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姉の気持ち
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「シオン殿下、今後何があっても何が起きてもスィートピーを守ると誓ってくださいますか。この先何が起きようとも二人の行動は間違いでは無かったと本心から思うのであれば、私に妹だけを生涯愛し守るとお誓い下さい」
「私はスィートピーを愛している。生涯愛し続け守ると誓う。私達の気持ちが間違いであるわけがない」
シオン殿下の性格で、スィートピーを生涯愛し続ける等無いと思いながら私はせめてもの慰めに誓いを求めました。
スィートピーに疎まれていたとしても、妹して愛して来た子です。
これからの彼女の苦しみを思えば、姉としてシオン殿下に願うのは妹に対しての変わらぬ気持ちです。
「私達は互いを思っています。義務だけで婚約者であり続けるお姉様とは違うのです。権力を欲しがる気持ちは分かりますが、シオン殿下のお気持ちは私にあります。愛されず惨めにその座に居続けるより、妹に気持ちよく譲ってくださいませ。お父様達だってきっとシオン殿下がお姉様では無く私を愛していると知れば見方を変えて下さるわ。お姉様より私の方が優れていると」
妹として愛していたのに、彼女は私を厭むだけ。
両親の愛は平等、いいえスィートピーの方へ向けられていて、私に向けられていたのは憐れみでしたが何も知らないスィートピーには私を贔屓していた様に見えていたのでしょうか。
だとしても、私に対抗しシオン殿下を望むなんて愚かとしか言いようがありません。
「諦めて下さいお姉様、私に負けたと認めて下さい」
スィートピーの言葉に呆れ返る私の隣にいたお兄様は、勢いよく立ち上がるとスィートピーの頬を叩きました。
「な、何をするのお兄様っ!」
「お前は自分の姉になんて言うことを! スクテラリアが権力をいつ欲しがった。何が互いを思っているだ。お前は理性を捨て姉の婚約者に懸想したのを愛だなんだと正当化しているだけだ」
「何だと、スィートピーを侮辱するのか!」
お兄様が声を荒げるのを、私は不思議な気持ちで見ていました。
私は二人に呆れるだけですが、お兄様は呆れるのではなく激怒されているのです。
これは思いの差なのでしょうか、私には二人に対して怒りの感情等おきません。
だって私はシオン殿下を思った事など、ただの一度も無いのですから。
「落ち着いて下さいませお兄様、さあ私の自慢の侍女が入れた紅茶を一緒に飲んでくださいませ」
いつの間にか戻って来ていた侍女は、部屋の隅で紅茶の準備をしていて私のところまで良い香りが漂ってきています。
シオン殿下とスィートピーに呆れかえり苛立っている心は、紅茶のいい香りのお陰で落ち着いてきました。
苛立っている時間などないのですから、私は残された時間を有意義に使わなければならないのです。
「スクテラリア」
「私はお兄様の笑顔が見たいのです。お兄様がお怒りになるのは珍しいですし私の為に怒って下さるのは嬉しいですけれど、どうか今は笑顔を見せて下さい。大好きな笑顔のお兄様をここに残したいのです」
両手を自分の胸に当てそうお願いすると、お兄様はやっと微笑んでくださいました。
大好きな笑顔です。
常に私を励ましてくれた、笑顔です。
私とお兄様の前にだけ、侍女は紅茶を注いだ茶器を置きました。
私の大好きな蔓薔薇を描いた茶器を使い、私好みの紅茶を侍女は入れてくれたのです。
「この子は私の為に沢山練習して上手に紅茶を入れらる様になりましたのよ。この屋敷中の誰よりも上手です、ほらとてもいい香り、苦味を出すことなく最高の香りと味を引き出してくれるの。彼女は私の大切な侍女なんですよお兄様いつも励まし側に居続けてくれましたの」
普段は何も入れずに紅茶を頂きますが、彼女は私が疲れている時は少しだけ砂糖を。私の気持ちが塞いでいる時には、甘い蜂蜜と牛乳を入れてくれました。
それは本等は甘いお菓子を好んでいるのに、王妃様の命令で体型維持の為に普段はお菓子を口に出来ない私へ、彼女がくれた優しさでした。
「お嬢様」
「この子は私の大切な侍女よ、お兄様忘れないで下さいませね」
「分かった」
お兄様は意味を正しく理解して下さったでしょうか。
私の希望通り、笑顔で応えるお兄様はゆっくりと紅茶を飲み干しました。
「私達を無視するなど、お前達は何を考えている」
「美味しい紅茶を頂いているだけですわ。気持ちの整理は出来ました。シオン殿下こちらにご署名を」
シオン殿下の前に婚約解消の書類を差し出すと、殿下は不思議そうに私を見ました。
「これは」
「婚約締結時に、婚約の誓約書と共に作られた婚約解消の届けでございます。私の王太子妃教育が完了した後婚約解消を私の意思で行う場合にのみ使用できる陛下の温情でございます」
「これは神殿の……神具ではないのか」
「はい、これを使い婚約解消した場合、私は二度と婚約出来ません」
「それは私も婚約破棄を撤回するつもりはないからいいが。大袈裟なものを作ったものだな」
殿下は何も知らないのでしょうか。
いいえ、知らないのではなく覚えていらっしゃらないのですね、これを陛下から頂いた時シオン殿下は私と一緒に居たのですから。
婚約締結のあの時でさえ、シオン殿下は本当は私に興味が無かった。
自ら望んだ婚約だったというのに、私には一欠けらの興味も無かった。
