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番外編
ほのぼの日常編2 くもさんはともだち15(ダニエラ視点)
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「お義母様」
「長く待たせてしまったわね」
温室部屋に戻ると、ロニーは膝の上に本を開いたまま外を眺めていました。
気を抜いているようでも背筋を伸ばしてソファーに掛けているのは、本人の努力の賜物でしょう。
数年前のロニーから考えられない程美しい姿勢に、彼の努力を感じてつい頬が緩んでしまいました。
ピーターの子でも、彼は別の人間です。
マチルディーダの側にいる為という理由はありますが、その為に努力が出来る子なのです。
自分勝手で卑怯者のピーターとは違います。
「ごめんなさいね。退屈していたのではないかしら」
話しながらソファーに腰を下ろすと、タオがすかさず背中にクッションを当て調整してくれました。
気持ち的には、どっこいしょと言いたい位にお腹が重いので、立つのも座るのも一苦労です。
「いいえ、風が気持ちよくて良い休憩になりました」
ロニーが言う通り大きな窓を開け放っているので、外から気持ちの良い風が部屋の中に入ってきています。
いつもは日中マチルディーダの相手をしているので、こんな風に時間を使うことはないでしょう。
「それにここから庭師の力作が一望出来ますから、退屈することはありません」
「それなら良かったわ」
庭の中でもこの部屋から見える部分は、庭師が特に力を入れて手入れしています。
門から屋敷迄の間に馬車の中から見える位置にあるからというのは勿論ですが、どちらかと言えば私が頻繁に温室部屋に居るというのが理由の様です。
庭には小さな葉が密集して生えている常緑樹の鉢植えを可愛らしい動物の形に刈り込んだものが点在していて、これをアクセントに庭が構成されています。
一鉢だけ庭師が戯れに動物の形に低木のせん定を行ったところ、マチルディーダが凄い凄いと大喜びした為、うさぎ、クマ、猫、鳥とどんどん増えて行きました。
以前は全体に石畳を敷き所々に花壇があるだけの寂しい庭でしたが、私とディーンが暮らすようになってから、新たに雇った庭師達が庭を作り変えました。
庭師達は全員植物育成の能力を持っているからなのか、皇帝の薔薇は勿論、子供が好きそうな愛らしい花も沢山植えていて、そのすべてに手入れが行き届いています。
結婚してからというもの、妊娠出産少し間を置いてまた妊娠……と繰り返している私の唯一の運動が、ディーンと一緒に庭の中を歩く事なので、庭師も私に気晴らしをさせようと気を遣ってくれているのかもしれません。
「そう言えば、今低木を使って小さな迷路を作っていると庭師に聞いたわ。あなたには簡単すぎると思うけれど、完成したらマチルディーダに付き合ってあげてね」
「はい、勿論です。ディーダが怪我をしないようにしっかり見ていますからご安心下さい」
幼いマチルディーダでも抜けられそうな簡単な迷路だと聞いているので、出口が分からずに泣き出すことはないでしょうが、ロニーならその辺りは上手くやるでしょう。
最初はディーンと私も一緒に四人で、遊びたいと考えています。
そういう遊びをしたことはないので、実は密かに楽しみにしています。
「お義母様、何だか楽しそうですね」
「ええ、実は迷路が楽しみなの。私庭で遊んだ経験が無いから迷路が出来たら絶対に私も遊んでみたいわ。ディーンと私とロニーとマチルディーダの四人で游びましょうね」
「僕も混ざって良いのですか」
「勿論よ」
「でも、お義父様は僕がいたらお嫌ではありませんか」
好かれていないのは、理解しているのでしょう。
善意より悪意を、人は敏感に感じ取ってしまうものですからロニーにとってこの屋敷は居心地のいい場所では無いのかもしれません。
「ロニーを嫌っているわけでは無いのよ」
「……分かっています」
マチルディーダが側にいなければ、ロニーは大人しく聞き分けの良い子供です。
