65 / 122
第65話 恒例の歓迎会②
しおりを挟む
「あー……つまり、体にいいと思って、その薬草やらなんやらを入れたわけだな……」
「はい……すみません……」
ロルフの指さす、様々な植物や粉末や何かのビンをちらりと見て、マイアはしゅんと頭を下げた。
なるほど、つまりこれは、料理の形をした滋養強壮薬というわけか……。
再び、卓上のプリン――の、ようなもの――に視線を戻し、ロルフは思わず苦笑した。
流石は元クインシールド……と、いうべきかは迷うところだが、事実、目を覚ましたロルフの体調はすこぶるよくなっていた。
薬としては、良い出来なのだ。薬としては。
そんなわけで、別室で伸びているエトたちに関しては、問題はないのだろうが――
「……まあ、失敗は誰にでもあるというか、なんというか……」
「はい……」
ことマイアに関しては、それはもう見事な落ち込みようで、折れ曲がった耳はもはや頬につきそうなほどだった。
何とか励ましてやりたいところだが、自分もまたマイアの手料理で倒れた一人であるわけで、言葉選びがとても難しい。
そんなわけで、しばらくうーんと唸っていると、マイアがふいに口を開いた。
「私は……お役に、立てるのでしょうか。」
「……ん?」
ぽつりと出たその言葉に、思わず聞き返すが、マイアは依然うつむたいままだった。
「おいおい、大げさだなぁ。別にお手伝いさんとして来てもらった訳じゃないんだし、そもそも料理なら、エトとリーシャが――」
「いえ……それだけのことでは、ないのです。」
ロルフはふと、マイアと二人で話すのが、初めてだということに気づいた。
開きかけた口を止め、ロルフはマイアの次の言葉を待った。
少しの沈黙を挟んで、マイアは再び、ゆっくりと口を開いた。
「……私は、確かに、エトと、リーシャと、スゥと……みんなと、戦いたいと思いました。……でも、今でも。……こうやって、トワイライトの一員にして頂いた、今でも――」
両手の拳を、静かにぎゅっと握る。
「みんなの役に立てる自信が、ないのです。」
「……」
ロルフは目を閉じ、腕を組んで、その話を聞いていた。
なるほど。
落ち込んでいた理由は、料理のことだけでは無かったのか。
エト達の連携を見たのであれば、自分が足を引っ張ると考えるのも無理はない。
そもそも、マイアは治癒術師。戦闘に自信を持てというのも、おかしな話だ。
不得意な料理をしたのも、少しでも役に立たなければという、焦りの気持ちがあったのかもしれない。
組んだ腕をほどき、ロルフは自分の手を見た。
しかし、役に立てる自信がない、か……
思わず、小さく笑みが漏れる。
マイアほどの才能を持っていても、そう思ってしまうものなんだな。
ロルフは膝を軽く叩くと、立ち上がった。
「よし。マイアの目は、魔力が見えるんだよな。」
「……? はい、そうですが……」
「その力で、俺の体を見てほしいんだ。」
「??」
マイアは不思議そうに首を傾けたが、ロルフはそれでも、催促するように頷いた。
納得の行かない表情のまま、マイアは『目』を開いた。
「……え。」
――そこには、何も、映らなかった。
もちろん、通常の視力が失われるわけではないので、正確には『何も追加情報がなかった』と表現するべきかもしれないが――とにかくロルフの体には、魔力の一切が見えなかったのだ。
「ど、どうして……?!」
「うん、その様子だと、ちゃんと見えるみたいだな。いや、ちゃんと見えない、が正しいか?」
手とこちらを交互に見比べるマイアに、ロルフはあえて冗談めいた言い方をした。
「俺は、無魔力症でね。生まれつき、一切の魔力がないんだ。」
「――?!」
マイアは思わず、開いた口を手で覆った。
種族差、個人差はあれど、人は基本的に大なり小なり魔力が通っている。
冒険者は、それを利用して身体能力を強化したり、魔法を使ったりするのだ。
だから、魔力が無いというのは、それだけで様々な適性が無いというのと同じ。
治癒術師であるマイアは、当然その症状を知っていた。
