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ルーカスの説明によると、ゲームの始まりはお兄様の婚約者を選ぶパーティーだったそうだ。
その中から選ばれた5人の候補者をお城に長期滞在させ、最終的に一人を選ぶ。
何故候補者が、5人もいるのかというと、オリビア様を亡くしたお兄様が暫くは婚約者なんていらないと渋っていた為に、時間をかけてお兄様を落とす策だったのだろう。
そしてその候補者の中にヒロインが選ばれ、誰かと結ばれるまでがゲーム内容なのだとか。
…………そう、誰か。お兄様の婚約者候補としてお城に滞在しているのにも関わらず、必ずしもお兄様と恋人同士になるとは限らないらしい。……何だそれ。
ヒロインの攻略対象者はお兄様の他に、お兄様付き護衛のオーウェン様、後にお母様と共謀?する為に送られてくるという隣国の第三王子、ヒロインが通う学園の先生と、三人もお兄様以外の攻略対象者がいる。
なんだかストーリーの内容にモヤモヤするモノを感じるけれど前向きに考えてみよう。オリビア様が死んでしまう事件を阻止すれば、そもそもゲームのストーリーが始まらないのではないのか?
婚約者候補としてヒロインがお城にさえ来なければ、お兄様やついでに護衛のオーウェン様との接点はゼロになる。
多分、隣国の第三王子とも。
ヒロイン予定者には申し訳ないけれど、お兄様と関わりの無い所で幸せになって欲しい。
ということで、私とルーカスは全力でお茶会でのお母様の陰謀を阻止する事にしたのだ。
ーーお茶会当日。私は自分の部屋でルーカスと緊張しながら開催時刻を待っていた。
昨夜は緊張のあまり全然眠れなかった。
今も心臓がドキドキしっぱなしで気持ち悪くなってきたし。何かお喋りでもして気を紛らわせないと……。
私は、ルーカスにゲームの話しを聞いていた時にふと疑問に思った事を質問してみる。
「ねえ、ちなみに私とルーカスはゲームの中ではどういった立ち位置だったの?お兄様の味方?それとも、お母様の子だから悪役とか?」
たとえゲームの中であっても、お兄様の味方でありたい。
もし悪役だったなら立ち直れないかも……。
ドキドキしながらルーカスをジッと見つめて答えを待っていると、ルーカスはウットリとした表情で私を見つめ返して微笑んだ。
「今日のお姉様はとっても綺麗だね。まあ、いつも綺麗で可愛いんだけど。……こんなにな綺麗で可愛いお姉様が脇役だったのは悔しいけれど、あまりストーリーには関係ないただのモブだったよ。お姉様も僕も、少ししか出番の無い、ただのモブだったさ。安心した?」
「フフッ。ええ、安心したわ。お兄様を苦しめる悪役じゃなくて本当に良かった。」
パチンとウィンクして戯けて見せるルーカスに笑いながら、ちょっとだけ緊張が解れたような気がした。
「ありがとう、ルーカス。」
「そろそろ行こうか。お姉様、頑張ろうね。」
返事をする代わりに、緊張で少し指先の冷たくなったルーカスの手をギュッと握り手を繋いだ。
ルーカスは一瞬目を瞠ったけれど、震える私の手に気付いてギュッと握り返してくれた。
私の手を引きリードしてくれているルーカスをチラッと見上げる。
ルーカスは少し頬を染めながらも、しっかりと手を繋ぎ私の隣を歩いてくれている。
私はその手の温もりにホッとしつつ、気合いを入れ直してルーカスと2人、お茶会へと続く廊下を歩いたのだった。
その中から選ばれた5人の候補者をお城に長期滞在させ、最終的に一人を選ぶ。
何故候補者が、5人もいるのかというと、オリビア様を亡くしたお兄様が暫くは婚約者なんていらないと渋っていた為に、時間をかけてお兄様を落とす策だったのだろう。
そしてその候補者の中にヒロインが選ばれ、誰かと結ばれるまでがゲーム内容なのだとか。
…………そう、誰か。お兄様の婚約者候補としてお城に滞在しているのにも関わらず、必ずしもお兄様と恋人同士になるとは限らないらしい。……何だそれ。
ヒロインの攻略対象者はお兄様の他に、お兄様付き護衛のオーウェン様、後にお母様と共謀?する為に送られてくるという隣国の第三王子、ヒロインが通う学園の先生と、三人もお兄様以外の攻略対象者がいる。
なんだかストーリーの内容にモヤモヤするモノを感じるけれど前向きに考えてみよう。オリビア様が死んでしまう事件を阻止すれば、そもそもゲームのストーリーが始まらないのではないのか?
婚約者候補としてヒロインがお城にさえ来なければ、お兄様やついでに護衛のオーウェン様との接点はゼロになる。
多分、隣国の第三王子とも。
ヒロイン予定者には申し訳ないけれど、お兄様と関わりの無い所で幸せになって欲しい。
ということで、私とルーカスは全力でお茶会でのお母様の陰謀を阻止する事にしたのだ。
ーーお茶会当日。私は自分の部屋でルーカスと緊張しながら開催時刻を待っていた。
昨夜は緊張のあまり全然眠れなかった。
今も心臓がドキドキしっぱなしで気持ち悪くなってきたし。何かお喋りでもして気を紛らわせないと……。
私は、ルーカスにゲームの話しを聞いていた時にふと疑問に思った事を質問してみる。
「ねえ、ちなみに私とルーカスはゲームの中ではどういった立ち位置だったの?お兄様の味方?それとも、お母様の子だから悪役とか?」
たとえゲームの中であっても、お兄様の味方でありたい。
もし悪役だったなら立ち直れないかも……。
ドキドキしながらルーカスをジッと見つめて答えを待っていると、ルーカスはウットリとした表情で私を見つめ返して微笑んだ。
「今日のお姉様はとっても綺麗だね。まあ、いつも綺麗で可愛いんだけど。……こんなにな綺麗で可愛いお姉様が脇役だったのは悔しいけれど、あまりストーリーには関係ないただのモブだったよ。お姉様も僕も、少ししか出番の無い、ただのモブだったさ。安心した?」
「フフッ。ええ、安心したわ。お兄様を苦しめる悪役じゃなくて本当に良かった。」
パチンとウィンクして戯けて見せるルーカスに笑いながら、ちょっとだけ緊張が解れたような気がした。
「ありがとう、ルーカス。」
「そろそろ行こうか。お姉様、頑張ろうね。」
返事をする代わりに、緊張で少し指先の冷たくなったルーカスの手をギュッと握り手を繋いだ。
ルーカスは一瞬目を瞠ったけれど、震える私の手に気付いてギュッと握り返してくれた。
私の手を引きリードしてくれているルーカスをチラッと見上げる。
ルーカスは少し頬を染めながらも、しっかりと手を繋ぎ私の隣を歩いてくれている。
私はその手の温もりにホッとしつつ、気合いを入れ直してルーカスと2人、お茶会へと続く廊下を歩いたのだった。
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