どうしたものかと考えながら、私はメイナが用意してくれた妊婦でも安心して飲むことが出来る薬草茶を一口飲んでから、桃のジャムを小さなパンに載せたものをメイナに皿に取ってもらうと、ロニーの前に置きました。
「食べて」
「ありがとうございます」
「ねえ、ロニーはディーンをどう思っているの?」
「僕の叔父です」
なんていうか、ロニーとディーンを二人きりにすると無言のままなのは知っていますが、これはお互いに関心がないのでしょうか。
「それ以外には」
「僕の実父と仲が良くなかったと聞いています」
「それは、リチャードから?」
「はい。それでもお義母様の温情でこちらに置いて下さっていると」
舌打ちしたくなる心情というのは、こういう時を言うのでしょうか、リチャードは何故そんな余計な事を言っているのでしょうか。
「あなたはディーンの兄の子なのよ、両親が亡くなった幼いあなたの養父母になるのは当然の事だわ。会ったのはあの時が初めてだったけれど、それでもあなたを厭々引き取ろうと決めたわけでは無いわ」
「お義母様は優しい方だから」
「優しくは無いと思うけれど」
ロニーと一緒に暮らしていても、何せ私は体調不良がずっと続いているようなものなので、あまり親らしいことが出来ているわけではありません。
それでもロニーは、不思議な程私になついている気がします。
遠慮していると分かりますが、それでも何故か私を信用している様なのです。
「優しいです。そうでなければ、正しくない関係だった母の体を綺麗にして、父と同じ棺になんてしてくれた理由が分かりません」
正しくない関係、それを行ったのはリチャードなのかロニーの母親なのか分かりませんが、酷い言い方をしたものです。
でもこれで理由が分かりました。
あの時ロニーが急に物分りが良くなったのは、私がロニーの母親にした行いがあったからなのです。
「ロニー、自分の両親をそんな風に言ってはいけないわ」
「でも、正しくない、許されない。だからこそ僕は罪の子なんです」
「あのね、ロニー。これは私の考えだから他の人がどう思うか分からないけれど」
正しくない関係から、自分が罪の子として生まれたなんてそんな風に思うのは悲しすぎます。
「シード神は確かに夫は妻を、妻は夫だけを愛せと教えているわ」
「はい」
「でもね、あなたが生まれた時、私はあなたのお父様とはまだ結婚していなかったの。二人は正式な夫婦と神殿に認められてはいなかっけれど、愛し合っていたからあなたが生まれたのよ。ここまでは分かるかしら」
背後からタオとメイナのやれやれという空気を感じましたが、私はロニーの心を救いたいのです。
「はい、分かります。両親は愛し合っていたと思います。そして二人は僕の事を愛して可愛がってくれていました。お義父様がディーダやアデライザを抱きしめて、頭を撫でたり頬ずりするような事をされたことはありませんが、それでも二人から 愛された思い出は残っています」
スキンシップは、私の両親も殆どありませんでした。
幼い私がお兄様に抱っこされて本を読んで貰った記憶はあっても、忙しい両親との思い出は幼い頃のはとても少ないのです。
ディーンにいたってはその辺りの経験は皆無だったようですが、私が子供達に接するのを見て同じ様にするようになりました。
ちなみに、ディーンは子供達以上に私にスキンシップしたがるので、多分私が一番頭を撫でられ頬ずりされていると思いますし、私もディーンに負けないように彼を甘やかしまくっています。
私が彼の頭を撫でている時の顔が、可愛いのです。
嬉しそうで照れくさそうで、だからつい彼の膝の上に座りつつ撫でてしまいます。
「あなたはね両親が愛し合って生まれたの。もし罪があるとすればね、それはあなたではなくあなたのお父様よ」
「父、ですか?」
「ええ、あなたのお母様を愛していたのに、勇気が無くて平民になることを決められず、ネルツ侯爵に結婚の許しを願うこともしなかった。そしてあなたとお母様の存在を隠して私と結婚した。それがあなたのお父様の罪」
