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第9章
過去へさかのぼる
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探偵はその中高年が教えてくれた二年前まで橋本しんやの父親と共に一番に信頼をもって働いていた同僚の、サナダという男に会わせてくれた。サナダは橋本しんやの父親の工場の隣の市に住んでいて、その場所の半導体関連の工場で現在は働いているという。
工場の中では比較的に生き生きと作業が進んでいるように見えていて、60人ほどの従業員が働いていた。
「サナちゃん、ごめんな、急に仕事場に来て、
この人が橋本ちゃんのことどうしても聞きたいっていうからさ」
サナダはそこまで汚れていない作業着にタオルを首にかけていた。
「橋本社長の・・」
「すいません、忙しいのに」
2人は少し静かな個室の事務室に入った。
「もしかして、社長戻ってきてないですよね?」
「え?」
「まさか、いまさら戻られてもなって・・」
「すみません、それは聞いてないです」
「そうですよね、すみません、余計なこと言って・・え、じゃあ、あなたは」
「僕はある依頼人から頼まれて、しんやくんのことを」
「しんやくん・・・ああ、社長の息子の・・覚えてますよ」
「ほんとですか」
「ええ、社長が自慢の息子だっていつも言ってましたから、絵描いてたんですよね、確か。よくしんやくんが絵画のコンクールで入賞したとか、絵がすごいうまいんだとか嬉しそうに自慢してましたよ」
」
「おやじさんどうして・・」
「ちょうど、あの時期のしんやくんが亡くなったときの数年ぐらい前から、社長はもう限界だったんですよ、経営自体がうまくいっていなくて、元々大手のメーカーから生産を依頼されていたのだけれど、その元手の会社自体が生産をやめてしまって・・・」
「そうだったんですね」「自分も、社長には若いころから世話になってたから、こんな風になる前になんとか助けれたらって思っていたんです」
部屋を少し見渡すとデスクが一つしかないことに気づいた。
「サナダさん、もしかしてここの社長なんですか・・?」
「社長なんて、そんなおおげさな、 一応ここで嫁さんが一緒にいてくれてるんで、嫁がここの一人娘で」
「そうだったんですか」
「ええ、まあ」
デスクの後ろには写真立が何枚も飾られていた。
「あの、すみません、この写真見てもいいですか?」
「え?ああどうぞ」
「ああ、この写真、しんやくんと社長がうつってますよ」
工場の前で20人ほどのメンバーが一緒に記念撮影をしているかのような写真が置いてあった。
「しんやくんが10歳くらいのときかなあ、社長まだ若いですよね」
「この隣にいる子って・・」
「ああ、この子は社長の再婚相手との連れ子ですよ」
「連れ子、再婚していたんですね」
「ええ、あの当時は工場も経営が波に乗っていたし発注もたくさんあったから、社長も社員もみんな意気がよくて、社長は再婚出来て嬉しそうだったですよ。奥さんもあのころまではね」
「橋本しんやくんの弟さんって今どこにいらっしゃるかわかります?」
「しんやくんの弟だよね、今どうしてるのかな、すごい小さい時しか覚えてないからなあ、あ確かおやっさんと別れた後、奥さんがどっかの近くでスナック経営してるとか耳にしたことがあった気がしたかな」
「ほんとですか」
「ええ、おやっさんの同僚に聞いてみます」
夢の中にいるエレナ。
「この絵どう思う?」
一緒に美術館で絵を見ているエレナとカナタ。
隣にいるカナタを見つめるエレナ。
これは夢?なんで隣にカナタが?
「どうしたの?体調悪い?」
「ううん、全然、すごくいいと思うこの絵、カナタが好きそうな感じする」
カナタは隣のコーナーにある方のギャラリーに移動している。
「・・・・カナタ?」
隣のギャラリーに急いで移動するとそこにはガラスに入れられたオブジェと複数の絵達。
誰もいない、オレンジ色のライトで照らされていて人が誰もいない。エレナは周りをぐるりと見渡す。
なぜ・・・?ここは・・・?どこ・・・?
