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第52話 マナの森④
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「エトは……どうして、冒険者になりたいのですか?」
「え、どうしたの、急に。」
「……なんとなく、ですよ。」
先を歩いていたマイアは、目を合わせずに、そう応えた。
エトは少し考えて、自嘲気味に笑った。
「うーん……大した理由じゃないよ。私はほら、魔法が使えないから。冒険者になって、怪我する前に助けちゃおう! ……とか。」
実際、そこまで深く考えていたわけでは無かった。
でも、言葉に嘘はない。自分にできることを、精一杯やりたかったのだ。
「……いいですね。」
「あ、あはは。ちょっと、調子に乗りすぎかもだけど――」
「エト。」
「え……?」
振り返ったマイアは、なぜかとても、寂しそうな笑顔をしていた。
「エトなら絶対、なれるのですよ。」
それが、マイアとの、最後の会話。
次の日、彼女は、里からいなくなっていた。
もっと高度な魔法技術を学ぶために、家族と共に王都へ引っ越したのだそうだ。
友達には誰一人伝えていなかったらしく、皆でひどく驚いたのを覚えている。
何故、何も言わずに行ってしまったのか。
何故、最後にあんなことを聞いたのか。
ずっと、気になっていた。
+++
「なんだ、エト、知り合いなのか?」
「あ……はい、同郷の友達というか、幼馴染というか……」
「……」
マイアと呼ばれた少女は、目を逸らしながら、小さく首を縦に振った。
「……ふむ。奇妙な巡り合わせもあるものだね。」
レイナはそう言うと、少し考える仕草をしたのち、「ああ、そうだ」と手を鳴らした。
「マイア、マナの花の蜜を取ってきてくれないか? 患者に魔力欠乏症の可能性があってね。」
そう言ってシロを指差す。
それを見て、マイアは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに表情を戻した。こういったことは、ここでは珍しくないのだろう。
「マナの花の蜜なら、薬品庫にストックがあったはずですが……」
「あー……、趣味の実験に興が乗ってしまってね。使い切った。」
「……」
マイアのじとりと睨む視線から逃れるように、レイナはロルフへ視線を移した。
「とは言え、森の中は魔物も出る。できれば護衛を付けたいところだが、あいにくこのギルドには戦力が少なくてね。」
ロルフは、やれやれと溜息をついた。
クインシールドの拠点がこんな場所にあるのは、空気中の魔力、『マナ』の濃度が濃いためである。
こういった場所は魔法の効果が出やすいため、様々な魔法実験に適しているのだ。
また、マナの濃い場所でしか育たない、貴重な薬草も多く自生している。治癒魔法の研究には、うってつけの場所というわけだ。
とはいえ、魔物が多いこの森は、治癒術師だけで探索するのは危険な場所だ。
まあ正直、レイナが同行すれば問題無いだろうが、一応彼女も多忙の身。たまに護衛クエストを出していたりするのを見ることもある。
ようは治療の代わりに、その辺りを手伝えということだ。
まったく、回りくどい言い方をする。
「エト、リーシャ、スゥ。彼女の素材採取に、護衛として同行してくれないか。」
「あ、はい!」
「……わかったわ。」
「了解なのだ!」
「……っ。」
三人は快く引き受けてくれたが、一方でマイアは少し動揺し、視線を床に落とした。
その仕草には少し違和感を感じるが、レイナは気にせず言葉を重ねた。
「この子の治療のためだ。頼めるね? マイア。」
「……わかり、ました……」
マイアはそれだけ言うと、エトたちの横をすり抜けるように部屋を出ていった。
「あっ、マイアちゃん……!」
スゥはすぐに、リーシャとエトはレイナに一礼してから、そのあとを追いかけた。
廊下の向こうに三人の姿が見えなくなるのを確認してから、ロルフはレイナに向き直った。
「それで、本当のところ、どうなんだ。」
「難しい状態だな。」
レイナは治療の準備にとりかかりながら、きっぱりとそう答えた。
心臓が高鳴る。
レイナがすぐに把握できない症状というのは、それほど多くはない。
『詳しく診てみる』と言った時点で、ある程度覚悟はしていたのだ。
それでも、やはり言葉にされると、冷静に受け止めるのは難しい。
だが、ロルフを真に動揺させたのは、その次の一言だった。
「しかし、実験動物なんて、一体どこから保護してきたんだ。珍しい生物は歓迎だが、厄介ごとはごめんだぞ。」
「……なんだって?」
予想外の言葉に、思わず声が上ずる。
実験動物? 厄介ごと?
