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第61話 最初の約束
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「これは……驚いたな……」
「……ふむ、大したものだね。」
ロルフとレイナの前には、見たことのない黒い魔物が横たわっていた。
エトたちから、『魔法を使う魔物を撃退した』という報告を聞いたのは、昨日のこと。
その時点では、彼女たちの体力の消費が激しく、日も暮れそうだったため、詳しい確認は翌日に持ち越すことにした。
すぐに現地調査を――と飛び出そうとするレイナを止めるのは大変だったが、ともかく一晩はギルドハウスに泊めてもらい、今日改めてマナの森を訪れたのだ。
しばらく魔物やその周囲を見回った後、レイナはこちらに懐疑的な視線を向けた。
「確認だが、キミのとこのギルド、本当にBランクなんだろうね?」
「はは……その気持ちは、わからんでもない。」
ロルフはそれに苦笑で返した。
「うちのギルドメンバーは、いろいろと規格外なもんでね。」
ロルフやレイナほどの観察眼を持っていれば、魔物自体の大きさや、周囲に残る焦げ跡などの魔法の痕跡を見れば、どれほどの強さの魔物なのかは想像がつく。
それほどの強敵に加えて、この足場と視界の悪さ。普通に考えれば、Bランクでどうにかなるとは到底思えない。
しかし、それをどうにかしてしまうのが、彼女たちなのだ。
溜息はでるが、もはや目を疑いはしない。
「ふぅん……病的に慎重なキミに、そうも言わせるとはね。興味深いことだ。」
「おい。病的は余計だ。」
「キュッキュキューイ!!」
そんな最中、ロルフとレイナの間に、つむじ風のようにシロが舞い込んできた。
「ああっ、邪魔しちゃだめだよ、シロちゃん!」
「にゃはは、シロ助、すっかり完全復活なのだ。」
それを追って、エトとスゥ、そして一足遅れて、リーシャとマイアも駆け寄ってくる。
「おっと、はは、ずいぶん元気になったな。」
「うむ。経過良好、なによりだね。」
「キュイ!」
シロはふわりと舞い上がると、エトの腕の中に滑り込んだ。
まるで、ここが自分の特等席、と言わんばかりの顔だ。
このシロについては、今朝目を覚ましてからは風邪のような症状もなくなり、すっかり健康体といった様子だ。
治療の内容が内容なだけに、不安が全て取り除けたとは言えないが、これなら当分は問題ないだろう。自分も含め、皆ほっとしているはずだ。
「あはは……すみません、お話し中に。」
「ふふ、構わないさ。君たちの自慢話を聞かされていただけだ。」
「え?」
「おい、また適当な……とも、言えないか。」
ロルフは軽く咳払いし、エトたちの視線に応じた。
「皆、これは素晴らしい成果だ。これほど強力な魔物を大きな被害も無く討伐するのは、そうそうできることじゃない。よくやってくれた!」
エトとスゥが、わあっと笑顔になる。リーシャも目をそらしながらも、口の端は緩んでいる。
「ま、まあ、マイアのおかげよ。魔法の打ち消しがなきゃ……」
「いや、それを考慮してもだ。どれだけ有力なスキルがあったとしても、それを瞬時に作戦に取り入れ、効果的に運用するのは難しい。流石だな、リーシャ。」
「う、う……」
相変わらず褒められるのが苦手なリーシャは、顔を赤くしてどもってしまった。
その隣で、エトとスゥがによによとしている。
「だが、そうだな。」
次にロルフに視線を向けられて、マイアはきょとんとした。
「もちろん、マイアには礼を言わせてほしい。これほどの相手だ、生半可な覚悟じゃ立ち向かえるものじゃない。」
「あ……」
ロルフはマイアの前に歩み寄ると、深く頭を下げた。
「その勇気のおかげで、皆が助かったんだ。本当にありがとう、マイア。」
「……!」
マイアの胸の奥が、暖かく弾んだ。
「ふふ、謙遜することはないよ。マナの森は王都に近い。こんな魔物が人里に現れたら、とんでもない被害が出ていただろうからね。君たちはそれを未然に防いだというわけだ。」
ロルフの言葉に重ねるように、レイナがいう。