他にもありますが、とても話せる内容ではありません。
ロニーの母親がリチャードと恋人だったとか、その関係を解消せずにピーターとも付き合った末にロニーが生まれたとか、とても子供に話せるものではありません。
「でも母は、僕は罪の子だって」
「これは私の想像でしかないけど、あなたのお母様は自分がネルツ家に認められるとは思っていなかったのだと思うのよ。だからあなたが自分は貴族だと思わないように、罪の子だと言ったのではないかしら。平民はそんなに厳しくないと聞くから、貴族としては罪だと」
自分でも何を言っているのか、良く分からなくなってきてしまいました。
シード神の教えを基準にすると、どう弁解しようと悪いことになるのです。
「貴族だと幸せになれないとも言っていました。自分達は正しくないから幸せになれないと」
そう 思っていたなら、せめてリチャードとの関係位どうにかして欲しかったですが、既に亡くなっているのですからどうしようもありません。
「あなたのお母様は、そうやって自分を納得させようとしていたのね。自分が正しくないことをしたから幸せになれないのだと」
「自分を納得」
「ええ、平民で奨学生となり学校に通えた位だもの、侯爵家の夫人になるのは難しいと分かっていたのでしょう。だから自分もあなたも、貴族では幸せになれないのだと自分に言い聞かせるしか無かったのでしょうね」
だからと言って、子供に酷い発言をしたことを許せはしませんが。
「言い聞かせる? 僕は罪の子ではないのですか?」
「ええ、違うわ。もしも本当に罪の子だとしたら、私の兄はあなたを引き取ることを許さなかったでしょう。勿論ディーンもね」
「僕がディーダの側に居たいと願い出た時、公爵様とニール様は、僕がディーダを害さず隣に立つに相応しい者になると誓えるなら、ネルツ家に居続けても良いと仰っていました」
それは害だと少しでも思われたら最後という意味でしょうけれど、今それを言う必要はないでしょう。
今必要なのは、悪いのはロニーではないのだと彼自身に自覚して貰う事なのです。
※※※※※※※※
ダニエラ頑張りました。
「長く待たせてしまったわね」
温室部屋に戻ると、ロニーは膝の上に本を開いたまま外を眺めていました。
気を抜いているようでも背筋を伸ばしてソファーに掛けているのは、本人の努力の賜物でしょう。
数年前のロニーから考えられない程美しい姿勢に、彼の努力を感じてつい頬が緩んでしまいました。
ピーターの子でも、彼は別の人間です。
マチルディーダの側にいる為という理由はありますが、その為に努力が出来る子なのです。
自分勝手で卑怯者のピーターとは違います。
「ごめんなさいね。退屈していたのではないかしら」
話しながらソファーに腰を下ろすと、タオがすかさず背中にクッションを当て調整してくれました。
気持ち的には、どっこいしょと言いたい位にお腹が重いので、立つのも座るのも一苦労です。
「いいえ、風が気持ちよくて良い休憩になりました」
ロニーが言う通り大きな窓を開け放っているので、外から気持ちの良い風が部屋の中に入ってきています。
いつもは日中マチルディーダの相手をしているので、こんな風に時間を使うことはないでしょう。
「それにここから庭師の力作が一望出来ますから、退屈することはありません」
「それなら良かったわ」
庭の中でもこの部屋から見える部分は、庭師が特に力を入れて手入れしています。
門から屋敷迄の間に馬車の中から見える位置にあるからというのは勿論ですが、どちらかと言えば私が頻繁に温室部屋に居るというのが理由の様です。
庭には小さな葉が密集して生えている常緑樹の鉢植えを可愛らしい動物の形に刈り込んだものが点在していて、これをアクセントに庭が構成されています。
一鉢だけ庭師が戯れに動物の形に低木のせん定を行ったところ、マチルディーダが凄い凄いと大喜びした為、うさぎ、クマ、猫、鳥とどんどん増えて行きました。
以前は全体に石畳を敷き所々に花壇があるだけの寂しい庭でしたが、私とディーンが暮らすようになってから、新たに雇った庭師達が庭を作り変えました。