心無い人たちに、『無能症』と呼ばれ、蔑まれていることも。
「そんなわけでな。俺も、自分が役に立つのか自問自答することは、何度もあったよ。お前の気持ちも、分かるつもりだ。」
「そ、そんな……私……」
動揺するマイアと対照的に、ロルフは落ち着いた笑いを見せた。
「とはいえ――すまないが、俺もその不安を消せる、特効薬みたいな言葉は知らないんだ。こればっかりは、頑張れとしか言えなくてな。」
「……」
「でもな、マイア。」
ロルフは隣に腰掛けると、マイアの目を見て、力強く頷いた。
その目は、とても暖かくて、優しい色をしていた。
「その気持ちは、前に進もうとする心の、ほんの一部だ。お前は、何も間違ってないぞ。」
「……!」
胸の中の不安が、不思議と熱を帯びてゆくように感じる。
エトが、みんなが、マスターを信頼している理由が――少しだけ、分かったような気がした。
「それに、マイアがそう真剣に考えてくれたことが、俺は嬉しい。エトも、リーシャも、スゥも、きっとそう思うはず――」
「もちろん、そうにきまってるのだっ!」
「あ……っ、あわっ! スゥちゃ……っ」
「ば、バカ、急に動いた……らぁっ!」
「!」
突然、隣の部屋の扉が開き、三人が重なるようにしてなだれ込んできたので、ロルフもマイアも驚いて立ち上がった。
「おいおい、なんだお前ら、起きてたのか?」
「あ、あはは……その、ちょっと前に……」
「わっ、私は……なんか大事そうな話をしてたから、その、タイミングを計ってただけで……」
「みんなマイアの事が気になって、ずっと話を聞いてたのだ!」
重なったまま、エトは指先を合わせて気まずそうに目を逸らし、リーシャは手を組んでそっぽを向き、スゥは元気よく手を上げて事情を暴露した。
しかし程なくして、そこからぴょいとスゥが離れると、残ったエトとリーシャは飛びつくようにロルフに詰め寄った。
「っていうか、無魔力症ってなによ! 聞きてないんだけど!」
「そ、そうですよっ! ロルフさん、魔力使えなかったんですか?!」
「あ、ああ……まあ付与魔法は魔力なくても使えるし、わざわざ言うことでもないかと思って……」
「言うことですよっ!!」「言うことよっ!!」
「す、すまん。」
二人の圧に押され、両手を上げて謝罪するロルフを見て、マイアは思わず、くすっと笑った。
その声にはっとして、みんな口を止め、マイアの方を見た。
「ありがとうございます、マスター。それに、みんなも。」
「……ああ。改めて、『トワイライト』へようこそ。マイア。」
窓から差し込むオレンジ色の光が、みんなの笑顔を暖かく照らしていた。
それはなんだか、とても幸せな光景に見えて。
マイアも自然と、柔らかい笑顔になっていた。
「……あ! そうだ、歓迎会!」
「キューイ!」
ぽん、と手を叩くエトの腕の中に、どこからか飛んできたシロが、すっぽりと滑り込む。
「あれ、シロ助、どこいってたのだ?」
「食べ物の話したら出てくるんだから、調子いいヤツねぇ。」
「いや、これで意外と、ちゃんと祝いに来たのかもしれないぞ?」
「ふふ、すっかりギルドのマスコットなのですね。」
「キュ~~イ」
そうです、と言わんばかりに首を伸ばすシロに、皆で苦笑する。
そんなこんなで始まった歓迎会は、夜まで大いに盛り上がったのだった。
「はい……すみません……」
ロルフの指さす、様々な植物や粉末や何かのビンをちらりと見て、マイアはしゅんと頭を下げた。
なるほど、つまりこれは、料理の形をした滋養強壮薬というわけか……。
再び、卓上のプリン――の、ようなもの――に視線を戻し、ロルフは思わず苦笑した。
流石は元クインシールド……と、いうべきかは迷うところだが、事実、目を覚ましたロルフの体調はすこぶるよくなっていた。
薬としては、良い出来なのだ。薬としては。
そんなわけで、別室で伸びているエトたちに関しては、問題はないのだろうが――
「……まあ、失敗は誰にでもあるというか、なんというか……」
「はい……」
ことマイアに関しては、それはもう見事な落ち込みようで、折れ曲がった耳はもはや頬につきそうなほどだった。
何とか励ましてやりたいところだが、自分もまたマイアの手料理で倒れた一人であるわけで、言葉選びがとても難しい。
そんなわけで、しばらくうーんと唸っていると、マイアがふいに口を開いた。
「私は……お役に、立てるのでしょうか。」
「……ん?」
ぽつりと出たその言葉に、思わず聞き返すが、マイアは依然うつむたいままだった。
「おいおい、大げさだなぁ。別にお手伝いさんとして来てもらった訳じゃないんだし、そもそも料理なら、エトとリーシャが――」
「いえ……それだけのことでは、ないのです。」
ロルフはふと、マイアと二人で話すのが、初めてだということに気づいた。
開きかけた口を止め、ロルフはマイアの次の言葉を待った。
少しの沈黙を挟んで、マイアは再び、ゆっくりと口を開いた。
「……私は、確かに、エトと、リーシャと、スゥと……みんなと、戦いたいと思いました。……でも、今でも。……こうやって、トワイライトの一員にして頂いた、今でも――」
両手の拳を、静かにぎゅっと握る。
「みんなの役に立てる自信が、ないのです。」
「……」
ロルフは目を閉じ、腕を組んで、その話を聞いていた。
なるほど。
落ち込んでいた理由は、料理のことだけでは無かったのか。
エト達の連携を見たのであれば、自分が足を引っ張ると考えるのも無理はない。
そもそも、マイアは治癒術師。戦闘に自信を持てというのも、おかしな話だ。
不得意な料理をしたのも、少しでも役に立たなければという、焦りの気持ちがあったのかもしれない。
組んだ腕をほどき、ロルフは自分の手を見た。
しかし、役に立てる自信がない、か……
思わず、小さく笑みが漏れる。
マイアほどの才能を持っていても、そう思ってしまうものなんだな。
ロルフは膝を軽く叩くと、立ち上がった。
「よし。マイアの目は、魔力が見えるんだよな。」
「……? はい、そうですが……」
「その力で、俺の体を見てほしいんだ。」
「??」
マイアは不思議そうに首を傾けたが、ロルフはそれでも、催促するように頷いた。
納得の行かない表情のまま、マイアは『目』を開いた。
「……え。」
――そこには、何も、映らなかった。
もちろん、通常の視力が失われるわけではないので、正確には『何も追加情報がなかった』と表現するべきかもしれないが――とにかくロルフの体には、魔力の一切が見えなかったのだ。
「ど、どうして……?!」
「うん、その様子だと、ちゃんと見えるみたいだな。いや、ちゃんと見えない、が正しいか?」
手とこちらを交互に見比べるマイアに、ロルフはあえて冗談めいた言い方をした。
「俺は、無魔力症でね。生まれつき、一切の魔力がないんだ。」
「――?!」
マイアは思わず、開いた口を手で覆った。
種族差、個人差はあれど、人は基本的に大なり小なり魔力が通っている。
冒険者は、それを利用して身体能力を強化したり、魔法を使ったりするのだ。
だから、魔力が無いというのは、それだけで様々な適性が無いというのと同じ。
治癒術師であるマイアは、当然その症状を知っていた。
心無い人たちに、『無能症』と呼ばれ、蔑まれていることも。
「そんなわけでな。俺も、自分が役に立つのか自問自答することは、何度もあったよ。お前の気持ちも、分かるつもりだ。」
「そ、そんな……私……」
動揺するマイアと対照的に、ロルフは落ち着いた笑いを見せた。
「とはいえ――すまないが、俺もその不安を消せる、特効薬みたいな言葉は知らないんだ。こればっかりは、頑張れとしか言えなくてな。」
「……」
「でもな、マイア。」
ロルフは隣に腰掛けると、マイアの目を見て、力強く頷いた。
その目は、とても暖かくて、優しい色をしていた。
「その気持ちは、前に進もうとする心の、ほんの一部だ。お前は、何も間違ってないぞ。」
「……!」
胸の中の不安が、不思議と熱を帯びてゆくように感じる。
エトが、みんなが、マスターを信頼している理由が――少しだけ、分かったような気がした。
