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第51話 マナの森③
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王国に二つのみ存在する国立ギルド、その一つ――『女王の盾』。
このギルドは、戦闘要員を持たない、治療専門の特殊ギルドである。
周辺に魔物が多く生息するこの国は、その討伐と同様に、治療施設にも力を入れている。
国のあちこちには診療所が建てられており、費用も一部国が負担してくれるため、いつでもどこでも格安で治療を受けられるのだ。
常に危険と隣り合わせな『冒険者』という職業が成り立つのは、この体制のおかげと言っても過言ではない。
これらの施設は『王国治療院』という国営組織によって運営されていたのだが、これがギルドランク制の設立と共にギルド化されたのが、クインシールドである。
ギルド化の理由は、クエストにおけるギルドとの連携を円滑化するため――と、表向きには知らされているが、実際は政治的な目的の方が大きい。
ギルド活動と切っても切れない治療施設をSランクギルドとすることで、国立ギルドの存在を認めざるを得なくすると共に、『ギルドランクは単純な強さではなく、危機管理能力に重きを置いたものである』と示そうとしたのだ。
もっとも、結果としてはこの目論見は外れ、ギルドの暴動を引き起こす要因の一つとなってしまったのだが――。
「さて、それで?」
ギルドマスターとしての自己紹介を終えたのち、レイナは恐縮するエトたち三人のもとへ歩み寄ると、スゥの前で腰をかがめた。
「先ほど触診した結果からすると、この娘達に魔力の乱れはない。種族による差はあるが、おおむね健康体だ。となると、こっちの木箱が要件と見るべきか。」
レイナは木箱にそっと触れながら、横目でこちらの表情を覗いた。
「さてはて、これはなんだい?」
ロルフは、やれやれと頭を振った。
先ほどの悪戯のような接触で、健康状態まで読み取れるとは。相変わらず恐ろしいやつだ。
……もっとも、半分は実際に悪戯なのだろうが。
「大方、見当はついてると思うが……スゥ、箱の蓋を開けてくれないか。」
「わ、わかったのだ。」
スゥはこくりと頷き、箱を慎重に床に置くと、風呂敷をほどいて、ゆっくり蓋を持ち上げた。
中では、シロが静かに寝息を立てていた。
それを見たレイナは、ほう、と短く声を漏らした。
「なにかしらの動物だろうとは思っていたが、白い子竜とは……。また、ずいぶんと珍しいものを連れてきたね。」
そう言って、いくつかの角度からシロを観察する。
その様子を、エトとリーシャも心配そうに覗き込んだ。
「ギルドハウスで飼っていた竜なんだが、風邪を引いてしまったようでな。おそらく、その影響で……魔法が、暴発するようになってしまったんだ。」
「ふむ……魔法――」
そこまで聞いて、レイナはぴくりと肩を震わせた。
そしてしばらく静止したかと思うと、今度は噛みつかんばかりの勢いで、ロルフの方へと詰め寄った。
「魔法が使えるだって?! そんな希少な例、どうして今まで連れてこなかった! 私なら健康の維持はもちろん、どれほどの研究できたか!!」
これに対しロルフは、溜息をつきつつ、近すぎる頭を手で押し返した。
「簡潔に説明してやろう。お前が今最後に言ったうち、一つ目が今連れてきた理由で、二つ目が今まで連れてこなかった理由だ。」
「なんだとーっ?!」
厳密に言うと、実はレイナは治癒術師ではない。
驚くべきことに、魔力学と生物学の研究を極めた結果、副産物的に治癒魔法が使えるようになってしまったらしいのだ。
それも、本業よりずいぶん高精度なものを。
こいつはそんなあべこべが起こるほどの研究好きであり、興味深いものには我を忘れる節がある。
