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第2章
うきうきウォチング
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前話の続きです。
目の覚めるような、キラキラと輝く金髪をシンプルなベレッタで纏めあげ、レースの襟袖のシンプルなワンピース姿のヴィクトリア。バイカラーの配色が清楚さを引き立て、とてもよく似合っている。大通りを歩くヴィクトリアとレオニダス。二人を少し離れた場所から見つめる少年は思った。
(なんでそんな目立つ格好なんだ!見るからに何処かの令嬢じゃないか!街にでるならもっと地味で目立たない格好をしろ!護衛も付けず二人きりで・・・・大体ハンスも居ないじゃないか!レオニダスだけでお前を守れると思ってるのか!?そこまで信頼してるのか!)
苛立ちを隠そうともせず、オズワルドがブツブツと呟く。
「護衛を付けてないのは、僕らも同じなんだけどね。」
グレイのツッコミに、オズワルドは「俺達は、いいんだ。お前と俺とでそう易易とやられるわけがないだろ?それに今は、命は狙われたりしない。」っと返す。
グレイやオズワルドよりも、心配なのはヴィクトリアだ。着飾らなくてもその容姿や所作で、令嬢とわかる彼女。いや、令嬢でなくてもその息をのむような美しさ。少女でいて色気を併せ持つ雰囲気が嫌でも人目を集めてしまう。それが、背の低目の幼い顔の少年と無防備に歩いているのだ。下手な路地にでも迷い込んでみろ、襲って下さいと言っているようなものじゃないか。っとオズワルドは気をやきもきとさせる。
「ハンスは、何故二人で街にでるのを許したんだ。あいつはヴィクトリアの護衛も兼ね備えているんだろ!?ったく!」
「まぁまぁ。付き纏いついでに僕等が護衛になればいいんじゃない?」
「付き纏いってなんの事だ。」
「え?ヴィクトリアに対する、いつものオズの行動。」
「俺は別に付き纏ってなどいない。」
「うわー。無自覚ほど質の悪いものってないよね。」
呆れたように話すグレイの言葉に、オズワルドは眉を顰めた。
「あっ。どうやら武器屋に入るみたいだぞ。」
「デートにしては、色気のないチョイスだね。武器屋セレクトって・・・・レオニダス?いや、案外ヴィクトリアの方だったりして。」
◆◆◆
ートントントン。
ートントントン。
ートントントントン。
ートントントン。
武器屋の出入口を鋭い眼光で睨みつけるオズワルド。その側で、グレイはダージリンの香りを愉しんでいる。
「オズ・・・・。足でリズムとるのやめて。鬱陶しい。」
店の中まで追っかける訳にも行かず、向かいのカフェで様子を伺う事にした。風魔法を使い、音だけを拾っている。
「得意魔法じゃないから。精度はいまいちだけど。何となく会話は聞こえる筈だよ。」
「ちっ。こんな事なら風魔法の強化をしておくんだったな。」
イライラとしながら、組んだ足で貧乏揺すりをするオズワルド。サラッと盗聴をしている二人。犯罪である。
『逃げたりしねーよ。』
断片的に聞こえる会話が、余計に苛立ちを募らせる。
「デートなのか?デートじゃないのか?どっちなんだ?」
「さぁ。」
『お嬢に・・・・・・。』
『・・・・・・約束したしな。』
途切れて聞こえる言葉は、親密な様子が伺えて・・・・
「なんだ!?ちょっと深い仲のように聞こえるぞ!?」
「まぁ、オズよりは深い仲だろうね。」
狼狽えるオズワルドに、グレイは返す。そうして決定的な一言が二人の耳に入ってきた。
『私が、付き合って差し上げますわ。』
「「は!?」」
ガタタッ。思わず立ち上がるオズワルド。目を見開くグレイ。
「今?なんて?付き合うとかナントカって聞こえたが。」
オズワルドの声は震えている。
「そうだね。付き合うって・・・・ヴィクトリアの声だったね。」
顎に手をあて呟くグレイ。(まさか、レオニダスとヴィクトリアが?本当に?ハンスならまだしも・・・・レオニダスと?)端正な顔を歪める。
「おい!出てきたぞ!追いかけるぞ!」
武器屋から出てきた二人。オズワルドの命令に、グレイは渋々腰をあげる。
(あー。ほんと不愉快。折角の休日に、なんであの二人のデートなんか見なきゃならないんだ。気分が悪い。面白くない。オズワルドもレオニダスも、さっさと振られてしまえばいいのに。)
ーグレイは、前をいくオズワルドと、その先にいるレオニダスに向けて冷たい視線を向けるのだった。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
レオニダス「なんかさっきから、背筋の凍るような冷たさと、焼け付くような熱さを感じるんだけど。」
ヴィクトリア「あら?風邪でも引いたの?お馬鹿は風邪ひかないっていうのに・・・・変ね。」
レオニダス「お嬢。ひっでー。そこは嘘でも『大丈夫?』って優しく聞くところだろ?」
オズワルド「くっ!俺の前でイチャイチャと・・・・」
グレイ「はいはい。嫉妬の炎はやめなって。」
っといいつつ、冷気が漏れるグレイも似たり寄ったり・・・・。
目の覚めるような、キラキラと輝く金髪をシンプルなベレッタで纏めあげ、レースの襟袖のシンプルなワンピース姿のヴィクトリア。バイカラーの配色が清楚さを引き立て、とてもよく似合っている。大通りを歩くヴィクトリアとレオニダス。二人を少し離れた場所から見つめる少年は思った。
(なんでそんな目立つ格好なんだ!見るからに何処かの令嬢じゃないか!街にでるならもっと地味で目立たない格好をしろ!護衛も付けず二人きりで・・・・大体ハンスも居ないじゃないか!レオニダスだけでお前を守れると思ってるのか!?そこまで信頼してるのか!)
苛立ちを隠そうともせず、オズワルドがブツブツと呟く。
「護衛を付けてないのは、僕らも同じなんだけどね。」
グレイのツッコミに、オズワルドは「俺達は、いいんだ。お前と俺とでそう易易とやられるわけがないだろ?それに今は、命は狙われたりしない。」っと返す。
グレイやオズワルドよりも、心配なのはヴィクトリアだ。着飾らなくてもその容姿や所作で、令嬢とわかる彼女。いや、令嬢でなくてもその息をのむような美しさ。少女でいて色気を併せ持つ雰囲気が嫌でも人目を集めてしまう。それが、背の低目の幼い顔の少年と無防備に歩いているのだ。下手な路地にでも迷い込んでみろ、襲って下さいと言っているようなものじゃないか。っとオズワルドは気をやきもきとさせる。
「ハンスは、何故二人で街にでるのを許したんだ。あいつはヴィクトリアの護衛も兼ね備えているんだろ!?ったく!」
「まぁまぁ。付き纏いついでに僕等が護衛になればいいんじゃない?」
「付き纏いってなんの事だ。」
「え?ヴィクトリアに対する、いつものオズの行動。」
「俺は別に付き纏ってなどいない。」
「うわー。無自覚ほど質の悪いものってないよね。」
呆れたように話すグレイの言葉に、オズワルドは眉を顰めた。
「あっ。どうやら武器屋に入るみたいだぞ。」
「デートにしては、色気のないチョイスだね。武器屋セレクトって・・・・レオニダス?いや、案外ヴィクトリアの方だったりして。」
◆◆◆
ートントントン。
ートントントン。
ートントントントン。
ートントントン。
武器屋の出入口を鋭い眼光で睨みつけるオズワルド。その側で、グレイはダージリンの香りを愉しんでいる。
「オズ・・・・。足でリズムとるのやめて。鬱陶しい。」
店の中まで追っかける訳にも行かず、向かいのカフェで様子を伺う事にした。風魔法を使い、音だけを拾っている。
「得意魔法じゃないから。精度はいまいちだけど。何となく会話は聞こえる筈だよ。」
「ちっ。こんな事なら風魔法の強化をしておくんだったな。」
イライラとしながら、組んだ足で貧乏揺すりをするオズワルド。サラッと盗聴をしている二人。犯罪である。
『逃げたりしねーよ。』
断片的に聞こえる会話が、余計に苛立ちを募らせる。
「デートなのか?デートじゃないのか?どっちなんだ?」
「さぁ。」
『お嬢に・・・・・・。』
『・・・・・・約束したしな。』
途切れて聞こえる言葉は、親密な様子が伺えて・・・・
「なんだ!?ちょっと深い仲のように聞こえるぞ!?」
「まぁ、オズよりは深い仲だろうね。」
狼狽えるオズワルドに、グレイは返す。そうして決定的な一言が二人の耳に入ってきた。
『私が、付き合って差し上げますわ。』
「「は!?」」
ガタタッ。思わず立ち上がるオズワルド。目を見開くグレイ。
「今?なんて?付き合うとかナントカって聞こえたが。」
オズワルドの声は震えている。
「そうだね。付き合うって・・・・ヴィクトリアの声だったね。」
顎に手をあて呟くグレイ。(まさか、レオニダスとヴィクトリアが?本当に?ハンスならまだしも・・・・レオニダスと?)端正な顔を歪める。
「おい!出てきたぞ!追いかけるぞ!」
武器屋から出てきた二人。オズワルドの命令に、グレイは渋々腰をあげる。
(あー。ほんと不愉快。折角の休日に、なんであの二人のデートなんか見なきゃならないんだ。気分が悪い。面白くない。オズワルドもレオニダスも、さっさと振られてしまえばいいのに。)
ーグレイは、前をいくオズワルドと、その先にいるレオニダスに向けて冷たい視線を向けるのだった。
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レオニダス「なんかさっきから、背筋の凍るような冷たさと、焼け付くような熱さを感じるんだけど。」
ヴィクトリア「あら?風邪でも引いたの?お馬鹿は風邪ひかないっていうのに・・・・変ね。」
レオニダス「お嬢。ひっでー。そこは嘘でも『大丈夫?』って優しく聞くところだろ?」
オズワルド「くっ!俺の前でイチャイチャと・・・・」
グレイ「はいはい。嫉妬の炎はやめなって。」
っといいつつ、冷気が漏れるグレイも似たり寄ったり・・・・。
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