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先生になりました
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勉強を始めて暫くすると、最初は緊張していた子供達もだんだんと私達に打ち解けてきた。
「フローラ先生ー!これはあってる?」
「リュート先生~!これはなんて読むの?」
「チビ先生!ここ難しいよ!」
おいっ!なんで私だけ名前じゃない?
……まあいいか。
「はいはーい、どこですかー?」
子供達が楽しそうに字の勉強をしているのは、とても良い光景ではないですか!
私がウンウンと満足げに頷いていると、
「だからお前も子供だろ」って龍斗さんに頭へチョップされた。
いいんだもん!今日の私は先生(の補佐 )なんだからね!
そんなこんなで初日の勉強時間は無事に終わり、今は子供達と仲良くなる為に教会の中庭で遊んでいる。
「ねえ、これどうやって折るの?」
「これはねえ、ここをこうやって折るんだよ。」
「わあ!すごーい!」
私の周りには紙が散らばっている。
文字の練習をした後の紙を正方形に切って折り紙として再利用してるんだ。
だってこの国、折り紙が無いんだもん。無い物は作るしかないよね?
私はせっせと鶴を折ったり、手裏剣を折ったりして子供達にプレゼントしたり、折り方を教えてあげたりしている。
昔、幼稚園でひたすら折って遊んでた時期があったんだよね。折り方覚えていて良かった。エライぞ、私!!
ふと、視線を感じて顔を上げると、中庭の端の方で例の双子がこっちを見ていた。
女の子の方は興味津々といったように、男の子の方は見るというよりメッチャ睨んでるけどね。
さっきの勉強時間中も双子が部屋に戻って来る事は無くて、どこにいっちゃったのかと思ってたら中庭にいたんだ。
「おーい。一緒にやらない?」
私は正方形に切った紙をヒラヒラさせながら双子に声をかけた。
「え、い、いいの?」
「もちろんだよ~!」
目を輝かせる女の子に私は笑顔で答える。
女の子は嫌がる男の子を半ば強引に引き摺ってこっちに近付いて来た。
地面に直に座り込んでいる私の横まで来ると、紙を受け取って私と向かい合わせに座った。
渋々ながらも女の子の言う通りにしてあげている男の子に苦笑していると、何か言いたそうにしている女の子に気付く。
「どうしたの?」
「い、いいえ、あの、高そうな服でこんな地面に直接座ってたら、汚れちゃうと思って……。」
私の服を指差して恐る恐る言う女の子に私は首を傾げる。
「え?これくらい洗えば落ちるから大丈夫だよ。それに、汚れるのを気にしてたら楽しく遊べないじゃん。」
私がそう言うと、女の子だけじゃなくて男の子まで目を丸くして私を見た。
えー?なんで?
「彩菜ー。それは普通、貴族のご令嬢がする事じゃねえからな。」
少し離れた所で男の子達に紙飛行機を折ってあげている龍斗さんが可笑しそうに笑って言った。
そうか、ヤバイ!
私がお母様の様子をチラッと伺うと、お母様は木陰で神父様とこちらを見て微笑んでいた。
良かった。許してくれてるみたい。
「いつも洗ってくれている人達に感謝しなくてはいけませんよ。」
「はーい。」
本当にそうだよね。帰ったら、家で働いてくれている人達にきちんとお礼を言わないと!
「と、いう訳で大丈夫だったから一緒に遊ぼう。」
仕切り直して2人を見れば、2人はそんな私を見て同時に吹き出して笑った。
おお、さすが双子!……じゃなくて、なんで笑うのさ。男の子なんて、さっきまで私のこと睨んでいたじゃないか。
「お前、面白いな。全然貴族のお嬢様っぽくないじゃん。」
「お前じゃないよ。彩菜だよ。」
私は話しながらせっせと手を動かす。
「アヤナちゃん?」
「ちゃんとかもいらないよ。私の方が年下なんだし。」
「ハハハッ!お前……アヤナは本当に変な奴だな。……俺はテックだ。その……さっきは部屋に行かなくて悪かったな。」
テックは再び笑うと、ちょっと気まずそうに、それでもちゃんと私を見て謝ってくれた。
「私はパルラ!あの、私もごめんなさい!今度からしっかり勉強するから……だからアヤナと一緒に遊んでいい?」
パルラも必死に謝ってくれる。
なんだなんだ、2人ともとっても素直で良い子たちではないか。
私はニッコリ笑って折った鶴を2人の前に差し出した。
「はい、あげる。友達の印だよ。テック、パルラ、これからよろしくね!一緒に遊ぼう!」
鶴を受け取ってくれた2人の顔は真っ赤になって照れていて、私より年上だけどとっても可愛い。
私もお友達が出来て嬉しいよ!!
少し離れた場所でシスターと話している龍斗さんと目が合う。
「ふふっ。アヤナさんは人の心を掴むのがお上手ですね。」
「あ~、彩菜は天然人たらしですから……。」
何話してるのか分からないけど、龍斗さんもシスターと仲良くなったのかな?