そういうことなのでしょう。
「私はスィートピーを愛している。生涯愛し続け守ると誓う。私達の気持ちが間違いであるわけがない」
シオン殿下の性格で、スィートピーを生涯愛し続ける等無いと思いながら私はせめてもの慰めに誓いを求めました。
スィートピーに疎まれていたとしても、妹して愛して来た子です。
これからの彼女の苦しみを思えば、姉としてシオン殿下に願うのは妹に対しての変わらぬ気持ちです。
「私達は互いを思っています。義務だけで婚約者であり続けるお姉様とは違うのです。権力を欲しがる気持ちは分かりますが、シオン殿下のお気持ちは私にあります。愛されず惨めにその座に居続けるより、妹に気持ちよく譲ってくださいませ。お父様達だってきっとシオン殿下がお姉様では無く私を愛していると知れば見方を変えて下さるわ。お姉様より私の方が優れていると」
妹として愛していたのに、彼女は私を厭むだけ。
両親の愛は平等、いいえスィートピーの方へ向けられていて、私に向けられていたのは憐れみでしたが何も知らないスィートピーには私を贔屓していた様に見えていたのでしょうか。
だとしても、私に対抗しシオン殿下を望むなんて愚かとしか言いようがありません。
「諦めて下さいお姉様、私に負けたと認めて下さい」
スィートピーの言葉に呆れ返る私の隣にいたお兄様は、勢いよく立ち上がるとスィートピーの頬を叩きました。
「な、何をするのお兄様っ!」
「お前は自分の姉になんて言うことを! スクテラリアが権力をいつ欲しがった。何が互いを思っているだ。お前は理性を捨て姉の婚約者に懸想したのを愛だなんだと正当化しているだけだ」
「何だと、スィートピーを侮辱するのか!」
お兄様が声を荒げるのを、私は不思議な気持ちで見ていました。
私は二人に呆れるだけですが、お兄様は呆れるのではなく激怒されているのです。
これは思いの差なのでしょうか、私には二人に対して怒りの感情等おきません。
だって私はシオン殿下を思った事など、ただの一度も無いのですから。
「落ち着いて下さいませお兄様、さあ私の自慢の侍女が入れた紅茶を一緒に飲んでくださいませ」
いつの間にか戻って来ていた侍女は、部屋の隅で紅茶の準備をしていて私のところまで良い香りが漂ってきています。
シオン殿下とスィートピーに呆れかえり苛立っている心は、紅茶のいい香りのお陰で落ち着いてきました。
苛立っている時間などないのですから、私は残された時間を有意義に使わなければならないのです。
「スクテラリア」
「私はお兄様の笑顔が見たいのです。お兄様がお怒りになるのは珍しいですし私の為に怒って下さるのは嬉しいですけれど、どうか今は笑顔を見せて下さい。大好きな笑顔のお兄様をここに残したいのです」
両手を自分の胸に当てそうお願いすると、お兄様はやっと微笑んでくださいました。
大好きな笑顔です。
常に私を励ましてくれた、笑顔です。
私とお兄様の前にだけ、侍女は紅茶を注いだ茶器を置きました。
私の大好きな蔓薔薇を描いた茶器を使い、私好みの紅茶を侍女は入れてくれたのです。
「この子は私の為に沢山練習して上手に紅茶を入れらる様になりましたのよ。この屋敷中の誰よりも上手です、ほらとてもいい香り、苦味を出すことなく最高の香りと味を引き出してくれるの。彼女は私の大切な侍女なんですよお兄様いつも励まし側に居続けてくれましたの」
普段は何も入れずに紅茶を頂きますが、彼女は私が疲れている時は少しだけ砂糖を。私の気持ちが塞いでいる時には、甘い蜂蜜と牛乳を入れてくれました。
それは本等は甘いお菓子を好んでいるのに、王妃様の命令で体型維持の為に普段はお菓子を口に出来ない私へ、彼女がくれた優しさでした。
「お嬢様」
「この子は私の大切な侍女よ、お兄様忘れないで下さいませね」
「分かった」
お兄様は意味を正しく理解して下さったでしょうか。
私の希望通り、笑顔で応えるお兄様はゆっくりと紅茶を飲み干しました。
「私達を無視するなど、お前達は何を考えている」
「美味しい紅茶を頂いているだけですわ。気持ちの整理は出来ました。シオン殿下こちらにご署名を」
シオン殿下の前に婚約解消の書類を差し出すと、殿下は不思議そうに私を見ました。
「これは」
「婚約締結時に、婚約の誓約書と共に作られた婚約解消の届けでございます。私の王太子妃教育が完了した後婚約解消を私の意思で行う場合にのみ使用できる陛下の温情でございます」
「これは神殿の……神具ではないのか」
「はい、これを使い婚約解消した場合、私は二度と婚約出来ません」
「それは私も婚約破棄を撤回するつもりはないからいいが。大袈裟なものを作ったものだな」
殿下は何も知らないのでしょうか。
いいえ、知らないのではなく覚えていらっしゃらないのですね、これを陛下から頂いた時シオン殿下は私と一緒に居たのですから。
婚約締結のあの時でさえ、シオン殿下は本当は私に興味が無かった。
自ら望んだ婚約だったというのに、私には一欠けらの興味も無かった。
そういうことなのでしょう。
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※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)
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