67 / 73
なんとしてでも 2 〜テック〜
しおりを挟む
アヤナは誰にも渡さない。
そう思っていたのに。
「倒れた!?」
アヤナをお披露目パーティーへエスコートしようと部屋を訪れると、リュートさんが出て来てすぐに扉を閉めてしまった。
「疲れが溜まってだんだろ。パルラが城からいなくなるから、精神的にも堪えていたのかもなぁ。さっき薬を飲んで、今やっと眠ったところだ。悪いけど、このまま寝かせておいてやってほしい。」
困り顔でリュートさんにお願いされてしまえば、俺も駄目とは言えない。
ましてや、倒れたアヤナを無理矢理パーティーに連れて行くなど出来るわけがなかった。
気落ちしてパーティー会場へ向かう途中、ルイスがアヤナを連れていない俺にすぐに気付いて近寄ってきた。
アヤナが倒れてパーティーには参加しない事を伝えると、ルイスは眉間に皺を寄せて少し考えていたが、暫くすると眉間の皺はそのままに俺を怖い顔で見る。
「アヤナ様が不在でも、今夜のパーティーでは婚約を発表いたしましょう。」
「いや、待て。それでは……」
ただでさえアヤナを騙し討ちする形で婚約をしようとしているのだ。
アヤナ不在のパーティーで、しかも本人が体調の悪い時にそれをしてしまえば、たとえ結婚しても仲を修繕するのに、かなりの時間を要するのではないだろうか。
「せめて、体調が回復してからにしよう。」
「……分かりました。今日の発表は見送りましょう。王太子の婚約者がその場にいなくては、少なからず周りの不興も買うでしょうし……。アヤナ様の体調が回復次第、直ぐに発表できる場を用意いたします。」
俺の意見にルイスは少し不満気だったが、段取りを変更してくれるようだった。
しかし、アヤナの体調は数日経っても回復せず、部屋から出られないでいる。
見舞いに部屋へ訪れても、ベッドの上で儚げに微笑むアヤナの姿は弱々しく、見ていて心が痛んだ。
リュートさんは心の問題だと言っていた。
何か、アヤナが少しでも元気になれる方法は無いのか……。
何も解決策が思いつかないまま、窓から城の外に目をやる。
ついこの前あの山へピクニックへ行った時には、あんなに楽しそうに笑い、元気に遊んでいたのに……。
あの花畑でのアヤナの笑顔がまた見たい。
…………そうだ。あそこへもう一度連れて行こう。
そうすれば、きっとまたあの笑顔を見せてくれる筈。
「……お花畑?」
ベッドに横になっているアヤナに、俺は早速提案してみた。
花畑と聞いたアヤナの目が嬉しそうに輝く。
「行く。行きたい!……あ、でも私、今はあの山を登れるくらいの体力がない……。」
「それなら俺が……」
「俺が彩菜を抱えていってやるよ。お前を抱っこするのは昔から慣れてるからな。」
「いいの!?ありがとう、龍斗さん!」
アヤナを連れて行く役目は俺がしたかったけれど……あまり強引に言って困らせてしまうのも、今は良くないよな。
「明日、朝食を食べたら出掛けよう。今日はしっかり休んで、少しでも体調を良くしておいて。」
「うん。ありがとう、テック!」
俺は可愛く笑うアヤナの頭を撫でて部屋を後にした。
翌日、良く晴れた空の下。
山の麓で馬車を降りた俺達は花畑目指して歩いている。
今日は午前中だけ行く予定なのでオベントウは持ってきていない。
ルイスも午前中だけならばと一緒について来た。アヤナの様子も気になるのだろう。
リュートさんに抱えられているアヤナは、久しぶりの外で嬉しいのか、ずっと笑顔で可愛らしい。
しばらく歩くと目の前が開け、前回来た時と同じように美しい花畑が辺り一面に咲き誇っていた。
『ついにきた……。』
アヤナの小さく呟いた声が聞き取れなくて、アヤナを見る。
アヤナは、花畑を見て嬉しいというよりは、何故か感慨深いというような表情をしていた。
「アヤナ?」
「……テック……。」
アヤナは悲しげに眉尻を下げ、そのまま俺に少し微笑む。
それからリュートさんの首に顔を埋めると、スリスリと額を擦り付けた。
リュートさんはアヤナの背中を優しくポンポンと叩くと、それが合図かのようにゆっくりと花畑に向かって歩き出す。
アヤナを抱えたまま花畑を歩くリュートさんは、花畑の中央まで行っても止まらず、どんどん歩み進める。
「おいっ!危ないぞ!」
その先は、前回リュートさんに注意された崖になっていて、俺は堪らず声を掛けた。
それでもリュートさんは止まることなく歩き、崖ギリギリの所まで行くとようやく立ち止まった。
「リュートさん!!」
何を考えているんだ!?
