瞬で灰燼にし、もう一本は彼が固めたバリアを貫いた。

リビングルームでは電気と風が乱れ、カーペットやソファに無数の傷跡が刻まれた。

リチャードは眼前が曖昧になり、父が目の前に立っているのに気づく。

右手で術法銃、左手で術法矢を構えようとした瞬間、両手がまったく動かなくなっていた。

下を見ると、両腕に黒い秩序の鎖が巻きついていた。

「なぜだ!」

次の瞬間、

リチャードは鎖で吊り上げられた。

「おやじ!なぜですか!」

すると、リチャードは再び空中に浮かべられていた。

「くっ…どうしてこんなことになるのかな私の愛する父よ。



リチャードがまた鎖で吊り上げられると、彼の声は震えていた。

「おやじ…どこを傷つけてるんですか?」



エイセン氏はその言葉を聞いて、自分の子供が最近自分に見せた嫌な振る舞いの数々を脳裏に浮かべ始めた。

思い出すほどに腹立たしくなり、最初は単なる怒りだったものが回想によって深く陥ちた。

「バカ野郎!」

リチャードは床に叩きつけられた。

その衝撃音が部屋中に響き渡る。

「咳…なぜこんなことをするんだよ?」

再び彼を掴み上げる手の力が強まる。

皮鞭の音がした。

「バカ野郎!」

リチャードは床に倒れ込んだ。

混乱しきった目で周囲を見回すと、自分が身に着けていた秩序鎖(じちゅうさ)が消えていたことに気づく。

息を吐きながらも、エイセン氏の手から逃れる術はない。

次々と皮鞭が降り注ぐ。

「リチャード!これ以上は!」

「おや、あなたは心配しているのか?でもこの子は父のために苦労しているんだよ。

神官としての資質を引き出すためには、我慢してやらなければならないのだ。

約クランド大区で行われる選抜試験に合格すれば、彼の未来は明るくなるだろう」

「でも…」

「エイセン氏も同じ気持ちだろ?子供が病気になったとき、親はどんな苦労をしても見過ごせないものさ」

「リチャード!やめて!」

皮鞭の音が連続する。

理チャールドの悲鳴が部屋中に響き渡る。

「エイセン氏、本当にこれでいいのか?」

「これが父としての愛情だよ」

「リチャード…もう声も出ないほどだわ」

「彼は神教の選抜試験に合格する可能性が高い。

約クランド大区から五名が推薦されるらしい。

その中で優秀な者だけが全国選抜に進むんだ。

エイセン氏もこの子の才能を認めているはずだろ?以前は怠けていたけど、今は頑張っている」

「でも…」

「彼が神官として成長すれば、家族の誇りになるだろう。

ただ、虚と実の違いは大きいものさ。

エイセン氏もそのことは承知しているはずだ」

「アイゼンは仕事で友達がいる?」

「えっと……あるんじゃないかな」

「お母さん」

「どうしたの?」

「リチャード、もう音がないわ」

「やめて!私の孫!!!」

目覚めたカルンはベッドに起き上がり、窓から差し込む朝の光を頬に感じながら背もたれに凭れた。

この感覚が好きだった。

元気な自分と朝日との調和は、今日という日に期待を抱かせる。

「ニャー」

プールが身を翻してまた寝返りをうつ。

ジェーン・フィネの追悼で夜更かししたため、今日は起きるのが遅いようだ。

カルンは首を傾けてプールの丸っこい顔を見やった。

性格を除けば可愛い猫だし、それさえ含めても可愛い猫なのだと。

シャワーを済ませて書斎に入ると、ケビンが言った言葉を再考した。

ループドアは凶悪な場所のはずだが、秩序神教が交渉条項に名前を入れたという点から、彼らも内部事情を把握しているとカルンは疑う。

もし自分が12人のリストに入れば、その前に秩序神教が何かしらの策を講じる可能性はあるだろう。

ループドアへの参加権を得てこそ、神々の真実に近づけるのだ。

光の神の滅亡も関連しているかもしれない。

カルンは笑みを浮かべた。

自分の魂や黒い鎖について完全に理解できなくても、その領域での自信は揺るがない。

「リチャードが来たわ」

「来たのか?」

カルンは驚いて訊ねた。

「車椅子で?」

「違うわ」

「まあラッキーね」

「担架に乗せてきたのよ」

前室に顔を出すと、担架の上で泣きじゃくっているリチャードが見えた。

彼が暗月島でどれほど楽しんでいたかを考えると、現在の惨状は当然だ。

カルンは彼のそばにしゃがみ込んで訊ねた。

「お父さんにやられたんだ?」

「うん」

「よく頑張ったわね、こんな状態でもここまで来られるなんて」

「いいえ、実はお婆ちゃんが来て食事に誘ってくれたのよ」

「今日は用事があるの」

「お婆ちゃんはあなたが葬儀社に住んでいると知っているわ。

『リチャードを呼べないなら棺桶を買ってきて霊柩車で帰らせよう』と言ったの」

「お婆ちゃんは優しい人だわ」

「本来は優しかったけど、昨日お父さんに殴られたとき、私は死んだふりをして彼女を驚かせたの。

そして私が演技だと気づいたとき」

「どうしたの?」

「その瞬間、手を緩めていたお父さんがまた殴り始めたのよ」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?

行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。 貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。 元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。 これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。 ※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑) ※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。 ※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

エレンディア王国記

火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、 「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。 導かれるように辿り着いたのは、 魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。 王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り―― だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。 「なんとかなるさ。生きてればな」 手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。 教師として、王子として、そして何者かとして。 これは、“教える者”が世界を変えていく物語。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

処理中です...