部屋が一気に暗くなっていく
エレナはベットから緊迫して起き上がる。
額には汗をかいていた。外は外灯が照らした駐車場、今は夜だ。そっか、これは夢だったんだ、と私は気づく。起き上がりカーテンを開けて静かな外を見つめる。なんとなく心にざわつくような何かを感じていた。
工場の中では比較的に生き生きと作業が進んでいるように見えていて、60人ほどの従業員が働いていた。
「サナちゃん、ごめんな、急に仕事場に来て、
この人が橋本ちゃんのことどうしても聞きたいっていうからさ」
サナダはそこまで汚れていない作業着にタオルを首にかけていた。
「橋本社長の・・」
「すいません、忙しいのに」
2人は少し静かな個室の事務室に入った。
「もしかして、社長戻ってきてないですよね?」
「え?」
「まさか、いまさら戻られてもなって・・」
「すみません、それは聞いてないです」
「そうですよね、すみません、余計なこと言って・・え、じゃあ、あなたは」
「僕はある依頼人から頼まれて、しんやくんのことを」
「しんやくん・・・ああ、社長の息子の・・覚えてますよ」
「ほんとですか」
「ええ、社長が自慢の息子だっていつも言ってましたから、絵描いてたんですよね、確か。よくしんやくんが絵画のコンクールで入賞したとか、絵がすごいうまいんだとか嬉しそうに自慢してましたよ」
」
「おやじさんどうして・・」
「ちょうど、あの時期のしんやくんが亡くなったときの数年ぐらい前から、社長はもう限界だったんですよ、経営自体がうまくいっていなくて、元々大手のメーカーから生産を依頼されていたのだけれど、その元手の会社自体が生産をやめてしまって・・・」
「そうだったんですね」「自分も、社長には若いころから世話になってたから、こんな風になる前になんとか助けれたらって思っていたんです」
部屋を少し見渡すとデスクが一つしかないことに気づいた。
「サナダさん、もしかしてここの社長なんですか・・?」
「社長なんて、そんなおおげさな、 一応ここで嫁さんが一緒にいてくれてるんで、嫁がここの一人娘で」
「そうだったんですか」
「ええ、まあ」
デスクの後ろには写真立が何枚も飾られていた。
「あの、すみません、この写真見てもいいですか?」
「え?ああどうぞ」
「ああ、この写真、しんやくんと社長がうつってますよ」
工場の前で20人ほどのメンバーが一緒に記念撮影をしているかのような写真が置いてあった。
「しんやくんが10歳くらいのときかなあ、社長まだ若いですよね」
「この隣にいる子って・・」
「ああ、この子は社長の再婚相手との連れ子ですよ」
「連れ子、再婚していたんですね」
「ええ、あの当時は工場も経営が波に乗っていたし発注もたくさんあったから、社長も社員もみんな意気がよくて、社長は再婚出来て嬉しそうだったですよ。奥さんもあのころまではね」
「橋本しんやくんの弟さんって今どこにいらっしゃるかわかります?」
「しんやくんの弟だよね、今どうしてるのかな、すごい小さい時しか覚えてないからなあ、あ確かおやっさんと別れた後、奥さんがどっかの近くでスナック経営してるとか耳にしたことがあった気がしたかな」
「ほんとですか」
「ええ、おやっさんの同僚に聞いてみます」
夢の中にいるエレナ。
「この絵どう思う?」
一緒に美術館で絵を見ているエレナとカナタ。
隣にいるカナタを見つめるエレナ。
これは夢?なんで隣にカナタが?
「どうしたの?体調悪い?」
「ううん、全然、すごくいいと思うこの絵、カナタが好きそうな感じする」
カナタは隣のコーナーにある方のギャラリーに移動している。
「・・・・カナタ?」
隣のギャラリーに急いで移動するとそこにはガラスに入れられたオブジェと複数の絵達。
誰もいない、オレンジ色のライトで照らされていて人が誰もいない。エレナは周りをぐるりと見渡す。
なぜ・・・?ここは・・・?どこ・・・?
部屋が一気に暗くなっていく
エレナはベットから緊迫して起き上がる。
額には汗をかいていた。外は外灯が照らした駐車場、今は夜だ。そっか、これは夢だったんだ、と私は気づく。起き上がりカーテンを開けて静かな外を見つめる。なんとなく心にざわつくような何かを感じていた。
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