『冒険者になって、怪我する前に助けちゃおう!』
いつかのエトの言葉が、鮮やかに脳裏を過る。
突然、胸が何かよくわからないものでいっぱいになり、それがあふれるかのように、ぽろりと涙が落ちた。
「えっ、マイアちゃん、どうしたの?!」
「ど、どっか痛いのだー?!」
「あっ、ち、違うのです、なんだろ、これ……」
慌てるエトたちとロルフをよそに、レイナは興味深そうにそれを見ていた。
「……ふむ。」
そして静かに頷くと、一人マイアの前へと歩みだした。
「ときに、マイア。やりたいことは、見つかったかい?」
「え……?」
それは、ここへ来た時、突然された質問。
意図も、答えも、まったく分からなかった質問。
でも、今なら少し、分かるような気がした。
その質問の意味が。それを問うた、本当の理由が。
マイアは涙を拭うと、レイナの目を真っ直ぐに見た。
「見つかった……かも、しれません。」
「ふふ、そうか。」
レイナはそれを聞き、満足そうに笑った。
「なら、キミはクビだな。マイア。」
その言葉に、レイナとマイアを除いた全員は、思わず各々驚きの声を上げた。
ロルフに至っては言葉を失い、目を白黒させている。
しかし、当のマイアの反応は違った。
「マスター……もしかして、最初から……?」
「おっと、それは買いかぶりというものだよ。私は、キミとの最初の約束を果たしたまでさ。」
そこまで言うと、レイナはちらりとロルフの方を見て、またマイアに視線を戻した。
「それに、近道があるのに回り道というのは、どうも好かないのでね。」
「それは……マスターらしい、ですね。」
レイナは小さく微笑むと、マイアの肩にぽんと手を置き、そのまま歩き去った。
残されたロルフたちは、しばらくぽかんと口を開けていた。
やりたいこと。
自分が、そうありたいと願う、色。
マイアの目には、今まで見えていなかったものが、鮮明に映っていた。
「あ、あの……っ、トワイライトの、皆さん……っ!」
マイアの声は、これまでにないほどにうわずっていた。
それでも、本当の、全力の、自分の言葉だった。
もっとも、その答えなどは――もはや、決まっているようなものだったが。
「……ふむ、大したものだね。」
ロルフとレイナの前には、見たことのない黒い魔物が横たわっていた。
エトたちから、『魔法を使う魔物を撃退した』という報告を聞いたのは、昨日のこと。
その時点では、彼女たちの体力の消費が激しく、日も暮れそうだったため、詳しい確認は翌日に持ち越すことにした。
すぐに現地調査を――と飛び出そうとするレイナを止めるのは大変だったが、ともかく一晩はギルドハウスに泊めてもらい、今日改めてマナの森を訪れたのだ。
しばらく魔物やその周囲を見回った後、レイナはこちらに懐疑的な視線を向けた。
「確認だが、キミのとこのギルド、本当にBランクなんだろうね?」
「はは……その気持ちは、わからんでもない。」
ロルフはそれに苦笑で返した。
「うちのギルドメンバーは、いろいろと規格外なもんでね。」
ロルフやレイナほどの観察眼を持っていれば、魔物自体の大きさや、周囲に残る焦げ跡などの魔法の痕跡を見れば、どれほどの強さの魔物なのかは想像がつく。
それほどの強敵に加えて、この足場と視界の悪さ。普通に考えれば、Bランクでどうにかなるとは到底思えない。
しかし、それをどうにかしてしまうのが、彼女たちなのだ。
溜息はでるが、もはや目を疑いはしない。
「ふぅん……病的に慎重なキミに、そうも言わせるとはね。興味深いことだ。」
「おい。病的は余計だ。」
「キュッキュキューイ!!」
そんな最中、ロルフとレイナの間に、つむじ風のようにシロが舞い込んできた。
「ああっ、邪魔しちゃだめだよ、シロちゃん!」
「にゃはは、シロ助、すっかり完全復活なのだ。」
それを追って、エトとスゥ、そして一足遅れて、リーシャとマイアも駆け寄ってくる。
「おっと、はは、ずいぶん元気になったな。」
「うむ。経過良好、なによりだね。」
「キュイ!」
シロはふわりと舞い上がると、エトの腕の中に滑り込んだ。
まるで、ここが自分の特等席、と言わんばかりの顔だ。
