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番外編
兄の寵愛弟の思惑116
「国の守りが脆くなるということか」
「はい。ボナクララの魔力量で、閲覧制限を超え書き換えれた部分をすべて元に戻すことが出来ればいいですが、陛下が命を落とすことになった時の様に何か攻撃される可能性もあります。そうなるとボナクララを守る方に魔力を使わなくてはなりません」
「余が命を落とす……余は彼女が隠して施していた呪いに命を奪われたが、その時に光属性の魔力を持つ者が王妃になった時魔法陣を書き変えられるようにした」
そうだ、おじい様と以前お話出来た時確かに私はそう聞いた。
まて、魔法陣に施された呪い、それがボナクララの命を奪うかもしれないのか?
「呪いは、私も陛下が魔法陣に干渉するまで分かりませんでした。閲覧制限されている部分に隠されていたのだと思いますが、今その部分は表に出ていますからその部分は陛下の魂の力で修正出来ると思います。今の私では国の守りの方に力を使っているためそこまで出来ませんが、陛下の魂と魔力があれば恐らく可能かと」
「そうか」
「陛下が光属性の魔力を持つ者が魔法陣を書き換えられるとして下さったから、多分魔力量が少ないボナクララでも閲覧制限を超えられる様になりました。元々は王家の血を受け継ぐ魔力量の多い者だけでしたから」
「そうか、それならば余の命は無駄では無かったのだな。余が考えなしに魔法陣に手を出して命を落としたせいで息子を辛い目に合わせてしまったと、余はずっと後悔していた」
後悔、それはおじい様が亡くなったため、父上が魔力を奪われ続けることになったことを言っている。
急に王位を継ぎ重責が一気に父上に押し寄せただけでなく、魔力を限界まで奪われる日々が始まったのだ。
おじい様がご存命の頃は、父上も執務の補佐が出来たけれど、あの頃の父上の周囲にいたのはおじい様と父上の兄弟と幼い私達だけ。
魔法陣の書き換えについて、どの辺りまで情報を開示しているのか分からないけれど、多くはないだろう。
なにせ、魔法陣の書き換えの理由を話すには、ジョバンニ伯父上とエマニュエラの母親の話から始めなければならないのだから。
婚外子を宗教的に認めていないこの国で、エマニュエラは世間を欺きボナクララと双子の姉妹として育てられてきたのだから、これだけでも第三者に知られていい話ではない。
「皇女よ、どうか私の魂と魔力を使いこの国を、余の子供達を守ってほしい」
「畏まりました。ボナクララの魔法陣の関与については、誰にも伝えることなく婚約時の魔法陣の儀式で私が責任を持ち行います」
「占術で伝えることもしないのだな」
「はい、ボナクララはこの件について何も知りません。善良で信心深いあの娘には、自分とエマニュエラが母親違いの姉妹だという事実すら受け入れるのは難しいでしょう」
つまりこうじょは、誰にも伝えずボナクララを危険な目に合わせようとしているのか?
そんなこと許されるのか?
「世の中には知らなくてもいいことがございます。魔法陣の書き換えなど、その最たるものです。ボナクララは王子妃になる令嬢ですが、その性質は凡庸です。生涯他言できない国政に関する秘密を背負わせるのは酷というもの」
「そうだな」
「この国の人は優しい、優しすぎる。でもだからこそ私を受け入れてくれた。エマニュエラの心にも祖先の優しさがほんの僅かでも残っているといいのですが」
優しさなんて彼女にあるのだろうか、深く付き合えばそれを知る機会もあったのかもしれないけれど、闇魔法を使われた後では彼女の本心を知りたい、良いところもあるのかもしれないなんて考えたくもない。
「難しいだろうな、あの者には尊い神の教えすら届かない。あの子の心にあるのは悪の感情だけだ」
おじい様の嘆く声、それはきっとエマニュエラに関わる全ての者が思っていることだと思う。
「皇女、今までこの国を守ってくれたこと感謝する。どうかこの先を頼む」
「畏まりました。私の力全てを使い守り続けます。魔法陣の守りが徐々に弱まること、必要なことはすべて占術結果として伝えましょう。まだ百年以上先のことですが、備え始めるなら早いほうがいいでしょう」
「頼む、では皇女よ」
おじい様の手が、皇女に伸びる。
光る体、その手が皇女に触れてすぐおじい様の光が皇女を包み込む。
「陛下、あなたの心、魂、魔力を受け取りました。私の力として大切に使わせていただきます」
皇女の光は強くなり、それが白い空間に満ちる。
眩しい、眩しすぎる。
おじい様、神の園に行くことを諦め魂を皇女に託した。
魂が神のもとに辿り着けない恐怖なんて私は耐えられる自信がないというのにおじい様は国の為に自らそれを行った。おじい様、偉大なるあなたを私は決して忘れない。
おじい様、私はおじい様の意志を受け継ぎ、父上と兄上と共にこの国を守ると誓います。
「はい。ボナクララの魔力量で、閲覧制限を超え書き換えれた部分をすべて元に戻すことが出来ればいいですが、陛下が命を落とすことになった時の様に何か攻撃される可能性もあります。そうなるとボナクララを守る方に魔力を使わなくてはなりません」
「余が命を落とす……余は彼女が隠して施していた呪いに命を奪われたが、その時に光属性の魔力を持つ者が王妃になった時魔法陣を書き変えられるようにした」
そうだ、おじい様と以前お話出来た時確かに私はそう聞いた。
まて、魔法陣に施された呪い、それがボナクララの命を奪うかもしれないのか?
「呪いは、私も陛下が魔法陣に干渉するまで分かりませんでした。閲覧制限されている部分に隠されていたのだと思いますが、今その部分は表に出ていますからその部分は陛下の魂の力で修正出来ると思います。今の私では国の守りの方に力を使っているためそこまで出来ませんが、陛下の魂と魔力があれば恐らく可能かと」
「そうか」
「陛下が光属性の魔力を持つ者が魔法陣を書き換えられるとして下さったから、多分魔力量が少ないボナクララでも閲覧制限を超えられる様になりました。元々は王家の血を受け継ぐ魔力量の多い者だけでしたから」
「そうか、それならば余の命は無駄では無かったのだな。余が考えなしに魔法陣に手を出して命を落としたせいで息子を辛い目に合わせてしまったと、余はずっと後悔していた」
後悔、それはおじい様が亡くなったため、父上が魔力を奪われ続けることになったことを言っている。
急に王位を継ぎ重責が一気に父上に押し寄せただけでなく、魔力を限界まで奪われる日々が始まったのだ。
おじい様がご存命の頃は、父上も執務の補佐が出来たけれど、あの頃の父上の周囲にいたのはおじい様と父上の兄弟と幼い私達だけ。
魔法陣の書き換えについて、どの辺りまで情報を開示しているのか分からないけれど、多くはないだろう。
なにせ、魔法陣の書き換えの理由を話すには、ジョバンニ伯父上とエマニュエラの母親の話から始めなければならないのだから。
婚外子を宗教的に認めていないこの国で、エマニュエラは世間を欺きボナクララと双子の姉妹として育てられてきたのだから、これだけでも第三者に知られていい話ではない。
「皇女よ、どうか私の魂と魔力を使いこの国を、余の子供達を守ってほしい」
「畏まりました。ボナクララの魔法陣の関与については、誰にも伝えることなく婚約時の魔法陣の儀式で私が責任を持ち行います」
「占術で伝えることもしないのだな」
「はい、ボナクララはこの件について何も知りません。善良で信心深いあの娘には、自分とエマニュエラが母親違いの姉妹だという事実すら受け入れるのは難しいでしょう」
つまりこうじょは、誰にも伝えずボナクララを危険な目に合わせようとしているのか?
そんなこと許されるのか?
「世の中には知らなくてもいいことがございます。魔法陣の書き換えなど、その最たるものです。ボナクララは王子妃になる令嬢ですが、その性質は凡庸です。生涯他言できない国政に関する秘密を背負わせるのは酷というもの」
「そうだな」
「この国の人は優しい、優しすぎる。でもだからこそ私を受け入れてくれた。エマニュエラの心にも祖先の優しさがほんの僅かでも残っているといいのですが」
優しさなんて彼女にあるのだろうか、深く付き合えばそれを知る機会もあったのかもしれないけれど、闇魔法を使われた後では彼女の本心を知りたい、良いところもあるのかもしれないなんて考えたくもない。
「難しいだろうな、あの者には尊い神の教えすら届かない。あの子の心にあるのは悪の感情だけだ」
おじい様の嘆く声、それはきっとエマニュエラに関わる全ての者が思っていることだと思う。
「皇女、今までこの国を守ってくれたこと感謝する。どうかこの先を頼む」
「畏まりました。私の力全てを使い守り続けます。魔法陣の守りが徐々に弱まること、必要なことはすべて占術結果として伝えましょう。まだ百年以上先のことですが、備え始めるなら早いほうがいいでしょう」
「頼む、では皇女よ」
おじい様の手が、皇女に伸びる。
光る体、その手が皇女に触れてすぐおじい様の光が皇女を包み込む。
「陛下、あなたの心、魂、魔力を受け取りました。私の力として大切に使わせていただきます」
皇女の光は強くなり、それが白い空間に満ちる。
眩しい、眩しすぎる。
おじい様、神の園に行くことを諦め魂を皇女に託した。
魂が神のもとに辿り着けない恐怖なんて私は耐えられる自信がないというのにおじい様は国の為に自らそれを行った。おじい様、偉大なるあなたを私は決して忘れない。
おじい様、私はおじい様の意志を受け継ぎ、父上と兄上と共にこの国を守ると誓います。
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