狐メイドは 絆されない

一花八華

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狐メイドは、慕われる

セイ様というお方

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「クロミツ。お主は二番目の儂の下僕じゃ。」

 たまも様の膝の上に頭をのせ、ワタクシはうっとりと微睡んでおります。ええ。至福の時です。

「儂には、アルという下僕がおるのじゃ。そやつは数日前にふらりと出ていったきり帰って来ておらぬ。一体何処で何をしておるのやら。」

 ぷりぷりと憤慨なさるたまも様。怒る姿も可愛いです。その膨らんだほっぺを鼻先でつんつんしたいです。そんな事したら、セイ様の邪眼で射殺されてしまうでしょうけれど。

 ワタクシ。学習しました。この家では、セイ様が最強です。セイ様には逆らえません。セイ様怖い。セイ様凄すぎです。
 たまも様がワタクシと契約しても魔力が枯渇しないのは、たまも様のアルジがセイ様だからです。たまも様を通してセイ様の魔力を頂いてるんですね。ワタクシ。セイ様の魔力うまうまです。お陰様で前より強くなった気がします。そして、ワタクシとたまも様に魔力を分け与えても有り余るセイ様。貴方・・・・本当に何者ですか?バケモノですか?

 しかし、あれですね。ワタクシは二番目なのですね。ええ。たまも様は魅力的なお狐様ですもの。下僕が複数いるのは仕方ありません。むしろ下僕にしていただけた事に感謝すべきです。しかしなんでしょう。たまに耳にするアルという輩の存在は、ワタクシの嫉妬心を確実に煽っていきます。

「アルですか?アルは、ダメ人間ですよ?あっ・・・・人間という括りにするのも烏滸がましいですね。アレをみたら、躊躇わずに噛み付きなさい。」

 気にするワタクシに、セイ様はそうおっしゃいました。あれ?セイ様。ワタクシの言葉がわかるのですか?

「わぅわぅ?」

「たまもさんの眷属ですからね。言葉は交わせる筈ですよ?それに、アナタが望むなら、人型にだってなれる筈です。その努力をするというなら、僕もアナタに協力しますよ?魔力も直接分け与えても構いません。」

 にっこり微笑むセイ様。因みに、アルという先達には、魔力は一滴たりとも分け与えてないとか。「アレは自分でなんとかしますから、ほおっておいて大丈夫です。何より僕は、勝手にたまもさんと契約したのを許していませんから。ええ。契約破棄なんて僕の手にかかれば・・・・今はあえて好きにさせてますけどね。」っと黒い笑みを浮かべておりました。

 アルとやら・・・・貴方一体何をしてでていったんですか?セイ様のドス黒いオーラが駄々漏れしてます!ヒィッ!お股に尻尾挟んじゃうよ案件です!ふわわっ。ちょっぴりちびっちゃいました。きょわいッッ。


「クロミツ」
「わふ!!」

何でしょうか!セイ様!!

「貴方は、たまもさんの事を心から慕ってますね。」
「わふふ!」

もちろんです!

「貴方は、たまもさんから離れないでくれますか?」
「わふん!わふわふ!」

離れろといっても離れませんよ!命ある限り、たまも様のお側に!


「そうですか。その気持ち、忘れないで下さいね。」

 ふわっ!?セイ様の手が、ワタクシの頭を優しく撫でております!冷たくて滑らかなセイ様の指先。なんと心地よいのでしょう!そこっ!そこはダメですっそのように撫でられると!!ああっ!たまも様が耳を撫で上げられる時に、くすぐったそうにしながらも、うっとりとされていらっしゃった理由が、今ならわかります。セイ様の指は、ゴッドフィンガーとかいう奴ですね!わかります!もっと触って・・・・ってダメです!主の主にそのような事を!!


「それじゃ、クロミツ。明日から特訓しましょう。」
「わっふ?」

はひ?

「たまもさんを守る為に、アナタが使える下僕になって貰わないと。」


ニコニコと笑うセイ様。あっ・・・・なんだろ。悪寒が。寒気が。胃がキューンって。尻尾巻いても落ち着かない。


「大丈夫ですよ。そんなに怯えなくても。ちょっとばかり激痛を経験し、トラウマを2・3個覚えて、死にかけちゃったりするくらいですから。」

「大丈夫大丈夫。死なないようにちゃんと僕がフォローしますから。アナタが死ぬと、たまもさん・・・・泣いちゃいますし。ええ。たまもさんを泣かせるなんて許し難い愚行ですから。」



 


「たまもさんの為です。できますよね?」


 にっこりと笑うセイ様。ワタクシの答えは、イエスかはいか・・・・拒否のしようがありません。沈黙も肯定に含まれます。

 ああ。神様。やっぱりセイ様は、恐ろしいです。この世で一番恐ろしい変態です。たまも様愛好家特殊性癖です。この人、たまも様の事しか考えてない。この人、きっとたまも様の為なら世界も敵に回すに違いありません。あっもちろんワタクシもですけれど。

 さぁ、明日から地獄の特訓なのですね。ええ。頑張りますよ!愛しの我が君とその主様の為ですもの。ワタクシ、お二人のお役に立つ立派な忠犬になって見せます!



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