そのロルフの反応を受けて、レイナは怪訝な顔で振り向いた。
「おいおい、まさかキミともあろうものが、気づかずに連れてきたのか?」
「……?」
何も答えられずにいると、レイナは薬品棚からいくつかのビンを取り出し、こちらへ向き直った。
「この子には、何かしらの魔導回路が埋め込まれている。この不調の原因は、人為的なものだ。」
「な……っ?!」
ロルフは驚愕の表情で、再びシロに視線を落とした。
黒竜の可能性、屋敷の封印、遺跡の出来事――様々な考えが、脳裏を巡る。
しかしそのどれにも、答えは出ない。
いくら考えても、頭の中は混乱するばかりだ。
そんなロルフの胸を、レイナが小突くように叩いた。
「しっかりしろ。キミの力がいると言っているんだぞ。」
「あ……ああ。」
そうだ。原因を探るのは、今でなくても良い。
そして、今やるべきことは、目の前にある。
ロルフは頬を叩き、気持ちを入れ替えた。
その様子を見て、レイナは小さく笑った。
「フフ。奇しくも、治癒魔法の第一人者と、魔導回路の第一人者が揃っているんだ。これ以上の条件もあるまい。」
レイナは手慣れた動きで白い手袋を身に着けると、こちらにも同じものを投げた。
ロルフがそれをつかみ取ると、彼女は満足げに頷いた。
「さて、久しぶりの共同作業といこうか、ロルフ。」
「え、どうしたの、急に。」
「……なんとなく、ですよ。」
先を歩いていたマイアは、目を合わせずに、そう応えた。
エトは少し考えて、自嘲気味に笑った。
「うーん……大した理由じゃないよ。私はほら、魔法が使えないから。冒険者になって、怪我する前に助けちゃおう! ……とか。」
実際、そこまで深く考えていたわけでは無かった。
でも、言葉に嘘はない。自分にできることを、精一杯やりたかったのだ。
「……いいですね。」
「あ、あはは。ちょっと、調子に乗りすぎかもだけど――」
「エト。」
「え……?」
振り返ったマイアは、なぜかとても、寂しそうな笑顔をしていた。
「エトなら絶対、なれるのですよ。」
それが、マイアとの、最後の会話。
次の日、彼女は、里からいなくなっていた。
もっと高度な魔法技術を学ぶために、家族と共に王都へ引っ越したのだそうだ。
友達には誰一人伝えていなかったらしく、皆でひどく驚いたのを覚えている。
何故、何も言わずに行ってしまったのか。
何故、最後にあんなことを聞いたのか。
ずっと、気になっていた。
+++
「なんだ、エト、知り合いなのか?」
「あ……はい、同郷の友達というか、幼馴染というか……」
「……」
マイアと呼ばれた少女は、目を逸らしながら、小さく首を縦に振った。
「……ふむ。奇妙な巡り合わせもあるものだね。」
レイナはそう言うと、少し考える仕草をしたのち、「ああ、そうだ」と手を鳴らした。
「マイア、マナの花の蜜を取ってきてくれないか? 患者に魔力欠乏症の可能性があってね。」
そう言ってシロを指差す。
それを見て、マイアは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに表情を戻した。こういったことは、ここでは珍しくないのだろう。
「マナの花の蜜なら、薬品庫にストックがあったはずですが……」
「あー……、趣味の実験に興が乗ってしまってね。使い切った。」
「……」
マイアのじとりと睨む視線から逃れるように、レイナはロルフへ視線を移した。
「とは言え、森の中は魔物も出る。できれば護衛を付けたいところだが、あいにくこのギルドには戦力が少なくてね。」
ロルフは、やれやれと溜息をついた。
クインシールドの拠点がこんな場所にあるのは、空気中の魔力、『マナ』の濃度が濃いためである。
こういった場所は魔法の効果が出やすいため、様々な魔法実験に適しているのだ。
また、マナの濃い場所でしか育たない、貴重な薬草も多く自生している。治癒魔法の研究には、うってつけの場所というわけだ。
とはいえ、魔物が多いこの森は、治癒術師だけで探索するのは危険な場所だ。
まあ正直、レイナが同行すれば問題無いだろうが、一応彼女も多忙の身。たまに護衛クエストを出していたりするのを見ることもある。
ようは治療の代わりに、その辺りを手伝えということだ。
まったく、回りくどい言い方をする。
「エト、リーシャ、スゥ。彼女の素材採取に、護衛として同行してくれないか。」
「あ、はい!」
「……わかったわ。」
「了解なのだ!」
「……っ。」
三人は快く引き受けてくれたが、一方でマイアは少し動揺し、視線を床に落とした。
その仕草には少し違和感を感じるが、レイナは気にせず言葉を重ねた。
「この子の治療のためだ。頼めるね? マイア。」
「……わかり、ました……」
マイアはそれだけ言うと、エトたちの横をすり抜けるように部屋を出ていった。
「あっ、マイアちゃん……!」
スゥはすぐに、リーシャとエトはレイナに一礼してから、そのあとを追いかけた。
廊下の向こうに三人の姿が見えなくなるのを確認してから、ロルフはレイナに向き直った。
「それで、本当のところ、どうなんだ。」
「難しい状態だな。」
レイナは治療の準備にとりかかりながら、きっぱりとそう答えた。
心臓が高鳴る。
レイナがすぐに把握できない症状というのは、それほど多くはない。
『詳しく診てみる』と言った時点で、ある程度覚悟はしていたのだ。
それでも、やはり言葉にされると、冷静に受け止めるのは難しい。
だが、ロルフを真に動揺させたのは、その次の一言だった。
「しかし、実験動物なんて、一体どこから保護してきたんだ。珍しい生物は歓迎だが、厄介ごとはごめんだぞ。」
「……なんだって?」
予想外の言葉に、思わず声が上ずる。
実験動物? 厄介ごと?
そのロルフの反応を受けて、レイナは怪訝な顔で振り向いた。
「おいおい、まさかキミともあろうものが、気づかずに連れてきたのか?」
「……?」
何も答えられずにいると、レイナは薬品棚からいくつかのビンを取り出し、こちらへ向き直った。
「この子には、何かしらの魔導回路が埋め込まれている。この不調の原因は、人為的なものだ。」
「な……っ?!」
ロルフは驚愕の表情で、再びシロに視線を落とした。
黒竜の可能性、屋敷の封印、遺跡の出来事――様々な考えが、脳裏を巡る。
しかしそのどれにも、答えは出ない。
いくら考えても、頭の中は混乱するばかりだ。
そんなロルフの胸を、レイナが小突くように叩いた。
「しっかりしろ。キミの力がいると言っているんだぞ。」
「あ……ああ。」
そうだ。原因を探るのは、今でなくても良い。
そして、今やるべきことは、目の前にある。
ロルフは頬を叩き、気持ちを入れ替えた。
その様子を見て、レイナは小さく笑った。
「フフ。奇しくも、治癒魔法の第一人者と、魔導回路の第一人者が揃っているんだ。これ以上の条件もあるまい。」
レイナは手慣れた動きで白い手袋を身に着けると、こちらにも同じものを投げた。
ロルフがそれをつかみ取ると、彼女は満足げに頷いた。
「さて、久しぶりの共同作業といこうか、ロルフ。」
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