リュートさんは静かに振り返る。
その表情は、今までに見たことの無い、とても冷ややかなものだった。
「それ以上、俺達に近づくんじゃねえぞ。」
その場にいる俺達をギロリと睨み、リュートさんが威嚇してくる。
詰め寄ろうとしたルイスも周りの者達も動けなくなった。
「リュートさん、どうしてこんな事を?何をする気なんだ!?」
俺の問い掛けに、リュートさんは小さく鼻で笑う。
「……どうして?どうしてだと?それは俺達が言いたいセリフだぜ。なあ?」
リュートさんがアヤナの頭を撫でると、アヤナはリュートさんの首からゆっくり顔を上げ、こちらを見た。
「テックとパルラは成人し、パルラも結婚した。もうお前達は十分にこの国の人間だよ。そうだろう?……なのに、なのにどうして俺達は帰れない?」
「リュートさ……」
「彩菜が何も知らないままテックと婚約させられそうなのも、フレイの結婚式を教えてもらえなかったのも、俺達が知らないとでも思っていたのか?」
「!!」
全部知っていたのか!?
俺は自分でも顔が青ざめていくのが分かった。
そんな俺を見て、リュートさんは悲しそうに顔を歪める。
「テック……。お前には、そんな事をされたくなかったよ……。」
「リュートさん……。」
「全ては私の考えで行ったことです。テック様は悪くありません。」
「宰相が首謀者なのはわかってるよ。」
ルイスをギロリと睨み、リュートさんは一歩後ろに下がる。
「だけどな、俺からすれば、ここにいる全員が共犯者なんだよ。なぁ、彩菜はお前達の為に頑張っていただろう?親元を離れて、大好きな奴らとも離れて、お前達の為に頑張っていたんだよ。そんな子に対して、この仕打ちは余りにも酷過ぎるだろ……。」
リュートさんが、また一歩後ろに下がる。
もう、一歩でも下がれば崖から落ちてしまう!!
「リ、リュートさん!!悪かった!謝るから……だから、こっちに戻ってきて!!」
俺は必死に手を伸ばすけど、リュートさんは首を横に振ってそれを拒んだ。
アヤナの目から涙が溢れる。
「もう、彩菜を自由にしてやってくれよ。もし生きていたら、俺達を国に帰してくれよな。」
「分かった!!帰すから!国に帰すから!!っ!!!リュートさんっ!!!」
リュートさんの体が後ろにゆっくりと傾く。
俺は走り出し、必死に2人に向かって手を伸ばした。
どうか間に合ってくれ!!!!!
俺の言葉を聞いて、リュートさんはニッと笑った。
そして……俺の手を掴むことなく、アヤナを抱いたまま、後ろの崖へと落ちていったのだった。
そう思っていたのに。
「倒れた!?」
アヤナをお披露目パーティーへエスコートしようと部屋を訪れると、リュートさんが出て来てすぐに扉を閉めてしまった。
「疲れが溜まってだんだろ。パルラが城からいなくなるから、精神的にも堪えていたのかもなぁ。さっき薬を飲んで、今やっと眠ったところだ。悪いけど、このまま寝かせておいてやってほしい。」
困り顔でリュートさんにお願いされてしまえば、俺も駄目とは言えない。
ましてや、倒れたアヤナを無理矢理パーティーに連れて行くなど出来るわけがなかった。
気落ちしてパーティー会場へ向かう途中、ルイスがアヤナを連れていない俺にすぐに気付いて近寄ってきた。
アヤナが倒れてパーティーには参加しない事を伝えると、ルイスは眉間に皺を寄せて少し考えていたが、暫くすると眉間の皺はそのままに俺を怖い顔で見る。
「アヤナ様が不在でも、今夜のパーティーでは婚約を発表いたしましょう。」
「いや、待て。それでは……」
ただでさえアヤナを騙し討ちする形で婚約をしようとしているのだ。
アヤナ不在のパーティーで、しかも本人が体調の悪い時にそれをしてしまえば、たとえ結婚しても仲を修繕するのに、かなりの時間を要するのではないだろうか。
「せめて、体調が回復してからにしよう。」
「……分かりました。今日の発表は見送りましょう。王太子の婚約者がその場にいなくては、少なからず周りの不興も買うでしょうし……。アヤナ様の体調が回復次第、直ぐに発表できる場を用意いたします。」
俺の意見にルイスは少し不満気だったが、段取りを変更してくれるようだった。
しかし、アヤナの体調は数日経っても回復せず、部屋から出られないでいる。
見舞いに部屋へ訪れても、ベッドの上で儚げに微笑むアヤナの姿は弱々しく、見ていて心が痛んだ。
リュートさんは心の問題だと言っていた。
何か、アヤナが少しでも元気になれる方法は無いのか……。
何も解決策が思いつかないまま、窓から城の外に目をやる。
ついこの前あの山へピクニックへ行った時には、あんなに楽しそうに笑い、元気に遊んでいたのに……。
あの花畑でのアヤナの笑顔がまた見たい。
…………そうだ。あそこへもう一度連れて行こう。
そうすれば、きっとまたあの笑顔を見せてくれる筈。
「……お花畑?」
ベッドに横になっているアヤナに、俺は早速提案してみた。
花畑と聞いたアヤナの目が嬉しそうに輝く。
「行く。行きたい!……あ、でも私、今はあの山を登れるくらいの体力がない……。」
「それなら俺が……」