庭師達は全員植物育成の能力を持っているからなのか、皇帝の薔薇は勿論、子供が好きそうな愛らしい花も沢山植えていて、そのすべてに手入れが行き届いています。
結婚してからというもの、妊娠出産少し間を置いてまた妊娠……と繰り返している私の唯一の運動が、ディーンと一緒に庭の中を歩く事なので、庭師も私に気晴らしをさせようと気を遣ってくれているのかもしれません。
「そう言えば、今低木を使って小さな迷路を作っていると庭師に聞いたわ。あなたには簡単すぎると思うけれど、完成したらマチルディーダに付き合ってあげてね」
「はい、勿論です。ディーダが怪我をしないようにしっかり見ていますからご安心下さい」
幼いマチルディーダでも抜けられそうな簡単な迷路だと聞いているので、出口が分からずに泣き出すことはないでしょうが、ロニーならその辺りは上手くやるでしょう。
最初はディーンと私も一緒に四人で、遊びたいと考えています。
そういう遊びをしたことはないので、実は密かに楽しみにしています。
「お義母様、何だか楽しそうですね」
「ええ、実は迷路が楽しみなの。私庭で遊んだ経験が無いから迷路が出来たら絶対に私も遊んでみたいわ。ディーンと私とロニーとマチルディーダの四人で游びましょうね」
「僕も混ざって良いのですか」
「勿論よ」
「でも、お義父様は僕がいたらお嫌ではありませんか」
好かれていないのは、理解しているのでしょう。
善意より悪意を、人は敏感に感じ取ってしまうものですからロニーにとってこの屋敷は居心地のいい場所では無いのかもしれません。
「ロニーを嫌っているわけでは無いのよ」
「……分かっています」
マチルディーダが側にいなければ、ロニーは大人しく聞き分けの良い子供です。
どうしたものかと考えながら、私はメイナが用意してくれた妊婦でも安心して飲むことが出来る薬草茶を一口飲んでから、桃のジャムを小さなパンに載せたものをメイナに皿に取ってもらうと、ロニーの前に置きました。
「食べて」
「ありがとうございます」
「ねえ、ロニーはディーンをどう思っているの?」
「僕の叔父です」
なんていうか、ロニーとディーンを二人きりにすると無言のままなのは知っていますが、これはお互いに関心がないのでしょうか。
「それ以外には」
「僕の実父と仲が良くなかったと聞いています」
「それは、リチャードから?」
「はい。それでもお義母様の温情でこちらに置いて下さっていると」
舌打ちしたくなる心情というのは、こういう時を言うのでしょうか、リチャードは何故そんな余計な事を言っているのでしょうか。
「あなたはディーンの兄の子なのよ、両親が亡くなった幼いあなたの養父母になるのは当然の事だわ。会ったのはあの時が初めてだったけれど、それでもあなたを厭々引き取ろうと決めたわけでは無いわ」
「お義母様は優しい方だから」
「優しくは無いと思うけれど」
ロニーと一緒に暮らしていても、何せ私は体調不良がずっと続いているようなものなので、あまり親らしいことが出来ているわけではありません。
それでもロニーは、不思議な程私になついている気がします。
遠慮していると分かりますが、それでも何故か私を信用している様なのです。
「優しいです。そうでなければ、正しくない関係だった母の体を綺麗にして、父と同じ棺になんてしてくれた理由が分かりません」
正しくない関係、それを行ったのはリチャードなのかロニーの母親なのか分かりませんが、酷い言い方をしたものです。
でもこれで理由が分かりました。
あの時ロニーが急に物分りが良くなったのは、私がロニーの母親にした行いがあったからなのです。
「ロニー、自分の両親をそんな風に言ってはいけないわ」
「でも、正しくない、許されない。だからこそ僕は罪の子なんです」
「あのね、ロニー。これは私の考えだから他の人がどう思うか分からないけれど」
正しくない関係から、自分が罪の子として生まれたなんてそんな風に思うのは悲しすぎます。
「シード神は確かに夫は妻を、妻は夫だけを愛せと教えているわ」
「はい」
「でもね、あなたが生まれた時、私はあなたのお父様とはまだ結婚していなかったの。二人は正式な夫婦と神殿に認められてはいなかっけれど、愛し合っていたからあなたが生まれたのよ。ここまでは分かるかしら」
背後からタオとメイナのやれやれという空気を感じましたが、私はロニーの心を救いたいのです。
「はい、分かります。両親は愛し合っていたと思います。そして二人は僕の事を愛して可愛がってくれていました。お義父様がディーダやアデライザを抱きしめて、頭を撫でたり頬ずりするような事をされたことはありませんが、それでも二人から 愛された思い出は残っています」
スキンシップは、私の両親も殆どありませんでした。
幼い私がお兄様に抱っこされて本を読んで貰った記憶はあっても、忙しい両親との思い出は幼い頃のはとても少ないのです。
ディーンにいたってはその辺りの経験は皆無だったようですが、私が子供達に接するのを見て同じ様にするようになりました。
ちなみに、ディーンは子供達以上に私にスキンシップしたがるので、多分私が一番頭を撫でられ頬ずりされていると思いますし、私もディーンに負けないように彼を甘やかしまくっています。
私が彼の頭を撫でている時の顔が、可愛いのです。
嬉しそうで照れくさそうで、だからつい彼の膝の上に座りつつ撫でてしまいます。
「あなたはね両親が愛し合って生まれたの。もし罪があるとすればね、それはあなたではなくあなたのお父様よ」
「父、ですか?」
「ええ、あなたのお母様を愛していたのに、勇気が無くて平民になることを決められず、ネルツ侯爵に結婚の許しを願うこともしなかった。そしてあなたとお母様の存在を隠して私と結婚した。それがあなたのお父様の罪」
他にもありますが、とても話せる内容ではありません。
ロニーの母親がリチャードと恋人だったとか、その関係を解消せずにピーターとも付き合った末にロニーが生まれたとか、とても子供に話せるものではありません。
「でも母は、僕は罪の子だって」
「これは私の想像でしかないけど、あなたのお母様は自分がネルツ家に認められるとは思っていなかったのだと思うのよ。だからあなたが自分は貴族だと思わないように、罪の子だと言ったのではないかしら。平民はそんなに厳しくないと聞くから、貴族としては罪だと」
自分でも何を言っているのか、良く分からなくなってきてしまいました。
シード神の教えを基準にすると、どう弁解しようと悪いことになるのです。
「貴族だと幸せになれないとも言っていました。自分達は正しくないから幸せになれないと」
そう 思っていたなら、せめてリチャードとの関係位どうにかして欲しかったですが、既に亡くなっているのですからどうしようもありません。
「あなたのお母様は、そうやって自分を納得させようとしていたのね。自分が正しくないことをしたから幸せになれないのだと」
「自分を納得」
「ええ、平民で奨学生となり学校に通えた位だもの、侯爵家の夫人になるのは難しいと分かっていたのでしょう。だから自分もあなたも、貴族では幸せになれないのだと自分に言い聞かせるしか無かったのでしょうね」
だからと言って、子供に酷い発言をしたことを許せはしませんが。
「言い聞かせる? 僕は罪の子ではないのですか?」
「ええ、違うわ。もしも本当に罪の子だとしたら、私の兄はあなたを引き取ることを許さなかったでしょう。勿論ディーンもね」
「僕がディーダの側に居たいと願い出た時、公爵様とニール様は、僕がディーダを害さず隣に立つに相応しい者になると誓えるなら、ネルツ家に居続けても良いと仰っていました」
それは害だと少しでも思われたら最後という意味でしょうけれど、今それを言う必要はないでしょう。
今必要なのは、悪いのはロニーではないのだと彼自身に自覚して貰う事なのです。
※※※※※※※※
ダニエラ頑張りました。
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