このシロについては、今朝目を覚ましてからは風邪のような症状もなくなり、すっかり健康体といった様子だ。
治療の内容が内容なだけに、不安が全て取り除けたとは言えないが、これなら当分は問題ないだろう。自分も含め、皆ほっとしているはずだ。
「あはは……すみません、お話し中に。」
「ふふ、構わないさ。君たちの自慢話を聞かされていただけだ。」
「え?」
「おい、また適当な……とも、言えないか。」
ロルフは軽く咳払いし、エトたちの視線に応じた。
「皆、これは素晴らしい成果だ。これほど強力な魔物を大きな被害も無く討伐するのは、そうそうできることじゃない。よくやってくれた!」
エトとスゥが、わあっと笑顔になる。リーシャも目をそらしながらも、口の端は緩んでいる。
「ま、まあ、マイアのおかげよ。魔法の打ち消しがなきゃ……」
「いや、それを考慮してもだ。どれだけ有力なスキルがあったとしても、それを瞬時に作戦に取り入れ、効果的に運用するのは難しい。流石だな、リーシャ。」
「う、う……」
相変わらず褒められるのが苦手なリーシャは、顔を赤くしてどもってしまった。
その隣で、エトとスゥがによによとしている。
「だが、そうだな。」
次にロルフに視線を向けられて、マイアはきょとんとした。
「もちろん、マイアには礼を言わせてほしい。これほどの相手だ、生半可な覚悟じゃ立ち向かえるものじゃない。」
「あ……」
ロルフはマイアの前に歩み寄ると、深く頭を下げた。
「その勇気のおかげで、皆が助かったんだ。本当にありがとう、マイア。」
「……!」
マイアの胸の奥が、暖かく弾んだ。
「ふふ、謙遜することはないよ。マナの森は王都に近い。こんな魔物が人里に現れたら、とんでもない被害が出ていただろうからね。君たちはそれを未然に防いだというわけだ。」
ロルフの言葉に重ねるように、レイナがいう。
『冒険者になって、怪我する前に助けちゃおう!』
いつかのエトの言葉が、鮮やかに脳裏を過る。
突然、胸が何かよくわからないものでいっぱいになり、それがあふれるかのように、ぽろりと涙が落ちた。
「えっ、マイアちゃん、どうしたの?!」
「ど、どっか痛いのだー?!」
「あっ、ち、違うのです、なんだろ、これ……」
慌てるエトたちとロルフをよそに、レイナは興味深そうにそれを見ていた。
「……ふむ。」
そして静かに頷くと、一人マイアの前へと歩みだした。
「ときに、マイア。やりたいことは、見つかったかい?」
「え……?」
それは、ここへ来た時、突然された質問。
意図も、答えも、まったく分からなかった質問。
でも、今なら少し、分かるような気がした。
その質問の意味が。それを問うた、本当の理由が。
マイアは涙を拭うと、レイナの目を真っ直ぐに見た。
「見つかった……かも、しれません。」
「ふふ、そうか。」
レイナはそれを聞き、満足そうに笑った。
「なら、キミはクビだな。マイア。」
その言葉に、レイナとマイアを除いた全員は、思わず各々驚きの声を上げた。
ロルフに至っては言葉を失い、目を白黒させている。
しかし、当のマイアの反応は違った。
「マスター……もしかして、最初から……?」
「おっと、それは買いかぶりというものだよ。私は、キミとの最初の約束を果たしたまでさ。」
そこまで言うと、レイナはちらりとロルフの方を見て、またマイアに視線を戻した。
「それに、近道があるのに回り道というのは、どうも好かないのでね。」
「それは……マスターらしい、ですね。」
レイナは小さく微笑むと、マイアの肩にぽんと手を置き、そのまま歩き去った。
残されたロルフたちは、しばらくぽかんと口を開けていた。
やりたいこと。
自分が、そうありたいと願う、色。
マイアの目には、今まで見えていなかったものが、鮮明に映っていた。
「あ、あの……っ、トワイライトの、皆さん……っ!」
マイアの声は、これまでにないほどにうわずっていた。
それでも、本当の、全力の、自分の言葉だった。
もっとも、その答えなどは――もはや、決まっているようなものだったが。
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