ブンブンと大きく手を振ると、龍斗さんは苦笑しながらも手をヒラヒラと振り返してくれた。
私は教会で、双子のお友達をゲットしました。
「フローラ先生ー!これはあってる?」
「リュート先生~!これはなんて読むの?」
「チビ先生!ここ難しいよ!」
おいっ!なんで私だけ名前じゃない?
……まあいいか。
「はいはーい、どこですかー?」
子供達が楽しそうに字の勉強をしているのは、とても良い光景ではないですか!
私がウンウンと満足げに頷いていると、
「だからお前も子供だろ」って龍斗さんに頭へチョップされた。
いいんだもん!今日の私は先生(の補佐 )なんだからね!
そんなこんなで初日の勉強時間は無事に終わり、今は子供達と仲良くなる為に教会の中庭で遊んでいる。
「ねえ、これどうやって折るの?」
「これはねえ、ここをこうやって折るんだよ。」
「わあ!すごーい!」
私の周りには紙が散らばっている。
文字の練習をした後の紙を正方形に切って折り紙として再利用してるんだ。
だってこの国、折り紙が無いんだもん。無い物は作るしかないよね?
私はせっせと鶴を折ったり、手裏剣を折ったりして子供達にプレゼントしたり、折り方を教えてあげたりしている。
昔、幼稚園でひたすら折って遊んでた時期があったんだよね。折り方覚えていて良かった。エライぞ、私!!
ふと、視線を感じて顔を上げると、中庭の端の方で例の双子がこっちを見ていた。
女の子の方は興味津々といったように、男の子の方は見るというよりメッチャ睨んでるけどね。
さっきの勉強時間中も双子が部屋に戻って来る事は無くて、どこにいっちゃったのかと思ってたら中庭にいたんだ。
「おーい。一緒にやらない?」
私は正方形に切った紙をヒラヒラさせながら双子に声をかけた。
「え、い、いいの?」
「もちろんだよ~!」
目を輝かせる女の子に私は笑顔で答える。
女の子は嫌がる男の子を半ば強引に引き摺ってこっちに近付いて来た。
地面に直に座り込んでいる私の横まで来ると、紙を受け取って私と向かい合わせに座った。
渋々ながらも女の子の言う通りにしてあげている男の子に苦笑していると、何か言いたそうにしている女の子に気付く。
「どうしたの?」
「い、いいえ、あの、高そうな服でこんな地面に直接座ってたら、汚れちゃうと思って……。」
私の服を指差して恐る恐る言う女の子に私は首を傾げる。
「え?これくらい洗えば落ちるから大丈夫だよ。それに、汚れるのを気にしてたら楽しく遊べないじゃん。」
私がそう言うと、女の子だけじゃなくて男の子まで目を丸くして私を見た。
えー?なんで?
「彩菜ー。それは普通、貴族のご令嬢がする事じゃねえからな。」
少し離れた所で男の子達に紙飛行機を折ってあげている龍斗さんが可笑しそうに笑って言った。
そうか、ヤバイ!
私がお母様の様子をチラッと伺うと、お母様は木陰で神父様とこちらを見て微笑んでいた。
良かった。許してくれてるみたい。
「いつも洗ってくれている人達に感謝しなくてはいけませんよ。」
「はーい。」
本当にそうだよね。帰ったら、家で働いてくれている人達にきちんとお礼を言わないと!
「と、いう訳で大丈夫だったから一緒に遊ぼう。」
仕切り直して2人を見れば、2人はそんな私を見て同時に吹き出して笑った。
おお、さすが双子!……じゃなくて、なんで笑うのさ。男の子なんて、さっきまで私のこと睨んでいたじゃないか。
「お前、面白いな。全然貴族のお嬢様っぽくないじゃん。」
「お前じゃないよ。彩菜だよ。」
私は話しながらせっせと手を動かす。
「アヤナちゃん?」
「ちゃんとかもいらないよ。私の方が年下なんだし。」
「ハハハッ!お前……アヤナは本当に変な奴だな。……俺はテックだ。その……さっきは部屋に行かなくて悪かったな。」
テックは再び笑うと、ちょっと気まずそうに、それでもちゃんと私を見て謝ってくれた。
「私はパルラ!あの、私もごめんなさい!今度からしっかり勉強するから……だからアヤナと一緒に遊んでいい?」
パルラも必死に謝ってくれる。
なんだなんだ、2人ともとっても素直で良い子たちではないか。
私はニッコリ笑って折った鶴を2人の前に差し出した。
「はい、あげる。友達の印だよ。テック、パルラ、これからよろしくね!一緒に遊ぼう!」
鶴を受け取ってくれた2人の顔は真っ赤になって照れていて、私より年上だけどとっても可愛い。
私もお友達が出来て嬉しいよ!!
少し離れた場所でシスターと話している龍斗さんと目が合う。
「ふふっ。アヤナさんは人の心を掴むのがお上手ですね。」
「あ~、彩菜は天然人たらしですから……。」
何話してるのか分からないけど、龍斗さんもシスターと仲良くなったのかな?
ブンブンと大きく手を振ると、龍斗さんは苦笑しながらも手をヒラヒラと振り返してくれた。
私は教会で、双子のお友達をゲットしました。
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