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兄の揶揄いに戸惑う妹
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「どうだ、一途な男に求婚された感想は」
「お兄様、私は未亡人になったばかりの女ですよ」
泊っていくらしいディーンを客間に案内するようメイドを呼び指示すると、ディーンは私の目には名残惜しそうに部屋を出て行きました。
「夫の葬儀の日に求婚されるとは、我が妹は魔性の女だったのだな」
「お兄様」
魔性の女というよりも、最低な女だと言った方が正しいのでしょう。
私は夫が亡くなった悲しみよりも、夫に秘密を持たれ毒を使われていたことの方に気が向いてしまい、彼が亡くなった悲しみ等とっくに薄れてしまったのですから。
「浮気をしないという約束を反故にして愛人と子を囲っていたのだから、お前だって好きにしていいはずだ」
「そう……ですね」
そうは言っても彼は亡くなったのです。
幼い子を残して亡くなったのは、彼には心残りだったことでしょう。
「また人のよさを発揮しているのか?」
「そういうわけではありませんが。子を残して亡くなるのは親としては心残りだっただろうと」
「それはそうだろうな。あんな野生児を一人残して死ぬ等死んでも死に切れぬ思いだろう」
淡々とお兄様は紅茶を飲みながら話していますが、私は一つ疑っていることがあります。
「お兄様」
「なんだ」
「この事故は、故意ではありませんよね」
事故と聞いて不安なことが一つありました。
これは本当に事故なのでしょうか。
最初はお父様ならこんな中途半端なことはせず、子供まで殺すだろうと考え、違うと思い込もうとしました。でも本当にそうでしょうか。
「故意だとすれば、私か父上が行ったと?」
「違いますか。離縁状を作成したことまでは分からなくとも、愛人と子供の存在は気が付いていたのでしょう?」
私が知らなかった愛人と子供の存在ですが、父と兄が知らなかった等ありえるでしょうか。
私は若すぎる年齢で結婚し、浮気をしないという結婚の条件を夫が守っているものだと信じ込んでいました。
ですが、あの父が、あの兄が契約しているからと安心しているでしょうか。
「ああそれか。私にとってはお前が知らなかった方が驚きだが」
「ではやはりご存じだったのですね」
父と兄が知っていたのなら、お義父様達もご存じだったのでしょうか。
「侯爵達は知らなかっただろうな。あの人達はピーターを妄信しているところがあるし、ピーターも必死に隠していたようだった」
「そうですか」
「お前は怒らないのか。お前を蔑ろにして子供を育てていたというのに」
「そうですね。不思議な感情ですが。結婚前に子供が生まれていたからでしょうか、仕方が無かったと思ってしまったのです。これが逆、私の結婚が先で子供が生まれたのが後ならこんなに冷静ではいられなかったでしょうけれど」
そう、ロニーが生まれたのが私が嫁いで来る前だったから私はまだ冷静でいられたのでしょう。
だって私が横入りしたも同然なのですから。
怒る理由は、愛人と子供の存在そのものよりも、それを隠して毒を使い避妊していた点にあるのです。
「お前はそういうところがあるな。昔からだ」
「そういうところとは」
「自分の立場や矜持より、他人の状況や思いを考えてしまう。つまり馬鹿ということだ」
お兄様は事故について確実に否定しませんでした。
つまり、あれは事故では無かったのでしょうか。
ずきりと心臓が痛みます。
床に寝ころび足をばたつかせ泣き喚くロニーのあの姿。
彼の悲しみを作ったのが、兄なのでしょうか。
「心配するな。私と父上は手を出してはいない」
「え」
「殺したら報復出来ないだろうが。お前に毒を使い、契約を破り愛人と子を囲っていたのだ。本来であればそれを理由に侯爵家を潰してもいい位だ。我が家を馬鹿にしたのだからな。知っていて手出ししなかったのは、機会を窺っていたんだよ。こちらに有利な条件で侯爵と交渉する為に」
「つまり事故なんて生ぬるい報復はしないと?」
「もし私が手を下していたのなら、あの子供も生きてはいない。子だけ残すなど面倒を引き延ばす様なものだ。離縁ならともかく、死別ではお前を家に戻せぬからな」
そうです。
ディーンの求婚が無くとも、お義父様が望めば私はディーンの妻に自動的に移行出来るのです。
それがこの国では当たり前に行われている事で、死別したからといって家に勝手に戻るわけにはいきません。
