侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里

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おもてなしには時間をかけちゃ駄目だった

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べっこう飴はセディにも好評だった。


シンプルなのに、みんなから好かれるべっこう飴。最強だね!


作っている間、作業小屋の外で待っていてくれた護衛の2人にもあげたら、驚いていたけど喜んでくれた。


「で?セディはどの兄様のお友達なの?セディが会いに来たよって言いに行ってあげる!」

作業小屋を出て、屋敷へ向かおうとすると、セディが首を横に振って私を止めた。

「ごめんね。せっかくここまで案内してもらったけれど、やっぱり会うのはやめておくよ。……急遽こちらに寄らせてもらったから、あまり時間が無くなってしまって。また改めてお邪魔させてもらうよ。」

「え?もしかして……っていうか、もしかしなくても、それって私が原因だよね……。」


なんてこった!!
おもてなしをしなくてはと張り切り過ぎた結果、客人をタイムオーバーさせちゃうなんて……。これじゃあ、兄様達の妹失格だよ。

シュンとする私の頭を、セディがポンポンと撫でてくれた。

「エリーヌのせいじゃないよ。僕が突然来ちゃったのがいけなかったんだから。それに、エリーヌのおかげでとても楽しかったしね。ありがとう。」

にっこりと微笑んでくれるセディの瞳をジッと見つめる。

「な、何?」

私はセディを動揺させちゃうくらい見つめていたようだ。
でもね、セディのエメラルドグリーンの瞳って、なんだかとっても……。

「アーク兄様みたい。」

「え?」

「セディの瞳、アーク兄様の瞳の色と同じなの。なんだか兄様みたいで安心するなぁ。」

「……兄様……。」

私がニコニコ嬉しそうにしていると、セディはハァーと深い溜息を吐いた。

「兄様ね……まあ、今はそれでいいか。」


うん?私の兄では不満ですか?

私が首を傾げるのを見て、セディはクスクスと笑っている。

「僕がここに来たことは、エリーヌの家族には秘密にしてくれないかな?幸い、お爺ちゃんにしか姿を見られていないし。侯爵家の方々に挨拶しないで帰ったと知れたら、僕も怒られてしまうからね。」


口に人差し指を当て「内緒だよ」と、微笑むセディ。
その姿が8歳にしては凄く綺麗で、ちょっとドキドキしてしまう。

美少年がする仕草は、本人は何気なくしていても、カッコ良過ぎていちいち心臓に悪いんだね!勉強になります!!


「また、日を改めて来させてもらうよ。今度は時間がある時に、ゆっくりと会えるといいな。」

「うん、分かった。2人だけの……違った!お爺ちゃんと、3人だけの秘密ね!絶対また遊びに来てよ?約束だからね?」

手をギュッと握って指切りをすれば、セディは頬を赤らめて嬉しそうに頷いてくれた。


「またね!」と、手を振って颯爽と帰って行くセディは、立ち去り方までイケてる美少年でした。…………ハァ、萌える。


「……しまった。どの兄様のお友達か聞き忘れた。」

「別にいいんじゃないか?秘密だって言ってたし。また来るんだろ。」

「うん、そうだね。」


自分の部屋へ戻る途中で、クロが私の首に巻き付いたままボソッと呟く。

「…………俺は秘密のメンバーに入れてもらえなかった。」


やだー!!クロが拗ねてる!!超可愛いんですけどー!!


「んもうっ、クロったら!私達は一心同体でしょ。拗ねないのっ!」

「そ、そうか?ハハッ!一心同体ならしょうがないなっ!」


私の一心同体発言で、途端に上機嫌になるクロ。……チョロい。

クロがチョロくて、可愛過ぎる。




襟巻きクロにスリスリと頬擦りをしながら、私は自分の部屋へと戻ったのだった。









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