「俺が彩菜を抱えていってやるよ。お前を抱っこするのは昔から慣れてるからな。」
「いいの!?ありがとう、龍斗さん!」
アヤナを連れて行く役目は俺がしたかったけれど……あまり強引に言って困らせてしまうのも、今は良くないよな。
「明日、朝食を食べたら出掛けよう。今日はしっかり休んで、少しでも体調を良くしておいて。」
「うん。ありがとう、テック!」
俺は可愛く笑うアヤナの頭を撫でて部屋を後にした。
翌日、良く晴れた空の下。
山の麓で馬車を降りた俺達は花畑目指して歩いている。
今日は午前中だけ行く予定なのでオベントウは持ってきていない。
ルイスも午前中だけならばと一緒について来た。アヤナの様子も気になるのだろう。
リュートさんに抱えられているアヤナは、久しぶりの外で嬉しいのか、ずっと笑顔で可愛らしい。
しばらく歩くと目の前が開け、前回来た時と同じように美しい花畑が辺り一面に咲き誇っていた。
『ついにきた……。』
アヤナの小さく呟いた声が聞き取れなくて、アヤナを見る。
アヤナは、花畑を見て嬉しいというよりは、何故か感慨深いというような表情をしていた。
「アヤナ?」
「……テック……。」
アヤナは悲しげに眉尻を下げ、そのまま俺に少し微笑む。
それからリュートさんの首に顔を埋めると、スリスリと額を擦り付けた。
リュートさんはアヤナの背中を優しくポンポンと叩くと、それが合図かのようにゆっくりと花畑に向かって歩き出す。
アヤナを抱えたまま花畑を歩くリュートさんは、花畑の中央まで行っても止まらず、どんどん歩み進める。
「おいっ!危ないぞ!」
その先は、前回リュートさんに注意された崖になっていて、俺は堪らず声を掛けた。
それでもリュートさんは止まることなく歩き、崖ギリギリの所まで行くとようやく立ち止まった。
「リュートさん!!」
何を考えているんだ!?
リュートさんは静かに振り返る。
その表情は、今までに見たことの無い、とても冷ややかなものだった。
「それ以上、俺達に近づくんじゃねえぞ。」
その場にいる俺達をギロリと睨み、リュートさんが威嚇してくる。
詰め寄ろうとしたルイスも周りの者達も動けなくなった。
「リュートさん、どうしてこんな事を?何をする気なんだ!?」
俺の問い掛けに、リュートさんは小さく鼻で笑う。
「……どうして?どうしてだと?それは俺達が言いたいセリフだぜ。なあ?」
リュートさんがアヤナの頭を撫でると、アヤナはリュートさんの首からゆっくり顔を上げ、こちらを見た。
「テックとパルラは成人し、パルラも結婚した。もうお前達は十分にこの国の人間だよ。そうだろう?……なのに、なのにどうして俺達は帰れない?」
「リュートさ……」
「彩菜が何も知らないままテックと婚約させられそうなのも、フレイの結婚式を教えてもらえなかったのも、俺達が知らないとでも思っていたのか?」
「!!」
全部知っていたのか!?
俺は自分でも顔が青ざめていくのが分かった。
そんな俺を見て、リュートさんは悲しそうに顔を歪める。
「テック……。お前には、そんな事をされたくなかったよ……。」
「リュートさん……。」
「全ては私の考えで行ったことです。テック様は悪くありません。」
「宰相が首謀者なのはわかってるよ。」
ルイスをギロリと睨み、リュートさんは一歩後ろに下がる。
「だけどな、俺からすれば、ここにいる全員が共犯者なんだよ。なぁ、彩菜はお前達の為に頑張っていただろう?親元を離れて、大好きな奴らとも離れて、お前達の為に頑張っていたんだよ。そんな子に対して、この仕打ちは余りにも酷過ぎるだろ……。」
リュートさんが、また一歩後ろに下がる。
もう、一歩でも下がれば崖から落ちてしまう!!
「リ、リュートさん!!悪かった!謝るから……だから、こっちに戻ってきて!!」
俺は必死に手を伸ばすけど、リュートさんは首を横に振ってそれを拒んだ。
アヤナの目から涙が溢れる。
「もう、彩菜を自由にしてやってくれよ。もし生きていたら、俺達を国に帰してくれよな。」
「分かった!!帰すから!国に帰すから!!っ!!!リュートさんっ!!!」
リュートさんの体が後ろにゆっくりと傾く。
俺は走り出し、必死に2人に向かって手を伸ばした。
どうか間に合ってくれ!!!!!
俺の言葉を聞いて、リュートさんはニッと笑った。
そして……俺の手を掴むことなく、アヤナを抱いたまま、後ろの崖へと落ちていったのだった。
84
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
騎士団の繕い係
あかね
ファンタジー
クレアは城のお針子だ。そこそこ腕はあると自負しているが、ある日やらかしてしまった。その結果の罰則として針子部屋を出て色々なところの繕い物をすることになった。あちこちをめぐって最終的に行きついたのは騎士団。花形を譲って久しいが消えることもないもの。クレアはそこで繕い物をしている人に出会うのだが。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる