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罪は私だけの罪なのです
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「エミリアさん。放火をして私を排除できると本当に考えたのかしら」
「そ、それは」
「あなたが放火しようとしたのは我が侯爵家の裏門よ。実際に見ているでしょうから理解していると思うけれど敷地は石塀で囲われていて、門は鉄製よ。あなたが攻撃魔法の使い手で石塀を壊し中に入れたのならともかく、普通に生きてきた貴族の令嬢が用意した道具で石塀や鉄製の門に、しかも門番だって控えていた筈。その門番の目を盗み火をつける等出来る筈がないわ。それはあなたが屋敷を見ただけで分かった筈よ」
侯爵家は塀すべてを魔道具を使い侵入者から守っています。
攻撃魔法で石塀を壊しと言いましたが、実際に攻撃魔法を使って塀を壊そうとしてもその魔法が術者に跳ね返る防御魔法が施されています。エミリアさんもその防御魔法に火を放とうとして阻まれて、火傷を負ったと聞いています。
「大きなお屋敷でした。私が門の外で火を放てたとしてもせいぜい石塀を焦がすことが出来た程度かと思います。上手く火を放てたとしても、門から遥かに遠いお屋敷にまで火は届くことは無かったでしょう」
「それを理解していても、火を点けようとしたのね」
「そうしなければいけなかったのです。私が消えて無くならなければフィリップ様をお助けできないと」
エミリアさんが消えないとフィリップ殿下を助けられない?
エミリアさんの告白に、私は思わず宗教画に視線を向けてしまいました。
「どういうこと」
「お願いします。ゾルティーア様、フィリップ殿下ともう一度婚約を結んで下さい。私が愚かだったのです。私が自分の身分を忘れ、フィリップ殿下との未来を無謀にも望んでしまったから悪いのです。フィリップ殿下は優しい方で、だから私を捨てる事が出来なかったのです。私が悪いのです。どうかどうか愚かな私は罪を犯し消えますから、どうかフィリップ殿下をお助け下さい」
「誰に何を言われたの。婚約破棄をしただけでフィリップ殿下に何が起こると」
「フィリップ様は他のご兄弟から疎まれておいでで、昔から、その王太子殿下と第二王子殿下に命を狙われてきたと、フィリップ様とゾルティーア様の婚約は、フィリップ様の命を守る為の物だったけれど、それをフィリップ様はご存じなく婚約の意味を知らなかったのだと」
「誰に言われたの」
「王妃様です。フィリップ様の命を守る為にはゾルティーア様との婚約が必須で、ゾルティーア侯爵家の後ろ盾がなければフィリップ様は命を狙われ続けるだろうと。ゾルティーア様は私が平民に落ちるなら婚約を結び直しても良いと言っているけれど、平民にしたとしても私が生きていたらフィリップ様は私を捨てようとはしないだろうと」
王妃様は魔法ではなく、エミリアさんを騙して放火をさせたのです。
ずっと王妃としてこの国の貴族女性の頂点にいた方ですから、世間知らずの貴族令嬢を騙すこと等息をするよりも簡単だったでしょうが、エミリアさんの思いを利用して彼女に罪を犯させようとしたのは許せることではありません。
「ではエミリアさんは、私を恨んで火を点けようとしたのではなく。自分を消す為にそうしたのね。放火の道具は王妃様が用意したのですね」
「はい。その通りです。ですが私の様な男爵家の娘がフィリップ様との未来を望んだことがそもそもの罪です。私には過ぎた望みだったのです。フィリップ様のお心を一時でも頂けただけで満足していれば良かったのです。フィリップ様の優しさに甘えて望んでしまったのです」
フィリップ様のお心。
その言葉が私の気持ちを刺激しました。
婚約者として長年傍にいて、私が得られなかったものです。
望んでいたのは最初の頃だけで、その後は親しくなることも諦めて努力をする振りをしながら傍にいただけだったと、今の私は分かっています。
私はたった一回の優しい言葉すら掛けられたことは無かったというのに、彼女はフィリップ殿下の優しさに甘えられる扱いをされていたのです。
「あなたはフィリップ殿下の婚約者として傍にいることよりも、フィリップ殿下を守り自分は処刑される未来を選んだというの」
「私はフィリップ様の未来に邪魔にしかなりません。放火という大罪を犯し処刑される私をフィリップ様はすぐにお忘れになるでしょう。そうすればフィリップ様はゾルティーア侯爵家の婿として幸せに暮らせるのだと」
そう王妃様に唆され納得してしまったのでしょう。
フィリップ殿下が望んだ未来は違っていたというのに。
「あなたはフィリップ殿下が第三王子だと知っていて近づいたの?」
「いいえ。愚かな私は第三王子だとは思いもせず、ただ身分を気にしない優しい方なのだと思っていました。信じて頂けないかもしれませんが、私は田舎住みで入学するまでは王都に来たこともなく、王家の皆様の絵姿も見たことがありませんでした。私は下位貴族の組でしたからフィリップ様を校内でお見かけしたこともありませんでした」
校舎も組み分けも爵位により分けられています。
上位貴族と王族の校舎と下位貴族と平民の校舎は分けられており、集会なども一緒には行われません。
上位貴族とそれ以下の授業が基本的に異なることからそうされているのです。
魔力は上位貴族の者達の方が多いことが多く、下位貴族や平民では授業についてこられないことも多いからです。
「だから気が付かなかったというの?」
「はい。ずっと気が付きませんでした。フィリップ様のお噂を聞いてはおりましたが、私の前にいらっしゃるフィリップ様は噂の方とはかけ離れていて、同じ方だとは思えなかったのです」
フィリップ様の噂というは、理不尽な事で癇癪を起して大声を上げる。王子という身分を鼻にかけ尊大な態度を取っているというものが多かったかと思います。
「初めてお会いした時、フィリップ様はとても優しくして下さいました。私が田舎者で皆様と上手く馴染めずにいると話すと無理をすることはないと慰めて下さったのです。友達も出来ず家に帰りたいと落ち込んでいた私は、その言葉に救われました」
「フィリップ殿下が、そう仰ったのですか?」
「はい。自分も色々自信がなくて歯痒い思いをしているが、人は誰もがそうやって己の力の無さや能力の低さに嘆きながら努力をしているのだと思うと励まして下さいました」
それは本当にフィリップ殿下だったのでしょうか。
私の知っている殿下とはあまりに異なりすぎて、私は次の言葉を発するのを忘れエミリアさんをただ見つめていたのです。
「そ、それは」
「あなたが放火しようとしたのは我が侯爵家の裏門よ。実際に見ているでしょうから理解していると思うけれど敷地は石塀で囲われていて、門は鉄製よ。あなたが攻撃魔法の使い手で石塀を壊し中に入れたのならともかく、普通に生きてきた貴族の令嬢が用意した道具で石塀や鉄製の門に、しかも門番だって控えていた筈。その門番の目を盗み火をつける等出来る筈がないわ。それはあなたが屋敷を見ただけで分かった筈よ」
侯爵家は塀すべてを魔道具を使い侵入者から守っています。
攻撃魔法で石塀を壊しと言いましたが、実際に攻撃魔法を使って塀を壊そうとしてもその魔法が術者に跳ね返る防御魔法が施されています。エミリアさんもその防御魔法に火を放とうとして阻まれて、火傷を負ったと聞いています。
「大きなお屋敷でした。私が門の外で火を放てたとしてもせいぜい石塀を焦がすことが出来た程度かと思います。上手く火を放てたとしても、門から遥かに遠いお屋敷にまで火は届くことは無かったでしょう」
「それを理解していても、火を点けようとしたのね」
「そうしなければいけなかったのです。私が消えて無くならなければフィリップ様をお助けできないと」
エミリアさんが消えないとフィリップ殿下を助けられない?
エミリアさんの告白に、私は思わず宗教画に視線を向けてしまいました。
「どういうこと」
「お願いします。ゾルティーア様、フィリップ殿下ともう一度婚約を結んで下さい。私が愚かだったのです。私が自分の身分を忘れ、フィリップ殿下との未来を無謀にも望んでしまったから悪いのです。フィリップ殿下は優しい方で、だから私を捨てる事が出来なかったのです。私が悪いのです。どうかどうか愚かな私は罪を犯し消えますから、どうかフィリップ殿下をお助け下さい」
「誰に何を言われたの。婚約破棄をしただけでフィリップ殿下に何が起こると」
「フィリップ様は他のご兄弟から疎まれておいでで、昔から、その王太子殿下と第二王子殿下に命を狙われてきたと、フィリップ様とゾルティーア様の婚約は、フィリップ様の命を守る為の物だったけれど、それをフィリップ様はご存じなく婚約の意味を知らなかったのだと」
「誰に言われたの」
「王妃様です。フィリップ様の命を守る為にはゾルティーア様との婚約が必須で、ゾルティーア侯爵家の後ろ盾がなければフィリップ様は命を狙われ続けるだろうと。ゾルティーア様は私が平民に落ちるなら婚約を結び直しても良いと言っているけれど、平民にしたとしても私が生きていたらフィリップ様は私を捨てようとはしないだろうと」
王妃様は魔法ではなく、エミリアさんを騙して放火をさせたのです。
ずっと王妃としてこの国の貴族女性の頂点にいた方ですから、世間知らずの貴族令嬢を騙すこと等息をするよりも簡単だったでしょうが、エミリアさんの思いを利用して彼女に罪を犯させようとしたのは許せることではありません。
「ではエミリアさんは、私を恨んで火を点けようとしたのではなく。自分を消す為にそうしたのね。放火の道具は王妃様が用意したのですね」
「はい。その通りです。ですが私の様な男爵家の娘がフィリップ様との未来を望んだことがそもそもの罪です。私には過ぎた望みだったのです。フィリップ様のお心を一時でも頂けただけで満足していれば良かったのです。フィリップ様の優しさに甘えて望んでしまったのです」
フィリップ様のお心。
その言葉が私の気持ちを刺激しました。
婚約者として長年傍にいて、私が得られなかったものです。
望んでいたのは最初の頃だけで、その後は親しくなることも諦めて努力をする振りをしながら傍にいただけだったと、今の私は分かっています。
私はたった一回の優しい言葉すら掛けられたことは無かったというのに、彼女はフィリップ殿下の優しさに甘えられる扱いをされていたのです。
「あなたはフィリップ殿下の婚約者として傍にいることよりも、フィリップ殿下を守り自分は処刑される未来を選んだというの」
「私はフィリップ様の未来に邪魔にしかなりません。放火という大罪を犯し処刑される私をフィリップ様はすぐにお忘れになるでしょう。そうすればフィリップ様はゾルティーア侯爵家の婿として幸せに暮らせるのだと」
そう王妃様に唆され納得してしまったのでしょう。
フィリップ殿下が望んだ未来は違っていたというのに。
「あなたはフィリップ殿下が第三王子だと知っていて近づいたの?」
「いいえ。愚かな私は第三王子だとは思いもせず、ただ身分を気にしない優しい方なのだと思っていました。信じて頂けないかもしれませんが、私は田舎住みで入学するまでは王都に来たこともなく、王家の皆様の絵姿も見たことがありませんでした。私は下位貴族の組でしたからフィリップ様を校内でお見かけしたこともありませんでした」
校舎も組み分けも爵位により分けられています。
上位貴族と王族の校舎と下位貴族と平民の校舎は分けられており、集会なども一緒には行われません。
上位貴族とそれ以下の授業が基本的に異なることからそうされているのです。
魔力は上位貴族の者達の方が多いことが多く、下位貴族や平民では授業についてこられないことも多いからです。
「だから気が付かなかったというの?」
「はい。ずっと気が付きませんでした。フィリップ様のお噂を聞いてはおりましたが、私の前にいらっしゃるフィリップ様は噂の方とはかけ離れていて、同じ方だとは思えなかったのです」
フィリップ様の噂というは、理不尽な事で癇癪を起して大声を上げる。王子という身分を鼻にかけ尊大な態度を取っているというものが多かったかと思います。
「初めてお会いした時、フィリップ様はとても優しくして下さいました。私が田舎者で皆様と上手く馴染めずにいると話すと無理をすることはないと慰めて下さったのです。友達も出来ず家に帰りたいと落ち込んでいた私は、その言葉に救われました」
「フィリップ殿下が、そう仰ったのですか?」
「はい。自分も色々自信がなくて歯痒い思いをしているが、人は誰もがそうやって己の力の無さや能力の低さに嘆きながら努力をしているのだと思うと励まして下さいました」
それは本当にフィリップ殿下だったのでしょうか。
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