つまるところ、天才研究馬鹿なのだ。
もっとも、その研究成果により現代の治癒魔法はだいぶ進歩したそうで、あまり無下にも出来ないのだが……。
「あ、あのっ! それでシロちゃんは、大丈夫なんですか……?」
「そ、そうよ、早く診察を……!」
「む。」
待ちかねたように、エトとリーシャが口を挟んだ。
それに反応して、レイナはロルフへの口をぴたりと止め、シロのほうへと向き直った。
その表情は、先ほどとは打って変わって、患者を前にした治癒術師の顔になっていた。
「まあ、それほど心配する事はない。暴発で魔力を全て使ってしまうほど、魔物は弱い生き物ではないよ。」
「あ……」
三人は顔を見合わせ、ほっと息をついた。
そのままレイナは箱の前にかがみこむと、寝ているシロの背中に、手の甲をそっと押しあてた。
ロルフにはその時、レイナの表情が一瞬だけ、曇ったような気がした。
「……まあ、とにかく奥で詳しく診てみよう。スゥと言ったね、部屋までこの子を運んでくれるかい?」
「合点承知なのだ!」
スゥが慎重に木箱を持ち上げるのを確認して、レイナは廊下の奥へと足を進めた。
「……さて、ここだ。」
しばらく廊下を進んだ突き当りの部屋で、レイナは足を止めた。
扉が開くと、そこは様々な器具や薬品が所狭しと並べられている、治療室というよりは実験室のような部屋だった。
どこかひやりとしたその空気に、否が応でも緊張してしまう。
と、その中に、一人の少女が立っているのが見えた。
「あ……マスター。まだ部屋の清掃が、終わっていないのですが……」
後ろで一つくくりにした黒い長髪と、琥珀色の瞳。
髪の間からちらりと見える尖った耳は、一見するとエルフのようだが、やや下向きに垂れている。これは混血種、ハーフエルフの特徴だ。
レイナはその少女に対し、何かを言おうとしたが、意外にも先に口を開いたのは、エトだった。
「あれっ、マイア……ちゃん……?!」
「えっ……? エト……?」
マイアと呼ばれたその少女は、琥珀色の目を見開いた。
このギルドは、戦闘要員を持たない、治療専門の特殊ギルドである。
周辺に魔物が多く生息するこの国は、その討伐と同様に、治療施設にも力を入れている。
国のあちこちには診療所が建てられており、費用も一部国が負担してくれるため、いつでもどこでも格安で治療を受けられるのだ。
常に危険と隣り合わせな『冒険者』という職業が成り立つのは、この体制のおかげと言っても過言ではない。
これらの施設は『王国治療院』という国営組織によって運営されていたのだが、これがギルドランク制の設立と共にギルド化されたのが、クインシールドである。
ギルド化の理由は、クエストにおけるギルドとの連携を円滑化するため――と、表向きには知らされているが、実際は政治的な目的の方が大きい。
ギルド活動と切っても切れない治療施設をSランクギルドとすることで、国立ギルドの存在を認めざるを得なくすると共に、『ギルドランクは単純な強さではなく、危機管理能力に重きを置いたものである』と示そうとしたのだ。
もっとも、結果としてはこの目論見は外れ、ギルドの暴動を引き起こす要因の一つとなってしまったのだが――。
「さて、それで?」
ギルドマスターとしての自己紹介を終えたのち、レイナは恐縮するエトたち三人のもとへ歩み寄ると、スゥの前で腰をかがめた。
「先ほど触診した結果からすると、この娘達に魔力の乱れはない。種族による差はあるが、おおむね健康体だ。となると、こっちの木箱が要件と見るべきか。」
レイナは木箱にそっと触れながら、横目でこちらの表情を覗いた。
「さてはて、これはなんだい?」
ロルフは、やれやれと頭を振った。
先ほどの悪戯のような接触で、健康状態まで読み取れるとは。相変わらず恐ろしいやつだ。
……もっとも、半分は実際に悪戯なのだろうが。
「大方、見当はついてると思うが……スゥ、箱の蓋を開けてくれないか。」
「わ、わかったのだ。」
スゥはこくりと頷き、箱を慎重に床に置くと、風呂敷をほどいて、ゆっくり蓋を持ち上げた。
中では、シロが静かに寝息を立てていた。
それを見たレイナは、ほう、と短く声を漏らした。
「なにかしらの動物だろうとは思っていたが、白い子竜とは……。また、ずいぶんと珍しいものを連れてきたね。」
そう言って、いくつかの角度からシロを観察する。
その様子を、エトとリーシャも心配そうに覗き込んだ。
「ギルドハウスで飼っていた竜なんだが、風邪を引いてしまったようでな。おそらく、その影響で……魔法が、暴発するようになってしまったんだ。」
「ふむ……魔法――」
そこまで聞いて、レイナはぴくりと肩を震わせた。
そしてしばらく静止したかと思うと、今度は噛みつかんばかりの勢いで、ロルフの方へと詰め寄った。
「魔法が使えるだって?! そんな希少な例、どうして今まで連れてこなかった! 私なら健康の維持はもちろん、どれほどの研究できたか!!」
これに対しロルフは、溜息をつきつつ、近すぎる頭を手で押し返した。
「簡潔に説明してやろう。お前が今最後に言ったうち、一つ目が今連れてきた理由で、二つ目が今まで連れてこなかった理由だ。」
「なんだとーっ?!」
厳密に言うと、実はレイナは治癒術師ではない。
驚くべきことに、魔力学と生物学の研究を極めた結果、副産物的に治癒魔法が使えるようになってしまったらしいのだ。
それも、本業よりずいぶん高精度なものを。
こいつはそんなあべこべが起こるほどの研究好きであり、興味深いものには我を忘れる節がある。
つまるところ、天才研究馬鹿なのだ。
もっとも、その研究成果により現代の治癒魔法はだいぶ進歩したそうで、あまり無下にも出来ないのだが……。
「あ、あのっ! それでシロちゃんは、大丈夫なんですか……?」
「そ、そうよ、早く診察を……!」
「む。」
待ちかねたように、エトとリーシャが口を挟んだ。
それに反応して、レイナはロルフへの口をぴたりと止め、シロのほうへと向き直った。
その表情は、先ほどとは打って変わって、患者を前にした治癒術師の顔になっていた。
「まあ、それほど心配する事はない。暴発で魔力を全て使ってしまうほど、魔物は弱い生き物ではないよ。」
「あ……」
三人は顔を見合わせ、ほっと息をついた。
そのままレイナは箱の前にかがみこむと、寝ているシロの背中に、手の甲をそっと押しあてた。
ロルフにはその時、レイナの表情が一瞬だけ、曇ったような気がした。
「……まあ、とにかく奥で詳しく診てみよう。スゥと言ったね、部屋までこの子を運んでくれるかい?」
「合点承知なのだ!」
スゥが慎重に木箱を持ち上げるのを確認して、レイナは廊下の奥へと足を進めた。
「……さて、ここだ。」
しばらく廊下を進んだ突き当りの部屋で、レイナは足を止めた。
扉が開くと、そこは様々な器具や薬品が所狭しと並べられている、治療室というよりは実験室のような部屋だった。
どこかひやりとしたその空気に、否が応でも緊張してしまう。
と、その中に、一人の少女が立っているのが見えた。
「あ……マスター。まだ部屋の清掃が、終わっていないのですが……」
後ろで一つくくりにした黒い長髪と、琥珀色の瞳。
髪の間からちらりと見える尖った耳は、一見するとエルフのようだが、やや下向きに垂れている。これは混血種、ハーフエルフの特徴だ。
レイナはその少女に対し、何かを言おうとしたが、意外にも先に口を開いたのは、エトだった。
「あれっ、マイア……ちゃん……?!」
「えっ……? エト……?」
マイアと呼ばれたその少女は、琥珀色の目を見開いた。
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