「でも、子を産めるか分かりません。お父様はがっかりされるでしょうね」
毒がどの程度私の体を蝕んでいるか分かりません。
子が出来なかった理由は毒なのでしょうから、私の体も同様に害されていると考えるのが正しいでしょう。
それを考えると泣きたくなります。
「お前は皇帝の薔薇を見ていただけか? 風呂に入れ、茶として飲んではいなかったのか」
「いいえ。あの香りは大好きですから、いつも使っています。あれは一年中咲いていますし丈夫ですぐに増えますから、毎日紅茶に花びらを入れ、湯に入れても十分に足りていますもの」
皇帝の薔薇は結婚前も結婚後も、私の生活には無くてはならないものです。
私の肌はとてもきめ細やかだと評判ですが、それは皇帝の薔薇の花びらを浮かべた湯で顔を洗っているからではないかと密かに思っています。
「なら問題ないはずだ。あの薔薇は皇女の血を引き継いだもののみに効く毒消しだからな」
「え」
「なんだ、知らなかったのか。なぜ皇女があの薔薇と一緒に嫁いできたと思う。野草の様に繁殖力の強い薔薇を自分の宮の庭に植え常に花を絶やさなかったのは何故だと思っている?」
「毒を警戒して?」
そんな話は聞いたことがありませんでした。
でもそれなら理由が分かります。
王家の血を引く女性達は、あの薔薇を大切にしており嫁ぐ際には絶対に株分けして嫁ぎ先に持っていき育てていると聞きました。
あれは見事な薔薇を愛するが故だと思っていましたが、違っていたのですね。
「だからお前は安心してディーンに嫁ぐといい。あれは兄と違って心根の優しい男だ。ただし皇帝の薔薇については秘密だ。侯爵家にはお前は毒で子が産めるかどうか分からないと伝える。こんな旨味のある材料を使わぬ等勿体ないからな」
兄らしい考えに笑いながら頷きました。
「承知しました」
「あれがお前の尻に敷かれて喜ぶ姿が目に浮かぶ。さて、帰るか。見送りは結構」
失礼なことを言って兄は立ち上がると、振り返らずに部屋を出て行きました。
「子供が産めるかもしれない?」
皇帝の薔薇の効果等知らずに常飲していました。
結婚して五年、子が出来ずもう私は子を産むことなどないのだと諦めていました。
「母親になれる?」
ゲームの通りなら私は女の子を産む筈です。
でも、夫はディーンではありませんでした。
相手が変わっても私は子を産めるのでしょうか。
ディーンの子を産む、そう考えただけで赤くなる頬を私は両手で押さえ目を閉じたのです。
「お兄様、私は未亡人になったばかりの女ですよ」
泊っていくらしいディーンを客間に案内するようメイドを呼び指示すると、ディーンは私の目には名残惜しそうに部屋を出て行きました。
「夫の葬儀の日に求婚されるとは、我が妹は魔性の女だったのだな」
「お兄様」
魔性の女というよりも、最低な女だと言った方が正しいのでしょう。
私は夫が亡くなった悲しみよりも、夫に秘密を持たれ毒を使われていたことの方に気が向いてしまい、彼が亡くなった悲しみ等とっくに薄れてしまったのですから。
「浮気をしないという約束を反故にして愛人と子を囲っていたのだから、お前だって好きにしていいはずだ」
「そう……ですね」
そうは言っても彼は亡くなったのです。
幼い子を残して亡くなったのは、彼には心残りだったことでしょう。
「また人のよさを発揮しているのか?」
「そういうわけではありませんが。子を残して亡くなるのは親としては心残りだっただろうと」
「それはそうだろうな。あんな野生児を一人残して死ぬ等死んでも死に切れぬ思いだろう」
淡々とお兄様は紅茶を飲みながら話していますが、私は一つ疑っていることがあります。
「お兄様」
「なんだ」
「この事故は、故意ではありませんよね」
事故と聞いて不安なことが一つありました。
これは本当に事故なのでしょうか。
最初はお父様ならこんな中途半端なことはせず、子供まで殺すだろうと考え、違うと思い込もうとしました。でも本当にそうでしょうか。
「故意だとすれば、私か父上が行ったと?」
「違いますか。離縁状を作成したことまでは分からなくとも、愛人と子供の存在は気が付いていたのでしょう?」
私が知らなかった愛人と子供の存在ですが、父と兄が知らなかった等ありえるでしょうか。
私は若すぎる年齢で結婚し、浮気をしないという結婚の条件を夫が守っているものだと信じ込んでいました。
ですが、あの父が、あの兄が契約しているからと安心しているでしょうか。
「ああそれか。私にとってはお前が知らなかった方が驚きだが」
「ではやはりご存じだったのですね」
父と兄が知っていたのなら、お義父様達もご存じだったのでしょうか。
「侯爵達は知らなかっただろうな。あの人達はピーターを妄信しているところがあるし、ピーターも必死に隠していたようだった」
「そうですか」
「お前は怒らないのか。お前を蔑ろにして子供を育てていたというのに」
「そうですね。不思議な感情ですが。結婚前に子供が生まれていたからでしょうか、仕方が無かったと思ってしまったのです。これが逆、私の結婚が先で子供が生まれたのが後ならこんなに冷静ではいられなかったでしょうけれど」
そう、ロニーが生まれたのが私が嫁いで来る前だったから私はまだ冷静でいられたのでしょう。
だって私が横入りしたも同然なのですから。
怒る理由は、愛人と子供の存在そのものよりも、それを隠して毒を使い避妊していた点にあるのです。
「お前はそういうところがあるな。昔からだ」
「そういうところとは」
「自分の立場や矜持より、他人の状況や思いを考えてしまう。つまり馬鹿ということだ」
お兄様は事故について確実に否定しませんでした。
つまり、あれは事故では無かったのでしょうか。
ずきりと心臓が痛みます。
床に寝ころび足をばたつかせ泣き喚くロニーのあの姿。
彼の悲しみを作ったのが、兄なのでしょうか。
「心配するな。私と父上は手を出してはいない」
「え」
「殺したら報復出来ないだろうが。お前に毒を使い、契約を破り愛人と子を囲っていたのだ。本来であればそれを理由に侯爵家を潰してもいい位だ。我が家を馬鹿にしたのだからな。知っていて手出ししなかったのは、機会を窺っていたんだよ。こちらに有利な条件で侯爵と交渉する為に」
「つまり事故なんて生ぬるい報復はしないと?」
「もし私が手を下していたのなら、あの子供も生きてはいない。子だけ残すなど面倒を引き延ばす様なものだ。離縁ならともかく、死別ではお前を家に戻せぬからな」
そうです。
ディーンの求婚が無くとも、お義父様が望めば私はディーンの妻に自動的に移行出来るのです。
それがこの国では当たり前に行われている事で、死別したからといって家に勝手に戻るわけにはいきません。
「でも、子を産めるか分かりません。お父様はがっかりされるでしょうね」
毒がどの程度私の体を蝕んでいるか分かりません。
子が出来なかった理由は毒なのでしょうから、私の体も同様に害されていると考えるのが正しいでしょう。
それを考えると泣きたくなります。
「お前は皇帝の薔薇を見ていただけか? 風呂に入れ、茶として飲んではいなかったのか」
「いいえ。あの香りは大好きですから、いつも使っています。あれは一年中咲いていますし丈夫ですぐに増えますから、毎日紅茶に花びらを入れ、湯に入れても十分に足りていますもの」
皇帝の薔薇は結婚前も結婚後も、私の生活には無くてはならないものです。
私の肌はとてもきめ細やかだと評判ですが、それは皇帝の薔薇の花びらを浮かべた湯で顔を洗っているからではないかと密かに思っています。
「なら問題ないはずだ。あの薔薇は皇女の血を引き継いだもののみに効く毒消しだからな」
「え」
「なんだ、知らなかったのか。なぜ皇女があの薔薇と一緒に嫁いできたと思う。野草の様に繁殖力の強い薔薇を自分の宮の庭に植え常に花を絶やさなかったのは何故だと思っている?」
「毒を警戒して?」
そんな話は聞いたことがありませんでした。
でもそれなら理由が分かります。
王家の血を引く女性達は、あの薔薇を大切にしており嫁ぐ際には絶対に株分けして嫁ぎ先に持っていき育てていると聞きました。
あれは見事な薔薇を愛するが故だと思っていましたが、違っていたのですね。
「だからお前は安心してディーンに嫁ぐといい。あれは兄と違って心根の優しい男だ。ただし皇帝の薔薇については秘密だ。侯爵家にはお前は毒で子が産めるかどうか分からないと伝える。こんな旨味のある材料を使わぬ等勿体ないからな」
兄らしい考えに笑いながら頷きました。
「承知しました」
「あれがお前の尻に敷かれて喜ぶ姿が目に浮かぶ。さて、帰るか。見送りは結構」
失礼なことを言って兄は立ち上がると、振り返らずに部屋を出て行きました。
「子供が産めるかもしれない?」
皇帝の薔薇の効果等知らずに常飲していました。
結婚して五年、子が出来ずもう私は子を産むことなどないのだと諦めていました。
「母親になれる?」
ゲームの通りなら私は女の子を産む筈です。
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