「それに、マイアがそう真剣に考えてくれたことが、俺は嬉しい。エトも、リーシャも、スゥも、きっとそう思うはず――」
「もちろん、そうにきまってるのだっ!」
「あ……っ、あわっ! スゥちゃ……っ」
「ば、バカ、急に動いた……らぁっ!」
「!」
突然、隣の部屋の扉が開き、三人が重なるようにしてなだれ込んできたので、ロルフもマイアも驚いて立ち上がった。
「おいおい、なんだお前ら、起きてたのか?」
「あ、あはは……その、ちょっと前に……」
「わっ、私は……なんか大事そうな話をしてたから、その、タイミングを計ってただけで……」
「みんなマイアの事が気になって、ずっと話を聞いてたのだ!」
重なったまま、エトは指先を合わせて気まずそうに目を逸らし、リーシャは手を組んでそっぽを向き、スゥは元気よく手を上げて事情を暴露した。
しかし程なくして、そこからぴょいとスゥが離れると、残ったエトとリーシャは飛びつくようにロルフに詰め寄った。
「っていうか、無魔力症ってなによ! 聞きてないんだけど!」
「そ、そうですよっ! ロルフさん、魔力使えなかったんですか?!」
「あ、ああ……まあ付与魔法は魔力なくても使えるし、わざわざ言うことでもないかと思って……」
「言うことですよっ!!」「言うことよっ!!」
「す、すまん。」
二人の圧に押され、両手を上げて謝罪するロルフを見て、マイアは思わず、くすっと笑った。
その声にはっとして、みんな口を止め、マイアの方を見た。
「ありがとうございます、マスター。それに、みんなも。」
「……ああ。改めて、『トワイライト』へようこそ。マイア。」
窓から差し込むオレンジ色の光が、みんなの笑顔を暖かく照らしていた。
それはなんだか、とても幸せな光景に見えて。
マイアも自然と、柔らかい笑顔になっていた。
「……あ! そうだ、歓迎会!」
「キューイ!」
ぽん、と手を叩くエトの腕の中に、どこからか飛んできたシロが、すっぽりと滑り込む。
「あれ、シロ助、どこいってたのだ?」
「食べ物の話したら出てくるんだから、調子いいヤツねぇ。」
「いや、これで意外と、ちゃんと祝いに来たのかもしれないぞ?」
「ふふ、すっかりギルドのマスコットなのですね。」
「キュ~~イ」
そうです、と言わんばかりに首を伸ばすシロに、皆で苦笑する。
そんなこんなで始まった歓迎会は、夜まで大いに盛り上がったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
ファンタジー
万年Eランクで弓使いの冒険者【クルス】には目標があった。
十数年かけてため込んだ魔力を使って課題魔法を獲得し、冒険者ランクを上げたかったのだ。
そんな大事な魔力を、心優しいクルスは仲間の危機を救うべく"状態異常耐性"として使ってしまう。
おかげで辛くも勝利を収めたが、リーダーの魔法剣士はあろうことか、命の恩人である彼を、嫉妬が原因でパーティーから追放してしまう。
夢も、魔力も、そしてパーティーで唯一慕ってくれていた“魔法使いの後輩の少女”とも引き離され、何もかもをも失ったクルス。
彼は失意を酩酊でごまかし、死を覚悟して禁断の樹海へ足を踏み入れる。そしてそこで彼を待ち受けていたのは、
「獲物、来ましたね……?」
下半身はグロテスクな植物だが、上半身は女神のように美しい危険度SSの魔物:【アルラウネ】
アルラウネとの出会いと、手にした"状態異常耐性"の力が、Eランク冒険者クルスを新しい人生へ導いて行く。
*前作DSS(*パーティーを追い出されたDランク冒険者、声を失ったSSランク魔法使い(美少女)を拾う。そして癒される)と設定を共有する作品です。単体でも十分楽しめますが、前作をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
また三章より、前作キャラクターが多数登場いたします!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる