吸血鬼を刺殺した

きりしま つかさ

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第0122話 世の中には無敵はない——超必殺:進化の門!!!

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蒼白い月明かりの下で、周元たちは吸血鬼の大小姐に連行され、徐村の食屍鬼に囲まれていた。

完全に黒化した大小姐に対し、周元は彼女の罪を次々と叫びながらも、同時に自身の内側からも罪悪感が湧き上がっていた。

苦悩と後悔が彼の心を揺さぶる中、ようやく「希望」への接続が再開された。

『希望』の手首飾りが輝き始めると、その光は星々を凌ぎ、月明かりさえも圧倒した。

周囲の吸血鬼と食屍鬼たちの目から涙が流れ、彼らは全て光粒子に変化し、無数の小さな光点となった。

大叔と阿梓が再び目を開くと、そこには周元の手首飾りを中心とした無数の蛍火虫が舞っていた。

彼は双目を閉じたまま、小洛の清らかな瞳を思い出し、「浄化の門」という超必殺技を発動させた。

「光は波と粒子の両方である」

「『希望』が教えてくれた」

「全ての存在は波であり粒子なのだ」

大叔と阿梓は黙り込んだ。

周元は目を開き、彼らを見据えた。

その圧倒的な気魄に大叔は言葉を失い、阿梓もまた「神か?」

と口走るところだった。

「でも——」

ふと、周元の意識が戻った。

「この手は強すぎる!」

「無敵だよ!」

「これからどこに行かねー?」

大叔(おにいちゃん)の古めかしい口調に、周元の唇がわずかに緩んだ。

笑みとも悲しみともつかない表情だった——

すると突然、血が頬を伝った。

「!?」

「!?」

そして彼はゴンと床に倒れた——

「おい、小僧(こせん)——!?」

「周さん(しゅうさん)——!?」

……

闇の中で、大叔の言葉が響く:

「無敵だよ?」

暗闇の中、周元は冷笑した。

この世に無敵なんて存在しないんだ。

進化の門使用条件:

敵を浄化するにはまず接続が必要だが、

相手とリンクするのは簡単じゃない——

敵の精神が崩壊寸前か、

心身に重大な傷や打撃を受けた状態でなければ、希望(きぼう)を通すことはできない——

理性を失った食屍鬼(しょくしき)?

その主を倒すことが前提条件だ——

最後に敵を光子化するには莫大なエネルギーが必要——

周元の精神力や体力など全てが一気に吸い取られた!

それだけならまだしも、さらに損失が出た——

この消耗は予想外だった——

虚弱期間は月単位。

その間は希望と接続できない——

強制リンクすると吐血するほど負担になる。

銀色の髪(ぎんいろのかみ)がいつまで続くことか——

……

そう考えると、周元は焦りもしなかった——

闇の中で思考を続ける——

闇の中には日月もなく、飢えや時間の流れを感じない——

どれだけ経ったか分からない——

突然光を感じた!

即座に目を開いた——

眩しい光が視界を侵す——

「ばっちり!」

「周さん(しゅうさん)目覚めた!?」

「まぶたを動かしてるよ!」

……

木造の天井(てんじょう)だ。

どこだろう?

口はまだ動かないのか、完全に回復してないのか——

「見てみなさい——」

「周さん(しゅうさん)目覚めた!?」

「まぶたを動かしてるよ!」

……

アヅキの声がする。

あの焦った性格は変わらない。

「おい、小僧(こせん)——!?」

「起きないなら俺たちで希望島に運ぶぞ!」

……

放チンな口調と下品な言い回し——

あいつはおっさんだよ——

周元がさらに力を込める——

「くほー」

五感が徐々に戻ってきた——

喉(のど)が火傷のように乾いていた——

「水!」

アヅキ「すぐ来る!」

おにいちゃん「おい、小妞(こにゅう)!」

おにいちゃん「栄養剤が必要だぜ!」

おにいちゃん「一ヶ月分の損失だから補給するんだよ!」

アヅキ「馬鹿な!」

アヅキ「虚弱時は即座に回復できないんだよ!」

おにいちゃん「黙ってろ!」

アヅキ「うるさい!私は正しいんだから!」

おにいちゃん「暴力のバカ娘(ばかめ)!」

アヅキ「何だと?!もう一度言え——!?」

おにいちゃん「何も怖くない:暴力のバカ娘——!!」

アヅキ「きさま——」

アヅキ「無能な臭男(くすおとこ)!!!」

……

おにいちゃんとアヅキは激しく言い争っている——

虚弱な病人を完全に忘れていた——

周元「おい、馬鹿らしー!」

二人が顔を向けた瞬間——

周元が罵声(ばせい)を吐き、長期休眠や飢餓感、一時的な怒りからまた意識を失った——

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